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2024年8月31日 (土)

総理大臣を選ぶ自民党総裁選

前回は久しぶりに公務員の労働条件に関わる地域手当の見直しに安堵」という記事を投稿していました。今回は組合の執行委員長を退任した後、このブログのトレンドとなっている時事の話題を紹介しながら望ましい政治のあり方について、いろいろ個人的な思いを書き進めていきます。

まず兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ等の問題に絡む県議会の調査特別委員会(百条委員会)についてです。「どこまでも被害者を馬鹿に」兵庫県・斎藤知事 亡きパワハラ告発者の懲戒処分は「適切だった」と強弁… “曲げない主張”にネット激怒』という記事のとおり斎藤知事は自分自身の致命的な誤りを認めていません。

橋下徹氏「権力者の資格なし」「適切なわけないやろ!」兵庫県知事の証人尋問での発言を批判』の記事の中で、橋下元大阪府知事は「ギリギリ許される答弁は法律違反ではなかったが、権力の行使のやり方は不適切極まりなかった」までだろうと指摘しています。

違法性を認めてしまえば刑事処罰が不可避のため、斎藤知事が言葉を選ぶことは分かりますが、この期に及んで懲戒処分が「適切だった」という発言は想像を絶する不誠実な姿勢だと思っています。他にも斎藤知事の暴虐ぶりや不適切な行為が続々と明らかになっています。

側近だった片山安孝前副知事らが斎藤知事の暴走を止めるどころか、亡くなられた元県民局長を追い詰める役割に加担していた事実なども明らかにされています。兵庫県の問題は書き進めると止まらなくなるほど陰湿で理不尽な話を多く耳にしています。

7月に投稿した記事「政治家の好感度、その危うさ」を通して訴えたことですが、ネガティブな情報に触れる機会がなく、表面上の好感度や評判のみが先行しがちな選挙戦の危うさを強く憂慮しています。その記事の中では次のような問題意識を綴っていました。

清新なイメージ通りの内実の伴った人物であれば問題ありません。しかし、中には意図的に表の顔と裏の顔を使い分けているケースもあるはずです。目上には従順で、自分より下だと思った相手には高圧的になる人物も少なくありません。そのような人物が重責を担う組織のトップや政治家になっていた場合、何らかの綻びが生じていきがちです。

まさしく兵庫県の現状を反面教師として、どのような選挙戦のあり方が望ましいのか、学ぶべき点が多々あるのではないでしょうか。自民党の総裁選は9月12日に告示され、9月27日を投開票日とする日程が決まっています。議院内閣制の日本では最大議席を有する与党のトップが総理大臣に選ばれます。

圧倒多数の国民が一票を投じることはできませんが、自民党総裁選の勝者が岸田総理の後任となります。総理大臣を選ぶ自民党総裁選であるからこそ、マスメディアが連日、出馬を表明しただけで候補予定者について大きく取り上げていくことも必然的な流れなのだろうと受けとめています。

その上で、前述したとおり各候補者についてネガティブな情報も含め、多面的な切り口から伝えていくことが欠かせないはずです。今回のブログ記事が念頭にあったため週刊文春最新号を購入しています。『自民総裁選11人の精密検査』という特集記事は、週刊文春ならではの取材力で各候補者のネガティブな情報を伝えています。

自民党としては先日、総裁選の広報用ポスターと動画を公開しています。キャッチフレーズを「THE MATCH」とし、ポスターには歴代総裁の写真を並べています。平井卓也広報本部長は「自民党が日本の戦後政治を牽引してきた歴史と実績、日本のリーダーを選択する選挙であるという重責感、日本の未来を切り開いていく覚悟を示した」と説明しています。

キャッチフレーズは政策論戦に加え、日本の未来とマッチングするリーダーを選ぶことや成長力に火をつけるマッチなどの意味を込めているそうです。しかし、歴代総理の顔ぶれから政治資金問題が想起されるという指摘があり、党所属議員からも「反省ができていないと思われないか」との声が上がっています。

画像の修整やキャッチフレーズ作りには人工知能(AI)を活用したそうですが、あえて歴代総裁を並べるという空気の読めないタイミングの悪さに驚いています。強い批判を浴びている「政治とカネ」の問題も含め、これまでの自民党政治を全面的に肯定しているというメッセージだと理解しています。

さらに今回、自民党は『「カネのかからない自民総裁選」は「かけ声だけ」 パンフ郵送だけで1億円が相場?告示前は「やりたい放題」』という記事のとおり「カネのかからない選挙」を掲げています。その一方で、現行の規程で最長となる選挙期間を15日間としています。選挙期間を長くすれば様々な出費が増えるはずであり、このあたりのチグハグさも気になっています。

このブログでは3年前に「自民党総裁選と野党の立ち位置」という記事を投稿していました。その時の視点を踏まえた内容は次回以降、立憲民主党の代表選について触れながら改めて綴ってみるつもりです。今回の記事では、もう少し個人的な思いを前面に出した内容を書き進めてみます。

最近の記事「総理をめざす政治家に望むこと」の中で触れていましたが、かつて河野太郎デジタル大臣は私の中で好感度の高い政治家の一人でした。しかしながら様々なネガティブな情報に接してきた現在、私自身にとって総理にしてはいけない政治家の最上位となっています。 つい最近だけでも次のような情報に接しています。

“安倍派重鎮”衛藤征士郎氏が河野氏発言に猛反発 不記載額の返還案に「理解できない。あまりにも唐突」 二階派幹部も批判』『「金を盗んでも返せば良い?」「脱税だろが」河野太郎氏、裏金議員は「返納してケジメ」の発想に批判殺到』『河野太郎氏に「誹謗中傷という言葉を盾に権力振りかざす恐れ」フジ女子アナに称賛「救世主現る」「会心の一撃」』『自民総裁選 河野太郎氏、人事は「適材適所」 派閥と長老の介入を否定

一時不再理という原則を踏まえれば、裏金事件に関わりながら離党勧告や党員資格停止までの処分を下さなかった場合、自民党としては全員を公認候補者とするつもりだろうと理解しています。このような経緯を踏まえず、唐突に不記載額の返還案を示した河野大臣の稚拙さが目立った動きでした。「返納してケジメ」という発想に批判が殺到していることも当然だろうと思っています。

自分にとって都合の悪い意見は誹謗中傷と見なしている態度もトップリーダーの資質として不適格だと言わざるを得ません。さらに官僚との関係性において、斎藤知事と肩を並べるようなパワハラ気質の振る舞いが数多く聞こえています。実績に関してもコロナワクチンやマイナ保険証の問題など評価は大きく分かれ、自画自賛している姿を見ると強い違和感を抱きがちです。

このような意見は即座にブロックされてしまうのかも知れませんが、最後に一言。河野大臣は党内で唯一存続する麻生派に所属したまま総裁選での支援を求め、総理になった後に派閥を抜け、支援者からの声も一切受け付けないと語っています。長老や派閥が閣僚・党役員の人事に影響を及ぼす旧来型の自民党政治からの脱却を誓っているようです。

土曜午前の「ウェークアップ」に河野大臣はリモート出演し、元乃木坂46の山崎怜奈さんから「派閥にいながら“党改革”できるのか」という質問を受けていました。「介入させるつもりはありません。河野太郎が何か見返りをくれると思って支持をしてくれる人はいないと思う」と答えています。そうであれば、ますます派閥を抜けて総裁選に臨むほうがフリーハンドを担保しやすいのだろうと思っています。

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