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2022年7月 9日 (土)

明日は参院選、今、願うこと

金曜の昼、衝撃的なニュースに接することになりました。奈良市で参院選の街頭演説中だった安倍元総理が銃撃され、心肺停止状態で救急搬送されたというニュースです。

その段階でアナウンサーや松野官房長官らが黒い服に身を包んでいましたので、嫌な予感がしていました。残念ながら必死の救命治療も及ばず、午後5時3分、安倍元総理は67年の生涯の幕を閉じました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

このブログを通し、安倍元総理の考え方や言動を数多く批判してきました。しかし、あくまでも個々の内容の是非を問題提起する立場からのものでした。当たり前なこととして、人格を否定するような言葉はもちろん、誹謗中傷の類いと見なされるような批判の仕方も慎んできました。

安倍元総理に限りませんが、批判的な意見を投稿する際、ご本人を前にしてもそのまま伝えられるような言葉を意識しています。このような考え方に至っている理由として「批判ありき」の言葉だった場合、安倍元総理を支持されている方々には届きづらくなると思っているからです。

より望ましい「答え」を見出すため、自分自身の考えが正しいと信じているのであれば、異なる立場の方々が「なるほど」と思えるような言葉を駆使しなければなりません。いろいろな「答え」を認め合った上いがみ合わないように努めながら言葉を競い合っていくことが重要です。

まして「気にくわない相手だから殺してやる」などいう発想は言語道断であり、暴力に訴える行為そのものが絶対許されません。言葉の競い合いを具現した選挙戦の最中、そのような蛮行を目の当たりにすることになった事態は様々な意味で残念でなりません。

逮捕された41歳の山上徹也容疑者は海上自衛隊員でした。その時、銃の取り扱いの訓練を受けていました。改憲論議では「自衛隊員の名誉のためにも」という発言を繰り返していた安倍元総理が、元自衛隊員の凶弾に倒されたことは切ない話だろうと思っています。

山上容疑者は「特定の宗教団体とつながりがあると思い込んで犯行に及んだ」と供述しているようです。犯行が報道された後、早い段階で「安倍元総理の政治信条に対する恨みではない」という供述内容が伝えられていました。参院選の投票日を直前にしたタイミングであり、このことが素早く報道された意味は大きいものと考えています。

政治的な思惑や憶測のもと、いわゆる右や左の立場の違いからの論評が飛び交うような事態を抑える効果を与えていたはずです。今後、このような悲惨な事件を未然に防ぐためにも、容疑者の動機や背後関係の有無について徹底的に解明し、詳らかに公表して欲しいものと願っています。

参考までに今回の事件後、ネット上で目に留めた「犯人は在日」などSNSでヘイトデマ拡散 「投稿前に再考を」』『「嫌悪感情の容認がテロ行為へ」 ジャーナリスト・安田浩一氏』『「安倍政権の検証は今後も必要」元経産官僚・古賀茂明さん』という記事を紹介します。

さて、明日は参院選の投票日です。各党とも「暴力に屈しない」という姿勢を示すためにも、選挙戦の最終日となる土曜日は幹部の遊説など選挙活動を予定通りに進めることを明らかにしています。このような判断を強く支持し、私たち有権者も卑劣な事件の影響に左右されず、冷静な判断のもとに貴重な一票を投じていかなければなりません。

このブログではカスハラに対する考え方」「不安定雇用の会計年度任用職員」という職場課題を中心にした記事を2週続けていました。今週末に投稿する記事は市議選と参院選に向けて間近に迫った市議選と参院選今、政治に対して思うこと」に連なる内容となります。

昨年10月「明日は衆院選、雑談放談」というタイトルの記事を投稿しています。当初、今回も「明日は参院選、雑談放談」というタイトルを考えていました。安倍元総理の訃報に接し、「雑談放談」は馴染まず「今、願うこと」に変えていました。さらに次のような内容が書き出しの文章になるはずでした。

新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しています。社会経済に過度な影響を与えず、国民の納得感や安心感を高められる感染対策が求められています。岸田政権の正念場だろうと思っていますが、私自身の考えは今年1月の記事「再び東京に蔓延防止等重点措置」の中で綴っていたとおりです。

パンデミックの終息が宣言されるまで必要な感染対策は緩められないものと考えています。新型コロナは2類感染症とされていますが、季節性インフルエンザは5類です。この段階で新型コロナをインフルエンザと同じ分類にすることは大半の人が違和感を抱くかも知れません。しかし、国民にとって最も望ましいことは医療崩壊を防ぎ「守れる命、守るべき命」を守ることです。

類相当を支持する医療関係者からは「メリットだけを増やし、デメリットは防げるよう特例を整備すべき」という意見も示されています。新型コロナを2類から5類に改めることで、医療的にも社会経済的にも大きなメリットが探れるのであれば、それこそ「決断と実行」が迫られているはずです。

参院選を明日に控え、新型コロナとの向き合い方など改めて政治的な論点の数々を提起するつもりでした。インターネット選挙解禁となっても「再び、地公法第36条と政治活動」という記事に示しているとおり選挙期間中は推薦候補者の固有名詞を控えるなど一定の制約を課しています。

そのような点を踏まえた上、メディアが選挙期間中でも政治的な話題を取り上げていることと同じ立場で、これまで当ブログでも政治評論のような内容を綴っています。同時に投票行動の参考とすべき情報を提供する場の一つとして、目に留めていたサイトの紹介にも努めています。

今回の記事に向け、いろいろなサイトの紹介を考えていました。ここまでで相当な長さの新規記事になっていますので、あまり論点は広げず、サイトの紹介にあたっての注釈等も必要最低限にとどめます。それぞれのサイトの見出しを紹介し、興味を持たれた方はクリックし、リンク先に飛べるようにしています。

まず『反骨のコラムニスト小田嶋隆さんの発言を振り返る  東京五輪の矛盾や安倍政権の罪を指摘』です。安倍元総理は理不尽な死を強いられたことで功績のみが語られがちになるのかも知れませんが、反省すべき点が多かったことも忘れてはならないはずです。

続いて『「弱い子がいじめられる」=自民・麻生氏』です。短い記事であり、下記の通り全文を紹介します。いじめ自体の認識も疑問ですが、現在の国際社会の中での安全保障の方向性の是非を大きく問うような発想です。自民党の重鎮である元総理の発言として注目していました。

自民党の麻生太郎副総裁は4日、千葉県市川市で街頭演説し、ロシアによるウクライナ侵攻に触れた上で「子どもの時にいじめられた子はどんな子だった。弱い子がいじめられる。強いやつはいじめられない」と語った。その上で「国も同じ。強そうな国には仕掛けてこない。弱そうな国がやられる」と述べ、安全保障関連法などを整備してきた意義を強調した。【時事通信社2022年7月4日

麻生副総裁のような自民党を代表する立場ではありませんが『生稲晃子氏「富裕層への課税強化」に「反対」「賛成」と真逆の回答 あまりの矛盾にツッコミ殺到』『山際大臣「誤解を招いた」も撤回はせず 「野党の話聞かない」発言で』『【参院選】自民党、失言・暴言・迷言祭り…麻生太郎「弱い子がいじめられる」桜田元五輪相「女性は男に寛大に」』など自民党関係者に関わる報道が目立っています。

参院選 自民党・松山三四六候補が不倫の末、中絶同意書に偽名で署名していた』『自民・松山三四六氏の不倫報道謝罪がプチ炎上!「選挙後に説明」の摩訶不思議』という過去の不祥事が暴露された問題もあります。候補者の資質を問う情報として「選挙後」ではないタイミングでの報道こそメディアの貴重な役割だと受けとめています。

政党自体を評価する情報として『参院選候補者アンケートで維新の極右ぶりが露呈! 防衛費倍増、敵基地攻撃、改憲に賛同する候補者が自民党より多かった』というサイトの記事にも目を留めていました。各党に所属している政治家の皆さん一人一人の資質や力量は異なり、一括りに評価してはいけないものと思っていますが、投票先を決める際の貴重な情報であることも確かです。

最後に、選挙啓発に務める自治体職員の立場から「貴重な一票をお持ちの有権者の皆さん、明日日曜、まだ投票されていない場合、必ず投票所に足を運びましょう 」という言葉を今回の記事でも強調させていただきます。さらに組合役員の立場からは一般論として、一人でも多くの自治労組合員の皆さんから組織内議員の存在の大切さにご理解いただけることを強く願っています。

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