明日は衆院選、今回もバンドワゴン?
2013年にインターネット選挙解禁となり、現在、SNSの活用によって当落が左右されるほどネット上での選挙戦略は重要視されるようになっています。ますますネットリテラシー、フェイクに惑わされないように情報の真偽を見抜く力が求められています。
SNS界隈の片隅で当ブログは20年以上、毎週末に更新を重ねています。「公務員のためいき」という看板を掲げているため、以前の記事「再び、地公法第36条と政治活動」に記しているとおり違法性が問われかねない情報発信に細心の注意を払っています。選挙期間中は個別の候補者名の紹介を控えるなど一定の制約を課しています。
とは言え、もともと時事の話題を頻繁に取り上げているため、選挙期間中は必然的に政治に関わる話が中心となっています。政党名や政党代表らの固有名詞は示していますが、あくまでも個人的な思いの論評であり、選挙運動と峻別するような記事内容に心がけています。
明日は衆院選の投票日です。自治体職員の立場からは一票の重みを認識しながら、ぜひ、投票所に足を運ばれるようお願いしています。これから全国的に降雪の心配もありますので、土曜のうちに期日前投票を済まされることもお勧めします。
今回も他愛のない近況をお伝えします。私どもの市役所では選挙期間中、イントラネットの掲示板で地位利用による選挙運動禁止等を伝える服務規律の周知がはかられます。この掲示板を見た直後、課長から「市長から渡すように指示があって」と一言添えられ、その服務規律を掲げたペーパーを受け取っていました。
以前の記事「身近な政治、市長選の話」で伝えているとおり都議時代から私どもの組合と推薦関係があり、20年以上前から懇意にさせていただいていた方が現在の市長です。ペーパーを受け取った後、課長に対して「私に渡すように指示があったのですか」と尋ねてみました。
すると「職員全員に周知するように指示されている」とのことでした。私のことを個別に心配され、注意喚起されたのではないかと少しドキッとしましたが、自意識過剰だったようです。せっかくの機会でしたので、課長にも前述したような私自身の心がけている点をお伝えしたところです。
さて、前回記事「36年ぶりの真冬の総選挙 」の最後に「新たに結成された中道改革連合の認知度を最終盤に向けて高めていくことで、久しぶりにバンドワゴン効果ではなく、アンダードック効果が発揮されることを願っています」と記していました。残念ながら最終盤に向けた調査では、さらに自民党との勢いの差が広がりつつあります。
2009年8月の記事「ネガキャンの中の自治労」の中で、バンドワゴン効果とアンダードッグ効果という言葉を説明しています。バンドワゴンとは行列の先頭の楽隊車のことであり、先行者に同調する傾向が強まる効果を指します。勝ち馬に乗るという言葉と同じ意味合いとなります。
アンダードッグとは負け犬のことであり、劣勢だった側を応援する傾向が出てくる効果を指します。判官びいきという意味合いと同じです。「自分が投票しなくても勝てそう」「あまり勝たせすぎてもいけない」「死票は投じたくない」など、事前の選挙予想は有権者の判断へ様々な影響を与えます。
また、候補者やその陣営に対しても、楽勝予想はラストスパートの緩みとなり、苦戦予想は必死の巻き返しにつながる場合がありました。このように投票日前の予想数字は両極端なアナウンス効果を生み出すため、投票箱のフタが閉じられるまで勝負の行方は分からないと言われてきました。
しかしながら最近の国政選挙では、アンダードッグ効果が働くことは皆無に近くなり、バンドワゴン効果の傾向が強まりながら事前の情勢調査のとおりの結果につながっています。今回の唐突な解散総選挙に際して「最近の選挙を巡る動きへの雑感」から一連の記事を通し、私自身の問題意識を綴っています。
「衆院解散、中道改革連合に願うこと」という記事には、かつて常連だったKEIさんから久しぶりにコメントをお寄せいただきました。「これまで当コメント欄を通し、幅広い立場の方々からの率直な意見や批判に接することができたことを本当に貴重な機会だったものと感謝しています」と伝えながら次のようにレスしていました。
私自身にとっても分かりやすい政治の選択肢ができたように受けとめています。その上で、今回の記事本文に記したように今後「対立を煽り、分断を深める政治ではなく」という方向性に進むことを期待しています。
一方で、高市総理の「働いて、働いて…」という熱い思いなどは偽りのないものだろうと理解しています。さらに高市総理に対して「批判ありき」だった場合、強く支持されている方々を愚弄することになることも強く認識しています。
このブログを長く続けてきた中で、このような問題意識を強めてきています。そのため「批判ありき」の内容ではなく、新規記事「36年ぶりの真冬の総選挙」の中でも触れているとおり具体的な事例に対して個人的な意見を添えるように心がけています。
当たり前なことですが、どのような選挙結果が示されても民意の表われとして厳粛に受けとめていかなければなりません。ただ選挙に勝てば問題視すべき事例が、すべて許されたような構図につながることには注意を払う必要があります。
3年前の記事「明日は衆院選投票日、正直な政治への転換を!」を読み返してみました。自民党の敗北が旧統一教会や裏金の問題などを真摯に反省する機会につながったのか、正直な政治への転換につながったのか、甚だ疑問です。今回、このまま自民党が圧勝すれば、すべて終わったことになりかねないことを危惧しています。
女性自身の記事『「前時代的な発想」と一蹴…高市首相の“円安ホクホク”演説にみずほ銀行が異例の“警鐘レポート”発表でネット騒然』のとおり高市総理は応援演説で、円安は「輸出産業にとっては大チャンス。外為特会(外国為替資金特別会計)の運用、今ホクホク状態だ」と発言していました。物価高を容認し、物価高であえぐ中小企業、実質賃金が下回っている庶民の苦境を理解されていないという批判を受けました。
翌日、衆院選に向けたNHKの討論番組の出演を高市総理は直前に取りやめていました。「遊説中に腕を痛め、治療に当たっているため」という説明でしたが、その日の午後には予定通り遊説しています。週刊文春の記事は『《衝撃スクープ》高市首相「日曜討論」出演キャンセルは2日前から準備していた! 官邸関係者が明かす真相「小林鷹之氏に打診したが…」』という舞台裏を伝えています。
このような報道は最終盤の選挙戦において大きなマイナスに働いていくはずですが、高市総理の支持率が下降するような気配は見られていません。やはり今回の衆院選もバンドワゴン効果の結果につながり、高市総理にフリーハンドを与えていくのでしょうか。
最後に、ディリー新潮『ハネムーン終了前の電撃解散「高市総理」を悩ませる「三つのギャップ」とは』という記事を紹介します。高市総理は官僚からのレクを受けず、情報は紙で受け取っているようです。安倍元総理の「総理といえども、一人では何もできない。チームで事にあたれば、自分に足りないところを補ってもらえる」という考え方は受け継いでいないことを伝えています。
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コメント
>翌日、衆院選に向けたNHKの討論番組の出演を高市総理は直前に取りやめていました。「遊説中に腕を痛め、治療に当たっているため」という説明でしたが、その日の午後には予定通り遊説しています。
>このような報道は最終盤の選挙戦において大きなマイナスに働いていくはずですが、高市総理の支持率が下降するような気配は見られていません。
どうも、「午前中に病院で手当てして午後から職場復帰とかよくある話なのに、それを仮病呼ばわりとか、人の心とか無いんか?」と言う評価もあるようで。
今までそういった声と真っ向から戦ってきた(と思われる)方としては、どう思います?
投稿: KEI | 2026年2月 7日 (土) 23時42分
KEIさん、コメントありがとうございました。
「午前中に病院で手当てして午後から職場復帰とかよくある話」は、まったくご指摘のとおりです。そのことを仮病扱いすれば言語道断です。
私自身、今回の高市総理の治療を「仮病」だとは考えていません。その上で、様々な周辺情報に接していくと、あらかじめ討論会には出演しない方向で調整していたことが分かってきています。
出ないほうが選挙戦に有利であるという判断もあったのかも知れません。ただ自分自身の信任投票のような争点を示された立場の総理大臣として、そのような姑息な判断を自らは下していないことを信じたいものです。
いずれにしても正直で誠実な政治に向かうことを強く望んでいます。高市総理が不誠実であると見なしている訳ではありませんが、重要な討論会を「逃げた」と批判されても仕方ない事実関係だと思っていました。このような見方があり、ご指摘を受けた下記の文章につながっています。
>このような報道は最終盤の選挙戦において大きなマイナスに働いていくはずですが、高市総理の支持率が下降するような気配は見られていません。
常連だったKEIさんは、よくご存知だと思いますが、このブログは一つの「答え」を出すことを目的としていません。それでも勝手ながらコメント欄を通し、幅広い考え方や見方に触れられることを貴重だと考えています。
暖簾に腕押しのように手応えがなく、たいへん恐縮ですが、ぜひ、お時間等が許される際、これからもお気軽にコメントをお寄せいただければ幸いですので、よろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2026年2月 8日 (日) 04時30分
>私自身、今回の高市総理の治療を「仮病」だとは考えていません。その上で、様々な周辺情報に接していくと、あらかじめ討論会には出演しない方向で調整していたことが分かってきています。
ええ…
「治療?お大事に。…ああそういえば君今日は朝礼のスピーチ当番で、前からやりたくないやりたくない言ってたよね。…ああ、仮病だとは思ってないよ?」ですか。とんだ陰湿パワハラ上司ですね。
…まあ事実ではあるんでしょうけど、それを指摘することがどういうことを招くのか、想像力が足りない、という話。
>しかしながら最近の国政選挙では、アンダードッグ効果が働くことは皆無に近くなり、バンドワゴン効果の傾向が強まりながら事前の情勢調査のとおりの結果につながっています。
ネット界隈では「マスコミのアンダードッグ狙い報道だ、気をつけろ!」という声も多く目にします。これもアンダードッグの一種ではないかと思われ、効果は真逆に働くという。
ただ、アンダードッグとかバンドワゴンとか関係なく、そもそも「中道の連中に誠実さのかけらも見えない」のが最大の要因だったと思います。その上で、
>いずれにしても正直で誠実な政治に向かうことを強く望んでいます。
あの辺が軒並み消えてくれたことでそれが実現することを強く期待しています。
投稿: KEI | 2026年2月10日 (火) 06時59分
KEIさん、コメントありがとうございました。
自分自身の信任投票のような争点を示された立場の総理大臣として、必ず出演しなければならないという強い使命感のもとに治療のスケジューリングにも配慮され、ぜひ、出て欲しかったという思いは変わりません。スピーチ当番を嫌がっての急な病休の話とは、まったく比べられるようなものではないことを一言添えさせていただきます。
「それを指摘することが…」という話も、問題視すべき点を誰も指摘できなくなるような事態のほうこそ心配です。ただ高市総理の人気が想像以上に高いことを示した選挙結果ですので、批判するたびにその批判者が、特にSNS上で厳しい批判にさらされていくことは念頭に置き、覚悟していかなければなりません。
このような点を踏まえながら新規記事「衆院選が終わり、今、思うこと」を通し、もう少し私自身の問題意識を書き進めてみるつもりです。KEIさんのお考えや認識とは異なるかも知れませんが、ぜひ、ご覧いただければ幸いです。よろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2026年2月14日 (土) 03時16分