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2022年9月17日 (土)

平和や人権の新たな組合方針案

私どもの組合の定期大会は11月11日に予定されています。定期大会に向けた議案を執行部で集中的に討議する会議が明日日曜に行なわれます。前回記事(最後の「はじめに」)を通し、議案書の「はじめに」の原稿全文をお示ししました。

何年も前の「はじめに」は、まず直近一年の国際情勢から書き込むことが通例でした。その当時の慣例に従えばロシアがウクライナに軍事侵攻したことを真っ先に「はじめに」の中で伝えなければならない直近の国際情勢です。

ただ現在の「はじめに」は職場課題の動きを情勢より先に書き込むようにしています。労働組合の最も大事な役割は組合員の労働条件の維持向上に努めることであることを強調したいからです。私自身が「はじめに」を担当するようになってから意識的に見直したこだわりの一つでした。

もともと組合の日常的な活動は職場課題の解決に向けたものが専らで、その分量と比べれば平和に関わる取り組みはわずかです。一方で、組合を身近に感じていただくための一つのツールとして開設した「公務員のためいき」ですが、取り上げる題材の比率は実際の活動内容と反比例して平和の築き方に関わる話が多くなっています。

「なぜ、組合が平和に関わる課題にも取り組むのか?」という恒常的に示される疑問に答える場として位置付けていることが理由の一つです。加えて、自分自身の思うことを不特定多数の方々に発信できる当ブログは自分なりの一つの運動として位置付けているからでした。

今年の8月も「平和への思い、2022年夏」という記事の投稿から始まり、「平和への思い、2022年夏 Part2」「平和への思い、2022年夏 Part3」という同じ記事タイトルを「Part3」まで重ねていました。

とりわけ今年は「平和や人権問題の組合方針」「平和や人権問題の議論提起」という記事で伝えた経緯のとおり私どもの組合方針に関わる内容の投稿も加わっています。昨年11月の定期大会での質疑の際、出席者から平和や人権の方針案そのものを削除すべきではないかという意見が示されたことを契機に方針見直しの議論に入っていたからです。

5月末と8月末に資料を職場回覧し、9月7日には「平和や人権に関わる組合方針」意見交換会を開いています。千人を超える組合員数ですので百人ほど入れる会議室を確保していました。会場が満杯になることは想像していませんでしたが、最初から少人数の参加者を見込んだ会場での開催は避けていました。

当日、決して多いとは言えませんが、参加者12名で開くことができました。定期大会での質問者以外にも参加いただき、少人数ながら幅広い職場からの参加を得られています。横着な私は会議室の机の並びを大きく変えずに開こうと考えましたが、副委員長の意見で車座に並べ替えていました。

どちらの判断も間違っていないものと思っていますが、残り2か月弱で執行委員長を退任するため、なるべく引き続き担う他の組合役員の意見を尊重していこうと考えているところです。その日も車座にしたことで意見を交わしやすくなっていたはずであり、一手間を惜しまなかったことが正解だったようです。

ちなみに平和や人権の新たな組合方針案に関しても同様でした。意見交換会等を経て文章整理した草案を他の組合役員に示した際、言い回しや項目の順番などに意見が寄せられました。根幹に関わる箇所ではなかったため、このままで問題ないと初めは退けていました。

せっかく目を通してもらいながら拒むばかりの対応だったことを反省し、どちらの判断も間違っていないのであれば指摘を受け入れようと考えを改めていました。そのことをメールで連絡した際、「最後の2か月、もっと謙虚に聞く力を発揮できればと思っています」という一文も添えていました。

本題から少し離れた話が長くなりました。意見交換会に参加された皆さん、それぞれ組合の役割に期待されていることが伝わってきていました。定期大会で質問された方も決して組合の活動を全否定している立場ではなく、幅広い考え方を持っている組合員の声を受けとめた方針であって欲しいという思いであることを理解しています。

人によって評価が分かれてしまいがちな言葉を並べた平和や人権の方針を掲げ続けることで、組合への結集力の妨げになるようでは問題であることを意見交換会の参加者全員が共有されていたように思っています。一つ一つの方針に対し、詳しい説明や掲げている経緯などを盛り込むという丁寧さの発揮も求められています。

それでも組合員全員が共通の認識に立てるかどうか容易ではないことも留意しなければなりません。当日の参加者や参加できなかった方から「これまでの方針の内容で良いのではないか」という意見も示されています。また、方針を大幅に見直すべきという意見の方も、自治労や平和フォーラムとの関係性まで否定していませんでした。

このような議論を経て、今回の第77回定期大会の議案としてリニューアルした「平和や人権」の方針案を提起しています。今後も自治労や平和フォーラムとの関係性は重視していきますが、現在の組合員の皆さんの意思を丁寧に受けとめながら必要な見直しを進める貴重な機会だったものと受けとめています。

上記は前回記事で紹介した「はじめに」の中の一文です。全面的な見直しではありませんが、今回の記事タイトルも「平和や人権の新たな組合方針案」としています。明日討議する方針案「平和や人権をまもるたたかい」の原稿内容は最後に掲げていますが、基本的な姿勢の問題としてリニューアルという言葉を使っています。

「はじめに」と同様、議案討議前の原稿ですので、一部補正する箇所があるかも知れません。それでも事前に必要な調整をはかっているため、大筋の骨格は変わらない見込みです。議案討議で確認した後、9月下旬に発行する『組合ニュース』で報告し、10月上旬には議案書として組合員の皆さん全員にお示しする運びとしています。

具体的な項目に入る前に「そもそも組合が平和や人権に関わる方針を掲げる理由」について付け加えています。基本的に総論的な方向性を示す方針とし、「天皇制」「日の丸」「君が代」「靖国神社」など掲げる際に精緻な説明が必要とされる項目は外しています。

差別に関しては具体的な言葉を例示しないことによって、掲げていないため軽視しているという誤解を招かないよう「あらゆる差別に反対」という記述に改めています。もっと総論的な項目に絞るべきという考えもあるのかも知れませんが、これまでの経緯を踏まえて具体的な言葉を掲げた内容も残しています。

平和や人権の組合方針案の問題は、これまで当ブログの中で継続的に伝えてきています。そのため、少し早めのタイミングかも知れませんが、今回の記事でも下記のとおり原稿内容の全文をそのまま紹介させていただきます。

          *         *

労働組合の本務は組合員の雇用や生活を守り、労働条件の維持向上をめざすことです。一方で「組合員のため」を主目的とした組合活動も、職場内の閉じた活動だけでは結果としてその目的が達成できない恐れもあります。加えて、自分たちの職場だけ働きやすくても、社会全体が平和で豊かでなければ、暮らしやすい生活とは言えません。

そのため、労使交渉だけでは到底解決できない社会的・政治的な問題に対し、多くの組合が集まって政府などへ大きな声を上げていくことも昔から重要な組合運動の領域となっています。このような背景があり、自治労や平和フォーラムに結集し、組合は下記のような平和の課題にも取り組んでいます。

(1) 日本国憲法の平和主義を重視した運動を進めます。

(2) 人権、思想、信教、言論の自由が尊重される社会の実現をめざし、あらゆる差別に反対します。

(3) 自治労や平和フォーラムが呼びかける平和や人権尊重の行動や集会に参加します。

(4) 核兵器の廃絶を願い、反核運動を推進し、原水禁大会などに参加します。また、核兵器禁止条約への日本政府の署名・批准を求めていきます。

(5) 騒音や墜落の危険がある横田基地や立川基地の撤去をめざします。また、横田基地へのオスプレイの配備に反対していきます。

(6) 地元の立川空襲をはじめ、戦争がもたらす被害や悲劇を継承する取り組みを進めます。

(7) 砂川闘争の歴史を継承するため、平和資料館の建設などをめざします。当面は砂川学習館内にある立川市砂川地域歴史と文化の資料コーナーの存続を求めます。

(8) 組合が平和運動などに取り組む意義を組合員へ丁寧に周知し、問題意識を共有化した活動に努めます。

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コメント

長きにわたる大任おつかれ様でした
心より敬意を表します
ところで立憲民主党執行部が全員不参加を決めたのに対して、連合会長が安倍氏の国葬に参加するようですが
ナショナルセンターの議長としてこの行動はどうなんでしょうか?
所見を伺いたいです
それからもう一つ立川市選挙区選出の自民党都議が統一教会から支援を受けていたことに関して、ご意見あればお願いします

投稿: T川良いところ | 2022年9月17日 (土) 23時28分

T川良いところさん、コメントありがとうございました。

野田佳彦元総理が出席される意向を示したことに対し、下記の報道のとおり立憲民主党の原口一博衆院議員がツイッターで「人生観…。それよりも法と正義が優先する。国葬儀は、憲法にも反し法的根拠もない。私たちは国権の最高機関にいる。国葬儀は、参列不可なのだ。個人を優先するなど私にはできない」と批判しています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2dacb4cc808bafcef8f0d62dc329542b7d366be8

違法性が問われているのにも関わらず、出席することは確かに大きな問題だと思っています。できれば芳野会長にも出席を見合わせる判断を下して欲しかったものと考えています。

自民党都議と旧統一教会の問題に関し、情報提供ありがとうございました。下記のニュースが伝えている経緯等を確認させていただきました。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/199250

7月に投稿した記事「参院選が終わり、見えてきたこと」の中で記していましたが、全国霊感商法対策弁護士連絡会が安倍元総理をはじめとする自民党の政治家に旧統一教会との親密な関係に警鐘を鳴らしていました。

それにも関わらず、明確な峻別をはかっていなかったことの政治責任は重かったものと考えています。このような抗議があること、旧統一教会との関係性の問題などを党内で周知や注意喚起をはかれていなかったことは自民党という組織のガバナンスも欠けていたものと思っています。

今回の問題は認識不足や問題意識の欠如が見受けられていますが、都議会議員という重責を担う立場であれば旧統一教会の問題に対して敏感であって欲しかったものと思っています。ただ同様な問題を抱えた自治体議員は相当な数に上り、今回の報道は氷山の一角だろうと見ています。

このブログでは時事の話題も頻繁に取り上げています。次回以降の新規記事で今回指摘のあった問題などを深掘りすることも考えています。ぜひ、これからもご注目いただければ幸いですのでよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2022年9月18日 (日) 07時09分

ご返信ありがとうございます
連合の腰の定まらない動きに対し物申す姿勢に感銘を受けました

であるならば、もちろん市長の公費での国葬参列は違法ですし、市役所の庁舎、市の施設での半旗、几帳台の設置、職員への黙祷のお願いなどには
組合として反対する、協力しないということでよろしいですか?

投稿: T川良いところ | 2022年9月18日 (日) 16時49分

T川良いところさん、コメントありがとうございました。

私自身の考えは今朝レスしたとおり違法性が問われているのにも関わらず、出席することは問題だと思っています。それほど感銘いただくような答えではないため、たいへん恐縮しています。

いずれにしても個人的な思いだけで即答できないお尋ねもあり、やはり今朝のレスのとおり深掘りすべき点とともに次回以降の記事本文の中で改めて取り上げてみるつもりです。迅速な対応をはかれない場で申し訳ありませんが、ご理解ご容赦くださるようよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2022年9月18日 (日) 18時33分

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