問われているトップリーダーの資質 Part2
前回記事「問われているトップリーダーの資質」の最後に「自治体の首長以上にトップリーダーとしての資質が問われていた石破総理の言動に対し、いろいろ思うことがありました。自民党総裁=総理大臣という構図にならない可能性もありますが、自民党内の新たなトップリーダー争いを見据えながら次回以降の記事で、この続きを書き進めていければ」と記していました。
自民党総裁選は週明け月曜日に告示され、10月4日が投開票日です。立候補者の顔ぶれは決まり、昨年の総裁選にも手を挙げた5人の争いとなる見通しです。東洋経済オンラインで『「フルスペック選挙」は自爆行為なのにそれもわからず、10月4日の自民党総裁選挙は自民党と日本政治を滅ぼすだけだ』という辛辣な記事を目にしています。
「解党的出直し」を訴えていながら旧態依然とした長老や旧派閥の影響が取り沙汰され、候補者の資質や政策の優劣が二の次になる様相です。どのように「勝ち馬に乗るか」という思惑が目立ち、前掲した記事の見立てのとおりメディアの注目が集まれば集まるほど自民党に対する失望感は高まっていくのかも知れません。
そもそも次期総裁の有力候補を思い浮かべた時、それならば石破総理のほうが無難ではないか、このような巷の見方が多かったようです。参院選惨敗後、内閣支持率が上昇し、石破総理の続投を望む声が目立ったことも、そのような理由が大きかったように思っています。石破内閣は衆院で少数与党に転落しながらも予算案を通し、トランプ関税にも一定の決着をはかっていました。
「Part2」として書き進めているトップリーダーの資質として、石破総理には後述するような問題点が顕著でした。それでも評価すべき事例が多々あったことも確かです。森友学園問題の文書開示が進んだことは石破総理だったからだと言えます。近隣諸国との融和ムードが高まりつつあることも「石破内閣ならでは」だと思っています。
ディリー新潮の『進次郎・高市出馬で見えた"自民分裂"の近未来 石破おろし」に批判噴出の自民は「旧安倍派を断ち切るしかない」』という見出しの記事の中では「菅政権のGoToトラベルや岸田政権の国葬などに比べて、石破首相は世論に反することは行っていない」とまで石破総理を持ち上げています。
その一方で、指摘しなければならない石破総理の資質の問題を昨年秋の記事「衆院解散、より望ましい政治への転換を!」「明日は衆院選投票日、正直な政治への転換を!」などで伝えてきています。裏金議員を衆院選で原則公認する方針でしたが、世論や党内からの批判が激しく、その方針を一転させていました。
非公認となる閣僚経験者は総裁選前に石破総理から「非公認は絶対にないと内々に言われ、応援したのに裏切られた」と憤っていました。仲間内の問題だったとしても、石破総理は「平気で嘘をつく」という見られ方が強まった事例の一つです。
臨機応変の柔軟な判断、もしくは「聞く力」を発揮したというよりも、持論を覆して解散時期を早めた問題をはじめ、またブレたという残念な意味での方針転換だったと言えます。「党内野党」的な立場の時は切れ味の鋭い正論を繰り返していた石破総理だったため、参院選後の責任の処し方などに対し、特大ブーメランが何回も刺さり続けていました。
今回の自民党総裁選でも各候補者が様々な公約を発表しています。石破総理は昨年の総裁選の時点で、マイナ保険証への一本化について「納得しない人がいれば、併用も選択肢として当然」と発言していました。しかしながら紙の健康保険証を予定通り12月2日に廃止し、その後も政府方針を変えるような動きは見られないままでした。
参院選前、石破総理は給付金について考えていないと国会で答弁していながら、その2日後に2万円の現金給付を発表するという不誠実な対応を示していました。やはりトップリーダーの資質として、正直さや誠実さをはじめ、自らの発言に対する責任の重さをかみしめられることが求められているはずです。
たいへん残念ながら石破総理には、その自覚が乏しかったように思えてなりません。読売新聞と毎日新聞が参院選直後、石破総理の退陣を報道したことが「誤報」とされました。ただ『安倍首相の元番記者「私だったらブチギレます」石破首相の番記者に同情「事実と違うことを」』という記事のような見方もあります。
弁護士の郷原信郎さんは『読売「首相退陣誤報」“検証記事”による「虚偽説明」批判は、現職首相への重大な名誉毀損』と批判されていますが、ジャーナリストの鮫島浩さんはブログで『石破総理と読売新聞の「全面戦争」──石破退陣報道は「誤報」だったのか?』という経緯等を伝えています。
石破総理の政治的な立ち位置を踏まえれば、もっと頑張って欲しかったという気持ちもあります。しかしながら昨年1月に投稿した「『国防』から思うこと」を通して伝えていたような石破総理の至らなさは、総理大臣に就任する前から懸念していたことを思い出しています。「石破らしさを失った」と悔しまれていましたが、そのような結果も自らの力不足の一つだったのではないでしょうか。
最後に、有力候補である小泉農相の「重要な判断は地元の皆さんの声を伺いながら」という発言ですが、国会議員として地元を大事することは当たり前なことです。ただ一国のトップリーダーをめざす際、あえて強調すべき言葉だったのかどうか疑問でした。告示後『発信力はあるのに中身がない…総裁候補・小泉進次郎氏の"自滅を恐れる"とんでもない選挙戦術』という記事が「誤報」になることを願わざるを得ません。
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