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2023年8月26日 (土)

2023年夏、気ままに思うこと

8月も下旬となっていますが、まだまだ猛暑日が続いています。週1回、土曜か日曜に更新している当ブログ「公務員のためいき」のサブタイトルは「逆風を謙虚に受けとめながら雑談放談」です。

ブログを開設した頃、強まっていた公務員バッシングという逆風に対し、謙虚に受けとめながらも主張すべきことは主張していくというスタンスで投稿を重ねていました。

あくまでも個人の責任での運営ですので肩肘張らず、気ままに思うことを書き進めるブログとしてサブタイトルに「雑談放談」という言葉を添えています。今回も「2023年夏、気ままに思うこと」という記事タイトルのとおり雑多な話題を取り上げていくつもりです。

前回記事「ベーシックサービスと財源論 Part2」は季刊誌「とうきょうの自治」の連載記事「新着資料紹介」の入稿原稿の下準備としてまとめていることを伝えていました。やはり字数を気にせず、書き進めていると400字詰原稿用紙8枚ほどの分量に及んでいました。

1頁に収まらないことを事務局の方にメールしたところ「資料紹介の頁ですから何とか収めてください」という返事をいただいていました。そのため、井手英策教授の熱い「想い」の紹介を中心に据えながら自分自身の思いを端的に重ね合わせる試みを8月末までに終わらせなければなりません(💧)。

前回記事のコメント欄には、れなぞさんから井手教授の考えを批判する意見が寄せられ、私から「井手教授は消費税を軸に所得税や法人税なども引き上げていく組み合わせの必要性を訴えています。消費税の引き上げ一辺倒ではないこともご理解ください」と答え、次の言葉につなげています。

いずれにしても個々人が正しいと信じている「答え」は千差万別であることを受けとめています。今週末に投稿する新規記事は「雑談放談」的な内容となりますが、読み終えたばかりの『ザイム真理教』についても触れるつもりです。

ザイム真理教』は経済アナリストである獨協大学経済学部の森永卓郎教授の著書です。日頃から多面的な情報に触れようと心がけているため、いつも立ち寄る書店で見かけたのでレジに運んでいました。その著書の中で森永教授は次のように訴えています。

財務省が40年間布教を続けてきた「財政均衡主義」という教義は、国民やマスメディアや政治家に至るまで深く浸透した。つまり、国民全体が財務省に洗脳されてしまったのだ。財務省は、宗教を通り越して、カルト教団化している。そして、その教義を守る限り、日本経済は転落を続け、国民生活は貧困化する一方になる。

新たに通貨を発行すると発行者が利益を得る「通貨発行益」について森永教授は詳しく説明しています。国債の発行を続けても財政は破綻しないのにも関わらず、消費税の引き上げを目論む財務省を痛烈に批判した著書です。

関心を引くためにカルト教団に例えているのかも知れませんが、私自身は逆効果だと感じています。財務省の利権の話や国家公務員人件費の高さなどにも触れながら持論の正しさを補強されていましたが、そのあたりについても大きな違和感がありました。

「なるほど」と思える箇所もありましたので、あえて揶揄した言葉は使わず、ご自身の考え方を主張されたほうが説得力は増したように思っています。特に公務員バッシング最盛期の頃の批判内容も目立ち、「何だかなぁ」という読後感の著書でした。 

そもそも井手教授も増税はせず、借金で財政をまわしていくというアイデアは「うまくいくかも知れないけれど」と述べています。一方で「たいへんなことになるかも知れない」というリスキーさを指摘し、将来への不安のない社会をつくるためには消費税の引き上げが欠かせないという考えです。

私自身も同様な問題意識があり、このところ井手教授について取り上げることが多くなっています。続いて時事の話題にも触れていきます。木曜午後、福島第一原発の処理水の海洋放出が開始されました。

このブログでは4年前に「福島第一原発の現状」という記事を投稿しています。連合地区協の視察研修に参加し、実際に見聞した内容をまとめた記事です。その中では次のような記述を残していました。

雨水や水道水、大気中にも存在しているトリチウムは今の技術では水から取り除くことができません。トリチウムだけを残した汚染水は科学的な観点から安全性が保障され、国内外の原発では海洋や大気などの環境に排出することが一般的であるようです。しかしながら事故収束の段階の福島第一原発では新たな風評被害を生んでしまう恐れがあるため、敷地内にタンクを増設しながら貯め続けている現状です。

ほぼ安全であることは間違いないのだろうと受けとめています。そのため、安全が、より多くの人たちの安心に結び付かず、風評被害につながりかねない悩ましい現況を憂慮しています。とりわけ地元の皆さんから充分な信頼や合意を得られないままの放出は拙速感が否めなかったように思っています。

財源論の問題などでは「答え」の異なりがちな政策工房の高橋洋一会長ですが、下記に紹介するような『政治家が処理水を飲んで安心をアピール』という発想はうなづけるものがあります。

古典的手法だが、政治家が処理水を飲んで安心をアピールするというパフォーマンスがある。これは、中国は政治的に難癖をつけているのでその撃退にもなるという一石二鳥の策だ。以前2011年当時にも内閣府政務官が処理水を飲んだことがあるが、その方はいまだに健在だ。

今回は外相が飲んだらいい。と同時に中国の外相にも自分のところで放出している処理水を飲めと言えばいい。中国の外相が四の五の言って飲まなければ政治的に負け、飲んでも日本の主張を認めたことになるので、いずれにしても日本にとって不都合ではない。

今回の海洋放出にあたり、韓国政府は「過度に心配する必要はない」という立場を表明しています。日本政府との関係性が好転している証しであり、安全であるという言葉に信頼を寄せてくれている結果だろうと思っています。

強固な信頼感があれば「あの人の言っていることだから信じよう」という関係性につながります。そのためにも組織のリーダーや政治家は重責を自覚した上、普段から周囲の信頼を裏切らないような言動に努めていく必要があるのではないでしょうか。

同時に重責を担うための資質を疑問視された人物が、マイナスにつながる情報が伝わらないまま過剰に評価されていくのであれば、それはそれで問題です。一例として、最近の世論調査でも次の総理大臣候補として河野太郎大臣は上位に顔を出しています。

保険証廃止「法律で決まってる」 河野デジタル相、利点を強調』『官僚を震え上がらせる河野太郎大臣の“締め切り病” 口癖は「早くやれ」でトラブル続出』というような情報に触れた場合、とても次期総理には推奨できないように思えてしまいます。

野党の中で支持率が高まりつつある日本維新の会、馬場伸幸代表についても次のような文春の記事《音声入手》「一筆頂いて」「物忘れが激しくなった時に」  維新・馬場伸幸代表 社会福祉法人の“乗っ取り疑惑” 認知機能が衰えた理事長に…』を目にしていますが、この情報の広がりは見られていないようです。

本当に雑多な話題を気ままに書き進めているため、たいへん長い記事になっています。最後にローカルな話題となります。6月に投稿した記事労使の信頼関係について思うこと」の中でも触れた市長選の話です。明日告示日を迎え、9月3日に投開票されます。

これまで当ブログでは4年ごとに「市長選に向けた組合の対応」 「過ぎ去る夏に市長選」 「8月9日に市長選と市議補選」「2019年夏の市長選」という記事を投稿しています。立場上、選挙戦とは適切な距離感が必要ですが、重大な関心事であることには間違いありません。

現職の市長が退任されるため、新人同士の選挙戦となります。現職に257票という僅差に迫った都議が再び市長選に挑み、自民党は現職の都議を候補者に擁立しています。3人目の候補として、現職市議が都民ファーストと国民民主党の推薦を得ています。

執行委員長を退任していますので直接関わっていませんが、私どもの組合は前回までと同じ対応をはかっています。質問書を予定候補者の方々にお渡し、回答を得られた場合、原文のまま組合員の皆さんに公開するという取り組みです。

最後に、今回の記事の投稿にあたり、16年前の記事「20年ぶりに新市長誕生」を読み返していました。初登庁の日に「初仕事が労働組合との話し合い」と気合いを込められていた現市長と向き合った場面を懐かしく思い出しています。16年間、たいへんお疲れ様でした。

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