改めて批判意見と誹謗中傷の違い
ゴールデンウイークの初日にあたる土曜日、連合の三多摩メーデーに今年も参加しています。昨年は参加後「三多摩メーデーに絡む個人的な思い」という記事を投稿していました。残念ながら今年も連合側の「答え」は変わることなく、私どもの市長は来賓として呼ばれていません。
昨年の記事に綴っているとおり私自身の「答え」と異なっている訳ですが、この違いをもって連合三多摩の活動等をすべて否定するような思いはありません。前回記事は「開幕した万博に様々な声」でしたが、万博に限らず、賛否が割れがちな事案に対し、様々な声があって当然です。
ただ「答え」が違うからと言って、いがみ合う関係性につながるようでは不本意なことだろうと思っています。違いがあることを認め合った上、自分自身の「答え」の正しさに自信を持っているのであれば、相手方に「なるほど」と思われるような言葉を投げかけていくことが大切な試みであるはずです。
一方で、自分自身の「答え」とかけ離れた意見をハナから否定し、そのような「答え」に至る相手方を見下すようであれば感情的な亀裂が深まるばかりです。非難の応酬に陥り、いがみ合う関係性は、お互い協力できる場面があっても手を携えることは難しくなってしまいます。
いがみ合わないため、対立する論点にお互い触れないという方法もあります。ただ意見を交わすことがなければ違いの「溝」を埋めることはできません。そのような意味合いから異質な意見や考え方に触れられる機会は、たいへん貴重なことだと考えています。
前回記事でも取り上げたとおり当ブログのコメント欄は、いろいろな「答え」を認め合った場として多くの皆さんから幅広い意見をお寄せいただいてきました。残念ながら現在のコメント欄は「今は昔」となり、その面影の片鱗も見当たらなくなっています。
かつては一つの記事に毎回100件ほどコメントが寄せられていた時期もありました。私自身の考え方や自治労に対し、辛辣な言葉での批判意見が目立っていました。そのような意見や指摘が「気付き」の機会につながることもあり、手厳しいコメントもすべて受け入れてきています。
ただ管理人の立場から断定調の批判に対する「お願い」も数多く重ねてきました。「批判意見と誹謗中傷の違い」という記事を投稿したのもその頃です。批判意見は歓迎しながらも、特定の人物や団体を誹謗中傷するような書き込みだけは慎むように「お願い」を繰り返し、次のような問題意識を示していました。
辞書で調べれば誹謗とは「他人の悪口を言うこと」であり、中傷とは「根拠のない悪口を言い、他人の名誉を傷つけること」と説明されています。「政治活動に力を注ぐ自治労は問題だ」という指摘は批判意見として受けとめなければなりません。しかしながら「違法な活動に力を注ぐ自治労は問題だ」と違法性を決め付けた批判は誹謗中傷にあたるため、せめて「違法性を疑われる活動」という言葉などにとどめて欲しいという「お願い」を重ねていました。
このような「お願い」に対して『「批判される者」が「批判と誹謗中傷」の線引をする事は大変危険だ』という反論がありました。その言葉自体、ある面ではその通りです。前述したとおり批判を受け、至らなかった点が省みれ、改善していく機会となるような構図を肯定的にとらえています。
だからこそ、このブログを開設し、フルオープンなコメント欄を維持しています。批判意見を恣意的に選別してしまうと、本来、真摯に受けとめるべき指摘まで聞き流してしまう可能性があります。そのため、投稿されたコメントは即時に反映され、明らかなスパムや極端な商業目的の内容ではない限り、削除することはあり得ません。
どのような辛辣な言葉でも、そこに投稿された思いや意味をくみ取ろうと心がけています。とにかく批判意見も含め、幅広い視点や立場からご意見をいただける貴重さを感じ取ってきています。コメント欄が「玉石混交」となっても、見落としがちな「玉」を「石」と一緒に捨ててしまわないためにも、そのような位置付けとしています。
このような方針を前提にした上で、以前の記事「コメント欄の話、インデックス」の中で綴ったとおり図書館の管理人と同じような役割や責任が私自身には負わされている点について説明していました。つまり最低限、この場で守るべきマナーについて、全体に周知し、場合によって個別に注意や警告するという役割です。
今回、批判意見と誹謗中傷の違いについて改めて取り上げた理由は、このところ注視し続けている兵庫県政の混乱を目の当たりにしているからです。最近では『斎藤知事、第三者委めぐる大臣指摘に「重く受け止める」 だが「対応は適切」と主張』という報道に接しています。
兵庫県の斎藤元彦知事の告発文書問題を巡り、伊東良孝消費者担当相が県が設置した第三者委員会の調査結果について「(知事は)納得をしなければならない」と言及しています。しかし、斎藤知事は「大臣のご指摘は重く受けとめるが、対応は適切だった」とこれまで通りの主張を繰り返すだけでした。
批判意見、それも公益通報者保護法に守られるべき告発を批判された側が、自らの判断で「すべて誹謗中傷だ」と切り捨てたことから取り返しのつかない悲劇が始まっています。『橋下徹「僕が兵庫県の斎藤知事を『失格』と断じるパワハラ以外の中核的な問題点」』という記事が伝える主張の通りだろうと思っています。
兵庫県に関わる話として『「県警の不正は事実」「政倫審は“いじめ”だと感じている」“自称・斎藤知事選対本部”の姫路市議(30)が会見で県警との“全面戦争”を宣言〈兵庫県政・大混乱〉』という報道にも目を留めていました。こちらは根拠のない決め付けた批判は誹謗中傷にあたる一例となっています。
姫路市議の対応ぶりは驚くばかりです。ただ「県警の不正は事実」という指摘も、このブログで前述したとおり「不正が疑われる」というように最初から言葉を慎重に選んでいれば、ここまで大きな問題になっていなかったのかも知れません。最後に長くなりますが、姫路市議の迷走ぶりを伝える当該の記事をそのまま紹介します。
昨年11月の兵庫県知事選で兵庫県警内部に斎藤元彦知事以外の候補者を応援せよとの通達が出ていたとSNSで主張した高見千咲・姫路市議(30)。高見氏は4月21日に記者会見し、通達が出たことは「事実」で、自分の主張は「注意喚起になった」と発言した。
知事選を巡っては斎藤知事の対立候補に関する虚偽事実が拡散された問題の捜査が水面下で進んでいる。その県警が組織ぐるみの選挙不正を行なったと断定した高見氏の発言は、県警との全面戦争の宣言と受け止められている。
「聞いたのは1名なんですけれども、その方は複数名に確認された」
「私が聞いたのは1名なんですけれども、その方は複数名に確認されたと言ってました。そのお話を聞いた時点で信頼できるソースだと判断したので事実を皆さんに広く知っていただきたいというところがあり発信しました」
会見で高見氏は、事実なら警察の信頼が失われる大スキャンダルになる情報を、聞いてすぐに発信したと話した。地元記者は「高見氏は、情報源は現役警察官を含む複数名から情報を得ていると説明しました。しかしそれを確認する作業もしていません」と話し、高見氏がたった1人から聞いただけの話を拡散させたことに驚きを隠さない。
まず高見氏の問題のポストと記者会見に至る経緯を振り返る。斎藤知事が返り咲きを目指した昨秋の選挙選では、「斎藤知事を応援する」と言って立候補した立花孝志NHK党党首が「斎藤知事の疑惑は嘘で、彼はハメられた」と主張した。
選挙中から、斎藤知事の疑惑を調べた県議会調査特別委員会(百条委)のメンバーだった竹内英明元県議らは、斎藤知事を攻撃した“黒幕”と名指しされ、猛烈な誹謗中傷にさらされた。竹内氏は「家族を守りたい」として県議を辞職した後の今年1月18日に急逝する。自死とみられている。
その直後に立花氏は「竹内氏は逮捕される予定だったようです」と主張。これに兵庫県警の村井紀之本部長(当時)は1月20日に「全くの事実無根。明白な虚偽」と県議会で述べ、完全否定した。
同日夜、「私は選対本部の人間」と称し斎藤知事を応援していた市議1期目の高見氏は、〈そもそも、兵庫県警の内部では知事選において、特定候補(斎藤知事ではない)の応援をするように通達されていたと聞いたんですけど〉とXに問題の投稿を行なった。
「まるっきり荒唐無稽な妄想」(県警担当記者)に怒った兵庫県警は、当時高見氏が所属していた自民党県連にポストの削除と訂正を求めた。しかし、高見氏はさらに〈認めるわけないやろw 否定してるからって、事実じゃないってことにはなりません〜〉と、県警を愚弄するポストを投稿した。
「有力政治家が後ろ盾にいるとみられる高見氏ですが、市議会も看過できなくなり、政治倫理審査会が設けられました。昨年11月以降、体調不良を理由に県議会本会議を休んでいる高見氏は弁明に現れず、政倫審は高見氏が昨年10月ごろからSNSで不適切な投稿を繰り返し、議会の品位と名誉を害したことなどが政治倫理条例に違反しているとし、辞職勧告が相当だと3月7日に決定しました。これを受け市議会本会議は3月26日に辞職勧告決議を可決しました。有力政治家が見放したのかどうかわかりませんが、高見氏は自民党会派も離れました」(地元記者)
警察からのポスト削除要請は「言論弾圧にもなる」
高見氏は決議当日に「間違ったことは一切していないという認識は変わりません。今後も議員としての職を全うしていく所存です」とXにポストし辞職しないことを表明。
4月21日の会見でも高見氏は、「(政倫審の)報告書の中に事実認定が全く抜け落ちていて、私自身もいまだに何が違反とされているのか、何をもっての辞職勧告なのかというのが分かっていない」と述べた。
つづけて高見氏は、「今回の政倫審というのは知事選の遺恨で、多数派によるいじめだと私は感じているんですね。それに屈するわけにはいかない」と議会を批判した。
県警に関する問題のポストについては最初に、「当初私が発信したのは、あくまでもこういうふうな話を聞いたんだが、という(もので)断定的な口調では書いていないものになるんですね」と述べ、伝聞だと“逃げ”をうった。さらに、
「本部長が否定されてましたけれども、私の発信は本部長からの通達があったとも言っていないし、県警の中の一部の署や一部の部署だったかもしれないです。私自身も分からない部分になるんですけれども。警察内で調査も何もせずに本部長の方が否定されたことにも疑問を抱いています」
と発言。あったと主張する「通達」がどのようなものかは分かっていないが、調べない警察がおかしいと言い立てた。警察からのポスト削除要請は「言論弾圧にもなる」と言い、拒否すると宣言した。
最後は対決姿勢をむき出しにした高見市議
ここで記者からは、一人から聞いただけで確認もしていない話を流布してよかったのか、との質問が出る。これに高見氏は、「特に問題はなかったと思いますね。事実としてそういう動きがあったという風なことを考えると、県警で今後もそういった動きがあったら問題だと思うので、注意喚起にもなったかなと思うので」
と答え、通達の存在は事実で自分はそれを正したと強調したのだ。県警担当記者は「最後は対決姿勢をむき出しにしました。捜査を牽制する意図かもしれません」と話す。牽制とは何か。
「知事選では序盤で斎藤知事より優位とみられていた前尼崎市長の稲村和美候補に関し様々な虚偽情報がSNSで流されました。これが公職選挙法上の虚偽事項公表罪に当たる可能性があるとみる県警は捜査を続けています。例えば、稲村氏に関するデマの代表的なものは『稲村氏は1000億円をかけて豪華な県庁舎を建てようとしている』というものです。
そして選挙中に高見氏も〈稲村政権になったら県立大無償化がチャラになって、県庁舎に1000億使われるって分かってる人でも、旦那の会社に言われたからって稲村氏にいれてしまった。この候補に入れましたという誓約書まで出さされるらしい…。〉とXにポストしているのです。このポストは捜査の視野に入っているとみられます」(同記者)
知事選から間もなく半年。県政の混乱が激化する一方の兵庫県で、選挙の暗部はいつ明らかにされるのか――。【集英社オンライン2025年4月22日】


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