身近な政治、市長選の話
先週土曜に投稿した前回記事は「関東大震災から100年」でした。未曾有の災害から100年という大きな節目を刻んだところですが、先週日曜夜、私の勤めている自治体でも大きな転換点を迎えていました。前々回記事「2023年夏、気ままに思うこと」の中で触れていた市長選において、非自民系の候補者が52年ぶりに勝利する開票結果となっています。
ちなみにプロフィール欄に記しているとおり当ブログの管理人は「OTSU」とし、基本的に匿名での発信としています。知り合いの皆さんらにとって匿名ではありませんが、開設した当時のインターネット上での習わしに沿ってハンドルネームでの投稿を続けています。同様に勤めている自治体名もふせています。
よくマスコミなどに顔を出されている有名人や政治家の方は、特に名前をふせることはしていません。直接お会いした国会議員の方々の場合、選挙区が広域となるため実名で紹介しています。一方で、選挙区から自治体名につながる都議や市議の方々の場合、お名前をふせた書き方としています。
今回の市長選、東京における自民党と公明党との選挙協力のあり方を巡り、いつもより注目を集めていました。普段であれば関連したニュースのサイトにリンクをはるところですが、前述したような自分なりの基準から当ブログ内では恐縮ながら匿名での紹介にとどめます。
念のため、このブログで発信している内容は匿名か実名に関わらず、一言一句、不特定多数の方々に見られることを前提に責任持った記述に心がけています。誰に見られても差し障りは一切なく、逆に一人でも多くの方々に閲覧いただきたいという思いで18年間、毎週1回土曜か日曜に更新を重ねています。
言うまでもなく、法令遵守は当然です。選挙に関わる話は自分自身の職務の立場上、制約があることを踏まえ、さらにネット上で情報発信できる線引きに細心の注意を払いながら当ブログの中で取り上げています。
前置きが長くなっていますが、このような気ままさや自由さが長く続けられている理由の一つだろうと勝手に解釈しています。
さて、市長選の動向は6月に投稿した記事「労使の信頼関係について思うこと」の中でも触れたとおり大きな関心事でした。現職の市長が退任されたため新人同士の選挙戦となる中、無所属で立候補された都議会立憲民主党の団長だった方が当選を果たしています。
新市長は都議時代、私どもの組合と推薦関係があり、20年以上前から顔見知りの方です。とは言え、選挙戦とは適切な距離感が必要であり、選挙期間中は専らネット上から動画等を視聴することにとどめていました。過剰な心得なのかも知れませんが、Facebookの「いいね!」も控えるようにしています。
日曜の夜はケーブルテレビを視聴し、開票速報を見守っていました。午後10時15分過ぎ、新市長の選挙事務所にカメラが入り、当確の瞬間に歓喜する皆さんの姿が映し出されました。選挙は水物と言われますので、当確が出るまで安心できません。皆さんの喜びや安堵感が伝わってくる場面でした。
すぐメールを送ることも考えましたが、傍観者の一人に過ぎないのに差し出がましいことかも知れず、スマホには手を伸ばしていません。金曜の朝、直接お会いした時、ようやく「おめでとうございます」という言葉を新市長にお伝えすることができています。
大雨の金曜は新市長の初登庁の日でした。新市長は8時前から入口前に立ち、出勤してくる職員一人ひとりに挨拶されていました。「このような挨拶は職員が感激するのではないですか」と一言添えさせていただいたところ「私がいちばん新米ですから」という謙虚な言葉を返されています。
新市長の公約づくりなどをお手伝いされた方とも昔からの顔見知りです。金曜の朝にその方とお会いした時、前例にとらわれずに新たな視点で市政に向き合っていこうとする新市長の意欲などを伺っています。短い時間でしたが、その方のお話から52年ぶりという転換点につながっていくような兆しを感じ取っています。
新市長の応援には明石市の泉房穂前市長が駆けつけていました。その街頭演説の模様はYouTubeから拝見しています。たいへんな熱量で「もっと良いまちに」という泉前市長の訴えは、きっと新市長の心を大きく奮い立たせていたのではないでしょうか。
発売当初から興味を持っていましたが、値段が高く、手にしていなかった『政治はケンカだ! 明石市長の12年』という書籍も購入しました。全体を通し、泉前市長の孤軍奮闘ぶりや明石市民のために全力を注いできた熱い思いが伝わってきた書籍です。
泉前市長は、市長の仕事と権限を大きく分けると「方針決定」「人事権」「予算編成権」とし、「お上至上主義」「横並び主義」「前例主義」と闘ってきたことを語っています。
「国の言う通りのことをしなきゃいけない」「隣の市ではやっていません」という職員の説明に対し、時には中央省庁と直接かけ合いながら明石市が「全国初」となる施策の数々を実現したきたことを誇られています。
職員の行動原理を宗教に例えている記述には少し違和感もありましたが、「前例主義」にとらわれないことなどは大いに学ぶべき点だと受けとめています。私どもの自治体でも新市長が、このような立ち位置のもとに、より良いまちをめざしていくことに対して強く期待しています。
もちろん市政運営については傍観者ではなく、職員の一人として全力で新市長を支えていかなければなりません。組合の執行委員長を退任しているため直接お話できる機会は限られ、それが職責上の関係から当たり前だと思っています。
そのため、新市長に今回のブログ記事をご覧いただけるのかどうかも分かりませんが、最後に、私自身の思いを書き添えさせていただきます。
泉前市長の素晴らしさは手本としながらも、ハラスメントになりかねない言動は反面教師としていかなければなりません。これまでの新市長の人柄から杞憂に終わるものと思っていますが、たいへん大きな権限を持たれた中、職員が萎縮して言うべきことを言えなくなるような関係性に至らないようご配慮くださることを願っています。
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