公選法違反容疑でも書類送検された斎藤知事
参院選挙の前哨戦と目されている東京都議会議員選挙は明日投票日を迎えます。どのような選挙結果に至るのか分かりませんが、政党の看板頼みで、政治家としての資質を疑われるような候補者には票が集まらないことを願っています。
国会最終盤での与野党の動きをはじめ、イスラエルとイランの対立など関心を強めるべき話題が立て続いています。それでも今回の記事タイトルは「公選法違反容疑でも書類送検された斎藤知事」とし、昨年7月「政治家の好感度、その危うさ」以降、このブログで頻繁に取り上げている兵庫県政に関わる話を書き進めています。
兵庫県政の動きは自治体職員という立場から注視し続けています。加えて、同じ事象に接していながら評価が大きく分かれがちな事例としても関心を寄せています。このような問題意識を抱える中、ほぼ毎週、新たな動きに接しているため、おのずから兵庫県政を扱った新規記事が多くなっています。
前回記事「砂川闘争は終わっていない、70周年のつどい」の冒頭では『斎藤元彦知事の給与50%カット案、兵庫県議会「説明責任を果たしていない」と採決見送り』『兵庫県警、斎藤知事を背任容疑で書類送検 プロ野球優勝パレード疑惑』という兵庫県政に関わる新たな報道を紹介していました。
前々回記事「斎藤知事、給与50%カットの条例案提出」で取り上げたとおり真相が解明されない中での条例案提出に対し、県議会は反発し「待った」をかけています。優勝パレードの背任容疑は自死された元県民局長の告発内容の一つで、第三者委員会の調査では「クロ」とまで断定できていませんでした。
書類送検された後、検察が起訴しないケースも多く、この段階で「クロ」と決め付けた批判は避けなければなりません。しかし、根も葉もない噂話であれば書類送検そのものが見送られていたはずであり、やはり「火のない所に煙は立たぬ」という疑いがあったことは否めません。
ちなみに書類送検は法律用語で送致と呼ばれ、メディアによっては書類送付と表現しています。書類送検と書類送付、事件の重大さや悪質さを印象操作するため、メディアは意図的に使い分けていると批判される場合もあるようです。
前置きが長くなっていますが、今回の記事タイトルに掲げたとおり昨日、兵庫県の斎藤元彦知事が公職選挙法違反の容疑でも書類送検されました。産経新聞の記事『兵庫知事選「SNS活動の報酬」斎藤知事とPR会社女性代表を書類送検 公選法違反疑い』では次のように伝えています。
昨年11月の兵庫県知事選で再選された斎藤元彦知事が、交流サイト(SNS)戦略などに携わったPR会社に支払った報酬が選挙運動の対価に当たるとして、公職選挙法違反(買収、被買収)の罪で斎藤氏とPR会社の女性代表が刑事告発された問題で、兵庫県警は20日、同法違反容疑で2人を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。県警は処分意見を明らかにしていない。地検が県警の捜査結果などを踏まえ慎重に判断するとみられる。
元検事の郷原信郎弁護士と上脇博之神戸学院大教授が昨年12月に県警などに告発し、受理されていた。告訴・告発を受理した警察は、書類を検察に送らなければならないと定められている。PR会社は同県西宮市の「merchu(メルチュ)」。知事選後に女性代表が斎藤氏陣営の広報全般を担ったとする記事をインターネット上に公開し、選挙用プロフィル写真の撮影やSNSの公式応援アカウントの運用などについて同社が手がけたと紹介していた。
斎藤氏はこれまでの取材に、メルチュに支払ったのは公選法で認められたポスター制作費などだったと説明。代理人弁護士も、「選挙活動の広報戦略の監修を担ってもらった認識はない」などとし、女性代表のSNS活動はボランティアで報酬支払いの約束もないなどとして買収を否定していた。告発状では、メルチュは斎藤氏から戦略的広報業務を受託し、斎藤氏が71万5千円を選挙運動への報酬として支払ったとしている。県警と地検が今年2月、メルチュの関係先を家宅捜索していた。【産経新聞2025年6月21日】
書類送検後、斎藤知事は県庁で記者団に対して「詳細はまだ承知していない状況だ。選挙については公職選挙法を含めて適法に対応してきたという認識に変わりはない。捜査にどのように対応してきたかはコメントは控えたいが、今後、捜査に協力を求められれば全面的に協力していきたい」と語っています。
もし有罪が確定した場合、昨年11月の知事選の結果は無効となります。このPR会社を巡る問題は昨年11月「兵庫県知事選、いろいろ思うこと Part2」、今年2月「混乱と分断が続く兵庫県政」という記事の中で取り上げ、次ような私自身の問題意識を書き添えていました。
この問題を受け、斎藤知事は「公職選挙法に違反するようなことはないと認識している」と繰り返し答えています。既視感のある光景でした。公益通報者保護法の問題でも、一貫して違法性を否定する認識を示していました。パワハラについても同様です。とりわけパワハラに関しては加害側の認識の問題よりも、受け手側がどのように感じていたかが大きなポイントとなります。
最終的に白黒がはっきりするまで疑惑のままであることも確かです。しかし、疑惑を招く問題が斎藤知事には立て続いています。様々な法律に対する理解不足や認識の甘さがあるように思えてなりません。加えて、そのあたりの不充分さをフォローしていく人材が周囲にいないのか、進言できる関係性を築けないのか、省みる点が多々あるのではないでしょうか。
逆に斎藤知事の周囲には、斎藤知事の振る舞いの「正しさ」を強調しながら後押しする支援者ばかりなのだろうと推測しています。意に沿わない進言には耳を傾けず、自分にとって都合の良い意見のみ取り入れているように思えてなりません。
身近にいない場合でも、YouTubeの『斉藤知事 遂にメルチュ公選法違反で書類送検 捜査のプロだけが分かる、不起訴決定の理由を徹底解説 告発芸人の教授は残念でした』という動画などに触れていれば、ご自身の「正しさ」に確信を強めていけるはずです。
今回の問題は重大な影響を及ぼす案件であり、より慎重な対応や判断を検察は求められています。そのため、上記の動画の中で結論付けているとおり最終的には不起訴になる可能性が高いのかも知れません。それでも知事という重責を担う人物が、立て続けに法律違反を問われている事態は異常なことだと言えます。
最後に『「厚かましすぎる」兵庫・斎藤知事 大ヒット映画『国宝』の“意味深な感想”に寄せられる厳しい声』という記事を紹介します。Xに投稿した「どれほど険しい道であろうとも、“己の道”を歩み続ける姿に、私自身、ぐっと感情移入しました」という斎藤知事の言葉が反発を招いていました。ただ斎藤知事を支持されている皆さんであれば、その言葉を肯定的に感情移入されるのではないでしょうか。
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