混迷を深める兵庫県政
このブログは毎週1回、土曜か日曜に更新しています。実生活に過度な負担をかけないため、20年近く続けているマイルールです。臨機応変、平日も情報発信しているSNSであれば『元兵庫県議の竹内英明氏自宅で死亡 斎藤知事文書の百条委元委員 SNSで中傷』という下記のニュースに接した時、憤りをすぐ表明していたものと思っています。
兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発する文書の真偽を解明する県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員だった元県議、竹内英明氏(50)が亡くなっていたことが19日、関係者への取材で分かった。自殺とみられる。関係者によると、18日夜、竹内氏の家族が同県姫路市内の自宅でぐったりしているのを発見。搬送先の病院で死亡が確認された。
竹内氏は、兵庫県の元西播磨県民局長(昨年7月に死亡)が作成した告発文書の内容を調べる百条委の委員だったが、昨年11月、一身上の都合を理由に県議を辞職。議会関係者によると、同月17日投開票の県知事選を巡って交流サイト(SNS)上で、誹謗中傷を受けたと周囲に相談していたという。竹内氏は平成15年に姫路市議に初当選し、19年6月の統一地方選で県議に転身。5期目途中で辞職した。 【産経新聞2025年1月19日】
土曜に前回記事「年末年始に読み終えた書籍 Part2 」を投稿し、翌日の日曜に目にした衝撃的なニュースでした。前回記事を投稿する前に知っていれば、今回の記事タイトルのような内容に差し替えていたはずです。トランプ大統領の就任やフジテレビの問題など時事の話題が目白押しな中、私にとって上記のニュースが最も関心の高いものとなっています。
これまで当ブログでは、昨年11月17日に投開票された兵庫県知事選の後「兵庫県知事選、いろいろ思うこと」「兵庫県知事選、いろいろ思うこと Part2」という記事を投稿してきました。このような経緯や関わりがある中、今回のニュースに接し、取り返しのつかない悲劇が繰り返されたことに物凄い怒りを覚えています。
ただ報道のあった即日に投稿を控え、日数を置くことで感情が先走った内容を避けられるようになります。さらに新たな情報にも接していくことで、より俯瞰的な立場での記事内容につなげられます。条件反射、精髄反射し、頭に血が上っている段階でSNSで情報発信していた場合、憶測で他者を誹謗中傷するような言葉を使いかねません。
それこそ今回の記事を通し、批判すべき振る舞いを自分自身が犯しかねない事態もあり得ます。そのような意味で冷却期間を経て、週末に限って当ブログに向き合うことの利点も多々あるのだろうと考えています。
前置き的な話が長くなりましたが、今回の記事では兵庫県政に関わる様々な報道の紹介を中心としながら、個人的な思いは抑制的に書き添えていくつもりです。その上で、あくまでも批判すべきは個々人の具体的な言動であり、人格否定や誹謗中傷につながる言葉は厳禁としていかなければなりません。
『「いったい何人が犠牲に」兵庫県政がらみでまた死亡者…百条委員務めた竹内前県議は「誹謗中傷に苦しんでいた」…訃報の後も「逃げた」と攻撃が続く』『立花孝志氏「逮捕が怖くて命絶った」と投稿も兵庫県警は完全否定 竹内元兵庫県議の死亡』『兵庫県百条委メンバーの前県議が死亡、ついに3人目の犠牲者…斎藤元彦県政「誹謗中傷」放置の罪深さ』『兵庫県議死去で「百条委員会委員長」が明かした無念…N国・立花孝志氏の“デマ”と斎藤元彦知事の“我、関せず”に覚える強い憤り』
竹内英明前県議が自死に追い込まれるまでの詳細は上記のような一連の記事によって把握できます。事実関係として、NHKから国民を守る党の立花孝志党首による執拗な個人攻撃がなければ悲劇は起こり得なかったように理解しています。自死した元県民局長らに対する激しい攻撃と同様、事実をねじ曲げた批判が多いことに慄然としています。
兵庫県警が即時に否定したとおり竹内前県議の自死した理由まで身勝手な言い分を繰り出していました。その立花党首のSNSによる情報発信が広く伝播し、主に斎藤元彦知事を擁護する人たちに大きな影響を与え、極めて理不尽な誹謗中傷にさらされた犠牲者の一人が竹内前県議だったと言えます。
知事選後も誹謗中傷が止むことはなかった。政治家としての批判であれば、竹内氏のみに届けばいいことだ。だが、それが家族に及んだことで、竹内氏は病んでしまった。知人が続ける。
「竹内さんは県議として、斎藤知事のおかしいところを議会で追及しました。そのきっかけとなった、告発文書を書いた県民局長が亡くなったことが『悔しい』と。彼は県議として5期目でしたから、以前から県民局長が人望のある人物であることを知っていたようです。
不倫の噂もあったけど、竹内さんは『そんな噂話は告発文とは無関係だから触れちゃいけない』と気を遣っていたんです。しかし、立花は『県民局長は10人と不倫』などのデマを流布した。県民局長が亡くなったことはもちろん、そういうことにも竹内さんは心を痛めていたんです」
事実を批判するのとデマで冒涜するのとは次元の異なる話だ。デマで聴衆を煽って誹謗中傷に走らせるような人は、政治家などすべきではない。
上記はディリー新潮の記事『自死した「兵庫県議」が漏らしていた「立花に恐怖を感じている」の意味 当の立花氏は「自ら命を絶つような人は政治家しちゃいかん」』の最後に掲げられている一文です。私自身の憤りの矛先は、このような立花党首の振る舞いに対してであり、同じような悲劇を二度と繰り返さないための手立ての必要性を痛感しています。
もう一人、斎藤知事に対する憤りも隠せません。元県民局長の自死も、斎藤知事があの時、こうしていれば防げたのではないかという局面の多さに忸怩たる思いを強めています。それにも関わらず、立花党首との関係性も含め、斎藤知事の当事者意識の欠けた振る舞いにたいへん失望しています。
元県民局長の弔問にも、まだ行っていないと記者会見で答えている「冷徹」な斎藤知事。竹内氏死亡を受けて「尊敬していた方で、ショックだ」と弔意を示した。しかし、立花氏のSNSなどについて「誹謗中傷する投稿をやめさせたりしないのか」と聞かれた斎藤知事は、「理性的な発信を」と述べたにすぎなかった。
「すべての問題の根源が斎藤知事にあることは明白です。しかし呼びかけることもなく、何も行動を起こさず静観するばかり。もし警察や検察から捜査となれば、また死人が出るのか? こんな状況では県民のために責任ある仕事はできない。優勝パレードの告発が受理されたのだから、警察などの強制力で県を質してもらうしかない」(県職員)
上記は現代ビジネスの記事『【独自】「斎藤知事最大のスキャンダル」兵庫県がひた隠す衝撃のリストを公開…自殺県議が死の直前まで記者とやりとりした「寄付金額リスト」の全実名・全金額』の中の一文です。紹介されている県職員の言葉のとおり兵庫県政の混迷は深まるばかりだろうと懸念しています。
刑事的な責任を問われかねないパレード疑惑に関しては『〈ついに“本丸”へ〉「捜査への熱意を感じた」パレード疑惑で兵庫県知事らに対する告発を県警が受理「元副知事はなぜ“集金ノルマ”をあいまいにしたのか」〈兵庫県政大混乱〉』という集英社オンラインの記事が最近の動きを伝えています。
さらに集英社オンラインの記事で『「SNS監修はPR会社にお願いすることに」神戸市議が暴露した決定的証拠のLINEは警察にも持ちこまれていた…その意図とは?〈兵庫県政大混乱〉』という見出しを付け、公職選挙法違反の疑惑に関わる新たな情報も伝えています。
混迷を深める兵庫県政、自治体職員という立場からたいへん憂慮しています。組合役員を務めていた立場からはパワハラの問題に対し、労使関係を通したチェック機能を発揮できなかったのかどうかという悩ましさを感じています。余談ですが、フジテレビ労働組合の80人ほどだった組合員数が500人を超えたという興味深い話も最後に紹介させていただきます。
最近のコメント