3年ぶりの団体交渉 Part2
8月に投稿した「ブログを始めて20年」以降の一連の記事のとおり当ブログは個人の責任のもとに20年以上続けています。背伸びしない一つの運動として、 公務員の労働組合や自治労などへの批判に対し、多面的な情報を発信していくことで「誤解」に近いような前提での批判を少なくできればと願いながら続けています。
人によって考え方が枝分かれしがちな安全保障のあり方などに対しても、前回記事「占領下の戦時体制の継続、米軍横田基地の問題」のような内容を通して個人的な問題意識を綴ってきています。難しい題材をインターネット上で不特定多数の方々に発信していくため、言葉一つ一つを吟味し、取り扱う内容についても慎重を期しています。
プロフィール欄に掲げているとおりブログの管理人は「OTSU」とし、建前は匿名での発信ですが、知り合いの皆さんからすれば匿名ではありません。したがって、どなたがご覧になっても責任を持てる内容や言葉使いに心がけ、一人でも多くの方に目を通していただきたいという思いを込めながら書き進めています。
そのため、個人的なLINEを利用し、時々、新規記事を投稿したことなどを紹介していました。承認欲求からのアピールだと感じられがちかも知れませんが、関係者の皆さんをはじめ、一人でも多くの方にご覧になって欲しいという願いからのご案内であることをご理解いただければ幸いです。
このような前置きがあるため、いつも長文ブログとなっています。ちなみスマホで閲覧すると「まさしく文字ばかり」となっていますが、パソコン画面であれば、もう少しカラフルなレイアウトになっていることを補足させていただきます。
さて、前々回記事は「3年ぶりの団体交渉」でした。前回記事の冒頭で、特別執行委員の交渉参加に関わる問題があったことを伝えています。今回、前々回記事の続きにあたる「Part2」としています。思い起こせば最近の記事「もう一歩前へ、特別執行委員に就任」の中で次のように記していました。
これまで登録ヘルパーの組合など他の組合の特別執行委員をいくつか引き受けてきました。相手方の了解が必須となりますが、場合によって団体交渉にも同席できる立場です。このあたりについては市側としっかり意思疎通をはかり、対応していかなければならないものと考えています。
このように思っていながら市当局側との行き違いを生じさせてしまいました。どのような問題が生じていたのか、後掲する「特別執行委員の交渉参加の経緯と考え方について」という文書にまとめています。ギクシャクしがちな労使関係を少しでも円滑化できればという思いもあり、特別執行委員を引き受けていました。
それにも関わらず、丁寧な合意形成をはかれず、私の交渉参加という入口のところでギクシャクさせてしまい、たいへん悔やんでいました。ただ労使双方の対立点を際立たせることは避け、こちらの至らなかった点をお詫びした上、組合側の考え方を市当局に伝えていました。
下記の文書を事務折衝で市当局に渡し、改めて協議した結果、特別執行委員の今後の交渉参加について整理をはかれたことを書記長から報告を受けています。いろいろな思いを行間にこめ、当事者である私自身がまとめた文書の全文を参考までに紹介します。なお、前述したとおり固有名詞は外していることをご承知おきください。
◇ ◇
特別執行委員の交渉参加の経緯と考え方について
■ 経緯について
11月13日の団体交渉において、特別執行委員に就任した私自身の件で対立的な問題を生じさせてしまい、たいへん申し訳ありません。こちらの詰めの甘さによって、当局側との認識が相違したまま交渉に入り、不信感を与えてしまったことは痛恨の極みです。
私どもの組合では過去に複数名の特別執行委員を選任してきていますが、団体交渉への参加を求めた事例はありません。そのため、当局側としっかり意思疎通をはかり、充分な合意形成のもとに特別執行委員の交渉参加の了解を得るという丁寧な手続きが不可欠だと考えていました。
このような思いがあったため、11月7日の定期大会で特別執行委員に就任したことについて市長らにメール等で恐縮でしたが、すみやかな報告とともにご挨拶させていただきました。正式な要請は書記長から事務折衝を通し、交渉参加の可否について了解を得る運びとしていました。
この手順の中でも反省すべき点があります。正式な返事や了解を得る前にも関わらず、私のほうでは参加できることを前提にした勇み足な対応をはかっていました。後述するような私自身の法的な理解等があったため、初期の段階で双方に大きな認識のズレがあることに気付けませんでした。
それでも労使交渉の相手側の了解が不可欠であることは理解していたため、交渉参加の可否に関する当局側の最終判断を気にかけていました。事務折衝窓口の書記長から参加可能という返答を伺い、団体交渉資料の職員団体側委員に私の名前も掲げられていたことに安堵していました。
交渉直前、特別執行委員は発言できないという連絡を受けた際も、後述するような認識の差異からたいへん戸惑いました。参加を認められたということは正式な交渉委員であり、発言は控えなければならないという制約に正直なところ大きな違和感を抱かざるを得ませんでした。
特に極めて重要な問題点の確認が必須だったため、組合執行部側としては私も発言するという意思一致のもとに交渉に臨んでいます。このように決めたことについて、少しでも理解を得られるよう駆け足で交渉会場に向かい、あらかじめ私も発言させていただく旨をお伝えしたところでした。
交渉直前だったため、疑義を残しながらも追認せざるを得なかったのかも知れません。このあたりについてボタンをかけ違えたまま交渉に入ってしまったのではないか、今から振り返ると深く反省しています。ただ私自身としては通常の交渉委員という認識での参加だったため、現職の役員だった当時と同じように主張すべき点は率直に訴えさせていただきました。
■ 考え方について
結果として私自身をはじめ、組合側の詰めの甘さや認識不足から不信感を与えてしまったことを猛省しなければなりません。しかし、事務折衝で違法だという指摘を受けている点については非常に残念な見られ方だと思っています。当たり前なことですが、違法性の認識がわずかでもあれば特別執行委員の交渉参加を求めることは到底あり得ません。
地方公務員法第53条(職員団体の登録)3に「すべての構成員が平等に参加する機会を有する直接且つ秘密の投票による全員の過半数(役員の選挙については、投票者の過半数)によって決定される旨の手続を定め、且つ、現実に、その手続によりこれらの重要な行為が決定されることを必要とする」と記され、組合役員は投票者の過半数の信任が必要とされています。
地方公務員法第55条(交渉)5で「交渉は、職員団体と地方公共団体の当局があらかじめ取り決めた員数の範囲内で、職員団体がその役員の中から指名する者と地方公共団体の当局の指名する者との間において行なわなければならない。交渉に当たっては、職員団体と地方公共団体の当局との間において、議題、時間、場所その他必要な事項をあらかじめ取り決めて行なうものとする」と記されています。
上記の条文だけ踏まえれば確かに特別執行委員である私は団体交渉に参加できる資格を有していません。しかしながら地方公務員法第55条(交渉)6には「前項の場合において、特別の事情があるときは、職員団体は、役員以外の者を指名することができるものとする。ただし、その指名する者は、当該交渉の対象である特定の事項について交渉する適法な委任を当該職員団体の執行機関から受けたことを文書によって証明できる者でなければならない」とも記されています。
特別執行委員に就任した私の立場は組合規約第38条「組合は、特別執行委員をおくことができる」に基づいています。信任投票の対象とはならず、定期大会での承認が必要とされる役職です。委員長の要請があれば随時執行委員会に出席できます。議決を要した場合に一票は投じられませんが、出席した際、発言に制約はない立場です。
参考までに私自身の経験上の事例も紹介させていただきます。過去、いくつか外部の組合の特別執行委員を務めてきた経験があります。最初は1996年10月16日に結成された登録ヘルパーの組合です。起ち上げから支援し、結成と同時に特別執行委員に就任していました。
その際、組織化を専任的に担当していた自治労都本部の役員と緊密に連携し、前例となる実情や法的な面なども踏まえた上での新規組合の結成と私自身の特別執行委員の就任でした。雇用主である市当局との団体交渉では、特別執行委員として発言を重ねていました。それ以降、社会福祉協議会職員労働組合の特別執行委員にも就任しています。
2017年には競輪労組の退職金廃止問題があり、特別執行委員ではありませんでしたが、同じ自治労の一員という立場で団体交渉の場に参加してきた経験もあります。競輪労組の交渉には、他に自治労都本部役員も参加しています。適法かどうか、厳密に言えば疑義は残されますが、当局側の了解を得て参加し、その交渉で合意した内容は誠実に履行されています。
必ずしも地方公務員法に基づく労使関係ではない事例もありますが、当局側が認めれば正規の役員以外も団体交渉に参加できたという経験を重ねていました。このような経験も今回の行き違いの背景になってしまったことを省みています。
地方公務員法上での適法な交渉とするためには、組合側に人事委員会又は公平委員会への登録が求められています。非登録職員団体から交渉の申し入れがあった場合、当局側に応じる義務はありません。ただし、当局側が職員の勤務条件の維持改善のために望ましいと判断すれば、交渉しても違法性は問われません。
実際、私どもの組合は市公平委員会が廃止された後、嘱託職員も組織化していた事情から登録を見合わせていた時期があります。しかし、市当局は対応を変えることなく、それまでと同様、誠実に交渉に応じられています。そもそも協約締結権が制限されている中、文書で確認した合意事項も法的拘束力はなく、紳士協定としての道義的責任があるのみです。
誤解がないよう改めて強調しなければなりませんが、法令遵守や定められたルールを守ることは当然です。長く組合活動に関わってきたため、時代背景の変化の中で改める必要性に迫られた労使慣行等を丁寧な話し合いのもとに変えてきた歴史に接してきました。今後も既得権等に固執せず、必要な見直しには応じていかなければならないものと考えています。
■ 結論として
長々と説明していることで、かえって分かりづらくなっていましたら恐縮です。組合側としては特別執行委員の団体交渉参加について、地方公務員法第55条(交渉)6に基づき適法であるという認識です。求められれば定期大会での承認という文書での証明も示せたところでしたが、参加そのものが認められていれば、そのような手続きも省けるという認識でした。
今回、参加は認めるが、発言は不可という当局側の認識との大きな隔たりを解消しないまま交渉に入ってしまったことが、前述したとおりお詫びしなければならない反省点でした。もともと今後、団体交渉に毎回参加する立場ではありませんでしたが、この機会に特別執行委員の参加のあり方を協議いただければ幸いです。
せっかくの機会ですので、もう少し書き添えさせていただきます。特別執行委員の団体交渉参加という初めての試みに対し、当局側との丁寧な合意形成をはかれなかったことを組合は教訓化していきます。11月14日の事務折衝では302会議室使用の問題も指摘を受けています。
こちらも定期大会としての使用は初めての試みでした。職員だけが集まる会議とは異なり、来賓として他の組合の関係者や市議会議員も訪れるため、事前に担当部局や人事当局と必要な相談をしなければならなかったものとして省みています。ただ決して規定違反や解釈をなし崩し的に行なうような姿勢は毛頭ないことをご理解ください。
最後に、職員一人一人いきいきと働き続けられることが良質な住民サービスにつながるものと考えています。このような点は労使共通の認識であるはずです。個々の課題で違いが際立つこともありますが、お互い信頼関係のもとに建設的な労使交渉を重ねられるよう少しでも力になれればと考え、特別執行委員を引き受けていたことも申し添えさせていただきます。


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