2019年11月30日 (土)

移動時間の時間外勤務認定基準

少し前の記事「定期大会を終えて、2019年秋」で紹介した私の挨拶の中で「移動時間の時間外勤務認定基準も労使対等原則のもとに協議を重ねた結果、今回の定期大会で一つの節目を迎えます」と伝えていました。時事の話題である桜を見る会について2回にわたって取り上げましたが、今回はローカルで地味な内容となります。

今年4月に「時間外勤務における移動時間の取扱い」という記事を投稿していました。その記事で触れているとおり事の発端は組合員からの相談です。当たり前なこととして組合員が労働条件の問題で迷ったり、困った時に組合役員に相談を持ちかけるケースは枚挙にいとまがありません。仮に組合役員に相談しても仕方ないと思われるようでは労働組合の存在意義が疑われてしまいます。

組合員の皆さんから相談を受けた際は可能な限り迅速に対応し、相談者から理解を得られる解決策を探るように努めています。今回の記事タイトルに掲げた移動時間の時間外勤務認定基準について、半年以上かかり、ようやく一つの節目を迎えていました。

今年3月、組合員から次のような問いかけがありました。時間外勤務(休日含む)における庁舎外での会議やイベント等に参加した際、会議等の開始と終了までの時間のみを時間外勤務手当として申請すべきという考え方が正しいのかどうかという質問でした。

会議等の開始と終了までの時間のみ申請すべきという考え方も間違いではありませんが、実際の拘束時間でとらえた勤務命令を発すべきという点が基本だと私から答えていました。

年に数回、時間外勤務の申請方法等を組合ニュースを通し、組合員の皆さんに周知しています。この問いかけがあったため、時間外勤務の申請方法に対する目安として次のような例示を組合ニュースに付け加えていました。

(例1) 平日の午後6時から8時まで庁舎外で会議があった際、その場所までの移動時間を含め、5時15分から時間外勤務とします。ただし、その45分間に個人的な買い物等を行なう自由時間があった場合、勤務時間に当たらなくなります。

(例2) 休日の朝、職場に集合し、当日2回以上の会議やイベントに出席した場合、出勤から退勤までが拘束時間であれば、その時間が時間外勤務となります。途中に昼食休憩等の時間があれば、その時間は除きます。

(例3) 休日、イベント等の会場に自宅から直行直帰だった場合、その移動時間は通勤時間に相当するため、当該の場所への集合時間から解散時間までが時間外勤務となります。

事前に市当局側とも確認した上で周知したはずでした。しかし、ニュースが配布された後、市当局から横浜地裁の裁判例(日本工業検査事件)を示し、上記(例1)の下線(下線は後から追加)の箇所が誤りであるという指摘を受けました。休日や遠方への出張時と同様、平日の夜であっても正規の勤務時間帯以外での移動時間は労働時間ではないという解釈でした。

裁判例は「出張の際の往復に要する時間は、労働者が日常出勤に費やす時間と同一性質であると考えられるから、右所要時間は労働時間に算入されず、したがってまた時間外労働の問題は起こり得ないと解するのが相当である」と記されています。

さらに「出張中に正規の勤務時間を超える時間に移動した場合、単なる移動時間については超過勤務手当は支給することはできない」という解説文も示していました。「移動時間中に、特に具体的な業務を命じられておらず、労働者が自由に活動できる状態にあれば、労働時間とはならないと解するのが相当」という解釈を組合も否定していません。

言うまでもありませんが、法令遵守は当然です。市側の指摘のとおり明らかに違法だと判断されてしまうのであれば素直に従わなければなりません。そのため、私どもの組合の考え方が移動時間に関する時間外勤務の認定基準として正当なのかどうか、4月下旬、顧問契約を交わしている法律事務所の弁護士と相談しました。

結論として、移動時間の取扱いについて様々な見方や解釈があることを前提にした所見でしたが、組合ニュースの上記(例1)に「自由時間があった場合、勤務時間に当たらなくなります」という但し書きもあるため、問題ないのではないかという説明を受けていました。

弁護士からは移動時間に関する資料のコピーをいただきました。その資料には移動時間について労働基準法・労働基準法施行規則に特段の定めがないため、1984年8月28日の労働基準法研究会第2部会中間報告で「次のような考え方に立って労働省令で定めるものとする」という提言のあったことが記されていました。

結局、これまで省令は定められていませんが、中間報告には移動時間の取扱いについて参考とすべき考え方が示されていました。「移動時間の取扱い」という項目の中には「労働時間の途中にある移動時間は労働時間として取り扱う」と明記されていました。この一文を参考にすれば組合ニュースの上記(例1)が必ずしも誤りではないため、市当局側に相談結果等を報告した上、労使で見解が相違した点について改めて協議を進めてきました。

組合の考え方

労働時間とは労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間です。移動時間について「通勤時間と同質であり、労働時間ではない」とする考え方がある一方、「使用者の支配管理下にある移動時間は労働時間である」という説があります。

取り上げられている横浜地裁の裁判例として、出張中の往復時間は労働時間ではない、出張中に正規の勤務時間を超えても時間外勤務手当は支給できないと示されています。そのため、休日に会議やイベント等に出席する場合、自宅から現地までの往復時間は労働時間に当たらないことは理解できます。

当たり前なこととして、上記(例1)に掲げているとおり午後6時の会議等の時間まで自由時間ということであれば労働時間ではありません。しかし、正規の勤務時間帯から連続した平日の夜、庁舎外に移動する時間まで「労働時間ではない」と見なすのは不合理だと言えます。あくまでも会議等の時間まで勤務命令を受けた拘束時間として必要な業務に当たり、移動は必要最低限の時間を想定しています。

市当局の解釈が正当なものと判断した場合、正規の勤務時間帯以外に災害や道路補修のため、庁舎から現場に向かうまでの時間も労働時間から除くべきという考え方に至ってしまいます。したがって、正規の勤務時間帯の移動時間が労働時間に当たるように正規の勤務時間帯から連続した平日の夜であれば、使用者の指揮命令下での拘束時間に当たるものと解釈することが妥当であるものと組合は考えています。

もともと労働時間の範囲を巡り、紛争になることがしばしば見られ、これまで様々な裁判例があります。労働基準法上の労働時間とは前述したとおり使用者の管理・監督の下にある時間です。一般的に次の時間が労働時間に当たります。

  1. 実労働時間(実際に仕事に従事している時間)
  2. 手待時間(いつでも就労できる状態にある時間)
  3. 準備時間や後始末の時間(更衣時間や片付けの時間)

休憩時間は労働時間に当たりませんが、何らかの事情で使用者の管理・監督の下に置かれていた場合(例えば電話や来客があった際にはすぐ対応するよう命令されていた場合)に労働時間に該当するという見方もあります。

最高裁の判例は労働時間の意義について「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない」(三菱重工長崎造船所事件・最大判平12・3・19)としています。

最高裁が判示したとおり、どこまでを労働時間として扱うかは、実質的客観的に判断されなければなりません。法律相談を受けた多くの弁護士は、やはり移動時間について正面から規定した法律がないことを注釈した上、1984年8月の労働基準法研究会第2部会中間報告の下記の内容「イ 労働時間の途中にある移動時間は労働時間として取り扱う」を示しながら移動時間も労働時間になるケースが多いことを説明しています。

その中間報告には「16移動時間 (1)移動時間 ①移動時間の取扱い」の項目に下記の内容が記載されています。

ア 始業前、終業後の移動時間

(a) 作業場所が通勤距離内にある場合は、労働時間として取り扱わない。

(b) 作業場所が通勤距離を著しく超えた場所にある場合は、通勤時聞を差し引いた残りの時間を労働時間として取り扱う。

イ 労働時間の途中にある移動時間は労働時間として取り扱う。

市当局は「ア 始業前、始業後の移動時間」の項目として「イ 労働時間の途中にある移動時間は労働時間として取り扱う」が並べられていないため、イは正規の勤務時間内の移動時間の説明だと解釈しています。しかし、そもそも正規の勤務時間内での移動時間を労働時間から除くべきかどうかという争点はなく、弁護士の一般的な説明のとおり理解すべきだろうと組合は考えています。

例えば会社の命令で作業現場に出動させられ、会社に戻ることを余儀なくされていた場合、指揮・監督化にある労働時間に当たり、残業時間の算定の基礎に含めるべきという考え方が妥当視されています。つまり正規の勤務時間内かどうかに関わらず、労働時間の途中にある移動時間は労働時間として取り扱うとしているため、あえて「ア 始業前、始業後の移動時間」の項目に含めなかったと解釈することが適切であるはずです。

したがって、通勤時間と同質とは言えない労働時間の途中にある移動時間は次のように理解すべきだと組合は考えています。労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれ、時間的場所的に拘束され、次の業務のために準備している行為であり、移動時間も労働時間に当たるものと考えています

勤務時間外に公用車で移動する際、運転手以外、労働時間に当たらないという市当局側の解釈もありましたが、組合は疑問を呈していました。上記の解釈に照らせば、勤務命令を受けた上、労働時間の途中に庁舎外の勤務場所に向かうまでの移動時間は労働時間として取り扱うべきであり、同乗者にも時間外勤務手当を支給すべきものと考えています。

この考え方を基本とすれば、道路、防災、課税、収納業務等の時間外勤務における移動時間の認定基準も明確化され、ケースバイケースで判断し、場合によって移動時間分を時間外勤務手当の算定基礎から外すような不合理な問題が解消されていきます。

前述したとおり出張中の往復時間については争点化していません。次の勤務場所に集まる時間まで自由時間とした場合、労働時間に当たらないことも理解しています。しかし、単なる移動時間かどうかというよりも、上記の赤字のような考え方に沿った解釈をもとに移動時間に関する時間外勤務を認定すべきものと組合は考えています。

労使協議を推進し、具体的な事例を整理

7月の団体交渉で、このような組合の考え方を市当局側に改めて訴えました。市当局側としても顧問弁護士と相談するという説明がありました。その上で、解釈が分かれがちな具体的な事例を労使で突き合わせた上、合理的で納得性の高い認定基準に向けて整理していくことを団体交渉の中で確認しました。

一方で、その日の団体交渉の中で課税課の現地調査や収納課の訪問催告における移動時間に関しては、これまでと同様、時間外勤務として認めていく事例であるという考え方を改めて確認していました。

その後、引き続き労使協議を重ねていき、ようやく11月の定期大会の当日配布議案の議題の一つとして下記内容の労使協議結果を報告できました。最後に、その内容を掲げ、地味でローカルな記事を終わらせていただきます。

組合は法律相談等を踏まえ、通勤時間と同質とは言えない労働時間の途中にある移動時間は次のように理解すべきだと考えています。労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれ、時間的場所的に拘束され、次の業務のために準備している行為であり、移動時間も労働時間に当たるものと考えています具体的な事例について、労使協議を重ねた結果、次のとおり整理をはかっています。

■ 時間外勤務として認定しない場合

(例1)平日の午後6時30分から始まる会議が庁舎外であり、会議開始時間まで自由時間とした場合は移動時間を含め、その時間帯は時間外勤務として認定しない。

(例2)休日に会議やイベント等に出席する場合、自宅から現地までの往復時間は時間外勤務として認定しない。

■ 時間外勤務として認定する場合

(例1) 平日の午後6時30分から始まる会議が庁舎外であり、引き続き5時15分以降も必要な業務として所属長の命令による指揮命令下にある場合、その場所まで要する移動時間も含めて連続した時間外勤務として認定する。

(例2) 自宅から出張先までの往復時間中でも「物品の監視などあらかじめ命じられた用務」があれば時間外勤務として認定する。

(例3) 休日の朝、職場に集合し、当日2回以上の会議やイベントに出席した場合、出勤から退勤までが所属長の命令による指揮命令下にあれば、その時間帯(休憩時間を除く)を時間外勤務として認定する。

(例4) 課税課、収納課、防災課、道路課など日常の職務として移動が伴う場合、平日の夜や休日の時間帯でも移動時間を時間外勤務として認定する。ただし、所属長の命令による指揮命令下にあることを条件とし、その都度判断する。

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2019年11月24日 (日)

桜を見る会、いろいろ思うこと Part2

少し前の記事「メディアリテラシーの大切さ」の冒頭で今年3月にココログのシステムが全面リニューアルしたことを伝えていました。リニューアル後、投稿したコメントが即時に反映されないなど、いくつか不具合が続いていることを記していました。そのような不具合も最近、ようやく修復されたようです。

このブログのコメント欄は制約の少ない場としています。承認制となっているような誤解を与えがちだったため、リニューアル前と同様、投稿されたコメントが即時に反映される仕組みに戻り、安堵しています。批判意見も含め、幅広い視点や立場からご意見をいただける貴重さを重視しているため、これからも寄せられたコメントはそのまま受けとめ、そこに投稿された思いをくみ取っていければと考えています。

一方で、実生活に過度な負担をかけず、このブログを長く続ける方策としてコメント欄も含めて平日の投稿は見合わせています。前回記事「桜を見る会、いろいろ思うこと」に対し、いくつかコメントをお寄せいただいていました。私自身のレスは週末と遅くなる中、 Alberichさんから私がお答えすべきことを適宜コメントいただき、たいへん感謝しています。

土曜夜に投稿したコメントで「私からも補足すべき点などについて、この週末に投稿する新規記事の中でまとめてみるつもりです」と一言添えていましたので、今週末の新規記事は「桜を見る会、いろいろ思うこと Part2」として書き進めていきます。私自身の問題意識は前回記事に託したとおりですが、寄せられた問いかけにお答えすることで的確に伝え切れなかった論点を補足させていただきます。

まず転勤中のT市民さんからの問いかけですが、前回記事を改めてお読みいただければお分かりのとおり桜を見る会に参加した方々を批判していません。その会の位置付けの問題性に疑問を持った方が政治家をはじめ、ほぼ皆無に近かったことの残念な経緯を感じていますが、参加された方がどなたであろうとも非難する考えはありません。

続いてyamamotoさんから 「限りなくクロでありながら」という言葉の意味のお尋ねがありました。直前に記した限りなく「クロ」に近付いた時という言葉のつながりから、そのような言葉を使ってしまいました。すでにAlberichさんから解説いただいたとおり「クロ」かどうか現段階では確定していないことを前提にした仮定形の文脈で記したつもりです。

「クロ」よりも「クロ」、真っ黒という意味合いで理解され、安倍首相の法違反を断定しているような言葉だととらえられてしまったとすれば申し訳ありません。より慎重に「仮にクロでありながら」という言葉を使えば良かったのかも知れません。不特定多数の方々に発信しているブログですので言葉の使い方に注意を払ってきているつもりでしたが、今後、よりいっそう注意していきます。

おこさんからは次のような問いかけがありました。民主党については「自主返納」で済む話のように考えておられるようなので、与党に対する責任追及もせいぜい「自主返納」が上限とお考えなのでしょう(でないと相手には厳しい一方で身内には甘いということになる)。その程度の問題なら他に議論すべき問題は山ほどあるように思うのですが、という問いかけでした。

桜を見る会に支援者を招待したことの問題性を指摘するのであれば民主党政権時代の顛末も検証し、真摯に総括すべきだろうと思っています。過去のことで民主党自体が存在していない、安倍首相の招待客数に比べれば規模が小さい、そのような言い分は正直なところ説得力を欠きがちです。

総括した結果、問題点が認められた場合は責任の所在を明らかにした上、招待客数分の経費を個々の国会議員が自主返納するような対応も検討すべきではないでしょうか。このような対応を同時に進めることで安倍首相に対する追及の迫力が増すはずであり、国民の多数から支持を得られていくように考えています。

前回記事では上記のような私自身の問題意識を示していました。野党側が安倍首相を追及するのであれば、民主党政権時代の桜を見る会のことを棚上げできないという問題意識です。その上で自主返納が上限なのかどうかは断定していません。しっかり総括し、問題点が認められた場合は責任の所在を明らかにすべきという点を主眼としています。

公職選挙法や政治資金規正法の疑いから閣僚の辞任が相次いでいます。個々の事例によって責任の処し方の軽重も問われていくのかも知れませんが、同様なケースで閣僚は辞任に相当しても総理大臣であれば許される、そのような関係性では問題だろうと考えています。

問題点を検証した結果、仮に辞任に相当する責任の処し方が必要とされる場合、鳩山元首相は公職から離れています。そのため、鳩山元首相を筆頭に支援者を招待した政治家は、せめて自主返納という責任の処し方を提起しながら追及すべきではないかという問題意識でした。

もし自主返納という責任の処し方が妥当だと判断された場合、それこそ招待客数に比例したケジメの付け方もあり得るのだろうとも考えています。いずれにしても第2次安倍政権以降、桜を見る会の参加者数が年々増えていたことは確かに問題ですが、選挙区の支援者を招待したことが法的な論点とされる場合は数を問わずに総括すべきものと思っています。

他に議論すべき問題は山ほどあるように思うのですが、という問いかけについては前回記事の中で記した「確かに優先順位の高い重要な課題の議論が疎かになるようでは問題ですが、行政府の最高責任者が定められたルールを守れているかどうかという問題を曖昧にすることはできません」という問題意識に変わりありません。

桜を見る会やその前夜祭の問題に対し、普段から安倍首相を支持されている方々との温度差が目立ちがちです。当たり前なことですが、安倍首相自身が最も「他に議論すべき問題は山ほどある」という認識を強め、とにかく幕引きを急がれているようです。しかしながら今回の問題が取り沙汰された後、たいへん残念な既視感のある場面を見聞きしています。

安倍首相は11月8日の参院予算委員会で「招待者の取りまとめ等には関与していない」と答弁していました。それが20日の参院本会議では「内閣官房や内閣府が行なう最終的な取りまとめプロセスには一切関与してない」と言い回しを軌道修正し、ご自身の事務所から相談を受ければ推薦者について意見を述べていたことを認めています。

内閣府は、安倍晋三首相が主催した今年4月の「桜を見る会」の招待客名簿を、野党議員が国会で関連質問をするために資料提供を求めた5月9日に、廃棄したことを明らかにした。野党側は、政府が会に関する詳しい説明を避けるため、意図的に捨てた可能性を指摘している。資料請求したのは、共産党の宮本徹衆院議員。宮本氏は5月9日に「委員会質問を念頭に置いた勉強用資料」として、内閣府などに桜を見る会の参加人数や選考基準、費用などに関する資料を要求した。

宮本氏は5月に国会でこの問題を追及し、内閣府は名簿などの関連資料を「破棄した」と説明。今月14日の野党会合で、5月9日に招待客名簿を廃棄したと明かした。内閣府は今月18日の野党会合では、招待客名簿の電子データを消去した時期を「把握できない」と話した。一方、招待客名簿を作成する基となる推薦人名簿のうち、内閣府分を一部保管していることを認めた。

内閣府は、招待客名簿の保存期間を「1年未満」と定めた経緯を巡っても、有識者から整合性を問われている。今月13日の野党会合では、1年未満にした時期を2018年4月からと説明。野党側にその根拠を問われると、今年10月28日に改定された規則を挙げた。行政文書の管理に詳しいNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長が、こうした矛盾を指摘している。【東京新聞2019年11月19日

なぜ、名簿の廃棄が5月9日だったのかという質問に対しては「シュレッダーが空くまでに時間がかかった」と内閣府の担当者が説明しています。公文書の保存期間が「1年未満」という規定も釈然としませんが、廃棄したタイミングの理由がシュレッダーの順番を待ち、たまたまその日になったという説明に納得する人がいるのでしょうか。このような苦しい説明をしなければならない担当者も気の毒だと思っています。

もちろん安倍首相が政府関係者一人ひとりの言動を細かく指示している訳ではないことを承知しています。さらに国会での答弁や前夜祭の参加費の説明について安倍首相自身は真摯に対応しているつもりなのかも知れません。それでも違和感のある事案が目立ちすぎるため、桜を見る会の問題から「国民に対して正直であることが信頼できるトップリーダーの資質であって欲しいものと願っています」という政権全体に対する思いを強める機会につながっています。

ここまで前回記事に綴った言葉を赤字で改めて紹介しながら「Part2」をまとめてみました。桜を見る会そのものの問題性について、人によって評価が分かれていることを認識した上で綴らせていただいています。加えて、安倍首相一人の責任として批判することも筋違いな点もあろうかと思います。そもそも安倍首相のリーダーシップや自民党一強による「決められる政治」によって、より望ましい暮らしや社会に至っているとお考えの方も多いはずです。

そのような根強い評価があるからこそ、首相在職日数の歴代最長記録の更新につながっているものと受けとめています。ただ安倍首相を支持している、支持していないという立場性を超え、私自身も含め、個々の事案に対する問題点の有無を客観的に見定めていければと考えています。そのようなことを考えながら興味深い情報の一つとして、最後に『官邸官僚1強の礎 首相に忠誠、即断即決 安倍政権最長へ』という見出しが付けられた新聞記事を紹介させていただきます。

歴代最長となる長期政権を実現した安倍晋三首相の政権運営は、首相への忠誠心が厚い「官邸官僚」と呼ばれる側近たちの存在を抜きに語れない。彼らは菅義偉官房長官らとともに政局や世論に目を光らせ、政策立案から選挙戦略まであらゆる局面を主導。

その方針は「首相の意向」として発信され、迅速な意思決定につながっている。だが官邸官僚による側近政治は「異論封じ」や「忖度」といった弊害をもたらした。「桜を見る会」開催見送りのように、疑惑封じを狙って強引に幕引きを図る事例も後を絶たない。

既定路線と思われた政策に、官邸官僚が「待った」をかけた。1日に発表された大学入試の英語民間検定試験導入延期は、だれがどう安倍政権の意思決定を担っているのかを示す象徴的な出来事だった。

萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言が飛び出したのは10月24日だった。受験の公平性への疑念が一気に広がったとはいえ、民間試験導入は政府の教育再生実行会議が2013年に提言し、文科省が粛々と準備してきた政策。

首相官邸はそれまでほとんど関与していなかった。官邸官僚の動きは早かった。菅氏と歩調を合わせ、杉田和博官房副長官と今井尚哉首相補佐官が10月末、それぞれ個別に文科省幹部を呼び出した。文科省は「延期すれば民間試験の実施団体から損害賠償請求される」と抵抗した。

3氏は「制度は穴が多すぎる」と一喝した。発言はインターネットで現役高校生らに拡散していた。「安倍政権を支える若い世代の支持が一気に離れかねない」。事態を収束させるため、文科省から政策判断の主導権を奪った。文教族議員だけでなく、岸田文雄政調会長ら与党幹部への「根回し」もない即断即決。首相は側近たちからの実施延期の進言を受け入れた。内閣支持率は横ばいを維持した。

   ◆    ◆

「官邸官僚」は第2次安倍政権で生まれた言葉だ。出身省庁と縁を切り、首相への忠誠を誓った官邸スタッフを指す。ときに高圧的になる振る舞いへの皮肉も込められた呼び方で、政権内では結束力の強さと役割分担の絶妙さを自賛し「チーム安倍」と呼ぶことが多い。その中核を担うのが首相補佐官の今井氏。経済産業省出身で、第1次政権では首相秘書官だった。

第2次政権では筆頭格の政務秘書官に就き、9月から補佐官を兼務する。「1億総活躍社会」などのスローガン政治を発案した。真骨頂は16年5月、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)での働きだった。世界経済が「リーマン・ショック前夜に似ている」とする資料を用意。首相はこれを各国首脳に説明した。世界経済の危機を理由に、消費税増税の再延期を掲げて夏の参院選に挑む戦略を演出した。

外交・安全保障を担う国家安全保障局長の北村滋氏も重要な位置を占める。警察出身で、第1次政権では今井氏と同じく首相秘書官を務めた。第2次政権では内閣情報官を経て9月から現職。日朝首脳会談の実現に向け北朝鮮と水面下で接触しているとされ、その動きは外務省も知らされていない。官房副長官の杉田氏も警察出身だ。省庁の人事権を掌握し、官邸の力の源泉である内閣人事局の局長を兼務する。

   ◆    ◆

政局観を研ぎ澄まし、第1次政権の具体的な失敗例を挙げて「状況が似ている。気を付けなければ」などと語り合うという官邸官僚たち。ただ、こうした側近政治は政権の都合が優先され、政策が独善的になったり、先送りされたりする危うさをはらむ。政府が7月に発表した韓国向け輸出規制強化は、今井氏が主導した。古巣の経産省に具体案を出させ、融和策を訴える外務省を退けた。

首相は当時、「もう韓国に折れてはだめだ。どんなに強く出てもいい」と周囲に語り、今井氏の対韓強硬策に乗った。第2次政権は近く7年になるが、官邸が熱心でない財政健全化や社会保障改革は進んでいない。官邸官僚の一人は「官僚が指示待ちになり、主体的に仕事をしなくなった。自分たちが言うのも何だが、官邸主導が強まった弊害かもしれない」と話す。【西日本新聞2019年11月18日

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2019年11月16日 (土)

桜を見る会、いろいろ思うこと

今回もローカルで地味な職場課題を取り上げるつもりでした。それでも個人の責任で運営しているブログであり、その時々に最も取り上げたい旬な話題に触れる場合も少なくありません。ブログのザブタイトルに「雑談放談」を掲げているとおりですのでご容赦ください。今回、首相主催の桜を見る会について、いろいろ思うことを書き進めてみるつもりです。

自民党は12日、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡り、与党議員に招待客の枠が割り当てられていることを認めた。各界の功労者を中心に各省庁が人選するとした政府の説明と矛盾が鮮明になった。これを受け、政府は招待客の選定基準の見直しを検討する方針を示した。首相が地元支持者を多数招いて私物化しているとの批判が強まったため、沈静化を図る狙いがある。

自民党の二階俊博幹事長は12日の記者会見で、桜を見る会に与党議員が地元支持者を招待することについて「議員が選挙区の皆さんに配慮するのは当然のことだ」と述べた。招待客枠の割り当てに関し「あったって別にいい。何か問題があるか」と強調した。石破茂元幹事長も「党の役職をしている時にそんな枠があった」と認めている。

菅義偉官房長官は記者会見で、選定基準を明確にする必要性を問われ「政府として検討していく必要がある」と表明した。桜を見る会の開催要領には、招待客として皇族や各国大使、衆参両院議長、閣僚、国会議員と並び「その他各界の代表者等」が記されている。首相ら自民党議員は後援会関係者を「等」に含めているとみられる。

一方、立憲民主、国民民主、共産の野党3党は、追及チームの初会合を国会内で開き、政府側からヒアリングを実施した。立民の枝野幸男代表は党会合で「首相本人が公職選挙法や政治資金規正法に違反していると強く疑われる」と徹底追及する考えを強調した。

日本大の岩井奉信教授(政治学)は、自民党幹部による地元支持者の招待は「公選法の寄付禁止に触れる可能性もある」と指摘。二階氏の「当然」発言については「税金を特定の選挙区民へのサービスに使うことを認めており、感覚がずれている」と述べた。【東京新聞2019年11月13日

二階幹事長の「何か問題があるか」という問いかけに対し、岩井教授が公職選挙法の疑いのあることを端的に述べています。ブックマークし、定期的に訪問している澤藤統一郎弁護士のブログ「憲法日記」の中では次のとおり解説されていました。要点となる箇所のみご紹介します。

その選挙区の有権者を「参加費無料でアルコールなどをふるまう」会に招待し参加させたことが寄附に当たるか、が問われている。本来の「功労・功績者」への招待であれば公職選挙法条の犯罪とはならないが、欲しいままに予算を計上し、あるいは予算を大幅に上まわる人を招いて、事実上後援会員を「タダで飲み食いさせ」たのは,明らかに財産上の利益の供与であるから、寄附に当たる。

問題は、「寄附」とは、自腹を切っての供与だけをいうもので、権力者が税金を欲しいままに使っての選挙民に対する利益供与は除かれるのか、という点に収斂する。この寄附禁止規定は、「政治家が自分のカネでやる」ことを想定していたには違いない。しかし、身銭を切っての寄附の悪質性よりも、権力者がその地位を利用ないし悪用して、国民の財産を掠めとっての「寄附」がより悪質であることは、誰の目にも明らかではないか。

「選挙区の皆さんに配慮するのは当然のこと」という二階幹事長の認識が適切でないことは明らかだろうと思っています。しかし、二階幹事長に限らず、これまで政治家の大半は桜を見る会に選挙区の支援者を招待することの問題性を疑っていなかったようです。自分自身が発信しているSNSに堂々とそのような話を残していた政治家は少数ではありません。

来年の開催中止が決まった首相主催の「桜を見る会」について、左派野党は幕引きは許されないと、安倍晋三首相の「公費私物化」疑惑を追及している。ただ、旧民主党政権時代にも同会は盛大に行われた。かつて民主党に所属した自民党の長尾敬衆院議員が、2010年4月に鳩山由紀夫首相が主催した会の実態を明かした。

「政権交代して初めての『桜を見る会』で、天気は悪かったが、参加者はみんな、お祭り気分だった」 長尾氏は振り返った。鳩山政権は09年9月に発足したが、半年がたち支持率低下に直面していた。桜を見る会の少し前、小沢一郎幹事長が陣取る党本部から「せっかくの機会だ。10人分の名簿を出すんだ。これで後援会を固めろ」という指令が出たという。

「本来は、各界で功績や功労があった方が招かれるべきだが、自民党政権時代から(後援会関係者を呼ぶのは)慣例のようで、民主党の同僚議員も党本部に従っていた。私は恥ずかしながら、地元・大阪の後援会では集まらず、東京の知人や元上司ら5、6人分を集めて、名簿を党に出した」

当日は、気温4度で雨だった。鳩山氏は1万人の招待客を前に「雨のときに集まってくれる友こそが真の友だ」とあいさつした。長尾氏はいう。「会場は足元がぬかるみ、人も多く、食べ物にもありつけず、大変だった。旧民主党の面々は、桜を見る会の実態をよく知っているはずなのに、一部メディアとともに『推薦枠があるのか』『どんな功績・功労があるのか!』などと追及している。しらじらしく、悲しくなる」【ZAKZAK 2019年11月16日

上記のように民主党政権時代も桜を見る会を「後援会固め」に利用していたようです。翌年、東日本大震災が発生したため、鳩山首相の時の一度限りとなっていましたが、民主党の国会議員もそれまでの政権の慣例に対して問題意識を抱いていませんでした。今、安倍首相を批判し、追及している国会議員の多くは民主党出身者です。

したがって、桜を見る会に支援者を招待したことの問題性を指摘するのであれば民主党政権時代の顛末も検証し、真摯に総括すべきだろうと思っています。過去のことで民主党自体が存在していない、安倍首相の招待客数に比べれば規模が小さい、そのような言い分は正直なところ説得力を欠きがちです。

総括した結果、問題点が認められた場合は責任の所在を明らかにした上、招待客数分の経費を個々の国会議員が自主返納するような対応も検討すべきではないでしょうか。このような対応を同時に進めることで安倍首相に対する追及の迫力が増すはずであり、国民の多数から支持を得られていくように考えています。

この問題は日々動きがあり、安倍首相は来年の桜を見る会を 「私の判断で中止することにした」と語っています。直前の国会質疑の中では「問題ない」と繰り返していたのにも関わらず、やはり問題性を認識した表われだろうと見られています。加えて、桜を見る会の前夜に催された安倍首相の後援会による懇親会の位置付けなどが取り沙汰されています。

総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍総理大臣は、前日夜の懇親会を含め、旅費などのすべての費用は参加者の自己負担であり、みずからの事務所や後援会の収支はないことを確認したとして、政治資金規正法違反にはあたらないという認識を示しました。

総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍総理大臣は15日夜、総理大臣官邸で記者団に対し、「さまざま報道があったので事務所から詳細について、きょう報告を受けた。夕食会を含めて、旅費・宿泊費等のすべての費用は、参加者の自己負担で支払われており、安倍事務所なり、安倍晋三後援会としての収入・支出は一切ないことを改めて確認した」と述べました。

そして、旅費や宿泊費は、参加者それぞれが旅行代理店に支払い、懇親会の会費は、会場の入り口で事務所の職員が集めてホテル側に渡す形をとっていたと説明しました。また、安倍総理大臣は、前日夜に開かれた懇親会について広い意味での後援会活動だという認識を示すとともに、「価格設定が安すぎるのではないかという指摘があるが、5000円という会費は、大多数がホテルの宿泊者だという事情を踏まえ、ホテル側が設定した価格だと報告を受けている」と述べました。

そのうえで「収支報告書への記載は、収支が発生して初めて義務が生じる。交通費や宿泊費などを直接、旅行代理店に支払っていれば後援会に収支は発生せず、前夜祭についても、お金をそのままホテルに渡していれば収支は発生しないので、政治資金規正法上の違反には全くあたらない」と述べました。【NHK NEWS WEB 2019年11月16日

安倍首相の説明のとおりで問題がないのかどうか、これから明らかになっていくはずです。いつものことですが、普段から安倍首相を支持されている有識者からは「もっと国民生活に直結した問題を議論すべき」という声が上がっています。確かに優先順位の高い重要な課題の議論が疎かになるようでは問題ですが、行政府の最高責任者が定められたルールを守れているかどうかという問題を曖昧にすることはできません。

ウグイス嬢への上限を超えた報酬支払や選挙区内で秘書が香典を渡したというルール違反を問われ、二人の大臣が辞めたのは最近のことです。5年前には小渕優子経産大臣が後援会の観劇費用を巡る問題で辞任していました。森田千葉県知事の「私的視察」に絡み、舛添前都知事は次のように問いかけています。

安倍総理が河口湖の別荘に行く。総理の公用車には前後護衛の警察車両がつく。ゴルフに行く時も同じだ。東京都知事というのは、およそ1400万人の都民の生命と財産を預かる立場だ。私も公用車で別荘に行ったが、叩かれた。ルールどおり使用したのに、なぜ叩かれたのか。『どこが違うのか』という説明が無い。

総理大臣は別格で何でも許されてしまうのでしょうか。ある程度の詭弁も仕方ないと認めていかなければならないのでしょうか。しかし、国民に対して正直であることが信頼できるトップリーダーの資質であって欲しいものと願っています。今回の問題が限りなく「クロ」に近付いた時、それでも支持率が急落しないケースも考えられます。

政権の受け皿として野党側が充分信頼されなかった場合、総選挙でも自民党が勝ち切るケースも想定できます。一連の問題に違法性がなく、攻めた野党の空振りだった場合、そのような結果も仕方ありません。しかし、限りなく「クロ」でありながら、支持率や選挙結果をもって許されていく場合は非常に残念な政治的な構図だと思っています。

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2019年11月 9日 (土)

定期大会を終えて、2019年秋

記事タイトルに悩む時がありますが、今回も悩まず「定期大会を終えて、2016年秋」「定期大会を終えて、2017年秋」「定期大会を終えて、2018年秋」という4年続けた同じパターンでの記事タイトルとしています。水曜の夜、私どもの組合の定期大会が開かれました。6年前の記事「定期大会の話、インデックスⅡ」の中で詳しく綴っていますが、組合員全員の出席を呼びかけるスタイルで続けています。

3年前の定期大会で特別議案「組合財政の確立に向けて」を確認し、経常的な収入に見合った支出構造に近付ける努力を重ねています。定期大会の会場の見直しもその一つでした。今回の大会当日の組合員数は1,147人です。組合員全員の出席を呼びかけているため、これまで千人以上収容できる市民会館の大ホールで催してきました。2階席は使用していませんでしたが、実際の出席者数に比べて大ホールは広すぎて、残念ながらガランとした雰囲気になりがちでした。

一人でも多くの出席を呼びかけながら300人も入らない会場で催した場合、初めから出席者をあまり集める気がないように思われてしまいます。このような点を考慮し、大ホールを定期大会の会場に定着させていました。しかしながら組合員数の減少に伴い、出席者数も漸減してきていました。そのため、一昨年から会場を1,201席の大ホールから246席の小ホールに移していました。

最終的な出席者数は一昨年が168人、昨年が162人でした。残念ながら「うれしい悲鳴」を上げることはなく、背伸びしない身の丈に合った小ホールの収容規模に見合った出席者数で推移しています。小ホールへの変更に合わせ、食事と出席記念品の配布をやめていました。そのため、300人前後で推移してきた出席者数の減少は、ある程度想定していました。

それぞれ160人台という数は大成功と喜べるものではありませんが、ことさら悲観するレベルのものでもなく、小ホールでの全員参加型の組合大会を維持していけるものと考えているところです。 今年の出席者数は176人でした。組合員数が減少している中、3年間で最も多い出席者数です。前々回記事でお伝えした会計年度任用職員制度の労使合意について嘱託組合員の皆さんが関心をお寄せいただいてた表われだと受けとめています。

さて、定期大会冒頭の執行委員長挨拶は例年通り簡潔な内容の挨拶に努めました。ちなみに人前で挨拶する機会が多いため、檀上で緊張するようなことはありません。原稿がなくても大丈夫ですが、いろいろ話を広げてしまい、割り当てられた5分という時間をオーバーしてしまう心配があるため、毎年、定期大会だけは必ず挨拶する内容の原稿を用意しています。ここ数年、挨拶原稿のほぼ全文をブログで紹介しています。今回の内容は下記のとおりでした。

八王子市を選挙区とする萩生田文部科学大臣の「身の丈」発言が批判を浴びました。ある意味で萩生田大臣の発言に感謝しなければならないように思っています。この発言によって問題点が注目されたため、大学に入るために必要な英語民間試験の導入が延期されることになりました。裕福な家庭との経済格差や試験会場等との絡みからの地域格差など様々な問題点がありながら見切り発車されるところを止めることができています。

このように様々な角度から検証した際、その「答え」が本当に最も望ましいものなのかどうか変わってくる場合もあります。本来、そのような意味合いから国会でのチェック機能が働き、萩生田大臣の「身の丈」発言よりも前に英語民間試験の導入は慎重な対応が求められていたはずです。一強多弱という国会の勢力図はこのような点から決して好ましい現状ではありません。

いずれにしても私たちの暮らしや働き方は政治の動きに左右されていきます。そのため、企業や自治体内の労使交渉だけでは解決できない社会的・政治的な問題に対処するため、多くの労働組合が集まって政府などへ大きな声を上げていくことも大切な運動の一つとなっています。私たち自治労の声を国会に届けるため、7月の参議院選挙で岸まき子さんを組織内候補として擁立し、おかげ様で当選を果たすことができました。ご支援くださった皆さんに改めて感謝申し上げます。

様々な角度からの検証やチェック機能の大切さは労使関係においても当てはまります。使用者の目線だけで労働条件を決められてしまった場合、「ブラック」な職場になりかねません。そのような事態を防ぐために様々な労働法制が整えられ、労働条件は労使対等な立場で決めていくという原則が確立しています。私どもの労使関係も、そのような原則のもとに幅広い労使課題の解決に向け、真摯な議論を尽くしています。

日付が10月25日に変わった深夜、会計年度任用職員制度の条例化を合意しました。他団体の非常勤職員との均衡に固執する市当局だったため、労使交渉という経路がなかった場合、病休の無給化など現行の待遇を大幅に切り下げる条例化に至っていたはずです。月額報酬の現行水準を確保できず、100%満足できる決着ではありませんが、嘱託組合員の皆さんの切実な声を背にしながら全力で労使協議を進めてきました。今後、この制度化を機会に学校事務や学童保育所など個々の職場の課題解決に向けて、さらに労使協議を進めていきます。

本日配布した「当面する闘争方針案」には賃金確定や人員確保の取り組みについて提起しています。私どもの市の独自課題として地域手当の引き上げは何としても実現したいものと考えています。また、職場アンケートを集約中ですが、人員確保要求に向け、切実な声が届いています。他に長期主任職選考方法の見直しや移動時間の時間外勤務認定基準も労使対等原則のもとに協議を重ねた結果、今回の定期大会で一つの節目を迎えます。

このように多岐にわたり、たいへん重要な職場課題に対応していくためには職員の大半が加入しているという結集力が欠かせず、活動を担う組合役員が必要です。昨年の大会で協力委員制度を創設しました。新たな年度に向けては数年ぶりに執行委員の数を増やすことができています。様々な事情を抱えながら立候補を決意された皆さんに心から感謝しています。

私自身、たいへん長く組合役員を務めている中、組合の必要性を人一倍強く感じています。そのため、引き続き執行委員長を担うことで、よりいっそう発展し、強固な組織基盤を整えた上、次走者にバトンを渡せるよう精一杯頑張る決意です。

出席者からの発言として、今回も保育士の方から「公立保育園の大切さ」のアピールがありました。市民課職員からはマイナンバー制度に伴う業務への負担が増している現状が訴えられました。また、その方からは全庁的にメンタル不調での病休者が増えているため、よりいっそう組合としても対策に力を注いで欲しいという要望が示されました。

他に前回記事「トヨタの労使交渉」の中でも触れた長期主任職の選考方法の見直しに関しての発言がありました。試験会場方式に見直しても、これまでのレポート提出と同様、複数の設問を事前に示した上での作文試験のみとし、合格基準を上げるものではないことを市側と確認しています。この確認が「なし崩し的に変えられていかないように」という趣旨の発言でした。

執行部からはそれぞれの発言をしっかり受けとめ、これからの組合活動に活かしていく旨を答えています。修正案の提出や反対意見はなく、執行部提案はすべて原案通り承認を得られました。今回の定期大会を区切りとして、会計監査を務められた方が退任されます。前年度よりも執行委員が5名増えるなど、久しぶりに新しい顔ぶれのメンバーが大勢加わった執行部体制となり、たいへん心強く感じています。

定期大会が終わった後、今年は水曜の夜だったのにも関わらず、遅くまで飲み語り合ってしまいました。それでも翌日仕事があることを意識できているためか、ひどい二日酔いにならずに済んでいました。いずれにしても今後の組合活動に対し、その夜は多くの方から様々な意見や問題意識を聞かせていただき、例年以上に貴重な交流の場となっていました。

最後に、組合員の皆さん、大会運営にご協力いただいた皆さん、ご来賓やメッセージをお寄せくださった皆さん、新旧の組合役員の皆さん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

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2019年11月 2日 (土)

トヨタの労使交渉

昨年3月に「人事・給与制度見直しの労使協議」という記事を投稿していました。その中で長期主任職の選考方法の見直しが提案され、労使で見解が分かれていたことを伝えていました。前回記事「会計年度任用職員制度、労使合意」の冒頭に「労働条件の変更は労使協議を尽くし、合意が得られない限り一方的に実施しない」という確認について触れていました。

長期主任職の選考方法の見直し提案も昨年度中に合意は得られず、年度を越えた継続課題としてきました。今年度、改めて市側から見直したいという意向が示され、職場委員会資料等で組合の問題意識を組合員の皆さんに詳しく伝えながら労使協議を重ねてきました。

長期期主任職はベテラン職員を処遇するポストとして、能力評価を重視した短期主任職の選考とは峻別し、人物評価を基本としたレポート提出での選考が望ましいものと考えています。その考え方に変わりありませんが、試験会場方式に見直す提案に対しても強い反対意見が寄せられない中、市側の提案通り今年度から見直すことを労使合意する運びとしています。

合意するにあたり、これまでのレポート提出と同様、複数の設問を事前に示した上での作文試験のみとし、合格基準を上げるものではないことを確認しています。さらに受験日に病気等の事情で受けられなかった場合、救済措置を設けることも確認しています。

これまで「人事評価の話、インデックス」という記事があるとおり人事評価制度に関する記事を数多く投稿しています。労働組合は人事に関与できず、当局側の責任事項です。一方で、賃金水準に直結する人事や給与の制度面の問題は労使協議の対象としています。そのため、このブログで取り上げる機会も多くなっています。

労使協議に臨む組合の立場や考え方として、公務の中で個々人の業績評価は取り入れにくい、役職や職種に関わらず職員一人ひとりが職務に対する責任を自覚している、常にモチベーションを高めていけるような人事制度が欠かせない、仮に人事評価制度の導入によって多くの職員の士気を低下させるようでは問題である、このような点を訴えながら慎重な姿勢で人事制度の変更に対応してきました。

さらに組合員の生活を維持向上させる役割が求められているため、人事制度の見直しによって賃金水準が極端に下がらないような仕組みに向けて留意してきました。「頑張っても頑張らなくても同じ給料」という不本意な見られ方をされないように注意しなければなりませんが、このような立場や経緯のもとに長期主任職の導入を合意してきています。

記事タイトルに掲げた話題につながるため、まず私どもの組合活動の近況をお伝えしています。私どもの組合も含め、労働組合は組合員全体の賃金水準の底上げをはかることを重視するため、労働者間で競い合わせ、賃金に大きな格差を生じさせるような人事制度に消極的だと一般的には見られているはずです。

このような見方があるため、先日、同じ職場の組合員から「トヨタの労使交渉が面白いですよ。労使の立場が逆になっています」と声をかけられました。当ブログを定期的にご覧になっている方であり、私からは機会を見てブログで取り上げることを約束していました。面白いと評されたトヨタの労使交渉は日経ビジネスの特集『トヨタ前代未聞の労使交渉、「変われない社員」への警告』で詳しく伝えていました。

トヨタ自動車は10月9日、秋季労使交渉を開催した。「春季」の労使交渉で決着が付かず、延長戦を実施するという異例の事態だ。結果は、労働組合側が要求したボーナス(一時金)は満額回答となったが、その背景にはトヨタの大きな危機感がある。これまでトヨタは、年功序列や終身雇用といった「日本型雇用」の象徴的存在と見られていたが、その同社ですら今、雇用の在り方を大きく見直そうとしている。

日経ビジネスは10月14日号の特集「トヨタも悩む 新50代問題 もうリストラでは解決できない」で、抜本的な修正を迫られている日本型雇用の実態と、新たな雇用モデルをつくろうという日本企業の挑戦を取材している。あわせてお読みいただきたい。

10月9日、トヨタ自動車で「秋季」労使交渉が開かれた。1969年に年間ボーナス(一時金)の労使交渉を導入してからこれまで、延長戦に突入したことは一度もない。 異常事態である。ふたを開ければ満額回答で、冬季の一時金を、基準内賃金の3.5カ月、2018年冬季比16%増の128万円にすると決めた。日経ビジネスは半年間にわたる延長戦の内実を取材。満額回答に至る裏側で、トヨタの人事制度がガラガラと音を立てて変わろうとしていた。

春の交渉では、労使のかみ合わなさがあらわになった。13年ぶりに3月13日の集中回答日まで決着がずれ込み、結局、一時金について年間協定が結べなかった。「夏季分のみ」という会社提案を組合がのみ、結論を先延ばしにした格好だ。きっかけは、その1週間前だった──。

3月6日に開かれた第3回の労使協議会は、異様な雰囲気に包まれていた。「今回ほどものすごく距離感を感じたことはない。こんなにかみ合っていないのか。組合、会社ともに生きるか死ぬかの状況が分かっていないのではないか?」。緊迫感のなさに対して、豊田章男社長がこう一喝したからだ。組合側からの「モチベーションが低い」などの意見を聞いての発言だが、重要なのはそのメッセージが、非組合員である会社側の幹部社員にも向けられた点にある。

労使交渉関係者は次のように証言する。「社長は、若手が多い組合側よりも、ベテランを含むマネジメント層に危機感を持っていたようだ」 豊田社長の発言を受けて急きょ、部長などの幹部側が集まった。危機感の不足を議論し共有するのに1週間を要した。これが、会社回答が集中日までずれ込んだ理由の一つだった。

10月9日、労使交渉を終えた後の説明会で、河合満副社長はこう述べた。「労使が『共通の基盤』に立てていなかった。春のみの回答というのは異例だったが、労使が共通の基盤に立つための苦渋の決断だった。今回の(労使での)やり取りの中で、労使それぞれが変わりつつあるのかを丁寧に確認した」

豊田章男社長や河合副社長が実際に現場をアポイントなしで訪れ、現場の実態を確認。そのうえで、トヨタの原点である「カイゼン」や「創意くふう」に改めて取り組んだ。5月には60%だった社員の参加率は9月には90%まで上昇したという。

「全員が変われるという期待が持てた。労使で100年に1度の大変革期を必ず越えられる点を確認し、回答は満額とした」(河合副社長) 豊田社長が危機感をあらわにし、トヨタが頭を悩ませているのは、「変わろうとしない」社員の存在だった。

トヨタ労組「機能していない人がたくさんいるのでは」 

事実、河合副社長も「取り組みはまだまだ道半ば。マネジメントも含め、変わりきれていない人も少なくとも存在する」と報道陣に述べ、トヨタ自動車労働組合の西野勝義執行委員長も労使交渉の場で「職場の中には、まだまだ意識が変わりきれていなかったり、行動に移せていないメンバーがいる」と会社側に伝えた。

この問題に対応するため、トヨタ労使は、春季交渉からの延長戦の中で、現場の意識の確認とは別に、評価制度の見直しに着手していた。労使交渉の関係者などへの取材によると、トヨタにはいまだ、年次による昇格枠が設定されている。総合職に当たる「事技職」では、40歳手前で課長、40代後半で部長というのが出世コースで、このコースから外れると挽回はほぼ不可能とされる。

労使交渉では、組合側から「機能していない人がたくさんいるのではないか」「組織に対して貢献が足りない人もいるのではないか」という率直な意見が出た。関係者は語る。「リーマン・ショックまでは拡大路線が続き、働いていなくても職場の中で隠れていられた。最近はそうはいかず、中高年の『働かない層』が目立ち始めた」

秋の労使交渉後に報道陣の取材に応じたトヨタ自動車総務・人事本部の桑田正規副本部長は、日経ビジネスの「年功序列をどう変えていくのか」との質問に対して「これまでは『何歳でこの資格に上がれる』という仕組みがあった」と認め、こう続けた。

「その仕組みが、現状を反映していない場合もあった。例えば、業務職では、ある程度の年齢にならないと上がれなかったが、その期間が長すぎた。明らかに時代に合っていないものは見直していきたい。それ以外(の職種)でも、できるだけ早めにいろんな経験をさせたい。大きく(年功序列の仕組みを)撤廃するということではなく、多少、幅を広げていきたいと思っている」

トヨタは今年1月、管理職制度を大幅に変更した。55人いた役員を23人に半減し、常務役員、役員待遇だった常務理事、部長級の基幹職1級、次長級の基幹職2級を「幹部職」として統合。「事実上の降格」を可能にした。ただし、幹部職の創設は人事制度改革の入り口にすぎない。

動き始めた評価制度見直し「年次による昇格枠を廃止」 

トヨタはさらに、評価制度の見直しを労使で議論し始めた。協議の場は月に1回で、これまでに計5回。会社側は人事本部長、組合側は副委員長をトップとし、ひざ詰めの議論が続く。8月21日の5回目の労使専門委員会で、トヨタは初めて総合職の評価制度見直しの具体案を組合に提示した。

目玉は、桑田副本部長が「見直していきたい」と発言した、年次による昇格枠の廃止である。曖昧だった評価基準を、トヨタの価値観の理解・実践による「人間力」と、能力をいかに発揮したかという「実行力」に照らし、昇格は是々非々で判断するとした。「ぶら下がっていただけの50代は評価されない。これから降格も視野に入るだろう」(先の関係者)

組合執行部は「勤続年数や年齢ではなく、それぞれの意欲や能力発揮の状況をより重視する方向だ」と好意的に受け止め、運用の詳細について引き続き議論していくとしている。評価制度だけでなく、一時金の成果反映分を変更する加点額の見直しや、中途採用の強化などを労使は議論している。トヨタは総合職に占める中途採用の割合を中長期的に5割に引き上げるとも報じられている。

桑田副本部長は人事制度の見直し全般について「試行錯誤しながらやっていきたい。長く議論しても意味がないので、よく考えながら進めたい」とした。前代未聞の労使交渉延長戦から見えてきたのは、変われない社員に対する警告ともいえる人事制度の再点検だった。幹部職の創設から中途採用強化まで、トヨタは100年に1度の大変革を乗り越えるべく、従来の雇用モデルを見直そうとしている。

長い記事をそのまま紹介させていただきましたが、取捨選択しないほうが望ましいものと考えました。特集記事の見出しには「前代未聞の労使交渉」と付けられています。協議している見直し対象の幅広さも注目に値しますが、冒頭に記した一般的な労使関係の見られ方とは真逆な構図も「前代未聞」と評しているのだろうと理解しています。

この話題を紹介された組合員も「労使の立場の逆転現象が面白い」と考え、私に伝えてくれたようです。特集記事の中に「社長は、若手が多い組合側よりも、ベテランを含むマネジメント層に危機感を持っていたようだ」という記述があります。改革に後ろ向きな幹部社員側に対し、トヨタ労組は「機能していない人がたくさんいるのでは」という指摘までされているようです。

若いから新しい試みや仕事に熱心で意欲的、50歳代は自己保身に走りがちでしっかり働いていない、このように決め付けてしまうのも早計だろうと思っています。労働組合に対するイメージも固定すべきものではなく、それぞれのカラーや活動方針も様々なのだろうと見ています。その上で当該の組合員からの幅広い声を受けとめ、どのように調和をはかれているかどうかが大事な点であるはずです。

私どもの組合は労使協議を通し、長期主任職の門戸は広く開かせるように努めています。その結果、「あの人が主任?」という疑念の声が上がってしまうようでは問題です。仕事に手を抜いても相応の待遇が保障されているような見られ方も避けなければなりません。このような問題意識を抱えながら以前「ベターをめざす人事制度」という記事の中で次のように綴っていました。

そもそも試験制度の長所は、意欲のある人に手をあげさせる点、恣意的な登用を払拭する意味合いなどがあります。当然、短所もあり、もともと人事制度はベストと言い切れるものを簡単に見出せません。いろいろ試行錯誤を繰り返しながらベターな選択を模索していくことになります。いずれにしても最も重要な点は、どのような役職や職種の職員も職務に対する誇りと責任を自覚でき、常にモチベーションを高めていけるような人事制度が欠かせません。

全員が横並びとなるフラットな組織はあり得ないため、ピラミッド型の指揮命令系統も築かなければなりません。その際、ピラミッドの上下を問わず、士気を低下させない人事制度が理想であることは言うまでもありません。難しい話かも知れませんが、まず大事な点は、可能な限り公平・公正・納得性が担保された昇任制度の確立だろうと思います。合わせて、部長でも一職員でも担っている仕事の重さに大きな変わりがないという自負を持たせることも大事な点となります。

行政の行方を左右する判断を日々求められる部長の職責の重さも、子どもの命そのものを託されている保育士の責任の重さも、それぞれ優劣を付けられない重さがあります。市職員一人ひとり、そのような自覚と責任を持って務めているものと確信しています。実際、住民サービスの維持向上のためには、手を抜ける仕事など皆無です。したがって、そのような点が意識でき、積極的な動機付けとなる人事配置が非常に重要だろうと考えています。

上記のような考え方は今も変わりありません。したがって、長期主任職になって頑張ろうと意欲を示したベテラン職員が試験に落ちた場合、モチベーションが下がってしまうリスクのほうを懸念しています。それよりも主任職という肩書を得て、ベテラン職員がよりいっそう自分自身の職務に励む動機付けにつなげていけることのほうが組織にとっても大きなメリットだろうと考えています。

一方で、トヨタの労使交渉のような動きを決して批判的に見ている訳ではありません。それぞれの企業や自治体の労使が対等の立場で議論を尽くし、より望ましい当該組織の人事制度を確立していくことが大事な試みだと認識しています。なお、長期主任職選考方法の見直しに関しては水曜夜に開く定期大会当日に配布する「当面する闘争方針(案)」の議題の一つとしています。

最後に、トヨタと言えば『トヨトミの野望』という小説を最近読み終えていました。覆面作家の梶山三郎さんが「巨大自動車企業の真実を伝えたいから、私は、ノンフィクションではなく、小説を書きました」と述べているとおり登場人物の実名は容易に特定できます。文庫本化されて手にしていましたが、たいへん興味深い小説でした。トヨトミ自動車の御曹司である豊臣統一はトヨタの豊田章男社長のことだと分かります。

年長の幹部、管理職たちには「天下のトヨトミが潰れるはずがない、潰れるときは日本が沈没するとき、倒産などあり得ない」と呑気な面々が大勢を占めた、小説の中で豊臣統一が語っている言葉です。前述したとおり日経ビジネスの特集記事の中でも豊田章男社長が同じように見ていることを伝えていました。年功序列人事の弊害が焦点化されがちですが、あくまでも個々人の意識を高めていくための制度や組織のあり方が肝要なのだろうと考えています。

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2019年10月26日 (土)

会計年度任用職員制度、労使合意

懸案課題だった会計年度任用職員制度の条例化に向けて労使合意しました。労使交渉の結果等を組合員の皆さんに伝える手段は紙媒体が基本です。交渉の行方を心配されていた当事者である嘱託職員の皆さんの多くは出先の職場で働いています。今回の交渉結果を伝える組合ニュースが届くのは週明けとなります。

このブログは個人の責任によって運営していますが、SNSの速報性を活かし、組合ニュースでの全体周知の前に新規記事の題材として取り上げさせていただきます。前回記事「組合活動の近況、2019年秋」のコメント欄にyamamotoさんから次のような書き込みがありました。

団体交渉は合意することが目的なので、交渉最終日に市長から前向きな回答を得て合意とのシナリオができてると思っています。当局も12月市会まで延ばして交渉してきたわけで、ゼロ回答はありえないでしょう。労使がまったく譲歩しないのは、ただの結論なき話し合い、座談会で交渉ではありません。

私からは「ご指摘のとおりお互いの主張から一歩も踏み出せないようであれば交渉は成り立ちません。参考までに私自身の問題意識等を綴った以前の記事を紹介させていただきます」と記し、以前の記事「労使交渉への思い」を紹介させていただきました。その記事の中には次のような一文を残しています。

労使交渉に限らず、それぞれ考え方や立場の異なる者同士が話し合って一つの結論を出す際、難航する場合が多くなります。利害関係の対立はもちろん、お互い自分たちの言い分が正しいものと確信しているため、簡単に歩み寄れず、議論が平行線をたどりがちとなります。両者の力関係が極端に偏っていた場合、相手側の反論は無視され、結論が押し付けられがちとなるはずです。しかし、そのようなケースは命令と服従という従属的な関係に過ぎず、対等な交渉とは呼べなくなります。

そのために「労使対等」原則があり、労働条件の変更は労使協議を尽くし、合意が得られない限り一方的に実施しないことを確認しています。このような信頼関係を維持していくためにはyamamotoさんのご指摘のとおり「労使がまったく譲歩しないのは、ただの結論なき話し合い」にとどめない決断が労使双方に求められていきます。

ただ私どもの労使関係に完璧なシナリオはなく、どのような結論を見出せるのかどうか激しい議論を交わす団体交渉や断続的に重ねる事務折衝を通して状況が常に変化していきます。木曜の夜、確かに市側からすれば組合の主張に沿った前進した内容の回答を示してきました。それでも組合として合意できる水準には程遠く、労使協議を重ねていきました。

最終的に合意に至ったのは金曜を迎えた深夜1時近くでした。これまで「会計年度任用職員」「会計年度任用職員制度の労使協議を推進」「会計年度任用職員制度、労使協議の現況」という記事を投稿してきましたが、私どもの組合にとって非常に悩ましい事態を強いられていました。法改正が非常勤職員の待遇改善の好機ととらえていたのにも関わらず、全体を通して後退する内容が目立っていました。

他団体に比べて月額報酬の額が高い、他団体の非常勤職員の病休は無給である、このような点を市側は説明し、総務省の事務処理マニュアルに基づき他団体の非常勤職員との均衡に固執していました。月額報酬を1万円ほど下げ、休暇制度は都準拠とし、唯一改善となる期末手当支給も2年間かけて2.6月までに引き上げるという提案内容でした。

それに対し、組合は法案成立時の国会の附帯決議が「公務における同一労働同一賃金の在り方に重点に置いた対応」を求めていることをはじめ、総務省の事務処理マニュアルも全体的な底上げをはかることを目的とし、決して水準の高かった自治体の非常勤職員の待遇を引き下げることを企図していないと再三再四訴えてきました。

木曜夜の団体交渉の中で副市長は「条例や予算の裏付けが必要であり、私どもの市だけ突出した制度は議会や住民の皆さんに説明できない」とし、これ以上、提案内容を改める考えはないことを組合側に伝えていました。私からは「当り前なこととして法的に問題になるようなことを求めていない。月額の現給を保障することなど充分説明できるのではないか」と反論しています。

このような反論を加えている時、このブログのことが頭の中に浮かんでいました。いつも説明していることですが、組合ニュースは組合員一人ひとりに配られ、配布後の取扱いは自由です。このようなオープンな配布の仕方ですので、組合ニュースが市議会議員や住民の皆さんの目に留まることも想定しています。

要するに誰に見られても困るような内容は掲げていません。ただ交渉結果の内容や組合の考え方に対しては人によって評価が分かれ、批判の対象になる場合があるのかも知れません。それでもコソコソ隠すような労使交渉や主張は行なっていないため、「内部資料」「取扱注意」のような但し書きは一切ありません。

仮に圧倒多数の方々から問題視されるような交渉結果や組合の主張だった場合、何か改める要素があることを察知する機会にすべきだろうとも考えていま。そのような意味合いからも当ブログの記事の中で、組合員の皆さんに伝えているニュースの内容をそのまま掲げる時があります。今回の記事もその機会とし、週明けに配布する最新の組合ニュースに掲げる内容をそのまま紹介します。

会計年度任用職員制度、条例案送付を基本合意 ~24日深夜に及ぶ交渉で前進した回答~

継続課題の会計年度任用職員制度は24日、労使協議を重ねた結果、前進した回答を引き出し、12月議会への条例案送付について基本合意しました。休暇制度等の現行の待遇を後退させず、来年度から結婚休暇を導入することができました。月額報酬の確保は到達できませんでしたが、他団体に比べて水準が下回る職種等については引き続き協議していきます。

公募によらない再度の任用は原則として連続4回としますが、これまでの労使確認事項も尊重していきます。期末手当は経過措置を設けず、来年度から年間2.6月を支給します。さらに在職者は6月支給分満額1.3月とします。今後、主任職制度の導入も検討していきます。  

その他、必要な課題について引き続き労使協議していくことを確認しています。この課題や賃金闘争、長期主任職試験見直し提案等について定期大会(11月6日)当日配布の議案として予定しています。ぜひ、多くの方の出席をよろしくお願いします。

定期大会当日に配布する資料を通し、上記内容を次のとおり補足する予定です。病休の無給化提案が最も嘱託職員の皆さんの不安感を生じさせていました。病休の有給維持をはじめ、休暇制度全般を現行同様とする提案に改めさせることができ、嘱託職員である執行委員の方は本当に安堵されていました。さらに来年度から結婚休暇を導入することができたことも前進でした。

公募によらない再度の任用は原則として連続4回としますが、これまでの労使確認事項も尊重していくという市側の考え方を引き出しています。現在も年度単位の雇用ですが、恒常的な業務に従事する嘱託組合員の方々はその勤務経験を尊重しながら雇用継続しています。このような従来の労使確認事項を踏まえ、5年後、合理的で適切な対応をはかっていくことになります。なお、来年度に向けては人事評価をもとに在職者の雇用継続を確認しています。

最大の労使の争点だった月額報酬の見直しは提案通り受け入れざるを得ませんでした。他市の嘱託職員の報酬額を時間単価に置き換えた比較表を示し、期末手当を新たに支給するため、年収総額で30万円ほど引き上げになる提案であることを理解して欲しいという市側の姿勢は一貫していました。地方交付税不交付団体であり、数億円単位の増額分を自主財源で賄わなければならない財政的な事情も大きかったようです。

基本合意する中で、他団体に比べて水準が下回る職種等については上乗せに向けて引き続き協議していくことを確認しています。また、当初の提案で期末手当は2年間かけて段階的に引き上げていく考え方でしたが、来年度から2.6月支給することを確認できました。さらに新規採用とは異なる在職者の場合、来年6月支給分から満額の1.3月とする回答を引き出すことができました。

月額報酬が下がる緩和策の一つとして、最終盤の交渉で組合側が強く要求した対応策でした。それこそ団体交渉で激しくぶつかり合う中、副市長が途中で考えを改めた様子がうかがえたため、市側にとって想定外のシナリオだったかも知れません。もう一つの緩和策として、4月5月は現給を保障することを求めました。受け入れさせることはできませんでしたが、6月から1.3月支給のほうが額としては断然優位な交渉結果となっています。

月額報酬の現給保障につながる案として、組合側から主任職制度の導入を求めました。これまでベテラン職員と新規採用職員が同じ額であることの問題性を訴える組合員も少なくありません。そのような声があることも踏まえながら早期の導入を求め、 最終盤の交渉では「今後、検討していく」という確認を交わしています。「この場だけの回答にしないように」と副委員長は執拗に念を押し、人事課長から「他団体の事例を参考にしていく」という言葉を引き出しています。

以上は会計年度任用職員制度の条例化に向けた労使合意事項です。その他、必要な課題について引き続き協議していくことを確認しています。継続協議を約束している学校事務職場の業務のあり方などもその一つとなります。具体的な業務のあり方の取扱いとなるため、新たに執行委員に立候補された学校事務嘱託の皆さんとともに教育委員会当局と協議していく場を早急に設ける予定です。

最後に、余談です。深夜に及ぶ交渉が終わり、帰宅した後、神経が高ぶっているためか、すぐ眠れません。3時間も眠れませんでしたが、金曜は一日勤務し、夜は職場の歓送会もありました。ちなみに今年度、欠員、補充、欠員と続いているため、毎月のように歓送迎会があります。その夜は睡眠不足だったことを忘れ、2次会まで参加していました。11時過ぎ、バスに乗れましたが、眠ってしまい、気付いた時は終点近く…。タクシーもつかまらず、重い足取りで自宅をめざすことになった金曜の深夜でした。

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2019年10月19日 (土)

組合活動の近況、2019年秋

記録的大雨と暴風が吹き荒れた台風19号は各所に甚大な被害をもたらしていました。被災された方々に対し、心からお見舞い申し上げます。台風15号の時は「不人気なマイナンバーカード」という記事の冒頭でお見舞いの言葉を述べさせていただき、被災された地域の皆さんの苦難を我が身のこととして考えなければならないことも記していました。

地球温暖化の影響から確実に気候が変動しています。かつてない規模の強力な台風という言葉が使えなくなるほど異常気象にいつも見舞われるような事態になりかねません。環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんの国連での怒りの演説に対し、私たちは本当に真摯な姿勢で向き合わなければならないのだろうと思っています。

さて、今回の記事タイトルは「組合活動の近況、2019年秋」としています。今年6月に投稿した記事「会計年度任用職員制度、労使協議の現況」の冒頭に「実際の日常的な組合活動は労働条件に関する職場課題が中心となっています」と記していました。

今、力を注いでいる職場課題が会計年度任用職員制度をどのように確立できるかどうかです。多くの自治体が9月議会までに条例化を果たしています。私どもの市では労使の主張に隔たりが大きく、12月議会に向けた継続協議としていました。水曜夜に団体交渉を開き、嘱託職員である執行委員の切実な声をはじめ、組合の主張を改めて強く訴えています。

月収や休暇制度など現行の待遇を維持した上で期末手当2.6月支給を求める組合に対し、年収総額での上積みであることを理解して欲しいと市側は説明しています。条例案送付が翌週の金曜に予定されているため、緊迫化した局面を迎えています。組合は何としても前進した回答を引き出す決意を固めています。

自治労現業統一要求の文書回答が示され、労働条件の変更に関わる事項は従前通り労使で事前協議することを確認しています。水曜の団体交渉では個々の労使確認事項に基づき「必要であれば採用を検討」という考え方に変わりないことも市側と確認しています。現業職の採用問題に関しては以前の記事「減り続けている現業職場」の中で綴っているような問題意識を抱えています。

水曜の昼間には東京都人事委員会の勧告が示されていました。官民格差が47円と極めて小さいため、例月給の改定は見送る勧告を示しています。一時金は0.05月分引き上げ、年間4.65月分となります。私どもの市は東京都人事委員会勧告の内容を基本に賃金改定交渉に入ります。今後、この勧告内容を受け、11月中旬までに団体交渉を重ねていくことになります。

重要な職場課題が目白押しな中、前々回記事「組合役員の改選期、インデックスⅡ」でお伝えしたとおり11月6日夜の定期大会に先がけて組合役員選挙が行なわれます。定数内の立候補のため、信任投票が実施されます。下記の文章は立候補にあたり、組合員の皆さんに回覧し、お示しする私自身の選挙広報に掲げた内容です。

組合は大事、つぶしてはいけない、そのためには担い手が必要、そのような思いを強めています。組合役員を長く続けてきた自分自身の責務として、持続可能な組合組織に向けた基盤を整え、次走者に安心して「バトン」を渡せるタイミングを強く意識しています。

一方で、同じポストに同じ人物が長く務めることのマイナスも意識しているため、今回が区切りを付ける大きな機会だったのかも知れません。残されたメンバーに苦労をかけますが、しっかり活動は継承されていくのだろうと信じています。それでも次年度も引き続き担うことで、よりいっそう発展していく組合活動に寄与できればと考えさせていただきました。

幸いにも次年度に向け、執行委員の立候補者が増えています。様々な事情を抱える中、決意された皆さんに心から感謝しています。新たな一年、様々な難題に対し、引き続き組合運動の先頭に立ち、全力を尽くす決意ですので、よろしくお願いします。

ここ数年、執行委員定数12名を満たすことは程遠く、年を重ねるごとに欠員の数を増やしてきました。上記のとおり久しぶりに前年よりも立候補者を大幅に増やすことができました。要請に応えていただいた職場の皆さん、本当にありがとうございました。たいへんさを分かち合いながら無理をせず、一歩ずつ頑張っていきましょう。

木曜の夜は学童保育所職場の定期総会があり、委員長として挨拶に伺いました。会計年度任用職員制度の労使協議に関する内容を中心に話し、組合役員の担い手問題についても改めて触れさせていただきました。前日の夜、この会議室で団体交渉を開き、皆さんの代表である執行委員が熱い思いを副市長らに訴えたこともお伝えしていました。

金曜の夜にはオスプレイの横田基地配備に反対する三多摩集会に参加しています。前述したとおり日常的な組合活動は職場課題を中心に位置付けています。このような集会参加の要請に対し、一昔前は職場ごとに割り当てた人数の参加を求める「動員」という言葉がありました。かなり前から組合ニュースでの案内を中心とし、あくまでも関心を持った組合員が参加するかどうか個々の判断に委ねています。

ここ数年は執行委員会の中でも個々の判断に委ねるという雰囲気作りに心がけています。一人でも多くの参加者を集めたい主催者側の皆さんには申し訳ありませんが、背伸びしない持続可能な組合活動に向けた私自身の一つの考え方となっています。

さらに平和の課題に関しては「なぜ、反対しているのか」という背景や論点を発信していくことの大切さに思いを巡らしています。そのような点を意識しているため、このブログの中で平和の課題に関する題材を取り上げることが多くなっています。ちなみにオスプレイを取り上げた記事としては「横田基地にオスプレイ」「突然、横田基地にオスプレイ」などがあります。

土曜には自治労都本部市町職連絡会の拡大単組代表者会議があり、なかなか多忙な1週間でした。新しく執行委員に立候補された皆さんが当ブログをご覧になった時、戸惑わせないように申し添えなければなりません。このように連日、組合活動に関わる日程が入ることはそれほど多くありません。特に執行委員の方が極力予定願わなければならないのは水曜夜の団体交渉だけであることも付け加えさせていただきます。

最後に、今回の記事内容から離れてしまいますが、神戸市の小学校教員のいじめ問題に触れさせていただきます。伝わってくる加害教員の卑劣な行為には物凄い怒りが沸き上がってきます。なぜ、そのような暴行や暴言が放置されてきたのか、前校長や現校長らの責任は重大だと考えています。

そのような思いを強めながら注視している事件でしたが、木曜夜のニュースで「給食のカレーをやめる」という話を耳にし、唖然としました。問題となったいじめが家庭科室でカレーに絡んだものでしたので「家庭科室の改修も予定している」と伝えていました。そのことを取り上げた新聞記事を参考までに紹介しますが、「やるべきことはそこじゃない」という指摘がまったくその通りだと思っています。

神戸市立東須磨小学校の教員間暴行・暴言問題を巡る保護者説明会で、30~40代の加害教員が被害者となった20代男性教員に無理やり激辛カレーを食べさせる動画にショックを受けたであろう児童たちへの対応策として、「給食のカレーを一時中止する」という発表があったことが明らかになった。SNSではその報道を引用しながら、17日夜から18日朝にかけて違和感を示す投稿が相次いだ。

タレントのフィフィは「やるべきはそこじゃない…って、ことの本質も分からない組織なんだと思う」と指摘。映画評論家の町山智浩氏は「その教師が責任とってやめるんじゃなくて、子どもたちが大好きなカレーをやめんだ。その学校やめたら?」とツイートした。問題の本質を掘り下げず、“カレーにはカレーを”という表面的な発想に対して「意味がわかりません」「問題はそこではない」「カレーに罪はない」といった声が続いた。

さらに「給食にカレーライス出さない結論より、いじめをする人を出させない教育をしようと何故思ってくれないのか?」「大人達の問題で子供達の唯一の楽しみであろう給食のカレーをさらに大人達が勝手に廃止にして取り上げてしまう理由が全くわからない」といった投稿が続き、今回の問題が起きた教育現場への不信感や異論を示す声が相次いだ。【ディリースポーツ2019年10月18日

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2019年10月12日 (土)

子ども虐待のない社会をめざして

水曜の午後、主催者側のプロジェクトの一員として連合三多摩ブロック地協の政策・制度討論集会に参加しました。毎年、この時期に開かれ、これまで当ブログでは連合三多摩の政策・制度討論集会で得られた内容をもとに「子ども・子育て支援新制度について」「保育や介護現場の実情」「脱・雇用劣化社会」「子どもの貧困と社会的養護の現状」という記事を綴っていました。

三多摩の地で働き、三多摩の地で暮らす組合員の多い連合三多摩は、各自治体に向けた政策・制度要求の取り組みに力を注いでいます。今年も多岐にわたる要求書を全自治体に提出しています。その一環として討論集会を企画し、政策・制度要求に掲げている重点課題等について認識の共有化に努めています。

主催者を代表した議長挨拶は労使関係で解決できない課題を政策・制度要求につなげていることを説明し、「よく見る、よく知る、よく触れる」という心構えの大切さなどを訴えられていました。プロジェクトの主査からは「多摩の未来に夢を」というスローガンを掲げた政策・制度要求の取り組みについて全体会の中で報告を受けています。

■子ども虐待をなくすために

200名ほどが参加した全体会の後、二つの分科会があり、私は第1分科会「子どもが幸せに暮らせるために~虐待のない社会をめざして~」に参加しました。最初に課題提起として「子ども虐待をなくすために私たち一人ひとりに何ができるか」というテーマで子育てアドバイザーの高祖常子さんのお話がありました。

高祖さんは認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事をはじめ、子育て支援の活動に幅広く関われている方です。まず高祖さんは子育て家庭の現状を説明しています。共働き世帯は1980年に600万世帯でした。それが今では1200万世帯を超えています。1100万を超えていた専業主婦世帯が600万を下回り、40年近くで比率が逆転しています。

働き方改革が叫ばれ始めていますが、早く家に帰りたくても帰れない労働者は少なくありません。さらに日本の家事育児時間は女性に大きく偏っています。仕事で疲れて帰った後、家で子どもが泣きわめくと落ち着かず、怒鳴ってばかりというBADサイクル、特に働く母親に見られがちな現状の多さを高祖さんは指摘しています。

共働き家庭の夫婦が家事育児を分担でき、帰宅後、子どもやパートナーと笑顔で過ごせる時間を増やせれば翌日の仕事にも前向きに取り組める、GOODサイクルにつながることの大切さを訴えられています。いずれにしても養育者がストレスを抱えると、子どもがストレスのはけ口になりがちな危うさを高祖さんは懸念されています。

続いて子ども虐待の現状について高祖さんからお話がありました。児童相談所の虐待対応件数は2000年まで1万件以下でした。それ移行、毎年増え続け、年間で16万件を超えています。通告件数が増え、表面化されるようになったという見方もありますが、増え続けていることは確かであるようです。

2018年度の統計で虐待による死亡事例の約8割が3歳以下です。加害者の48%が実母であり、実父は27%です。実母と実父が11%、実母の交際相手が2%、その他が12%となっています。子育て時間に対して実父の27%という比率は高いという分析を高祖さんは加えられていました。

児童虐待の定義として、身体虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4種類に分類されます。4年前から「叩く」という行為も身体虐待に加えられています。虐待を引き起こす要因や背景は複雑で、親や養育者が抱える事情がいくつも重なって起こります。高祖さんは大変な時、リストラや引っ越しなど大きな変化があった時に起こりやすいと話されていました。

目黒区で5歳の結愛ちゃん、野田市では10歳の心愛ちゃんが虐待によって命を落としています。「しつけのつもりだった」という父親の供述もありますが、高祖さんは「しつけと虐待は違います。子どもが耐え難い苦痛を感じれば、それは虐待です」と強調されています。厳しい体罰で前頭前野が委縮し、暴言で聴覚野が変形するなど、辛い体験記憶によって脳を傷付けていることが科学的に立証されているそうです。

影響力の高い国会議員は高齢男性が多く、親のしつけに対する認識に温度差があったようです。日本が子どもの権利条約を批准してから22年、ようやく2016年に児童福祉法を改正し、子どもが「権利の主体」として位置付けられました。さらに「しつけに際して体罰を加えてはならない」と明記されたのは今年6月のことでした。今後、「暴言の禁止」もガイドラインに含めて欲しいと高祖さんは訴えています。

感情的にならない子育てのためにはストレスの爆発を逃す自分なりの方法を見つけておくことを高祖さんは勧められています。「何やってんの!!」と怒鳴りそうになった時、深呼吸することや子どもの気持ちを言語化しながら「またそんなことして~」と笑顔で問いかけ、怒りを子どもにぶつけないことが重要です。このような心構えを書いたメモを冷蔵庫に貼っておくことも勧められていました。

虐待のない社会にするための大切な考え方として「子ども一人育てるのに村人全員が必要」というアフリカの諺を高祖さんは紹介されていました。パパとママで育児家事、周囲(じじばば、ママ友、パパ友、ご近所)の助けを借りる、受援力(「助けて!」と言える力)、「できる」ために考え工夫する力、おせっかい力、行政のサポート情報を知る力・使う力などの必要性を説かれています。

児童相談所の実情

事例報告として「児童相談所の実情」を朝日新聞編集委員の大久保真紀さんからお話を伺いました。大久保さんは1か月間、ある児童相談所を朝から夜まで密着取材されていました。『ルポ 児童相談所』という著書があり、第1分科会の座長は事前に著書を読まれたそうです。その座長は私が所属する地区協の議長を務めている方ですが、電車の中で読んでいた時に涙を流していたことを話されていました。そのように興味深い著書であり、会場の受付で販売していた著書は完売していました。

今回の大久保さんの事例報告を通し、児童相談所の置かれた厳しい現状に触れることができました。頻発している痛ましい事件に接し、児童相談所が適切に対応していれば救える命を救えたのではないかという批判も示されがちです。猛省すべき点も認めていかなければなりませんが、蚊帳の外から批判だけすれば良いものではないという立場から大久保さんは児童相談所の取材に向き合っているそうです。

児童相談所は児童福祉法に基づき都道府県や政令指定都市に設置が義務付けられ、中核市にも置くことができるようになっています。ちなみに関係機関との連絡調整をはかる要保護児童対策地域協議会は基礎自治体である市町村が運営しているため、児童相談所も住民にとって最も身近な市町村に置くことが望ましいのではないかと大久保さんは語られていました。

児童相談所は親から養護や非行などの相談を受ける機関であり、仕事は多岐にわたっています。そのような中で虐待相談件数は2018年度に15万9850件で、児童虐待防止法施行前の1999年度に比べると13.7倍となっています。関係機関から虐待の通告があれば48時間以内に子どもの安全を確認しなければなりません。そのため、夜中の呼び出しや休日出勤は珍しくありません。

児童相談所には子どもの命を守るため、親の同意なくても預かる「職権保護」を判断できる役割があります。「職権保護」に向けては判断の難しさをはじめ、携わる人数や手間の問題、時には身の危険もあります。ちなみに小学生以上の場合、子ども本人の同意も必要とされているそうです。一時保護すれば終わりではなく、一時保護先の決定や抗議してくる親との対応などに追われます。

このような役割を負っている児童相談所の人材の質的・量的強化の必要性を大久保さんは強く訴えられています。ソーシャルワーカーといわれる児童福祉司を厚労省も増員していく方針です。ただ大久保さんは担当件数の緩和とともに専門性の確保が欠かせないという認識です。現在、全国で児童福祉司は約3600人ですが、専門職採用は77%、勤務年数3年未満が49%となっています。

大久保さんは児童相談所の質と量の確保は10年から15年かけた長期的な視点が必要だと話されています。その上で児童福祉司や児童心理司を国家資格とすることや弁護士の常勤化などの検討を求めています。さらに市町村の支援や機能分化について触れながら市町村側の態勢強化も提起されていました。要保護児童対策地域協議会の事務局職員の専任は36%にとどまっているそうです。

西東京市の子ども条例

続いて事例報告「西東京市子ども条例の制定について」は西東京市子育て支援部の主幹からお話を伺いました。西東京市は昨年10月1日、「今と未来を生きる全ての子どもが健やかに育つ環境を整えるため、その理念を共有し、仕組みを整え、まち全体で子どもの育ちを支えていくこと」を目的とし、西東京市子ども条例を施行されていました。主幹から次のような六つの特徴があることの説明を受けています。

  1. 総合的な条例 ~ 西東京市の子どもがいっそう自分らしく生きていくことができるように、また、西東京市で生じた痛ましい事件を忘れないためにも、前文で条例の理念を示した「総合的な条例」です。
  2. 相談・救済機関の設置 ~ 子ども固有の悩み事等について、子どもに寄り添い、一緒に考え、安心・解決できるような相談・救済機関をつくることを定めています。
  3. 施策の原則を規定 ~ 子どもをめぐる今日的な問題(虐待、いじめ、子どもの貧困、子どもの居場所づくり等)に取り組むこと等について施策の原則を定めています。
  4. 関係者の支援 ~ 上述の施策が推進されるためにも、保護者・家庭、育ち学ぶ施設やその関係者、地域・住民が役割を十分に果たせるよう支援を受けられることを定めています。
  5. まち全体で育ちを支える ~ 市民をはじめ関係者の連携を強調し、まち全体で子どもの育ちを支えていくことを示しています。
  6. 子どもたちにもわかりやすく ~ 子どもが条例に親しみを持てるよう、条文を「です・ます調」で記しています。

5年前、虐待による中学生の自死事件が西東京市内で発生していました。このことを重大かつ深刻な事態であると受けとめ、児童虐待防止の取り組みを改めて強化されたそうです。前述したとおり3年前には児童福祉法が改正され、子どもの権利擁護が明確化されていました。このような経緯があり、市長の制定に向けた明確な意思のもとに条例づくりが進みました。

2017年8月に庁内検討委員会が設置された後、子ども子育て審議会専門部会で議論を重ね、子ども条例制定要綱案をまとめています。その要綱案について2018年6月から7月までパブリックコメントを実施し、その年の9月、市議会定例会に条例案が上程されていました。条例の制定後、子ども条例の普及啓発、子ども施策推進本部の設置、子どもの相談・救済機関の設置に取り組まれています。

特に普及啓発に際し、子ども自身が「権利主体」であることに気付かせていくことを重視されているそうです。子ども条例副読本等の制作にあたっては、より子どもに近い大学ゼミの学生から意見を聞かれていました。子ども相談室は「ほっとルーム」、子どもの権利擁護委員会は「CPT(children protect team~子どもの笑顔を守るため~)」という愛称は中学生から募集し、小学生の投票で決めたそうです。

虐待の社会的損失1.6兆円

たいへん中味の濃い課題提起と事例報告でしたので、主な要点をまとめたつもりでしたが長い記事になっています。もう少し続けさせていただきますが、質疑討論の時間も非常に充実したものでした。会場からの質問者にマイクを渡す係でしたが、私からも質問させていただいています。すべて網羅した報告はできませんが、より印象に残った話をいくつかご紹介します。

子ども虐待によって生じる社会的な経費や損失は年間1.6兆円になるという試算があります。虐待に対応する直接費用は1千億円にとどまり、虐待を受けた子どもが将来納税者になるのか、税金を使う側になるのかどうかという間接費用が大半を占めています。日本より人口の少ないオーストラリアの直接費用は3千億円であり、他国に比べて日本の直接的な費用は少ないそうです。将来の膨大な損失を防ぐためには、もっと予算を投入する必要があることを知り得る機会となっていました。

貧困の連鎖という言葉がありますが、親から子どもへの虐待の連鎖があることも否めません。辛い体験記憶が脳を傷付けていくことを前述していましたが、今、子どもを虐待しているその親も子どもの時、親から虐待を受けていた可能性があります。「加害者は被害者」という言葉が印象に残っています。

私たち一人ひとりができること、心がけるべきこととして、子ども虐待のサインに気付き、サインが見られたら、ためらわず児童相談所等に通報することが求められています。不自然な傷や打撲の後、着衣や髪がいつも汚れている、表情が乏しい、夜遅くまで一人で遊んでいる、1時間以上泣いている、毎日泣いている、「痛い」「やめて」という声が聞こえる、親を避けようとする、勘違いだったとしてもサインに気付いたら通報するよう講師の皆さんそれぞれが要請されていました。

最後に、それぞれのポジションからできること

以上のような話について、もともと熟知されていた方も多いのかも知れません。それでも今回の政策・制度討論集会に参加し、いろいろ感慨を深められた方も多いはずです。この集会には連合に所属する組合役員の他に自治体議員や自治体担当者の皆さんも参加されていました。それぞれのポジションに戻り、冒頭の議長の挨拶のとおり「よく見て、よく知った」ことを伝えていき、具体的な施策につながるようであれば、よりいっそう今回の集会が意義深いものとなります。

このような意味合いからも、さっそく今週末に更新するブログの題材として取り上げていました。児童虐待をなくすことは当事者の子どもを真っ先に救うことであり、場合によって当該の家族を救うことにもなります。児童相談所に関わってもらえたことを後から感謝する親も少なくないようです。社会的損失の問題も含め、私たち一人ひとりは決して傍観者ではないことを認識する機会となっていました。改めて講師の皆さん、ありがとうございました。

なお、第2分科会は「外国人の労働者施策の現状と課題~共生社会の実現に向けて~」というテーマでした。昨年12月には「入管法改正案が衆院通過」という記事を投稿していましたので、こちらのテーマにも興味がありました。分科会は同時並行で開かれていますので直接お話を伺うことはできませんでした。ただ参考となる資料は持ち帰っていますので、機会があれば当ブログの題材として取り上げられればと考えています。

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2019年10月 5日 (土)

組合役員の改選期、インデックスⅡ

10月から消費税が10%に引き上げられました。このブログでも以前「消費税引き上げの問題」という記事を投稿していました。大きな節目に際し、新規記事で取り上げることも考えていました。しかしながら私どもの組合にとって最も重要な問題であり、たいへん重要な1週間を迎えるため、ローカルな話題で恐縮ながら組合役員の改選期の話を取り上げさせていただきます。

その上で参考までにブックマークしている朝霞市議の黒川滋さんのブログ「きょうも歩く」の記事「10/1 きょうから消費税10%に」をご紹介します。軽減税率やポイント還元の問題なども含め、全体を通して私自身の認識と同じであり、たいへん共感した記事内容でした。ぜひ、お時間等が許されればリンク先をご覧になってください。

さて、カテゴリー別に検索できる機能を使いこなせず、これまで「自治労の話、2012年夏」のように記事本文の中にインデックス(索引)代わりに関連した内容のバックナンバーを並べていました。その発展形として「○○の話、インデックス」を始めています。その記事の冒頭、インデックス記事のバックナンバーを並べることで「インデックス記事のインデックス」の役割を持たせています。カテゴリー別のバックナンバーを探す際、自分自身にとっても役に立つ整理の仕方であり、時々、そのような構成で新規記事をまとめています。

これまで投稿したインデックス記事は「職務の話、インデックス」「原発の話、インデックス」「定期大会の話、インデックスⅡ」「年末の話、インデックスⅡ」「春闘の話、インデックスⅡ」「組合役員の改選期、インデックス」「人事評価の話、インデックス」「図書館の話、インデックス」「旗びらきの話、インデックスⅡ」「人事院勧告の話、インデックス」「非正規雇用の話、インデックスⅡ」「いがみ合わないことの大切さ、インデックス」「憲法の話、インデックスⅡ」「平和の話、インデックスⅢ」」「原発の話、インデックスⅡ」「コメント欄の話、インデックスⅡ」のとおりです。なお、「Ⅱ」以降がある場合は最新のインデックス記事のみを紹介しています。

そのようなインデックス記事が右サイドバーの「最近の記事」から消えていましたので、今回、「組合役員の改選期、インデックスⅡ」として書き進めることにしました。2015年以降、今回、追加した記事は5点でした。毎年、秋に私どもの組合の定期大会があり、大会から大会までの1年間が組合役員の任期となっています。そのため、「定期大会の話、インデックスⅡ」と重複する記事が多くなっていますが、「組合役員の改選期」に絞ったインデックスとしてご理解ください。

インデックス記事を投稿した際も必ずその時々の近況や思うことを書き足しています。今回も同様に「組合役員の改選期」に絡んだ内容を少し書き進めてみます。組合役員の担い手不足という悩ましい問題が恒常化し、紹介した上記の記事の中で様々な思いを綴ってきています。今年も11月6日に定期大会を控え、火曜日から役員選挙の立候補等の受付が始まります。

久しぶりの自治労大会」の中で記したとおり全国的な自治労の現況として次代の組合役員(執行部) の担い手の問題が深刻化しています。各職場からの輪番制で1年ごとに役員が交代し、さらに経験の乏しい若年層のみで担う組合が増えているようです。その結果、定例の執行委員会や組合ニュースの定期発行を行なえず、統一要求書の提出などにも対応できない「有名無実化」が進み、組織維持そのものが困難視されている組合も目立ち始めています。

組合役員の担い手の問題は新規採用者の組合加入に向けた働きかけも不充分になりがちです。具体的な組合活動の不足は組合そのものの存在意義が問われることになり、脱退者を増やす一因につながりかねません。組合員数の減少は組合の財政問題にも直結し、予算不足から必要な活動に制約をきたす恐れも生じます。組合役員の担い手問題は負のスパイラルに陥る深刻な事態だと言えます。

もちろん個々の組合によって事情は大きく違うようです。組合役員の担い手問題に悩むことはなく、活発な組合活動を続けている組合も多いのではないでしょうか。ちなみに全国的な状況とは異なる意味で、自治労東京都本部内の多くの単組(単位組合)は苦しい局面を迎えています。組合役員の世代交代や新陳代謝が円滑化できず、一部の組合役員が留任を重ねることで必要な活動を継承している現況です。

私どもの組合は真っ先に数えられがちなそのような組合の一つに至っています。すでに執行委員会等で表明している話ですので結論を先に申し上げます。私自身、引き続き執行委員長に立候補することを決めています。同じポストに同じ人物が長く務めることのマイナスも意識しています。「同じ人が役員を長くやると経験が豊富ゆえに組織はしっかりするが、その人がいなくなると運動が次につながらない」という声も耳にしています。

それでも今、退任することは責任ある対応に至らず、周囲からもそのように見られていることを受けとめ、結果的に毎年、留任する判断を下してきています。組合は大事、つぶしてはいけない、そのためには担い手が必要、そのような思いを強めながら委員長を続けています。持続可能な組合組織に向け、組織基盤を底上げすることに力を注ぎ、次走者に安心して「バトン」を渡せるタイミングを強く意識しています。

労働組合の委員長は首長のように幅広い分野で大きな権限を持っていません。ただ小さいながらも当該組織の進む方向性等に対し、大きな責任や役割を持っていることも念頭に置いていかなければなりません。この責任や役割に対し、当該組織の構成員から信頼を得られないようであれば身を引くことが賢明な判断なのだろうと思っています。幸いにも多選に対して私どもの組合員の皆さんから特に批判の声は上がっていません。

とりわけ今回、引き続き立候補するという判断を伝えた際、安堵される方々が多く、私自身の独りよがりな問題意識ではないものと理解しています。以前「タイタニックにならないように…」という記事を投稿していましたが、沈みそうな船から船長が真っ先に逃げてしまっては批判の対象になります。船長が逃げ出したことで沈没を免れなくなってしまうようであれば、もっと大きな批判の対象になりかねません。

「今、委員長がやめたら組合はつぶれてしまう」と心配する現職の組合役員がいる一方、「委員長がやめても組合はつぶしません」と自信を示してくれる役員もいます。確かに私自身が退けば残されたメンバーに苦労をかけますが、いきなりつぶれることはなく、しっかり組織は維持されていくのだろうとも思っています。それでも今ではなく、次年度も引き続き担うことで組合役員の担い手が広がるための処方箋を探し続けてみるつもりです。

組合役員の担い手問題は、まだまだ書き進めたい点があります。今回、インデックス記事としていますので、ぜひ、お時間等が許される際はバックナンバーもご覧いただければ幸いなことです。参考までに「組合は大事、だから幅広く、多くの担い手が必要です! 同時に貴重な経験を積める組合役員、ぜひ、手を上げてみませんか?」という見出しを掲げた私どもの組合ニュースの呼びかけ文を当ブログの中でも紹介させていただきます。

定期大会から定期大会までの1年間が組合役員の任期です。今年も11月6日に第74回定期大会が開かれるため、その直前に組合役員の選挙が行なわれます。詳しい日程等は選挙委員会から改めてお知らせしますが、あらかじめ組合役員、とりわけ執行委員の担い手の問題について、組合員の皆さん全体に呼びかけ、ご理解ご協力を訴えさせていただきます。

■ 執行委員長、副執行委員長2名、書記長、書記次長、執行委員が定例執行委員会の出席対象であり、様々な組合課題の進め方等を議論しています。ここ数年、執行委員会の開催は隔週水曜夕方が定着していますが、年度ごとに調整可能です。執行委員の定数は12名です。任務の重さやプライベートな時間が割かれる面もあり、執行委員の定数を満たせない現況が何年も続いています。

■ 組合員から人員アンケート等で寄せられる組合への期待は非常に大きなものがあり、よりいっそう労使交渉の大切さが高まっています。組合の責任や役割を充分に全うしていくためには日常的な組合活動を担う執行部の充実が欠かせません。逆に万が一、担い手がいなくなれば組合活動は停滞し、つぶれてしまいます。職場委員同様、職域ごとに選出する方法に切り替える他の組合もありますが、次年度に向けては従来通りの選出方法で組合役員の立候補を募っていく予定です。

■ 「たいへんだったけど、やって良かった」、組合役員OBの皆さんもからよく耳にする言葉です。組合役員を担うことで、日常的な仕事だけでは経験できない貴重な機会や幅広い情報が得られます。団体交渉の場では副市長や教育長に対し、自分自身の考え方や思いを直接訴えることができます。自分の職場以外の組合員の皆さん、さらに私どもの市役所以外の方々と交流できる機会が増えます。

■貴重な組合費による限られた予算の範囲内とは言え、全国各地に出向く機会もあります。また、組合役員一人ひとりのアイデアや企画を形にしやすく、その成果や手応えを即時に実感できる経験を積んでいけます。何よりも組合員の皆さんから「組合があって助かりました。ありがとうございました」という声をかけられる時も少なくありません。

■ このような点について少しでも関心を持たれた方は気軽に組合役員までお声かけください。なお、こちらから個別にお話をさせていただくこともありますのでご理解ご協力よろしくお願いします。

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2019年9月29日 (日)

メディアリテラシーの大切さ

5月に投稿した記事「多面的な情報を提供する場として」の冒頭で、今年3月にココログのシステムが全面リニューアルしたことを伝えていました。その際、このブログの閲覧者の皆さんにも戸惑わせている点が生じていることを書き添えていました。右サイドバーに新規コメント投稿者の名前が即時に反映されなくなっていた点です。

これまでと同様、投稿自体は即時に受け付けていますが、右サイドバーの名前とともに記事本文下のコメント数の表示も反映されるまで場合によって数時間単位の時間差が生じています。コメント欄を開くと新規投稿のコメント内容を閲覧できますが、トップ画面からは新規投稿があったこと自体を即時に把握できなくなっていました。

さらに数日前からコメント投稿後、実際に反映されるまで時間を要するケースが生じています。nagiさんのコメントの後、yamamotoさんのコメントは大丈夫でしたのでココログ側の一時的な不具合だと思っていました。それが金曜夜以降のAlberichさんと私自身のコメントも同様な不具合が生じています。管理画面から再投稿することで、ようやく画面に反映させることができています。

このブログのコメント欄は従前通り制約の少ない場としていますが、承認制になっているような違和感を与えてしまっていることをご容赦ください。これまで開設してから一貫して、受け付けるコメントを選別することはなく、即時に反映する仕組みとしています。どのような辛辣な言葉でも、そこに投稿された思いや意味をくみ取ろうと心がけています。

批判意見も含め、幅広い視点や立場からご意見をいただける貴重さを感じ取っているからです。事実誤認による批判や誹謗中傷の恐れのあるコメントだったとしても、そのまま受けとめながら記事本文等を通して適否について意見を交わしてきました。例外としてプロフィール欄に記しているとおり明らかなスパムや極端な商業目的の内容だった場合は適宜削除させていただいています。

ちなみに削除したコメントでもココログのシステム変更後、しばらく右サイドバーに投稿者の名前が残っていました。少し前に明らかな営利目的のコメントが投稿されたため、削除したところ右サイドバーに投稿者の名前だけ残るという不自然な現象が生じていました。その名前をクリックしても該当のコメントに行き着けなかった皆さん、たいへん失礼致しました。

記事タイトルに掲げた本題から離れたような内容から入りましたが、関連付けて考えるべき共通点に思いを巡らしています。コトバンクでメディアリテラシーとは「インターネットやテレビ、新聞などのメディアを使いこなし、メディアの伝える情報を理解する能力。また、メディアからの情報を見きわめる能力のこと」と解説されています。

このブログを通し、多面的な情報に触れていくことの大切さを頻繁に訴えさせていただいています。同じモノを見ていても、見る角度や位置によって得られる内容が極端に違ってきます。一つの角度から得られた情報から判断すれば明らかにクロとされたケースも、異なる角度から得られる情報を加味した時、クロとは言い切れなくなる場合も少なくありません。

クロかシロか、絶対的な正解を容易に見出せないケースも多いのかも知れませんが、より望ましい「答え」に近付くためにも多面的な情報をもとに判断していくことが非常に重要だと考えています。そのため、このブログも多面的な情報を提供する一つの場として、インターネット上で発信を続けています。

誤解を招く時もありますが、私自身の言葉で綴る記事本文自体が幅広い主張や情報を提供している訳ではありません。立ち位置を明確にしているため、基本的な考え方や視点が異なる方々からすれば「偏っている」という批判を受けがちです。あくまでも「そのような見方もあるのか」という多面的な情報の一つとして、このブログを通して不特定多数の皆さんに対しても届く言葉を探し続けているつもりです。

立ち位置の異なる方々から「なるほど」と共感を得られる時は皆無に近いのかも知れませんが、発信しなければ分かり合える機会自体訪れることはありません。また、発信を続けていても、まったく見向きもされないのであれば徒労に終わる試みです。幸いにも当ブログは幅広い立場の方々からご注目いただけているようです。それが冷ややかな目線のものだったとしてもご覧いただけていること自体に感謝しています。

その主張や情報が正しいのかどうか、その主張や情報に触れる機会がない限り、評価や検証する機会自体がなく、共感や賛同を得られる機会は皆無となります。お寄せいただくコメント一つ一つにも言えることであり、そのような意味合いから幅広い立場や視点からのご意見や情報提供に対し、いつも本当に感謝しているところです。

このような関係性は政治や行政に対して最も求められる点となります。政府にとって不都合な情報だったとしても主権者である国民に対し、包み隠さずに公開していかなければなりません。そのような関係性が不充分だった場合、政権与党に対する評価の正当性が問われることになります。仮に政府側が情報を取捨選択していた場合、報道の自由のもとに新聞やテレビなどマスメディアが不足している情報を広く伝えていく関係性も重要です。

さらに報道された情報に対し、前述したとおり理解する力や見極める力、つまりメディアリテラシーを高めていく大切さも強調しなければなりません。例えば最近、日米貿易協定が最終合意に至りました。安倍首相は「両国にとってウインウインの合意」と自賛しています。その言葉通りの論調で伝えるのか、「ウインウインとは言えない」という主張を展開するのか、新聞社によって立ち位置が違うことを理解した上、情報の受け手一人ひとりが主体的な評価を下せることが肝要です。

3年前の記事「自衛隊の新たな任務、駆けつけ警護」を通し、一般論の話として「物事の是非を判断するためには」という論点を提起していました。パン1個475円という値段を知った上で買うか買わないかを決める、つまり駆けつけ警護とはどういうものなのか、南スーダンの情勢はどういうものなのか、できる限り理解した上で自衛隊の新任務の是非を判断する、このような情報把握の必要性を訴えていました。

いずれにしても、その情報が適切なものなのかどうか、事実関係や論点を慎重に見極めていく心構えが大切です。最後に、そのような心構えが不足した最近の失敗談を紹介します。午後4時頃、コンビニで夕刊紙を購入しました。家に帰って紙面を開き、びっくりしました。昨日発行された1日遅れのものだったからです。当日分が届いていなかったからだと思われますが、前日の夕刊紙を翌日の4時頃まで店頭に並べて置く感覚に驚きました。

店側の非常識さに腹も立ちましたが、「午後4時に前日の夕刊紙は並んでいない」と決め付け、よく確かめずに購入した自分自身の落ち度にも思いを巡らしていました。150円程度の安い買い物だったことも幸いな話であり、この失敗談は慎重さが欠けた反省材料の一つとしてブログで取り上げてみようと考えていました。「メディアリテラシーの大切さ」というタイトルからは多少強引だったかも知れませんが、その機会を今回の記事とさせていただきました。

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