衆院選が終わり、今、思うこと
前回「明日は衆院選、今回もバンドワゴン?」という記事を投稿していましたが、まさかここまで自民党が大勝し、中道改革連合が惨敗するとは思っていませんでした。自民党は単独政党として戦後最多となる316議席を獲得しています。日本維新の会も2増の36議席とし、352議席の巨大与党が誕生しました。
一方、公示前に両党を合わせて172議席あった中道改革連合は、わずか49議席までに激減しました。289小選挙区のうち202人を擁立し、勝ち抜けたのはわずか7人のみでした。比例名簿上位を公明党出身者28人が占めたため、比例復活した立憲系候補は13人にすぎません。
民主党政権の中枢を担った重鎮が軒並み議席を失い、小沢一郎元代表や岡田克也元外相、立憲民主党の創設者である枝野幸男元代表、中道改革連合の安住淳共同幹事長らが国会を去ることになりました。中道改革連合49議席のうち立憲民主党系は21議席にとどまり、立憲系だけが壊滅的な大惨敗を喫しています。
さらに『自民党「14議席」他党に譲る 比例代表の獲得議席、名簿人数上回る』という事態に至っていたため、本来であれば自民党と中道改革連合との差はもっと広がっていたことになります。自民党が比例代表の名簿をしっかり揃えていれば、長妻昭元厚労相も復活当選を果たすことができませんでした。
1月に入って突然の解散風が吹き始た以降「最近の選挙を巡る動きへの雑感」「衆院解散、中道改革連合に願うこと」「36年ぶりの真冬の総選挙 」という一連の記事を通し、私自身の問題意識を綴ってきました。過去の選挙直後には「衆院選挙が終えて思うこと」「衆院選が終えて、2024年秋」という記事を投稿しています。
今回も似た記事タイトルとなっていますが、今、思うことを書き残していくつもりです。以前の記事の中で「国民からの信頼を裏切るような失態が続けば政権の座から下ろされる、このような緊張感があってこそ、より望ましい政治の実現につながっていくものと考えています」と記しています。
前回記事には「自民党の敗北が旧統一教会や裏金の問題などを真摯に反省する機会につながったのか、正直な政治への転換につながったのか、甚だ疑問です。今回、このまま自民党が圧勝すれば、すべて終わったことになりかねないことを危惧しています」と記していましたが、そのような懸念が杞憂であって欲しいものです。
「いつまで批判するのか」「批判ばかりしても国民の生活は改善されない」という指摘をよく耳にします。しかしながら政権に対するチェック機能も野党としての重要な役割の一つだと思っています。そもそも重大な不祥事があった場合、民間企業や自治体は第三者委員会の調査結果をもとに過ちに応じた処分を下します。
残念ながら自民党は、それぞれの問題に対して切り込み方が非常に不充分だったと言えます。加えて、高市総理に関しても新たな事実関係の疑惑が浮上しています。このような経緯のもとに新たな疑惑が発覚しながら、まったく追及しないようであれば、それはそれでチェック機能という役割の放棄にすぎません。
このような問題意識を踏まえた際、中道改革連合の惨敗は「緊張感ある政治」から遠ざかってしまう結果であり、個人的な思いとしては極めて残念なことです。なぜ、新党を結成したことで123議席も失うことになったのか、12月に投稿した記事「新しいリベラルの声が届く政治の選択肢を」のような願いにつながらず、次のような危惧が当たっていたのかも知れません。
立憲民主党と公明党の立ち位置は、大規模な社会調査の中で多数派だった「新しいリベラル」の受け皿となり得るような近さを感じていました。しかしながら「中道」という言葉と「新しいリベラル」という概念が結び付きづらいため「中道」を強調しすぎることで支持層を狭めていくように危惧しています。
他にも様々な敗因が思い浮かんでいますが、この場で具体例を上げていくことの意味はあまり見出せません。したがって、個人的な思いとしては、党名から伝わる印象がプラスに働かなかったのではないかという指摘のみにとどめます。
中道改革連合には今後、小川淳也新代表のもと「対立を煽り、分断を深める政治ではなく」という綱領を旗頭とし、改めて「新しいリベラル」の声が届く政治の受け皿になって欲しいものと願っています。
衆院選後、前回記事のコメント欄にKEIさんから「中道の連中に誠実さのかけらも見えない」のが最大の要因だったという厳しい見方が示されています。さらに高市総理が討論番組を直前にキャンセルした経緯について「まあ事実ではあるんでしょうけど、それを指摘することがどういうことを招くのか、想像力が足りない、という話」という指摘もありました。
自分自身の信任投票のような争点を示された立場の総理大臣として、必ず出演しなければならないという強い使命感のもとに治療のスケジューリングにも配慮され、ぜひ、出て欲しかったという思いは変わりません。スピーチ当番を嫌がっての急な病休の話とは、まったく比べられるようなものではないことを一言添えさせていただきます。
「それを指摘することが…」という話も、問題視すべき点を誰も指摘できなくなるような事態のほうこそ心配です。ただ高市総理の人気が想像以上に高いことを示した選挙結果ですので、批判するたびにその批判者が、特にSNS上で厳しい批判にさらされていくことは念頭に置き、覚悟していかなければなりません。
このような点を踏まえながら新規記事「衆院選が終わり、今、思うこと」を通し、もう少し私自身の問題意識を書き進めてみるつもりです。KEIさんのお考えや認識とは異なるかも知れませんが、ぜひ、ご覧いただければ幸いです。よろしくお願いします。
上記は私自身がKEIさんにレスした内容です。武蔵大学社会学部の千田有紀教授はPRESIDENT Onlineに『「高市首相をいじめる攻撃的なおじさん集団」社会学者が見たリベラルな若者ほど"立民離れ"起こした根本原因』という見出しの論評を寄せ、「中道、特に立民の敗北は、若い世代が立民のスタイルにうんざりしていることの表れではないか」と語っています。
高市総理の問題点や危うさを指摘することで若年層の支持を失っていくという構図は、たいへん悩ましい事態です。しかしながら上記のコメントのとおり問題視すべきことは、しっかり今後も指摘していかなければなりません。
その際、上から目線の「答え」を押し付けるような言動は慎み、それこそ対立を煽るのではなく、多様な考え方を認め合いながら共感を広げていくための言葉や態度が極めて大切な前提になっていくように思っています。
読売新聞の緊急世論調査でも、今回の衆院選の結果を「よかった」とする回答が55%だったことを伝えています。このような割合や構図は、私どもの組合においても大きな違いはないのだろうと思っています。そのため、組合員の皆さんに向けた情報発信のあり方が非常に重要な試みとなります。
特別執行委員に就任していますので、私が組合ニュースの最新号の原稿をまとめ、執行委員会で確認しています。組合の取り組みや方針が、組合員の皆さんから距離を置かれる要因になることを極力避けていかなければなりません。最後に「衆院選が終わり、改めて政治に関わる組合の取り組み方針等について」という見出しを付けたその原稿の要旨を紹介します。
2月8日投開票だった衆院選の選挙事務に従事された皆さん、たいへんお疲れ様でした。1月に入ってから唐突に決まった解散、投票日まで戦後最短の短期決戦だった36年ぶりの真冬の総選挙に全国の自治体職員は本当に苦労されたはずです。選挙結果は自民党の歴史的な大勝利となっています。
この機会に改めて組合の政治に関わる取り組み方針等について説明させていただきます。組合の活動は、すべて「組合員のため」を目的としています。組合員の生活を維持向上させるという目的のためには、各級議会に緊密な連携をはかれる議員がいることの重要さを認識し、連合や自治労は政党との支持協力関係を築いてきています。
つい最近結成された中道改革連合とも綱領などを基本的に賛同できるものとし、立憲民主党の時と同様、支援する方針を確認していました。このような産別方針を受けとめ、私どもの組合は地元選挙区の中道改革連合の候補者の勝利をめざしました。その候補者は都議会議員の時から推薦していた方です。結果は残念ながら議席を得ることができませんでした。ご支援くださった皆さん、ありがとうございました。
政党の多党化が進み、組合員の政治に対する考え方が以前にも増して多様化していることを念頭に置きながら、組合は政治に関わる取り組みに対応しています。したがって、選挙に関わる方針は組合員の皆さんに対し、これまで以上に重要性などを訴え続けることによってご理解やご協力を求めていくものだと考えています。今回の衆院選にあたっては突然の解散で自治労都本部の機関手続き日程から前号の組合ニュースで、このような説明や周知ができなかったことをご容赦ください。
候補者からの要請を受け、これまでも組合は公選ハガキの取り組みに対応してきています。組合が推薦している候補者を周知し、あくまでも一票を投じるための参考情報として当該の組合員の皆さんに送らせていただいています。組合予算に負担をかけず、住所等の個人情報にも配慮した取り組みであることをご理解くださるようお願いします。
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