消費税について雑談放談
年金が支給されてから2回目の確定申告の時期を迎えていました。これまで医療費控除の確定申告以外、あまり意識する必要のない時期でした。今回、フルに1年間、年金支給されてから初めての申告であり、昨年と比べられないことは承知していました。
それでも納税すべき欄の数字を見た時、何か誤りがあったのではないかと考え、先輩職員にLINEで問い合わせてしまうほどでした。給与と年金、それぞれ源泉徴収されていましたので、ある程度形式的な申告だろうと高を括っていました。それが予想を遙かに超えた額だったため驚いていました。
給与明細等で源泉徴収された納税額を見るのとは異なり、現金を用意して納める時の痛税感の違いを認識する機会となっています。加えて、社会保険料控除額を見れば、税金以上に重い負担となっていることが一目瞭然です。先日の衆院選で多くの政党が社会保険料の軽減を公約に掲げたことも理解できます。
しかしながら税金や社会保険料を引き下げた場合、必要な社会保障等の財源をどのように確保するのか、必ず問われ続けられていく問題です。前回記事は「衆院選が終わり、今、思うこと」でしたが、中道改革連合が掲げた政策面の評価については触れていませんでした。今回の記事では消費税を巡る個人的な思いを書き進めていきます。
Newsweekに経済評論家の加谷珪一さんが『なぜ中道の議員たちによる「敗因の分析」は、これほどズレている? 最大の理由は「高市ブーム」ではない』という記事を寄せています。その中の一節を紹介しますが、私自身の問題意識と相通じる見方でした。
高市政権はアベノミクス復活と積極財政を掲げ、歴代政権が慎重姿勢を崩さなかった消費減税に言及するなど、バラまき的な方向性を強く打ち出していた。本来なら、最大野党である中道は、財政健全化や格差縮小を訴え、正面から議論を挑むべきであった。
ところが同党が出してきた目玉政策は、事もあろうに消費税の恒久減税であり、しかも財源に投資の利益を充てるという、自民党もびっくりするようなポピュリズム的内容だった。減税を主張すれば国民が喜ぶだろうという安易な発想に対し、ある種の怒りを感じた有権者は少なくなかっただろう。
実際、減税を真っ向から否定したチームみらいに相応の票が入ったことからもそれはうかがい知ることができる。この状況では、同じ減税といっても期限付き消費減税にとどめた高市氏のほうがはるかに現実的に見えてくる。
このブログでは2023年3月、慶応義塾大学の井手英策教授の講演内容をもとに「ベーシックサービス宣言」という記事を投稿しています。その年の8月には「ベーシックサービスと財源論」という記事を「Part2」にかけて綴っていました。ベーシックサービスの重要性、その財源として消費税が欠かせないという要旨の記事です。
昨年8月には「『新しいリベラル』を読み終えて」という記事を投稿し、大規模な社会調査の結果、従来型のリベラルと新しいリベラルを合わせた割合は4割を超えていることを伝えていました。紹介した書籍の著者らは「新しいリベラルの声が政治の世界に届きにくいというのは今の日本社会にとって大きな損失である」と主張されていました。
物価高対策のための減税や給付金が公約の目玉とされ、新しいリベラルの声を反映した政策は争点化されていません。逼迫した現状の改善が優先されていく政治は、もちろん必要です。さらに現在世代の直接的なメリットを強調しなければ選挙戦が厳しくなることも理解しています。
それでも新しいリベラルという価値観を持った国民が多数であることを踏まえれば、中道改革連合の政策的な方向性は減税を旗印に掲げる他党との違いを際立たせて欲しかったものと思っていました。たいへん恐縮ながら中道改革連合が惨敗した結果、後付けのような論評となっていくのかも知れません。
以前の記事「消費税引き上げの問題」「政策実現と財源問題」に記しているとおり私自身、消費税の引き上げの必要性について一定認めてきた立場です。そのため、中道改革連合の食料品のみ消費税を恒久的にゼロにするという公約に対し、これまでの問題意識に照らした時、違和感があったことは確かです。
もともと昨年7月の参院選の時、立憲民主党時代から物価高対策の公約として掲げられていました。ちなみに諸外国における消費税(付加価値税)の現状は食料品の税率を軽減しているか、非課税としているケースが多いようです。したがって、ことさら中道改革連合の公約を批判するという強い思いがあった訳でもありません。
ただ物価高の大きな理由として円安があり、消費税減税は真逆の結果になりかねないという見方があることも気になっていました。このように振り返っていくと、重ね重ね中道改革連合の立ち位置や公約の掲げ方に省みるべき点が多々あったように思えてなりません。ある意味、壊滅的な敗北は立ち位置を大きく転換できるリスタートの機会につなげられるようにも思っています。
2021年11月の記事「衆院選挙が終えて思うこと」の中で、中道改革連合の小川淳也新代表が主役の映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』を紹介していました。この映画によって小川代表の考え方などを好意的に評価するようになっています。ぜひ、どん底からの立て直しに尽力されることを期待しています。
最後に「トップリーダーは正直であって欲しい」という願いから外れるような消費税を巡る動きを紹介します。『高市首相、「消費税の負担は低い」主張していた過去のコラムを全削除。「悲願だった」発言との矛盾指摘後に』という見出しが付けられたジャーナリストの篠原修司さんの論評を紹介します。
2月18日、自民党の高市早苗首相の公式サイトから過去のコラムがすべて削除されていることがわかり、Xで話題となっています。プレジデントオンラインが2月17日、高市首相が公式サイトで「(消費税の)国民の負担は低い」「消費税率引き上げは結果的には全て国民に還元される」などと書いていたと指摘した翌日のことでした。
高市首相は1月の会見で食料品の消費税0%について「私自身の悲願」と語っていましたが、過去のコラムはこの発言と矛盾しており、それが明るみに出たため削除したのではないかと騒がれています。
コラムの削除について、記事執筆時点では何の説明も行われていません。公式サイトでは18日に「アルバムを更新しました」との告知がある一方で、コラムの削除については一切触れられていないのです。政策を進めていくなかで、過去の言動と一致しないことが出てくるということはあると思います。一方で、それをきちんと訂正するのか、それとも今回のように黙って削除してしまうかというのは、非常に大きな違いです。
何の説明もなく削除したとなれば、「都合が悪いから削除した」と指摘されても仕方のないことでしょう。そして今回の場合、仮に訂正したとしても、そもそも「悲願だった」という発言が過去の高市首相の考えと矛盾しているという事実は変わりません。となると、高市首相の会見での発言の信頼性が大きく揺らぐことになり、本当に食料品の消費税0%を実現する意志があるのか、疑問が残ります。
| 固定リンク


コメント