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2025年11月29日 (土)

3年ぶりの団体交渉 Part2

8月に投稿したブログを始めて20年」以降の一連の記事のとおり当ブログは個人の責任のもとに20年以上続けています。背伸びしない一つの運動として、 公務員の労働組合や自治労などへの批判に対し、多面的な情報を発信していくことで「誤解」に近いような前提での批判を少なくできればと願いながら続けています。

人によって考え方が枝分かれしがちな安全保障のあり方などに対しても、前回記事「占領下の戦時体制の継続、米軍横田基地の問題」のような内容を通して個人的な問題意識を綴ってきています。難しい題材をインターネット上で不特定多数の方々に発信していくため、言葉一つ一つを吟味し、取り扱う内容についても慎重を期しています。

プロフィール欄に掲げているとおりブログの管理人は「OTSU」とし、建前は匿名での発信ですが、知り合いの皆さんからすれば匿名ではありません。したがって、どなたがご覧になっても責任を持てる内容や言葉使いに心がけ、一人でも多くの方に目を通していただきたいという思いを込めながら書き進めています。

そのため、個人的なLINEを利用し、時々、新規記事を投稿したことなどを紹介していました。承認欲求からのアピールだと感じられがちかも知れませんが、関係者の皆さんをはじめ、一人でも多くの方にご覧になって欲しいという願いからのご案内であることをご理解いただければ幸いです。

このような前置きがあるため、いつも長文ブログとなっています。ちなみスマホで閲覧すると「まさしく文字ばかり」となっていますが、パソコン画面であれば、もう少しカラフルなレイアウトになっていることを補足させていただきます。

さて、前々回記事は「3年ぶりの団体交渉」でした。前回記事の冒頭で、特別執行委員の交渉参加に関わる問題があったことを伝えています。今回、前々回記事の続きにあたる「Part2」としています。思い起こせば最近の記事「もう一歩前へ、特別執行委員に就任」の中で次のように記していました。

これまで登録ヘルパーの組合など他の組合の特別執行委員をいくつか引き受けてきました。相手方の了解が必須となりますが、場合によって団体交渉にも同席できる立場です。このあたりについては市側としっかり意思疎通をはかり、対応していかなければならないものと考えています。

このように思っていながら市当局側との行き違いを生じさせてしまいました。どのような問題が生じていたのか、後掲する「特別執行委員の交渉参加の経緯と考え方について」という文書にまとめています。ギクシャクしがちな労使関係を少しでも円滑化できればという思いもあり、特別執行委員を引き受けていました。

それにも関わらず、丁寧な合意形成をはかれず、私の交渉参加という入口のところでギクシャクさせてしまい、たいへん悔やんでいました。ただ労使双方の対立点を際立たせることは避け、こちらの至らなかった点をお詫びした上、組合側の考え方を市当局に伝えていました。

下記の文書を事務折衝で市当局に渡し、改めて協議した結果、特別執行委員の今後の交渉参加について整理をはかれたことを書記長から報告を受けています。いろいろな思いを行間にこめ、当事者である私自身がまとめた文書の全文を参考までに紹介します。なお、前述したとおり固有名詞は外していることをご承知おきください。

    ◇          ◇

特別執行委員の交渉参加の経緯と考え方について

■ 経緯について

11月13日の団体交渉において、特別執行委員に就任した私自身の件で対立的な問題を生じさせてしまい、たいへん申し訳ありません。こちらの詰めの甘さによって、当局側との認識が相違したまま交渉に入り、不信感を与えてしまったことは痛恨の極みです。

私どもの組合では過去に複数名の特別執行委員を選任してきていますが、団体交渉への参加を求めた事例はありません。そのため、当局側としっかり意思疎通をはかり、充分な合意形成のもとに特別執行委員の交渉参加の了解を得るという丁寧な手続きが不可欠だと考えていました。

このような思いがあったため、11月7日の定期大会で特別執行委員に就任したことについて市長らにメール等で恐縮でしたが、すみやかな報告とともにご挨拶させていただきました。正式な要請は書記長から事務折衝を通し、交渉参加の可否について了解を得る運びとしていました。

この手順の中でも反省すべき点があります。正式な返事や了解を得る前にも関わらず、私のほうでは参加できることを前提にした勇み足な対応をはかっていました。後述するような私自身の法的な理解等があったため、初期の段階で双方に大きな認識のズレがあることに気付けませんでした。

それでも労使交渉の相手側の了解が不可欠であることは理解していたため、交渉参加の可否に関する当局側の最終判断を気にかけていました。事務折衝窓口の書記長から参加可能という返答を伺い、団体交渉資料の職員団体側委員に私の名前も掲げられていたことに安堵していました。

交渉直前、特別執行委員は発言できないという連絡を受けた際も、後述するような認識の差異からたいへん戸惑いました。参加を認められたということは正式な交渉委員であり、発言は控えなければならないという制約に正直なところ大きな違和感を抱かざるを得ませんでした。

特に極めて重要な問題点の確認が必須だったため、組合執行部側としては私も発言するという意思一致のもとに交渉に臨んでいます。このように決めたことについて、少しでも理解を得られるよう駆け足で交渉会場に向かい、あらかじめ私も発言させていただく旨をお伝えしたところでした。

交渉直前だったため、疑義を残しながらも追認せざるを得なかったのかも知れません。このあたりについてボタンをかけ違えたまま交渉に入ってしまったのではないか、今から振り返ると深く反省しています。ただ私自身としては通常の交渉委員という認識での参加だったため、現職の役員だった当時と同じように主張すべき点は率直に訴えさせていただきました。

■ 考え方について

結果として私自身をはじめ、組合側の詰めの甘さや認識不足から不信感を与えてしまったことを猛省しなければなりません。しかし、事務折衝で違法だという指摘を受けている点については非常に残念な見られ方だと思っています。当たり前なことですが、違法性の認識がわずかでもあれば特別執行委員の交渉参加を求めることは到底あり得ません。

地方公務員法第53条(職員団体の登録)3に「すべての構成員が平等に参加する機会を有する直接且つ秘密の投票による全員の過半数(役員の選挙については、投票者の過半数)によって決定される旨の手続を定め、且つ、現実に、その手続によりこれらの重要な行為が決定されることを必要とする」と記され、組合役員は投票者の過半数の信任が必要とされています。

地方公務員法第55条(交渉)5で「交渉は、職員団体と地方公共団体の当局があらかじめ取り決めた員数の範囲内で、職員団体がその役員の中から指名する者と地方公共団体の当局の指名する者との間において行なわなければならない。交渉に当たっては、職員団体と地方公共団体の当局との間において、議題、時間、場所その他必要な事項をあらかじめ取り決めて行なうものとする」と記されています。

上記の条文だけ踏まえれば確かに特別執行委員である私は団体交渉に参加できる資格を有していません。しかしながら地方公務員法第55条(交渉)6には「前項の場合において、特別の事情があるときは、職員団体は、役員以外の者を指名することができるものとする。ただし、その指名する者は、当該交渉の対象である特定の事項について交渉する適法な委任を当該職員団体の執行機関から受けたことを文書によって証明できる者でなければならない」とも記されています。

特別執行委員に就任した私の立場は組合規約第38条「組合は、特別執行委員をおくことができる」に基づいています。信任投票の対象とはならず、定期大会での承認が必要とされる役職です。委員長の要請があれば随時執行委員会に出席できます。議決を要した場合に一票は投じられませんが、出席した際、発言に制約はない立場です。

参考までに私自身の経験上の事例も紹介させていただきます。過去、いくつか外部の組合の特別執行委員を務めてきた経験があります。最初は1996年10月16日に結成された登録ヘルパーの組合です。起ち上げから支援し、結成と同時に特別執行委員に就任していました。

その際、組織化を専任的に担当していた自治労都本部の役員と緊密に連携し、前例となる実情や法的な面なども踏まえた上での新規組合の結成と私自身の特別執行委員の就任でした。雇用主である市当局との団体交渉では、特別執行委員として発言を重ねていました。それ以降、社会福祉協議会職員労働組合の特別執行委員にも就任しています。

2017年には競輪労組の退職金廃止問題があり、特別執行委員ではありませんでしたが、同じ自治労の一員という立場で団体交渉の場に参加してきた経験もあります。競輪労組の交渉には、他に自治労都本部役員も参加しています。適法かどうか、厳密に言えば疑義は残されますが、当局側の了解を得て参加し、その交渉で合意した内容は誠実に履行されています。

必ずしも地方公務員法に基づく労使関係ではない事例もありますが、当局側が認めれば正規の役員以外も団体交渉に参加できたという経験を重ねていました。このような経験も今回の行き違いの背景になってしまったことを省みています。

地方公務員法上での適法な交渉とするためには、組合側に人事委員会又は公平委員会への登録が求められています。非登録職員団体から交渉の申し入れがあった場合、当局側に応じる義務はありません。ただし、当局側が職員の勤務条件の維持改善のために望ましいと判断すれば、交渉しても違法性は問われません。

実際、私どもの組合は市公平委員会が廃止された後、嘱託職員も組織化していた事情から登録を見合わせていた時期があります。しかし、市当局は対応を変えることなく、それまでと同様、誠実に交渉に応じられています。そもそも協約締結権が制限されている中、文書で確認した合意事項も法的拘束力はなく、紳士協定としての道義的責任があるのみです。

誤解がないよう改めて強調しなければなりませんが、法令遵守や定められたルールを守ることは当然です。長く組合活動に関わってきたため、時代背景の変化の中で改める必要性に迫られた労使慣行等を丁寧な話し合いのもとに変えてきた歴史に接してきました。今後も既得権等に固執せず、必要な見直しには応じていかなければならないものと考えています。

■ 結論として

長々と説明していることで、かえって分かりづらくなっていましたら恐縮です。組合側としては特別執行委員の団体交渉参加について、地方公務員法第55条(交渉)6に基づき適法であるという認識です。求められれば定期大会での承認という文書での証明も示せたところでしたが、参加そのものが認められていれば、そのような手続きも省けるという認識でした。

今回、参加は認めるが、発言は不可という当局側の認識との大きな隔たりを解消しないまま交渉に入ってしまったことが、前述したとおりお詫びしなければならない反省点でした。もともと今後、団体交渉に毎回参加する立場ではありませんでしたが、この機会に特別執行委員の参加のあり方を協議いただければ幸いです。

せっかくの機会ですので、もう少し書き添えさせていただきます。特別執行委員の団体交渉参加という初めての試みに対し、当局側との丁寧な合意形成をはかれなかったことを組合は教訓化していきます。11月14日の事務折衝では302会議室使用の問題も指摘を受けています。

こちらも定期大会としての使用は初めての試みでした。職員だけが集まる会議とは異なり、来賓として他の組合の関係者や市議会議員も訪れるため、事前に担当部局や人事当局と必要な相談をしなければならなかったものとして省みています。ただ決して規定違反や解釈をなし崩し的に行なうような姿勢は毛頭ないことをご理解ください。

最後に、職員一人一人いきいきと働き続けられることが良質な住民サービスにつながるものと考えています。このような点は労使共通の認識であるはずです。個々の課題で違いが際立つこともありますが、お互い信頼関係のもとに建設的な労使交渉を重ねられるよう少しでも力になれればと考え、特別執行委員を引き受けていたことも申し添えさせていただきます。

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2025年11月22日 (土)

占領下の戦時体制の継続、米軍横田基地の問題

水曜に人間ドックを受診しました。当日の検査結果は特に問題なく、安心して金曜の夜、飲み放題を楽しみました。バスで帰りましたので、それほど遅い時間ではなかったはずですが、久しぶりに寝過ごして終点まで(😵)行ってしまいました。やはりピッチが速かったのか、翌土曜は昼過ぎまでブログに向き合うことができませんでした。

さて、前回記事は「3年ぶりの団体交渉」でした。特別執行委員の交渉参加に関わる問題があり、続きにあたる「Part2」を次週以降の新規記事で取り上げることを考えています。今回の内容は、前回記事の冒頭で予告した平和や人権に関わる組合方針の一つである米軍横田基地の問題を取り上げます。

2021年11月の定期大会での質疑応答を受け、翌年の平和や人権問題の組合方針」「平和や人権問題の議論提起」という記事で伝えているとおり平和や人権に関わる組合方針をリニューアルしました。今月7日に開かれた定期大会で、このような経緯を経てリニューアルした方針案に対する指摘がありましたが、執行部答弁に補強すべき点のあることが気になっていました。

数日前、定期大会で発言された顔見知りの組合員の方と横田基地のことなどで会話しています。まず定期大会に出席くださり、いつも貴重な問題提起されていることに感謝し、再任用職員の一時金が大幅に引き上がる交渉結果についても報告させていただきました。

この報告から昨年末の記事「高齢者雇用の課題」で取り上げた名古屋自動車学校事件の差し戻し審についても話題にしています。ちなみにネット検索したところ差し戻し審の結果はまだ示されていないようです。

今回、指摘を受けた組合方針は「(3) 軍事基地に反対し、騒音や墜落の危険がある横田基地や立川基地の撤去をめざします。また、横田基地に配備されているオスプレイの撤去を求めていきます」についてです。その組合員の方が4年前の定期大会で提起され、1年間かけて平和や人権に関わる組合方針全体を討議した結果、このような記述に至っている経緯について話しています。

安全保障のあり方の是非と切り分け、大半の方々と共有できる「騒音や墜落の危険がある」という普遍的なリスクに言及し、撤去をめざす方針となっている点に関してはご理解いただいていました。その上で、抑止力の観点から軍事基地の必要性について問題提起されています。

「日米安全保障条約と自衛隊が日本の平和を守っている」というお考えです。組合員の中で意見が分かれるものを方針として掲げることに改めて違和感を持たれ、先日の定期大会で再考を促す意見を表明されていました。

それに対し、執行部の答弁は「基地があることで狙われる可能性は否定できない。平和を思う気持ちは同じだと思う」というものでした。確かに平和を願う思いが、組合員の中で分かれることは考えられません。しかしながら平和の築き方をはじめ、その手法の是非については私どもの組合に限らず、一人一人の問題意識は大きく枝分かれしていくはずです。

産別単組を問わず、組合員の政治意識の多様化は年々進んでいます。平和運動に取り組むことが不団結の要因になりかねない現状を組合執行部は重く見ていかなければなりません。このような強い問題意識のもとに3年前、その組合員の方の提起を受け、平和や人権に関わる組合方針をリニューアルしています。

考え方が分かれがちな方針であればあるほど「なぜ、反対なのか」「なぜ、取り組むのか」という丁寧な説明が欠かせません。「戦争反対」「横田基地撤去」という「答え」を押し付ける端的な言葉ではなく、考え方が異なる人たちをはじめ、不特定多数の皆さんにも届く言葉を探していくことが重要です。

このような問題意識を踏まえ、最近の記事「ブログを始めて20年、平和への思い」「平和を築くためのパレスチナ国家承認」の中では、れいわ新選組の参院議員の伊勢崎賢治さんの参院予算委員会での質疑内容を紹介しています。伊勢崎さんは研究者でありながら日本政府特別顧問としてアフガニスタンの武装解除を担当し、東チモールやシエラレオネなどでも国連を通した活動に尽力されてきました。

そのような経験を積まれた伊勢崎さんの言葉だからこそ、戦争を防ぐためにはどうすべきなのか、たいへんな重みを感じ取れます。ネット上で目にした伊勢﨑賢治が明かす、石破のアドリブを引き出した「国会質問の舞台裏」と、"戦争ごっこ"ではない「現実的国防論」の展望』という興味深い記事も紹介します。

書き始めると話が広がり、いつも長文ブログとなりがちです。ここからは横田基地の問題に絞っていきます。定期大会で発言された組合員の方からの問いかけに直接的に答える内容になりませんが、横田空域という独立国では考えられない取り決めなどについて触れていきます。横田基地から一定の範囲の空域の管制業務を米軍が行なっています。

日本の民間航空機はその空域に入れず、遠回りしながら飛行しなければなりません。このあたりの経緯について『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』という著書を読むと慄然とします。著者は書籍情報社代表で作家の矢部宏治さんです。数々の密約によって「占領下の戦時体制の継続」という見立てを矢部さんは著書の中で語っています。

これまで当ブログでは「横田基地にオスプレイ」「突然、横田基地にオスプレイ」「横田基地にオスプレイが正式配備」という横田基地に関わる記事を投稿しています。住宅密集地のど真ん中、首都に広がる米軍横田基地は、まさしく「占領下の戦時体制の継続」という矢部さんの見立ての象徴だと言えます。

矢部さんの著書の中には「基地権」「指揮権」という言葉が頻繁に出てきます。「基地権」とは、日米安全保障条約とその詳細を定めた日米地位協定に基づいて認められています。この権限により、基地内では日本の国内法が原則として適用されず、出入国管理や関税、公務中の犯罪に対する裁判権などが日本側から除外される特権を米軍に与えています。

「指揮権」とは、「戦争の脅威が生じたと米軍司令部が判断したときは、すべての日本の軍隊は、アメリカ政府によって任命された最高司令官の指揮のもとに置かれる」というものです。それぞれ密室の中で決められ、日本の憲法や法律を凌駕し、主権国家としての地位に疑義が生じかねません。

矢部さんは著書を通し、朝鮮戦争が勃発した以降、日本の再軍備が進み、アメリカの周到な計画のもとで結ばれた条約や協定、密約の数々について明らかにしています。そして、占領下にあった時代のアメリカへの戦争協力体制が、現在も続いている「戦後日本」の歪んだ国のかたちを憂慮されています。

それでは米軍が日本から完全に撤退した時、他国の脅威に対する抑止力が保てるのか、このように懸念する声が上がるのだろうと思います。日本の平和や安全を守るために在日米軍基地は不可欠と考えている方からすれば、非現実的な妄想の類いの話だと見られかねません。もしくは自衛隊の防衛力を格段に高める必要性を訴えられるのかも知れません。

私自身、一定の抑止力の必要性を認めています。さらに憲法9条を守ること、イコール平和を守り続けられることではない点についても認識しています。安全保障は抑止と安心供与の両輪によって成立させることの重要さを当ブログを通して訴え続けています。

戦争を未然に防ぐためには「攻めたら反撃される」という抑止効果とともに「先に攻めるつもりがない」という相手方を安心させるメッセージとのバランスが重要です。 外交関係や経済交流を活発化させるソフトパワー、攻められない限り戦争はしないという専守防衛の原則のもと安心供与という広義の国防を重視すべきという考えです。

憲法9条の「特別さ」を持つ日本は外務省のホームページにも掲げている「人間の安全保障」という取り組みに集中すべきものと考えています。防衛審議官だった柳沢協二さんの「脅威とは能力と意思の掛け算で決まる」という言葉が印象深く、友好的で有益な関係を築いていれば攻撃されるリスクは最小化されるはずです。

このような意味合いから日米軍事同盟の強化一辺倒が望ましいことなのか、二項対立的な発想で勇ましい言葉を語ることが国益に資することなのか、これからも異なる考えをお持ちの方々にも届く言葉や「答え」を探し続けていければと考えています。横田基地に関しては、やはり将来的な撤去を理想視し、横田空域の解消をはじめ、跡地を平和利用できる時代が迎えられることを願い続けます。

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2025年11月15日 (土)

3年ぶりの団体交渉

前回記事「もう一歩前へ、特別執行委員に就任」でお伝えしたとおり11月7日金曜夜、私どもの組合の第80回定期大会が開かれ、私が特別執行委員に就任する議案を承認いただきました。定期大会の中では出席された組合員の皆さんから多くの意見や質問が示されました。闘争資金積立金特別会計を巡り、たいへん貴重な提起もありました。

2021年11月の定期大会での質疑応答を受け、翌年の平和や人権問題の組合方針」「平和や人権問題の議論提起」という記事で伝えているとおり平和や人権に関わる組合方針をリニューアルしました。このような経緯を経てリニューアルした方針案に対する指摘がありましたが、執行部答弁に補強すべき点のあることが気になっていました。

ただ議案承認前の組合員の一人にすぎない立場であり、その場で発言することは見合わせていました。改めて当ブログを通して論点等を整理し、顔見知りでもある質問された方に報告できればと考えています。そのため、今回の記事タイトルは「3年ぶりの団体交渉」とし、定期大会の内容に関しては機会を見ながら次回以降の記事で取り上げていきます。

さて、特別執行委員として一歩前に踏み出し、3年ぶりに組合執行部の活動に関わることになりました。これまでもメールやLINEでのやり取りのあった市長、副市長、行政管理部長には週末のうちに取り急ぎ就任のご挨拶をさせていただきました。人事課長には月曜の朝、庁内メールでご挨拶させていただいています。

それぞれ「時計の針を戻さない範囲で委員長らの力になれればと考え、一歩前に踏み出しています」という言葉を添えています。市長からは「建設的な労使交渉ができればと存じます」という返信をいただき、私から「信頼関係のもと建設的な労使交渉を重ねられるよう努めていきます」と応答させていただいています。

週明け、さっそく11月13日木曜夜に団体交渉があり、第1回執行委員会とともに私も参加しています。3年前の記事「最後の定期大会」の中で触れていましたが、2022年11月9日の賃金・一時金交渉が私自身の参加した最後の団体交渉でした。今回の記事タイトルに掲げたとおり3年ぶりの団体交渉への参加となっています。

その日の交渉では東京都人事委員会勧告に基づく賃金・一時金の改定について労使合意しています。そして、懸案だった二つの大きな課題についても合意に至っています。一つは再任用職員の一時金支給月数を定年前職員と同じ年間月数まで引き上げるという回答です。6月期の支給分も遡及し、年末一時金は3.625月分となり、該当者にとって60万円以上の上乗せです。

もう一つは会計年度任用職員の雇用継続課題です。今年3月に投稿した「会計年度任用職員制度の現況」で伝えていたような強い問題意識があり、せっかく特別執行委員として参加できる機会を得られたため、この課題に関しては「もう一歩」以上の立場で深く踏み込んだところです。

特別執行委員の就任が決まり、LINEでやり取りさせていただいている副市長には、私が団体交渉に参加するようになって「やりづらくないですか?」と率直な気持ちをお尋ねしていました。特に拒まれるような返信があった訳ではなく、書記長から事務折衝窓口である人事課長にも正式に伝えた上、参加そのものは認められていました。

ただ団体交渉の当日になって「特別執行委員は発言できるのかどうか」という論点が市当局側から提起されてきました。すべての課題がスッと労使合意できるよう詰められていたため、私が関わることで、交渉の行方が見通せなくなるような警戒感を抱かれてしまったのかも知れません。

事前に懸念点が解消できれば、あえて発言するつもりはなかったため、執行部のメンバーに渡してあった文書を交渉の直前、書記長を通して市側に届けています。この文書の内容そのものは好意的に受けとめていただけたようです。なお、このブログの最後に紹介する組合ニュース最新号の原稿の中に、その内容の全文を掲げています。

それでも交渉前に懸念点がオールクリアされた訳ではありませんでしたので、団体交渉を開催する会議室に駆け足で向かい、執行部のメンバーが揃う前に「私からも発言しますので」と副市長らに一言お伝えさせていただきました。

ちなみに交渉が終わった後、いつものように副市長とは談笑しながら別れています。やはり文字だけの短いLINEでのやり取りは疑心暗鬼に陥りがちとなります。特別執行委員という立場となって溝ができてしまったのかと心配していましたが、直接会い、普段通りだったため安堵したところです。

会計年度任用職員の雇用継続に関わる交渉結果は組合ニュースの原稿のとおりです。組合としては次年度の任用不可となるC評価を「極めて例外」という扱いにしたかったところですが、5年ごとに競争試験を強いられる制度が撤廃できたことを最も大きな成果とし、示されていた確認書案の文言修正にはこだわらず、労使合意しています。

「C評価を例外とせず」という仕組みにはなりますが、今後、C評価が極端に増えるものではないという主旨について確認しています。さらに次年度の任用不可となるような勤務態度などが見られた場合は「事前に必要な指導・育成、面談等を実施するものとする」という説明も加えられています。

したがって、恒常的な業務に従事されている月給制の会計年度任用職員の皆さんが、最低限65歳まで安心して働き続けられる交渉結果を得られたものと受けとめています。なお、70歳までの雇用のあり方については会計年度任用職員に限らず、職員全体の問題として協議の必要性を組合から市側に求めていかなければなりません。

最後に、レイアウト等は変わる予定ですが、来週火曜日に発行する「会計年度任用職員の公募によらない再度の任用回数の上限を撤廃することを確認」という見出しを付けた組合ニュースの内容を紹介します。

    ◇          ◇

11月13日の団体交渉で、会計年度任用職員の公募によらない再度の任用回数の上限を撤廃することを確認しました。これまで再度の任用回数の上限を4回と定め、引き続き雇用を希望する場合、5年目に競争試験を受けなくてはなりませんでした。組合は実質的な雇止めが危惧されるような制度に強い問題意識を持ち、これまで会計年度任用職員の雇用継続の課題に力を注いできました。

今回、そのような不安を取り除ける労使交渉の結果を得られています。ただ人事評価によって、逆に毎年、雇用継続できるかどうかという新たな不安が生じてしまうようでは本末転倒です。そのため、組合は団体交渉の前に次の内容(ゴシック体)の文書を渡した上で、交渉の場でも当局側の認識を確認しています。

会計年度任用職員を正規職員として雇用するための新たな制度の導入をはじめ、再度の任用回数の上限撤廃というご判断などを高く評価しています。その上で、いくつか組合の考え方を申し上げ、確認させていただきます。

  • 会計年度任用職員制度が導入されるまでは、私どもの市の場合、労使交渉の積み重ねによって恒常的な業務を担う嘱託職員の65歳までの雇用継続を確認してきました。
  • 高年齢者雇用安定法では65歳までの雇用を使用者側に義務付け、70歳までを努力義務としています。
  • 会計年度任用職員制度に関わる法律改正時の国会附帯決議では「公務における同一労働同一賃金の在り方に重点を置いた対応に努めること」とされています。

以上のような点を踏まえ、今回の見直しによって恒常的な業務を担う会計年度任用職員の皆さんが安心して、最低限65歳まで働き続けられる制度に改まったものと理解しています。このことによって、当事者の皆さんの士気が高まり、私どもの市で長く働き続けようという思いが強まるのではないかと考えています。

人事評価制度は人材育成を主眼としたものであり、もし業務に取り組む姿勢などに問題があった場合、適切な指導や助言によって改善につなげるべきものと考えています。したがって、杞憂だと思っていますが、これからは毎年、雇用不安にさらされていく見直しではないことについて、念のため確認させてください。よろしくお願いします。

次年度の任用不可となるC評価を付けざる得ないような場合は「事前に必要な指導・育成、面談等を実施するものとする」という説明を受け、当局と組合の認識に基本的に大きな違いがないことを確認できています。なお、70歳までの雇用継続のあり方などについては今後の労使協議課題としていくことも確認しています。

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2025年11月 8日 (土)

もう一歩前へ、特別執行委員に就任

現職の組合役員を退いてから当ブログで取り上げる内容は時事の話題が中心となっています。当たり前なことですが、労使課題に関する題材は極端に減っていました。今年3月に投稿した会計年度任用職員制度の現況」以降、直接的な題材の記事は途絶えています。

3年前となる2022年11月の定期大会で長年務めてきた執行委員長を退任しました。同じポストに同じ人物が長く担い続けるのは、あまり望ましいことではありません。そのような意識が働いていたため、委員長を何年務めてきたのか、しっかり数えてきていませんでした。

退任にあたり、改めて数えてみると在任期間は18年に及んでいました。私どもの組合の歴代委員長の中で際立った長さです。私の前の委員長3人は、それぞれ自治労都本部の役員となり、休職や離籍専従で組合活動を続けられていました。

私自身、家庭介護の事情があり、現状よりも負担が生じる役割への転身は控えてきました。そのため、毎年開かれる定期大会前、私どもの組合の委員長を続けるのかどうかという選択に絞った判断が求められていました。

結局、多岐にわたる労使課題があり、組合役員の担い手不足の問題など、とりまく情勢が厳しい中、責任の重さを受けとめた結果、継続する判断を何年も重ねていました。ただ18年間、私が委員長を担ってしまったことで組織としての新陳代謝を遅らせてしまったことも確かでした。

いつかは渡さなければならないバトンであり、3年前、現在の委員長に渡すことができています。委員長としては最後となる定期大会での冒頭挨拶の中で、その夜に放送されていた映画そして、バトンは渡された』について触れていました。あまり知られた映画ではなかったようで、キョトンとした会場の雰囲気で完全に滑っていたようです。

その挨拶では「これからは組合員の一人として新委員長に精一杯エールを送らせていただきます」と続けていました。これまで委員長を退いた後、副委員長として執行部に残るケースは多々ありましたが、そのような選択肢は最初から考えませんでした。さらに後任の委員長らがやりにくくならないよう相談を受けない限り、労使課題について口を出させないように努めてきました。

それでも昼休みには組合事務所に顔を出し、日常的に委員長や書記長らと気軽に会話する関係は続いています。協力委員の一人として組合ニュースの配布なども手伝っていますが、信任投票を受けることのない役職であり、労使交渉の当事者から退いたOBという立場であることを常にわきまえてきました。

そのような立場を前提としながらも、私自身が委員長時代、しっかり解決の道筋を立てられず、宿題という思いを残した課題については少し踏み込んで力になれればと考えてきました。冒頭に紹介した会計年度任用職員の雇用継続に加え、地域手当の引き上げを巡る労使課題です。地域手当に関しては今年2月の記事「難航した地域手当を巡る労使交渉」の中で、組合ニュースの原稿作成に協力したことも伝えています。

リンク先の記事の中で触れていますが、2023年9月の記事「身近な政治、市長選の話」でお伝えしたとおり都議時代から私どもの組合と推薦関係があり、20年以上前から懇意にさせていただいていた方が現在の市長です。昨年4月には、私が入所した頃から親しくお付き合いいただき、同じ職場の直属の上司としてお世話になった方が労使交渉の責任者となる副市長に就任されていました。

このような関係性を活かさせていただき、会計年度任用職員制度の労使協議の経緯や論点等をまとめた資料を市長と副市長に渡し、私自身の問題意識を伝える機会も設けてきました。もちろん副市長らと話した内容は委員長らに適宜報告しています。

労使交渉に関わる責任や判断する権限のない悩ましい立場ですが、二つの課題に対しては組合執行部と連絡を密にしながら側面からサポートしてきました。ただ労使交渉の窓口を飛び越えてトップダウンで方針を転換させるような手法は望まず、あくまでも労使交渉の折衝窓口である人事課長らに理解を得た上、組合の要求が実現していくことを願ってきました。

このような思いと現職の組合役員ではないという立場も踏まえ、ここから先は今後、労使協議を通して何らかの動きを作ることができるのかどうか見守っていかなければならないものと思っています。もちろんお役に立てることがあり、声をかけていただければ全力で応援していこうとも考えています。

上記は昨年月に投稿した記事「会計年度任用職員制度の課題、最新の動き」に残した言葉です。結果として、冒頭に掲げた今年3月の記事「会計年度任用職員制度の現況」で伝えているとおり複数名の現職者が実質的な雇い止めとなる現況に至っていました。その記事の最後のほうでは次のように記していました。

組合執行部は全力で労使協議を進めていたはずであり、やはり私自身が交渉の当事者だったとしても力は及ばなかったかも知れません。それでも悔やまれるのがトップダウンは望ましくないなどと考えず、組合員の雇用継続を最優先にして「やれることは何でもやる」という危機意識のもとに、もっともっと積極的に組合執行部を支えていくべきだったのではないか…、取り返しのつかない現況を受け、このように省みています。

以前の記事に綴ってきた内容を振り返りながら、ここまでで相当な長さとなっています。ここからは記事タイトルに掲げている最新の動きを書き進めていきます。金曜夜に開かれた定期大会で、前執行委員長という立場の私が特別執行委員に就任する議案を承認いただきました。定期大会については次回以降の記事で詳述できればと考えています。

組合規約第38条で「組合は、特別執行委員をおくことができる」とし、議決権はありませんが、委員長の要請があれば随時執行委員会に出席できます。信任投票の対象とはならず、定期大会での承認が必要とされる役職です。これまで市議会議員や自治労都本部役員だった元委員長らを特別執行委員に選任してきています。

数年前から空席でしたが、久しぶりに私自身が引き受けさせていただきます。なぜ、このタイミングなのか、少し説明を加えなければなりません。今年4月の記事これからも『公務員のためいき』」のとおり市役所での仕事を続けられ、しばらく組合員として残れるはずです。その上で前述したような問題意識があり、もう一歩前へ出て、委員長らを支えられればと考えました。

もう一つ大きな理由がありました。組合役員の担い手の問題で側面支援できればと思い、新たに執行委員を担っていただける人材探しに力を注いでいました。今回、たいへん有難いことにお二人から立候補を得られています。お二人をお誘いした責任もあり、特別執行委員という選択肢を考えるようになっていました。

つい最近、よくゴルフをご一緒させていただく自治労都本部の副委員長から「執行部に戻られるのですね」と声をかけられました。「それは誤報で、必要に応じて執行委員会に出席できる特別執行委員を引き受けたという話です」と訂正したところです。連合副事務局長だった元委員長から少し前に電話があり、話した内容に尾ヒレが付いてしまったようです。

名称のとおり特別な執行委員とは言え、今までより一歩踏み込み、責任を負う立場となります。「たいへんですね」という労りの言葉だけではなく、「まだ関わるんですか」という否定的な見られ方もあるのだろうと思っています。

いずれにしても組合役員を長く担ってきた中で、組合は大切、なくしてはならないという思いを強めてきました。そうであれば時計の針を戻さない範囲で、今、役に立てることがあれば、もう一歩前へ踏み出す判断につなげていました。このような判断を組合員の皆さんからご理解いただけることを願っています。

これまで登録ヘルパーの組合など他の組合の特別執行委員をいくつか引き受けてきました。相手方の了解が必須となりますが、場合によって団体交渉にも同席できる立場です。このあたりについては市側としっかり意思疎通をはかり、対応していかなければならないものと考えています。

今回の記事はローカルで、マイナーな内容となりました。次回以降は前回記事「多面的な情報の大切さ、2025年秋」のように時事の話題を中心に綴っていくことになるはずです。最後に、まったく余計な話ですが、「もう一歩前へ」をネット検索すると男子トイレの貼り紙のサイトがズラリと並ぶことに苦笑していました。

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2025年11月 1日 (土)

多面的な情報の大切さ、2025年秋

月曜日、トランプ大統領が来日しました。6年前は米軍横田基地に降り立っていましたが、今回は羽田空港にエアフォースワンで訪れています。これまで多くの歴代大統領が横田基地から入国しています。米軍基地内は日本の領土内にありながら日本ではありません。

横田空域という独立国では考えられない取り決めもあります。横田基地から一定範囲の空域の管制業務を米軍が行なっています。日本の民間航空機はその空域に入れず、遠回りしながら飛行しなければなりません。

このあたりの経緯について『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』という著書を読むと慄然とします。前回記事「平和を築くためのパレスチナ国家承認」の中でも紹介しましたが、著者は書籍情報社代表で作家の矢部宏治さんです。数々の密約による「占領下の戦時体制の継続」という見立てを矢部さんは著書の中で語っています。

当初、今回の新規記事はその著書の内容を詳しく紹介しながら書き進めていくつもりでした。前置きとして触れていく話が、なかなか長くなりそうであり、大切な論点になり得るため、矢部さんの著書の紹介を中心にした記事は別な機会に先送りすることとしています。

冒頭で在日米軍基地の問題に触れましたが、多面的な情報の大切さという主旨に沿って書き進めていきます。リンク先の記事のとおり当ブログでは多面的な情報を題材にした内容の記事を数多く投稿してきました。物事に対する評価が、別な角度からの情報を得ることでガラリと変わる場合があることを綴ってきています。

ちなみに過去の記事タイトルと重ならないように「2025年秋」を付けています。ただ余談ですが、昨日までクールビズで、翌日からウォームビズが定着しているとおり「日本から秋がなくなりつつある」と悲嘆する声が身にしみる昨今だと言えます。

さて、トランプ大統領が羽田空港に降り立った話に戻ります。煩わしい入国手続きを省くため、今回も横田基地に降り立つものと思っていました。意外にも羽田空港だったため、改めて調べてみると国家元首は入国手続きを省ける特例があることを知りました。アメリカ大統領に限らない国際的な慣行です。

元首ではありませんが、日本の総理大臣にも適用されているようです。自分自身の無知を恥じなければなりませんが、このような情報を得ることでアメリカの大統領だけが在日米軍基地を利用し、理不尽な特権を行使していた訳ではなかったという関係性を認識しています。

もちろん米軍基地や日米地位協定の問題は多々ありますが、入国手続きの特例に関しては私自身の認識不足があったことを省みています。このまま矢部さんの著書の内容につなげなかったのは、どうしても取り上げたかった時事の話題があったからです。『首相所信遮るヤジ  維新・吉村氏「子供に見せられない」』という報道です。

高市総理が衆院本会議で所信表明演説した際、議場内で「裏金問題」などと激しいヤジが飛び交ったことで物議を醸しています。ヤジを巡っては「国会の華」などとして許容されてきた面もありますが、ある程度の節度が求められているものと思っています。リンク先の産経新聞の記事には次のような苦言を紹介しています。

「所信表明に対する国会のヤジはひどいな。反対意見や批判はあるとしても、人の話はちゃんと聞こう。子供に見せられない」日本維新の会の吉村洋文代表はXでこう苦言を呈した上で、「あのヤジが仕事になる。国会議員の定数大幅削減だよ」と自民党との連立合意書に盛り込んだ衆院議員定数削減の実現を訴えた。

ヤジを飛ばしていた一人は立憲民主党の新人議員でした。同党の小西洋之参院議員は「総理の本会議演説も当然に(内閣への)監視監督の対象であり、ヤジはそのためになされているのです」と理解を示しながら「ヤジは非常に重要な国会議員の議会活動」と強調していました。

立憲民主党の石垣のり子参院議員は「政策や答弁への即時的な反応としてのヤジまでを単に不作法と切り捨ててしまうのは、議会制民主主義の理解として浅いのではないでしょうか」と反論しています。前提として「人格攻撃や差別的な言葉は許されません」とも指摘していました。

産経新聞の記事は、発言を遮るようなヤジのあり方を疑問視する新人議員の声を紹介しています。日本維新の会の新実彰平参院議員は「議論の場においてこんなことが許されるコミュニティーは、日本中探しても、どこにも存在していません。私たちは、その異常性に気付くべきです」と訴えています。

国民民主党の日野紗里亜衆院議員は「(ヤジは国会の華という)その文化に対して今も違和感と疑問ばかり。特に総理大臣が今後の国の方針を述べる所信表明演説の最中にヤジが飛ぶのはよくない。人が話している時は静かに最後まで聞く。小学校で習った当たり前のことを実践できる国会でありたい」という声を紹介していました。

国会議員からの賛否両論の声を紹介し、バランスを意識した記事であるようですが、結論的なトーンは「子供に見せられない」に行き着くのだろうと思っています。いずれにしても高市総理の演説を妨害したヤジを許せないと批判されている方々に対し、小西議員らの抗弁は火に油を注ぐようなものでした。

多面的な情報を提供する場として『「国会のヤジ」どうあるべき?高市総理の所信表明演説のヤジに波紋「素晴らしい」「恥ずかしい」賛否 “議会の華”過去には“総理ヤジ”も…【news23】』という記事も紹介します。その中では安倍元総理が「日教組どうすんだ」「意味のない質問だよ」 などとヤジを繰り返していたことを伝えています。

安倍元総理と高市総理を支持されている方々は重なり合っているはずですが、このような情報に改めて接した時、今回のヤジの問題をどのようにとらえ直されるのでしょうか。news23の記事の最後のほうで星浩さんが、これほど問題になっている理由はSNSの普及に加え、対立型への政治構造の変化があることを指摘していました。

このブログでは多面的な情報に接していくことの大切さとともに、「誰が」に重きを置かず、具体的な事例に対して論評を加えていくことを心がけています。これまでも安倍元総理を批判する際、「このような言動が問題である」と指摘し、「誰が」ではなく、「何が」という目線に重きを置いてきました。

例えば、高市総理のトランプ大統領との会談時の振る舞いなどが批判されがちです。基本的な立ち位置に距離感を感じながらも私自身は、高市総理がトランプ大統領と信頼関係を築けたことを率直に評価しています。

李在明大統領との初顔合わせもシャトル外交の継続などを確認でき、日韓首脳会談が成功裡に終わったことを評価しています。懸案課題を多く抱えた中国の習近平国家主席との会談は、笑顔が少なく、緊張感に包まれていました。それでも「戦略的互恵関係」の重要性を双方が唱え、課題がある中で対話の場に着けたことを肯定的にとらえています。

ここで今回の記事は終わりますが、今後も高市総理に対して「批判ありき」でなく、「こうして欲しい」という論調での内容を心がけていきます。不特定多数の方々に発信していく中で、少しでも「なるほど」と思っていただけるような多面的な情報の一つになれることを願いながら、これからも毎週末の更新を重ねていきます。

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