時事の話題、国政の話 Part2
前回記事「時事の話題、国政の話」の最後に『首相補佐官に前国民参院議員の矢田稚子氏を任命へ…「自公国」構想実現への布石狙い』という報道を受け、連合と政治に絡む話にもつなげていくつもりだったことを記していました。長めの記事となっていたため、改めて今回「Part2」として書き進めていきます。
このような報道の背景や事実関係について、当事者の一人である国民民主党の玉木代表がTBSのCS番組で、自民党側から連立政権入りの打診があったことを明かしています。詳細は『自民との連立、政策は交渉できても選挙区調整は無理 まずは自分たちが強くなること』という記事が伝えています。
その記事の中で、矢田氏の総理補佐官起用は連立の第一歩であり、野党を分断するものではないか、連合も大反対ではないかと玉木代表は問われていました。この問いかけに対し、玉木代表は次のように答えています。
連合というよりも選挙区調整がやはり「選挙で争うのに連立」っていうと、例えば自民党と公明党でさえ新しく出た選挙区で揉めて大変なことになってたわけなので、その辺は、単なる政策協議とはまた困難さのハードルが違うなとは思います。
連合の大反対云々は巧みに避けながら連立入りについて「困難さ」という表現にとどめています。玉木代表は「連立入りというのは政策的な協議とは違った話で、政策の一致とともに選挙区調整をクリアしないと党内の理解は得られない」という認識を示しています。
連立入りの問題で、連合の芳野会長は「ありえない」と明確に玉木代表らに伝えているようです。ただNHKの次のような報道にあるとおり玉木代表の記憶では、そのような事実関係はなかったことになっています。
国民民主党の玉木代表は、榛葉幹事長とともに6日午前、支援を受ける労働組合の中央組織・連合の本部を訪ね、芳野会長と会談し、代表選挙で再選されたことなどを報告しました。
会談のあと、芳野氏は記者団に対し、自民党内から国民民主党が参加した新たな連立政権を目指す声が出ていることをめぐって意見を交わしたことを明らかにしました。
そして「連合としては連立政権はありえないと伝えた。連立政権になれば連合が割れる可能性が出てくるので、絶対に避けたいと申し上げた」と述べました。
一方、玉木氏は6日夜、記者団に対し「私の記憶では、そういった突っ込んだ具体的な話はなかったと思う。引き続き連合とは政策的にも選挙の面でもしっかり連携してやっていこうと伝えた」と述べました。【NHK 2023年9月6日】
過去に社会党と自民党との連立政権があったように今後、国民民主党の連立入りはありえるものと思っています。芳野会長の発言は連合の立場として「ありえない」「あってほしくない」と伝えているものと理解しています。
玉木代表が支援を受けている組織とは言え、党の行く末を拘束する断定調な意見を素直に耳を貸せないことも充分理解しています。綺麗事かも知れませんが、本質的な問題は国民民主党の連立入りが国民にとって望ましい選択になるのかどうかだろうと思っています。
玉木代表の「党内の理解」とは個々の議員それぞれの議席を守れるかどうかという意味合いに聞こえます。そのため、選挙区調整さえかなえば、すぐにでも連立入りするような意味合いにも取れます。
自民党政権の延命に手を貸し、政権交代という緊張感のないまま自民党政権が今後も続いていくことの是非をもっと深く考えていかなければならないはずです。その上で、このまま自民党を中心にした政権の継続が国民にとって望ましいことだと判断されるのであれば、あえて批判できるものでもありません。
一方の連合の立場からすれば、組合員にとって望ましい選択はどうなのかという論点になります。政党との支持協力関係を連合の方針に掲げているのも、組合員の労働条件の維持向上をはじめ、組合員が安心して暮らせる社会をめざしているからです。
政治的な影響力を駆使できることも、そのような目的につながるものなのかも知れません。とは言え、あくまでも労働組合が構成している組織であり、政治団体ではないため政党との適切な距離感に留意していくことも欠かせないはすです。
昨年7月に「『朝日新聞政治部』から思うこと」という記事を投稿しています。その頃から朝日新聞の記者だった鮫島浩さんのSamejimaTimesに注目しています。最近『自民党が敗れた岩手県知事選と立川市長選、そして国民民主党代表選が示したもの〜野党共闘を妨げる「維新」と「連合」』という記事に目が留まっていました。
明石市の泉房穂前市長の『政治はケンカだ! 明石市長の12年』は、聞き手としての鮫島さんが共同執筆者でした。その書籍の中で「連合の持ってる組織票自体は大したことない」が、「選挙実務を頼り切っているから、関係を切れないんだ」という記述があります。
旧統一教会と自民党議員との関係性に重ね合わせたネガティブな見方も鮫島さんから示されていました。リンク先の記事も同様ですが、連合に対する鮫島さんの思い込みには少なからず違和感を抱いています。
一方で、このようなネガティブな見られ方をされていることに対し、連合側も払拭する努力を重ねていかなければなりません。連合のめざしている社会像が国民の多くから支持され、その目標に向かって共同歩調を取れる政党との関係性が明確化できることを理想視しています。
政権交代を実現させた民主党と連合は、かつて次のような3本の柱を基軸に強い絆を結んでいました。一つは連合が力を注いできたテーマを表した「働くことを軸として、安心できる社会を作っていく」であり、あと二つは「2030年代に原発をゼロにする」「強い言葉で外交・安保を語らない」という言葉です。
安倍元総理以上に強い言葉を語る党幹部を擁し、防衛費の大幅増額に踏み出している岸田政権での『防衛予算「後年度負担」の罠…支払いは政権交代があっても将来まで続く』というような記事の内容を憂慮しています。将来的な原発ゼロという方針も、なし崩し的に曖昧にされつつあります。
このような対抗軸に沿った選択肢のある選挙戦になることを望んでいるため、与党か、野党かという構図では不充分だと考えています。つまり日本維新の会の立ち位置は自民党との対抗軸にならないため、立憲民主党や国民民主党が選挙協力を求めていくことには懐疑的な立場です。
時事の話題を並べれば『大阪の人以外はよくわからない日本維新の会、どれくらい信頼できる政党なのか』『1年間でガソリン代「地球4周分」!…日本維新の会・代議士「どう考えても支出多すぎ」疑惑への言い分』『維新・池下卓議員、無届けで地元市議2人を公設秘書に…議員報酬と秘書給与を「二重取り」』など政党としての未熟さも露見しています。
政治学を専攻する東北大の河村和徳准教授は「届け出をしないのは議員として怠慢で、公設秘書と地方議員との両立ができるのか疑念が残る。身を切る改革を掲げる維新が給与の二重取りを認めるのは、有権者から理解が得られないのではないか」と批判しています。
今回「時事の話題、国政の話 Part2」というタイトルを付けながらニュース等の紹介は多くありませんでした。内容的にも散漫だったかも知れませんが、いつものように「雑談放談」ブログであり、多面的な情報を提供する一つの場としてご容赦くださるようお願いします。
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