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2022年7月16日 (土)

参院選が終わり、見えてきたこと

前回の記事は「明日は参院選、今、願うこと」でした。日曜夜8時、各テレビ局の開票速報とともにNHKの「参院選2022開票速報」サイトに注目していました。するとNHKのサイトでは速報と同時に比例代表の自治労組織内候補である鬼木まことさんの「当確」を伝えていました。

組合員のために労働組合があり、組合員のために様々な組合活動があります。その活動の一つに選挙の取り組みがあるため、今回、鬼木さんを自治労の代表として国会に送れるという結果が出たことを安堵しています。早い段階で鬼木さんの「当確」を確認できたため、寝不足とならずに月曜の朝を迎えられています。

昨年10月の衆院選では各テレビ局の議席予想が大きく外れ、翌朝、起きてから驚いたことを思い出しています。「自民261をフジ230、NHK212~253」と自民党がもっと議席を減らし、立憲民主党の大敗をまったく予想していませんでした。今回は各局ともに予想を外すことはなく、自民党の大幅増、立憲民主党の議席減という結果が確定していました。

前回記事の冒頭では安倍元総理が銃撃された衝撃的な事件について取り上げ、「今後、このような悲惨な事件を未然に防ぐためにも、容疑者の動機や背後関係の有無について徹底的に解明し、詳らかに公表して欲しいものと願っています」と記していました。「詳らかに公表」という願いは次の記事に示されているような違和感につながるものでした。

テレビプロデューサー・ライターの鎮目博道さんが『「宗教団体の名前を伏せる」「各局揃って喪服」……「安倍元首相銃撃事件」テレビ報道への4つの“違和感”』という記事を参院選の投票日前に「現代ビジネス」で発信していました。

山上徹也容疑者は犯行動機として「特定の宗教団体に恨みがあり、その宗教団体と関係がある安倍元総理を狙った」と供述していると報じられていました。鎮目さんの一つ目の違和感は「なぜ、この宗教団体の名前を明らかにしないのか」というものでした。鎮目さんは次のように語っていますが、そのとおりだと思っていました。

事件の犯行動機は「宗教団体への恨み」と報道されているから、この団体の名前を明らかにし、またその宗教団体に取材をしなければ事件の真相解決にはつながらない。そこにもし「配慮や忖度」が働いているとすれば、それは少しおかしいのではないかということになる。

やはり本来であれば宗教団体の名前を明らかにし、宗教団体側の取材もきちんと行ってその内容も併せて報道し、もし安倍元首相とその宗教団体との関係が明らかでなければ、その旨もきちんと報道すれば良いだけのことである。

今回の記事タイトルにしたとおり参院選が終わり、見えてきたことが数多くあります。『安倍元首相の銃撃事件で露呈した、テレビ各局の宗教団体への“トラウマ”』という記事では、メディアが宗教団体に対して及び腰になっているという事情を伝えています。

宗教団体が会見を行なうことを表明したことで、山上容疑者の恨みを抱いていた宗教団体は世界平和統一家庭連合(旧「統一協会)であることを各メディアが大きく報道するようになっています。久しぶりに『週刊文春』を購入しましたが、山上容疑者が「統一教会」を憎悪することになった経緯等について特集記事を通して詳しく知ることができます。

昨年9月に「統一教会」の関連団体「天宙平和連合」(UPF)のオンライン集会に安倍元総理が「UPFの平和ビジョンにおいて、家庭の価値を高く強調する点を高く評価いたします」というビデオメッセージを送っていました。この動画を見て、山上容疑者は「家庭を破壊した団体にエールを送る安倍元総理を殺害することを決意した」と供述していることを特集記事で伝えていました。

前回記事で強調したとおり「気にくわない相手だから殺してやる」などいう発想は言語道断であり、暴力に訴える行為そのものが絶対許されません。同情すべき背景があったとしても山上容疑者の蛮行は強く批判すべきものであり、理不尽な死を強いられた安倍元総理に対して哀悼の意を捧げるべきことに変わりありません。

このことを改めて強調した上で、今回の事件の背景を伝える報道を紹介していきます。周知の事実として、安倍元総理と「統一教会」との関係は近しいものでした。参院選が終わった後『カードで借金してでも献金しなさい… 元信者の証言「旧統一教会の本性」と「安倍一族との近すぎる関係」』という見出しのような記事を見かけるようになっています。

教団の記者会見後の『旧統一教会被害者弁護士ら会見 「献金の強要ないという説明はうそ」』という記事では、全国霊感商法対策弁護士連絡会が2021年9月に「統一教会」の友好団体のオンライン集会にビデオメッセージを寄せた安倍元首相に対し「お墨付きを与えることになる。安倍先生の名誉のためにも慎重に考えていただきたい」という抗議文を送っていたことを伝えています。

「政治家として配慮いただきたい、ということを繰り返しお願いしてきた」安倍元総理の銃撃事件、旧統一教会の記者会見を受け、全国霊感商法対策弁護士連絡会が声明』という記事の中では、弁護士連絡会の山口広事務局長の次のような生々しい実情を訴えた声も伝えていました。

私どもとしては安倍晋三先生にも、他の政治家に対しても、何回も統一教会の社会悪を考えたら、反社会的団体である統一教会にエールを送るような、そういう行為は止めていただきたいと。どんなに被害者が悲しむのか、苦しむのか、絶望するのか。しかも、新しい被害者がそれによって生み出されかねないということについて、政治家として配慮いただきたい、ということを繰り返しお願いしてきた。

しかし、残念ながら反共ということに共感を持つ議員の方々、あるいは統一教会のお金が最初は目的だったかもしれない。今回の選挙でも、あるいはその前の選挙でも特定の自民党の候補者を組織推薦候補として応援をし、信者組織の動員をかけてやってきたことを私どもは事実として認識している。

指摘されている選挙と「統一教会」との関係は『安倍元首相側近の井上義行氏が大炎上!旧統一教会の「全面支援」で当選していた』『「井上先生はもうすでに信徒になりました」旧統一教会側が参院選で安倍氏元秘書官を支援、宗教と政治の距離とは』という記事などから確認できます。

ちなみに『旧統一教会と「関係アリ」国会議員リスト入手! 安倍政権での重要ポスト経験者が34人も』という記事では「自民党議員が圧倒的に多い。衆院議員78人、参院議員20人が統一教会系の団体等との何らかの関わりが確認された。野党でも立憲民主党6人、日本維新の会5人、国民民主党2人が関わりを持っていた」と伝えています。

石塚元章氏 旧統一教会のトラブル「安倍元総理がご存じなかったはずはない。じゃあ、なぜ広告塔を…」』という記事の中で、CBC特別解説委員の石塚元章さんが「安倍総理を襲撃していいのか、というのはまったく別の話、これは大前提です」と前置きした上で、次のように語っていました。

詐欺グループの会社の宣伝にタレントさんが出てたってなると、問題になってタレントさんがしばらく番組に出られないとか自粛するとか、そういうこともいっぱいあるわけでしょ。それで言ったら、こういう“褒められたことをやってないよね”っていう組織の広告塔をやってしまったという事実は間違いなくあるんじゃないか。

共同通信の全国緊急電話世論調査で「襲撃事件は投票行動に影響があったかどうか」と尋ねたところ「影響があった」は15.1%、「影響はなかった」は62.5%でした。選挙特番「池上彰の参院選ライブ」の視聴者アンケートでは「与えた26%」「与えていない74%」という結果でした。

池上さんの選挙特番で大江麻里子アナウンサーは最初「与えた74%」と間違えて伝えていました。リンク先の記事『安倍元首相の銃撃事件は選挙結果に影響「与えた」が7割超 池上特番でアンケート』では間違えたまま訂正されていません。それほど安倍元総理の急逝は「大きな影響を与える」と思われていた表われだったようです。

全体的な投票行動に大きな影響を与えなかったのかも知れませんが、接戦区にとって20%前後の帰趨は選挙結果を左右します。新潟選挙区では「やっぱり安倍元総理の事件の影響はあったと思いますよ。調査を見る限りそこまではかなりデッドヒートだったのが、そこで一気に離されたっていうのはあるとは思いますね」という声も聞こえています。

鎮目さんは『テレビ局が「選挙前報道」に極度に“及び腰”になるきっかけとなった事件とは?』という記事も発信しています。このような経緯や現状を考えた時、やはり選挙前に「統一教会」という言葉をメディア側は自主規制していたように見てしまいがちです。

加えて、今回紹介したような報道が、参院選前に注目されることを安倍元総理の支持者らが懸念していた事実関係も明らかになっています。さらに「統一教会」の名称変更の問題を伝えている下記のような記事もあります。いずれにしても痛ましい事件を二度と起こさないためにも、事実関係を詳らかに把握していかなければなりません。

最後に、政権批判の立場を鮮明にしている「LITERA」の記事『片山さつきは警察庁長官を使い奈良県警に圧力! 自民党が隠したい安倍元首相と統一教会の深い関係、名称変更をめぐる疑惑』ですが、事実関係は誤りがないものと考え、参考までに伝えたい情報を抜粋して紹介させていただきます。

安倍派入りして先の参院選で当選を果たした片山さつき参議院議員が、なんと警察に情報を出さないよう圧力をかけたことを自慢げに明かしたのだ。

片山議員は13日午前9時半すぎ、極右経済評論家の・渡邉哲也氏の〈片山先生、安倍総理殺害に関して、奈良県警からメディアなどへの不確実な捜査中の情報漏洩が起きているように思われます。過去の国会答弁からも国家公務員法の守秘義務違反に該当すると考えられます。適切な対応をお願いできませんか?〉というツイートに、まず、〈長官は後輩、かつ知人なので、聞いておきます〉と返答。

それから半日後の同日夕方には、こんなツイートを投稿したのだ。〈警察庁長官に「奈良県警の情報の出し方等万般、警察庁本庁でしっかりチェックを」と慎重に要請致しました。これ以上の詳細は申せない点ご理解を。霞ヶ関を肌で理解する者同士の会話です。皆様の感じられた懸念は十分伝わっています。組織に完璧はありませんが、国益を損なう事はあってはなりません。〉

警察庁長官の中村格といえば、官邸の意向を受けて、安倍応援団ジャーナリスト・山口敬之氏の逮捕を圧力をかけて止めたことで知られる人物。片山氏はその中村長官に「霞が関を肌で理解するもの同士」、意図は「十分伝わった」と自慢げに語ったのだ。

統一教会が過去にあれだけ大きな社会問題になったにもかかわらず、いまも被害者があとをたたないのは、同団体の正式名称が2015年に「世界平和統一家庭連合」に名称が変更になったことが大きいと指摘されている。つまり、名称が変わったため、あの統一教会だとは知らずに入信してしまった被害者が多数いる可能性があるというわけだ。

ところが、この名称変更について、安倍政権が行政を歪めた結果ではないかという疑惑が浮上している。じつは、統一教会は1980年代から霊感商法が社会問題となったことから、各国で名称変更を進め、日本においても1997年から名称変更の申請をおこなっていた(しんぶん赤旗2015年9月29日付)。

だが、〈宗教法人を所管する文化庁宗務課は、これを頑として認証してこなかった〉。実際、前川喜平・元文科事務次官は〈1997年に僕が文化庁宗務課長だったとき、統一教会が名称変更を求めて来た。実体が変わらないのに、名称を変えることはできない、と言って断った〉(2020年12月1日)とツイートしていた。

ところが、第二次安倍政権時の2015年になって、文化庁は突如、名称変更の申請を認証したのである。18年間にもわたって申請を突っぱねてきたというのに、認めたのは何故なのか。この不可解な申請認証に対して、宗教関係者の間では「来夏に控える参院選のため、安倍政権の対策ではないか」と話題になり(「週刊朝日」2015年10月23日号/朝日新聞出版)、さらに対策弁護士連絡会が開いた全国集会では「統一協会が、関係の深い政治家を使って圧力をかけたのではないか」という疑いの声が上がっていた(前述・しんぶん赤旗より)。

申請を認証した2015年8月当時、文化庁を外局とする文科省の大臣を務めていたのは、安倍氏の盟友だった下村博文氏だからだ。下村氏は、2012年12月の文科大臣就任以降、統一教会系メディアである世界日報社の月刊誌「ビューポイント」に3回も登場。ちなみに2016年には世界日報社から6万円の献金を受けていたこともわかっている。

安倍政権誕生を境に、政界における統一教会の扱いが変わったという事象は、これだけではない。12日に開かれた対策弁護士連絡会の会見で、山口広弁護士は、第二次安倍政権誕生後の“ある変化”について、会見でこう語った。「これは本当に憂うべき事態だと思ったのは、安倍政権になってから、若手の政治家が統一教会のさまざまなイベントに平気で出席するようになりました。

それまでは政治家が参加しても、名前は出さないとか、あるいは統一教会側のほうも名前を伏せて『政治家が参加しコメントした』というようなことを言っていたが、最近は、若手の政治家がそういうところに大手を振って参加して、コメントするようになってきたんです。

それはなぜかと言うと、そうやって統一教会と近いということを我々さえも知るようになった、その政治家が、安倍政権のなかでは大臣や副大臣、政務官に登用される傾向が顕著になってきたんです。『自分が大臣や政務官に登用されるためには、統一教会と仲良くしたら、協力関係にあったほうが、早く出世できるんだ』という、そういう認識がだんだんだんだん浸透しはじめたんですよ。

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