兵庫県知事選の投開票日は先週日曜、11月17日でした。NHKによる当確情報は出されていませんでしたが、午後8時の段階で斎藤元彦知事の当確を報じたメディアもありました。兵庫県議会の全会一致での不信任決議案の可決を受け、 斎藤知事は9月30日に失職し、出直し選挙に臨んでいました。
無所属の新人候補6名との争いで、当初、前尼崎市長の稲村和美候補が優勢と見られていました。選挙戦半ばから斎藤知事は猛追し、111万3,911票を得て大逆転を果たしています。97万6637票を獲得した稲村候補に14万票ほど引き離した勝利でした。投票率は55.65%、3年前の知事選に比べ14ポイントほど上昇しています。
今週末の新規記事の内容は別な題材を考えていました。ただ兵庫県知事選が終わり、いろいろ思うことが頭の中で駆け巡っているため、その内容に絞った記事タイトルを付けて書き始めています。斎藤知事の勝因はSNSを駆使した驚異的な支持の広がりによるものだったと見られています。
選挙ドットコムの『ネット上にあふれた「真実」に寄せられた民意! 斎藤元彦氏を勝利に導いたネット世論をYouTubeデータからみる』という記事の中で「フィルターバブル」という言葉が使われています。それぞれ信じやすい「真実」のみが増幅されていくという意味合いです。
このブログの前々回記事「選挙結果が左右する政治の行方」の中でもSNSが普及した結果、「人は自分と同じ意見や感性にしかアクセスしなくなった。異なる立場の人々の意見と接する機会がなくなり、人々は極端な意見をもつようになっている」という言葉を紹介していました。
このような傾向がSNSにあることを取り上げていくと、斎藤知事に投票された方々が「幅広い情報に触れることなく、虚偽の情報に騙されていた」と指摘しているように思われてしまうかも知れません。
ネット上では「学べば治る。賢くなれる」という兵庫県民の皆さんを愚弄するような言葉も目にしていますが、このような高慢な姿勢は絶対慎まなければなりません。それぞれ信じた「答え」の正しさがあり、二項対立の図式はその違いを際立たせるだけで、感情的な亀裂を深めるばかりになるものと思っています。
SNSから得られた情報を鵜呑みせず、取捨選択した結果、主体的な立場で斎藤知事を支持された方々が多いのだろうと受けとめています。それでも前回記事「選挙結果が左右する政治の行方 Part2」の中で記したとおり斎藤知事のパワハラ的な言動も含め、すべて「捏造」と決め付けている論調には物凄い違和感を抱いています。
中には、その論調を信じ、斎藤知事に反省すべき点が一切ないように理解し、熱狂的に応援されていた方の声もテレビ画面に映し出されていました。このような支持の広がりを東洋経済の記事『バッシングから熱狂へ…斎藤知事への世論はなぜここまで激変したのか、“使われた”元局長のプライバシー』が興味深く伝えています。
今回の選挙戦ではNHK党の立花孝志候補の果たした役割も大きかったようです。ただ関西テレビの『「脅して『自死』しても困る」立花氏に脅されたと百条委の奥谷氏 「ネットの暴力。家族狂乱」辞職の議員』という報道のような行き過ぎた行動は、今後、しっかり検証していくべき問題だろうと思っています。
ディリー新潮の記事でも斎藤知事の対抗馬らが受けた暴言、いやがらせの数々を伝えています。「反斎藤派」とネットで名指しされた竹内英明県議は議会事務局に辞職願を提出しています。竹内県議は辞職理由について「言葉の暴力が拡散して、家族が狂乱状態までになった。家族から政治の道から退いて欲しいという話があったため」と説明しています。
SNSを候補者や支援者が積極活用することには何の問題もない。むしろ、今どきそうしたことができない候補者の方が問題だともいえる。が、上に挙げた事例はいずれも犯罪とされても不思議のない行為ばかり。「パワハラは冤罪だ」と主張している人たちが、他人にハラスメントを行っているのである。
上記はディリー新潮の記事の中に書かれている問題提起です。『兵庫県知事選期間中に稲村陣営のSNSアカウント2度凍結 後援会が偽計業務妨害の疑いで刑事告訴へ』という問題をはじめ、言葉の競い合いにとどまらず、相手方を貶める誹謗中傷や選挙妨害など数々の禍根を残した選挙戦だったと言えます。
いずれにしても「民意」によって斎藤知事は返り咲きを果たしました。しかし、事実関係を解明する百条委員会は継続しています。今後、解明された事実に基づき、相応の責任の処し方やペナルティも欠かせないはずです。選挙結果によって「禊が済んだ」で終わらせられるものではないはずです。
兵庫県職員の本音は斎藤知事の逆転勝利に「ゾッとする」「力が抜けて涙が止まらない」というものであり、「また同じ騒動が」と嘆く声が聞こえています。当選翌日の記者会見で斎藤知事は「民意を得て再び知事として就任させていただきます。職員の皆さんは、やはり知事部局として一緒にやっていくっていうことが、地方公務員としての責務」と発言しています。
この発言を「異を唱えることは許さない」という主旨として受け取り、戦々恐々された職員の皆さんが多かったようです。斎藤知事陣営の選挙戦でのスローガンは「躍動を止めない!」でした。その言葉を「騒動を止めない!」と見誤った方は少なくなかったかも知れません。
ここまで、今、いろいろ思うことを書き進めてきました。たいへん長い記事になって恐縮ですが、もう少し続けさせていただきます。 ネット上には兵庫県知事選の結果を踏まえた見方や論評が溢れています。そのような記事を紹介し、私自身の思いを添えていくと際限がなくなりそうです。
7月以降、このブログで斎藤知事の言動に絡む内容を数多く綴っています。これまで私自身が兵庫県の内部告発問題に対する情報にどのように接し、どのような問題意識を持ってきたのか、関連した箇所を再掲することで振り返ってみます。お時間等の許される方は、最後まで目を通していただければ幸いです。
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2024年7月13日 政治家の好感度、その危うさ
見た目の好感度をはじめ、どの政党に所属しているのかどうかなどを決め手とし、候補者の資質が未知のまま一票を投じることは決して稀な話でありません。
今、そのことの悩ましさと苦しさを兵庫県職員は痛切に思い知らされているのかも知れません。自治労兵庫県職労は『知事の「パワハラ疑惑」告発の県幹部が死亡 職員労組に「辞職」求められた知事 「辞職ではなく職員との信頼関係を再構築し県政を立て直す」と表明』という記事のとおり斎藤元彦知事に対し、ただちに辞職するよう申し入れています。
斎藤知事は東大経済学部を卒業後、総務省に入り、大阪府の財政課長を経て、2021年7月の兵庫県知事選に立候補しています。 43歳という若さ、県政の刷新、大阪府との連携強化をアピールしながら初当選を果たし、大阪以外で初めて誕生した維新系知事でした。好感度は高く、未知の魅力や期待は、結果的に未知の危うさだったようです。
『知事の「パワハラ疑惑」告発の県幹部が死亡 職員労組に「辞職」求められた知事 「辞職ではなく職員との信頼関係を再構築し県政を立て直す」と表明』『「兵庫県、はずかしい」知事のX投稿発掘→「ブーメラン」の指摘 告発された「パワハラ」体質、その素性を振り返る』『兵庫・維新系パワハラ県知事の「犠牲者」はもう1人いる! 別の職員の死亡「隠蔽」の疑い』という驚くべき事実関係が立て続けに報じられています。
最後に紹介するのはディリー新潮の『斎藤兵庫県知事 県政史上最低の会見、副知事辞任で四面楚歌に…「告発した元局長が亡くなってもパワハラを証言する人はいる」』という記事です。「知事寄りの会派は、無記名に反対するかも知れませんけど」という記述がありましたが、まだ斎藤知事を擁護しようとする動きがあることに驚いています。
その記事の中で、亡くなられた元県民局長のメッセージが掲げられています。元県民局長は現職時に毎月、県民や職員に向けてホームページ上でメッセージを送っていました。今年3月、懲戒処分を受ける前の最後のメッセージの一部は次のような内容でした。このような職員が書いた告発文を斎藤知事は「嘘八百」「公務員として失格」と切り捨てていたことを伝え、その記事は結ばれています。
このメッセージ欄は一般県民の皆さんの読者もいらっしゃるようですが、一方で、県職員の中にも何人かの愛読者がいるようです。自分は間もなく、県を退職します(予定)が、これから県を支えていく後輩の皆さんに最後に伝えておきたいことを書いておきます。
我々は公務員です。仕事は県民の皆さんのためにするものです。自分のために、自分の栄達のために、仕事をしてはいけない、仕事を利用してはいけない、県民を利用してはいけない。そして、自分の損得勘定で行動してはいけない、人を選別してはいけない。昇任、出世は結果であって、それを目的にしてはいけない。(中略)
最後に。人を大切にすること、義を通すこと、誠実であることを、ひとりの人間としてずっと心に持ち続けて欲しいです。そして、筋を通そうとして挫けることがあっても、理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないで下さいね。「いつかきっと」と心に念じながら。
素晴らしい人にたくさん出会えますように。県民の皆さんの心に残る仕事に出会えますように。長らくのご愛読ありがとうございました。お世話になりました。おわり。
2024年7月20日 過ちに対する責任の処し方と問い方
斎藤知事や側近の違法行為疑惑を告発した文書を警察やメディアに送った元西播磨県民局長は、県の懲戒処分を受けた後、自ら命を絶っています。
この問題に絡み、疑惑の真偽を調べる県議会の調査委員会が6月19日に開かれています。元県民局長は調査委員会で話す予定だったことを問答式の陳述書として書き残していました。その陳述書をはじめ、ワインをねだるやり取りを録音したデータなどが、次のような文書を添えて遺族から調査委員会に提出されています。
主人がこの間、県職員のみなさんのためをと思ってとった行動は、決して無駄にしてはいけないと思っています。主人が最後の言葉を残していました。そこには“一死をもって抗議をする”という旨のメッセージとともに、19日の委員会に出頭はできないが、自ら作成した「陳述書」および参考の音声データの提出をもって替えさせてほしいこと、そして百条委員会は最後までやり通してほしいことが記されていました。
斎藤知事のパワハラやたかり体質について『〈おねだり兵庫県知事・告発職員は死亡〉「まだ飲んでない」の一言でワインをゲット。一方「生意気で」「目立った」職員にはキレ散らかすパワハラ三昧…“妨害工作”もおこなわれた百条委員会の中身』という記事の中で詳しく書かれています。
今後、斎藤知事の疑惑は徐々に明らかにされていくはずです。責任の処し方として、今のところ本人は辞職を頑なに拒んでいます。しかしながら『辞職は不可避か、頼みの吉村大阪府知事からも苦言呈された斎藤元彦兵庫県知事「パワハラ疑惑」』という記事の中で伝える下記のような事実関係に注目しなければなりません。
この時期の知事の対応次第では、状況がここまで悪化することはなかったかもしれない。素直に自分の非を認めて「申し訳ありませんでした。今後は問題に丁寧に向き合い改善していきたいと思います」などと釈明をすれば沈静化する可能性もありましたが、知事にはそのつもりはさらさらなく、A氏に処分を下すことで乗り切ろうとしていました。
つまり斎藤知事が対応を誤らなければA氏とされている元県民局長の命は救えたはず…、このような見方が成り立ちます。斎藤知事にとって過酷な構図かも知れませんが、取り返しのつかない過ちを犯したことに間違いありません。重大な責任の問われ方として「辞職」一択にならざるを得ないことを真摯に受けとめて欲しいものと願っています。
2024年8月31日 総理大臣を選ぶ自民党総裁選
まず兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ等の問題に絡む県議会の調査特別委員会(百条委員会)についてです。『「どこまでも被害者を馬鹿に」兵庫県・斎藤知事 亡きパワハラ告発者の懲戒処分は「適切だった」と強弁… “曲げない主張”にネット激怒』という記事のとおり斎藤知事は自分自身の致命的な誤りを認めていません。
『橋下徹氏「権力者の資格なし」「適切なわけないやろ!」兵庫県知事の証人尋問での発言を批判』の記事の中で、橋下元大阪府知事は「ギリギリ許される答弁は法律違反ではなかったが、権力の行使のやり方は不適切極まりなかった」までだろうと指摘しています。
違法性を認めてしまえば刑事処罰が不可避のため、斎藤知事が言葉を選ぶことは分かりますが、この期に及んで懲戒処分が「適切だった」という発言は想像を絶する不誠実な姿勢だと思っています。他にも斎藤知事の暴虐ぶりや不適切な行為が続々と明らかになっています。
側近だった片山安孝前副知事らが斎藤知事の暴走を止めるどころか、亡くなられた元県民局長を追い詰める役割に加担していた事実なども明らかにされています。兵庫県の問題は書き進めると止まらなくなるほど陰湿で理不尽な話を多く耳にしています。
7月に投稿した記事「政治家の好感度、その危うさ」を通して訴えたことですが、ネガティブな情報に触れる機会がなく、表面上の好感度や評判のみが先行しがちな選挙戦の危うさを強く憂慮しています。その記事の中では次のような問題意識を綴っていました。
清新なイメージ通りの内実の伴った人物であれば問題ありません。しかし、中には意図的に表の顔と裏の顔を使い分けているケースもあるはずです。目上には従順で、自分より下だと思った相手には高圧的になる人物も少なくありません。そのような人物が重責を担う組織のトップや政治家になっていた場合、何らかの綻びが生じていきがちです。
まさしく兵庫県の現状を反面教師として、どのような選挙戦のあり方が望ましいのか、学ぶべき点が多々あるのではないでしょうか。
2024年9月7日 総理大臣を選ぶ自民党総裁選 Part2
自民党総裁選が主題ですが、今回も兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ等の問題に絡む県議会の調査特別委員会(百条委員会)について真っ先に取り上げなければなりません。『「告発者は誰だ!」4人の県職員の1年分のメールを勝手に閲覧…徹底した“犯人さがし”と恫喝…百条委では産業労働部長がしどろもどろに「トータルでいえば知事の指示」とも』という報道のとおり許しがたい事実関係が明らかにされています。
兵庫県の斎藤元彦知事が職員へのパワーハラスメント疑惑などを文書で告発された問題で、県議会の調査特別委員会(百条委)は5日午前、告発者の元県西播磨県民局長の男性(7月に死亡)が公益通報をしたにもかかわらず懲戒処分を受けたことについて、参考人の奥山俊宏・上智大教授から見解を聞いた。
内部告発者の保護法制に詳しい奥山教授は県の対応について、「知事らは告発の矛先を向けられている当人であり、告発文書に関する判断から自ら身を引くべきだったが、正反対の行動を選んだ。冷静な対応ができず、まるで独裁者が反対者を粛清するかのような陰惨な構図を描いてしまった」とし「独立性を確保し、利益相反を排除すべきだった。公益通報者保護法の趣旨を逸脱している」と指摘した。
一連の問題は元局長が3月、知事のパワハラを含む七つの疑惑を告発する文書を報道機関や県議に配布したことで発覚した。元局長は県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じた公益通報者保護法の対象外と判断。内部調査を進めた結果、「核心部分が事実ではなく、誹謗中傷に当たる」と断じ、元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。
元局長は7月、県内の親族宅で亡くなっているのが見つかった。処分に踏み切った県の対応に問題がなかったか百条委で調査が進められている。
知事は8月30日にあった百条委の証人尋問で告発文について「事実でないことが多く含まれ、誹謗中傷性が高いものだと判断して調査した」と説明。元局長を処分したことは「適切だと思っている」と正当性を主張した。一方、百条委では県職員が「公益通報の結果が出るまで処分しないほうがいい」と進言していたことが明らかになっている。【毎日新聞2024年9月5日】
読売新聞の記事『兵庫県知事「道義的責任が何かわからない」…告発者処分「法的問題なし」主張変えず』の中では、公益通報者保護法に詳しい淑徳大の日野勝吾教授(労働法)が「県庁内で制度への理解が徹底されていない状況が浮き彫りになった」と指摘しています。ただ「公益通報の結果が出るまで処分しないほうがいい」と進言した職員がいたことも間違いないようです。
結局のところ、この期に及んで道義的責任すら認めようとしないトップリーダーの存在が、職員二人を自死に追い込むような現在の兵庫県政の悲劇を招いていると言えます。強大な権力を有するトップリーダーが致命的な判断ミスを犯していけば、取り返しのつかない事態に至るという最悪な事例を目の当たりにしているものと思っています。
2024年9月14日 自民党総裁選と立憲民主党代表選
今回も少し触れていきますが、ついに日本維新の会も斎藤知事に辞職を求めるようになりました。県議86人全員が辞職要求する事態に至っています。
それでも最近の『兵庫・斎藤知事に辞職要求も…「県議が高圧的・威圧的な態度で尋問」維新・藤田幹事長が他党に反発』という報道では、日本維新の会の藤田文武幹事長はパワハラ疑惑について「多くが誤情報や誇張だ」と述べるなど、斎藤知事を追及する他党に対して激しく反発していました。
さらに驚くべき『維新の国会議員が問題発言 兵庫・斎藤知事疑惑の告発は「自民党とつくった怪文書」、元県民局長のプライバシー暴露も』という報道にも接していました。日本維新の会の掘井健智衆院議員は「亡くなった方(元県民局長)は、あれ(告発文書)は自民党さんらとつくった」と語っています。
このような声もあるため、四面楚歌となっている斎藤知事の到底信じられない居座りぶりを許しているのかも知れません。党のナンバー2の幹事長の発言をはじめ、この期に及んで告発文書の陰謀論を唱える国会議員の問題は、日本維新の会の組織的な体質を表面化させているように思えてなりません。
2024年9月21日 ネットに繋がらなかった日々から思うこと
兵庫県の斎藤元彦知事に対する県議会の不信任決議は全県議86名によって可決されました。しかしながら『土曜朝にネット騒然 不信任の兵庫知事→全国TVに生出演「自分の思い伝わり切れてない」と30分 辞職or解散は考え中「出てきた」「凄いな」』という記事のとおり想像を絶する厚顔無恥ぶりを発揮しています。
今後、このような政治家を誕生させないためにも、それぞれの選挙戦の中で各候補者のネガティブな情報も伝わった上で、貴重な一票が投じられていくことを理想視しています。
2024年9月28日 自民党総裁選が終わり、立憲民主党の野田代表に願うこと
兵庫県議会の不信任決議を受け、斎藤元彦知事は失職する判断を下しました。さらに『兵庫・斎藤知事 高校生の手紙で出馬決意にSNS厳しい声「悲劇のヒーロー気取りか」「地元の声を聞け!」』という報道のとおり出直し選挙に出馬することを表明しています。本当に信じられないような思考回路の持ち主だと思っています。
斎藤知事の問題が注目を集めたことで維新の会に対する批判も強まっています。『泉房穂氏、斎藤元彦知事へ「知事になるべき方ではなかった、担いだ維新と自民党の責任重い」私見』『兵庫の斎藤知事だけじゃない! 維新の議員・首長に相次ぐ不祥事 “スパイ”、町有地占有、不同意性交…』というような報道を立て続けに目にしています。
『兵庫県・斎藤知事の“パワハラ問題”根源は「維新の傲慢体質にある」現職市議が決意の告発 大阪府議会議長から受けた公認取り消し圧力、恫喝、外見非難』という記事の中では次のような警鐘が鳴らされています。
世間をにぎわせた斎藤知事のパワハラ疑惑は、彼の失職だけで幕を下ろすわけではない。この問題の根源たる大阪維新の会の体質を変えない限り、“第二の斎藤”が現われるかもしれないのだ――。
2024年11月9日 選挙結果が左右する政治の行方
やはり選挙期間中のため、マスメディアの取り上げ方が極端に減っていますが、兵庫県知事選は来週日曜11月17日に投票日を迎えます。『斎藤元彦前知事“猛追”に慌てた前尼崎市長陣営が手法“丸パクり”再選なら“補助金問題で辞任”の恐れも』『「斎藤元知事のまさかの当選は」兵庫県知事選の現状と見通しについて』という報道のとおり斎藤前知事が猛追しているようです。
斎藤氏は失職後、積極的に街に出て県民に語り掛け、その様子をXに投稿している。その姿だけを見れば、低姿勢で好感が持てる「青年政治家」だと感じる人も少なからずいることだろう。
紹介した記事の中では上記のような見方が伝えられています。公益通報者を自死に追い込んだ責任を負っている斎藤前知事が、もし兵庫県政に返り咲いた場合、どのような混乱が待ち構えているのでしょうか。兵庫県民の皆さんが一票を投じる際、ぜひ、幅広い情報をもとに判断願えれば幸いなことです。
2024年11月16日 選挙結果が左右する政治の行方 Part2
このようなスキャンダル、政治家や政党にとってネガティブな情報が選挙前に明らかになっていた場合、国民民主党の躍進にもブレーキがかかっていたかも知れません。一方で、ネガティブな情報を「捏造だった」「陰謀だった」という説で打ち消し、SNS等を駆使しながらポジティブな情報を上書きすることで選挙戦を有利に展開していくケースがあります。
『「パワハラ、おねだりは捏造」説が後押しする斎藤元彦前知事の復活劇』『斎藤元彦氏猛追の兵庫県知事選はデマと憶測が飛び交う異常な選挙戦…「パワハラは捏造」の陰謀論が急拡散』という記事のとおり疑惑に対する“疑惑” が高まり、斎藤前知事のパワハラ、おねだりが実は捏造だったのではないかという話が駆け巡っています。
より望ましい「答え」を見出すためには多面的な情報に触れていくことが欠かせません。政治の行方を左右していく選挙戦の場合、それこそ各候補者や政党のネガティブな情報も含め、しっかり把握した上で一票を投じていくべきだろうと思っています。
上記は前回記事の中に綴った私自身の問題意識です。兵庫県民ではありませんが、このような問題意識のもとネット上から幅広い情報を確認しています。NHK党の立花孝志候補の動画をはじめ、斎藤前知事を擁護する数多くの声にも積極的に触れようと心がけています。確かに事実関係が明確化されていない事例も少なくありません。
しかし、斎藤前知事のパワハラ的な言動も含め、すべて「捏造」と決め付けている論調には物凄い違和感を抱いています。事実関係が不明確な段階であれば、伝聞での情報が中心となり、自分自身に不利益を被る証言を正直に明かせる関係者のほうが少なくても仕方ないことだろうと思っています。
その上で明確な事実として、斎藤前知事は兵庫県議全員から不信任を下されています。県職員との信頼関係も失墜しています。『兵庫県知事選、市長会有志22人が異例の稲村氏支持表明 「誹謗中傷や誤解広がり懸念」緊急的な対応強調』という報道に接しましたが、市長会長の丹波篠山市長は「県政の混乱がこれ以上続くのは許されない」とし、蓬莱市長は「今回の選挙ではデマが飛び交っており、県民の誤解を招くことがあってはならない」と語っています。
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