台風が近付く中、自治労都本部大会
急に涼しくなり、秋を実感する季節となっていたため、前回の記事は「秋本番、多忙な季節へ」でした。ところが、秋本番どころか、先週は一気に真冬並みの寒さとなり、震える日が少なくありませんでした。地球温暖化の影響なのか、穏やかな四季の移ろいが薄れ始めているようです。また、甚大な被害を受けた奄美大島など、かつてない規模の豪雨に襲われる地域が増えています。そのため、異常気象という見方ではなく、日本列島全体が亜熱帯化しているという極端な話も否めなくなっているのかも知れません。
さて、自分自身の忙しさは相変わらずで、台風14号が関東地方に接近している土曜の午後、自治労都本部の定期大会に出席しました。早々に六大学野球の早慶戦や東京競馬場の開催中止が決まっていましたが、幸いにも鉄道のダイヤに大きな乱れはなく、強い風雨にさらされることもなく、市ヶ谷にある自治労会館を往復することができました。自治労会館に着き、ばったり参議院議員の江﨑孝さんとエレベーターを乗り合わせました。「ブログ、いつも拝見しています」という言葉が思い浮かびましたが、結局、短い時間の中では台風絡みの会話だけ交わしていました。
以前、自治労都本部の定期大会は平日の朝から夕方にかけて行なわれていました。「ヤミ」と批判されるような参加があった訳ではありませんが、数年前から土曜日の開催となっていました。さらに今年は午後1時から夕方までの半日で、すべての議事を終わらせるという過密な日程設定でした。それでも来賓の人数は例年通りの多さで、来賓挨拶が終わったのは午後2時36分、大会の約3分の1が挨拶の時間となる長さでした。
私自身は自治労本部委員長の挨拶をはじめ、いろいろな話を伺える機会だと考え、来賓挨拶の長さにそれほど抵抗感を持っていません。あまり中味のない型通りの挨拶が続くと飽きてしまうのでしょうが、話し上手な方が多いため、集中できる時間帯でした。一方で、平日夜に開く私どもの組合の定期大会は、なるべく来賓の人数は少なくし、挨拶の持ち時間にも協力いただきながら、できる限り来賓挨拶の時間が短くなるように努めています。
どのような会議でも同様なことだと思いますが、長々と続ける会議は好まれません。仮に新鮮な情報や意義深い議論に触れられず、事前に配布された資料が読み上げられるような時間となった場合、睡魔との闘いとなりがちです。幸いにも土曜日の都本部大会は、提案者それぞれがメリハリを付けた簡潔な説明に努めていただき、10人近くの代議員の発言が示されながらも、ほぼ予定した時間に終わることができています。
自治労都本部の方針案は多岐にわたっています。代議員からも幅広い内容の意見や質問が複数示されていましたが、特に質疑討論の中で印象に残ったのは政権与党との距離感の問題でした。人事院のマイナス勧告を上回る給与削減、「深堀」と呼ばれているそうですが、このような動きが示されること自体へ不信感を募らせているという意見も少なくありません。労使交渉のルールが確立されていない中、どれだけの「深堀」が妥当なのか、可能なのか、どのように決めるのか、まったく曖昧でした。
結局、公務員連絡会等の反対によって、今年度の人事院勧告はそのまま閣議決定される見通しとなっています。ただ来年度以降、国家公務員賃金の水準について労使で話し合うルールを定めた上、「深堀」議論が本格化することになっているようです。これまでも総人件費2割削減のマニフェストの問題など、自治労の会議の中で民主党を「これだけ応援してきたのに」という苛立ちや失望の声が上がっていました。
しかし、そもそも民主党は幅広い層からの支持を受け、政権交代を果たしています。当たり前なことですが、公務員組合の言い分だけ聞いて政策判断していく訳ではありません。一方で、自治労や公務員連絡会が直接政権与党と話し合えるパイプを持っていることも確かでした。今回、賃金労働条件の変更は「労使で決める」という原則を民主党側が受け入れた結果、人事院勧告の「深堀」は来年度以降に見送らせることができたものと理解しています。
このように対話できる関係性を築けていることについて、私自身は一定評価しています。もともと過度な期待は膨らませず、労働組合が民主党に注文を付ける際も「ゴリ押し」と見られないような謙虚さが必要だと考えていました。今回の「深堀」の問題も労働組合側に少なからず「是」があったからこそ、民主党側も方針転換した訳であり、国民の皆さんに向けても堂々と説明できる理由となっているはずです。
よく野党側は、労働組合から支援を受けていることが民主党の弱点であるような批判を繰り返しています。それに対し、ぜひ、民主党は労働組合との信頼関係があるからこそ、適切な公務員制度改革ができるという反論を加えて欲しいものと願っています。さらに自治労とのパイプは、各自治体の現場に根付いた問題提起や情報を得られる機会だと見ていただければ幸いなことでした。
自治労都本部大会での議論を改めて振り返りながら、このような思いを巡らしています。自分自身、大会での発言は見合わせていましたが、執行部や多くの代議員の問題意識は基本的に信頼を置けるものでした。台風が近付く中で行なわれた大会、とりまく情勢は自治労の先行きを暗示した見方となりますが、必ず台風一過の素晴らしい青空を見上げられる日が来ることも信じているところです。
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