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2022年9月10日 (土)

最後の「はじめに」

前回記事「自治労大会の話、インデックス」の最後に「単組の責任者として力を注げるのは残り2か月余りです」と記していました。11月11日に開く定期大会までが執行委員長としての任期ですので、このブログの新規記事を投稿した後の週には残り2か月を切っていることになります。

同じポストに同じ人物が長く続けるのは決して望ましいことではありません。そのような意識が働いているため、執行委員長を何年間務めてきているのか、これまで具体的な数字を当ブログの中で示したことがありません。そもそも私自身、改めて数えない限り何年担ってきたのか頭に入っていませんでした。

このブログも長く続けています。ご縁があって「相互リンク」しているサイトは右サイドバーにあるとおりです。久しぶりに訪問させていただきましたが、現在も継続的に更新されているサイトは「うざね博士のブログ」だけでした。ある程度予想していたことですが、SNSの中でもブログ自体が少数派になっているようです。

委員長に選ばれた翌年の8月からブログを始めています。右サイドバーの下のほうにある「ココログ」のロゴマークの真下にブログの開設日が掲げられています。その日付は「2005/08/16」です。つまり2004年11月に委員長となり、改めて数えてみると18年間担ってきたことが分かります。

昨年11月の記事定期大会を終えて、2021年秋」の中でも伝えているとおり今年度はバトンを着実に渡すための一年であるという意識のもとに過ごしてきました。たいへん長く担ってきていますので定期大会を間近にしての退任の判断では迷惑をかけるものと思い、一年前に予告した上で引き継ぎのための一年という猶予期間に位置付けていました。

このことは組合役員をはじめ、周囲の皆さんにはお伝えしている話でした。他の組合の皆さんにも明かしている話であり、このブログの中ではストレートな言葉でそのことを記してきました。私どもの組合員の皆さんに向けては今年3月に発行した機関誌の中で婉曲な言い方で触れていました。

私自身の記名原稿となる特集記事「春闘期、情勢や諸課題について」の見出し「組合は必要、ともに考え、ともに力を出し合いましょう!」の前に【Will】という言葉を付けていました。Will】という言葉には「遺言」という意味もありますが、そのことの説明は適切でないものと考え、機関誌には「未来形としての願いであり、バトンを託す皆さんに向けた言葉」という説明を加えていました。

結局のところストレートな表現を控えたため、この言葉から今年11月の定期大会で執行委員長を退くという表明であることは充分伝えられなかったようです。先月の記事平和への思い、2022年夏」の中でお伝えしていましたが、8月下旬に職場回覧する「平和や人権に関わる組合方針の確立に向けて(参考資料)」のタイトルに【卒論】という言葉を添えることも考えました。

【卒業論文】という文字通りの言葉であり、ストレートな退任予告のメッセージとなります。この言葉を付けると仰々しく、かつ重々しくなってしまうため、結局【卒論】という言葉は添えませんでした。ただ結びの一言として、今年3月に発行した機関誌の特集記事の見出し「【Will】組合は必要、ともに考え、ともに力を出し合いましょう!」のような組合活動が進められていくことを心から願っています、と添えていました。

今週発行する『組合ニュース』裏面の「組合は大事、だから幅広く、多くの担い手が必要です! 同時に貴重な経験を積める組合役員、ぜひ、手をあげてみませんか?」という見出しを掲げた呼びかけ文は私自身の記名原稿です。この呼びかけ文を通し、執行委員長を退任することについて触れることも考えました。

結局、そのことは触れず、ほぼ例年と同じ内容でまとめています。いろいろ考えてきた結果、定期大会議案書の「はじめに」の中で触れることにしました。「はじめに」も私自身の記名原稿であり、定期大会の1か月前の10月上旬に組合員の皆さん全員にお配りするため、タイミングとしては最良だろうと考えたところです。

定期大会の議案は組合役員が手分けして準備します。原稿を持ち寄って内容等を集中的に議論する場である議案討議は来週日曜です。原稿の提出期限は水曜の夜としています。私の分担している項目の中で、いつも「はじめに」は最後に取りかかっていました。組合役員を退任するため、来年の今頃は議案の原稿作りから解放されています。

まさしく最後の「はじめに」を書き上げたことになります。議案討議前の原稿ですので、一部補正する箇所があるかも知れません。それでも今回のブログ記事の中で、最後の「はじめに」の原稿内容をそのまま紹介させていただきます。

          *         

組合活動の年度で言えば、昨年の定期大会(11月5日)から今年の定期大会までの一年間が2022年度です。その2022年度の活動を総括し、向こう一年間の新たな組合方針を議論する場が定期大会です。

この一年も新型コロナウイルス感染症への対応が欠かせず、組合はコロナ禍の中で活動の範囲を慎重に見極めてきました。三密が避けづらい職場委員会は引き続き開催を見合わせてきましたが、市民会館小ホールで開く定期大会は今年も出席者数を絞るなど感染対策に留意しながら開催します。

コロナ禍の中でも必要な労使協議は精力的に重ねています。組合の最も大切な役割は労使交渉を通し、組合員の労働条件の向上に努めることです。労働条件を決める場で労使は対等な立場となります。職員一人ひとりが組合に結集することで、一人ひとりの率直な思いや声を使用者側に届けられるようになります。このような大切な役割のもとに2022年度、組合は主に次のような活動を進めてきました。

8月1日の市当局との団体交渉で、定年延長に伴う条例化を労使合意しました。その際、継続課題の住居手当も都準拠とし、35歳以降不支給としたいという意向が市当局から改めて示されました。これまでの経緯を訴えながら組合は反発し、最終的に定年延長の問題とは切り離し、別途協議を継続していくことで決着しています。組合は住居手当に年齢を区切る不合理さを訴えた上、都準拠に固執するのであれば都より大きく下回る地域手当の問題と同時決着すべきという立場です。

職場からの切実な声を反映した「人員確保・職場改善要求書」に基づく労使交渉は極めて重要です。2023年度に向けた要求を集約するための職場アンケートの実施は例年より早め、提出期限を7月29日としていました。要求を少しでも前進させるためには、要求書の提出時期を早めたほうが望ましいと判断したからです。

2020年4月から始まった会計年度任用職員制度に関わる労使協議も引き続き重要な課題です。特に65歳までの安定的な雇用継続に向け、労使交渉を本格化させています。8月1日に開いた団体交渉の中では、5年ごとに競争試験を強いられる不合理さなどを市当局に改めて訴えています。

3月4日、職場がなくなるという深刻な事態に直面していた新学校給食共同調理場の問題は大きな節目を迎えました。現評の各部会と連携をはかりながら大詰めの労使協議に臨んでいました。任用替え試験が現業職全体を対象に実施することなどを確認できたことで、小学校の単独調理方式をセンター方式に変更する計画を受け入れていました。

組合の活動は「組合員のため」を主目的として自主福祉活動や親睦行事、社会貢献や自治研活動にも取り組んでいます。また、労使交渉だけでは解決できない社会的・政治的な課題に対し、多くの組合が集まって取り組んでいる平和の課題や政治的な活動も必要な運動方針として掲げています。

2022年度、昨年の定期大会での質疑応答を受け、「平和や人権」の組合方針について議論を重ねてきました。5月末と8月末に資料を職場回覧し、9月7日には「平和や人権に関わる組合方針」意見交換会を開いています。このような議論を経て、今回の第77回定期大会の議案としてリニューアルした「平和や人権」の方針案を提起しています。今後も自治労や平和フォーラムとの関係性は重視していきますが、現在の組合員の皆さんの意思を丁寧に受けとめながら必要な見直しを進める貴重な機会だったものと受けとめています。

今年2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻し、たいへん悲しむべきことに戦火が消える兆しは見られず、罪のない多くの人たちの命が脅かされ続けています。組合はロシアの暴挙を強く批判し、即時撤兵を求めた抗議文を3月3日に在日ロシア連邦大使館あてに送っていました。戦争を避けたいという思いは誰もが同じであるはずです。その上で、ウクライナで起こっているような戦争をどうすれば防げるのか、組合員全体で共感を得られる方針や取り組みにつなげていくことが重要だろうと考えています。

私たち公務員の組合にとって各級議会に緊密な連携をはかれる議員の存在は貴重なことであり、6月の市議会議員選挙で組合が推薦し、2期目の当選を果たした市議の方とは、さっそく9月議会に向けて会計年度任用職員の雇用継続の課題で情報交換等を重ねることができています。7月には参議院議員選挙があり、自治労組織内候補の鬼木まことさんを国会に送り出すことができています。

2022年1月、組合が結成されてから75年を迎えました。コロナ禍の組合予算還元策の一つとして昨年10月には組合員の皆さん全員に感謝の意をこめ、75周年の記念品として3千円のクオカードを配布しています。3月に発行した機関誌には懐かしい写真で振り返った「フォトヒストリー『組合結成75年』」を掲載しました。

今後、よりいっそう大きな節目である結成100周年を迎えるためにも、持続可能な組合活動のあり方や進め方について定期大会での率直な議論が求められています。全員参加型の定期大会にも関わらず、多くの組合員の皆さんの出席を呼びかけられませんが、出席者にご意見等を託していただくか、委任状にご意見等を記入され、お送りいただければ幸いです。定期大会の開催を通し、ぜひとも組合員の皆さんとともに力を出し合い、よりいっそう支え合っていける組合活動が実現できることを心から願っています。

私自身、今回の定期大会をもって執行委員長を退任します。青年婦人部の幹事時代から数えれば40年余り貴重な経験や交流を重ねてくることができました。本当にありがとうございました。

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