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2022年2月12日 (土)

多面的な情報の大切さ Part2

前回記事「多面的な情報の大切さ」を読み返してみると紹介したメディアの記事内容の分量も多く、たいへん散漫な印象を与えていたものと思っています。特に記事タイトルにした論点がうまく伝わらず、単に時事の話題を並べていたような構成だったと言えます。

それはそれで「雑談放談」をサブタイトルにしたブログであり、気ままな書きぶりになっている点はご理解ご容赦ください。実は前回記事の中で、いくつか他のニュースのことも取り上げるつもりでした。インターネット上から多種多様な話題に触れるため、数多くのサイトをブックマークしています。

その一つが「痛いニュース」で、自分が居合わせていたら止めに入れたかどうか取り沙汰されたニュースの『タバコ暴行男の動画見つかる 高校生が土下座するも殴り続ける』の動画を確認していました。すると数日後に『電車内で殴られ土下座した高校生、グラサンかけて自分から大声で威嚇していた。しかも野球部』という記事が掲げられていました。

その記事は「Smart FLASH」の『宇都宮線暴行事件「向こうが先に手を出した」容疑者は面会取材に反省ゼロ…報道されない「怒声の現場」』をニュースソースとしていました。暴行事件の容疑者が責められるべき対象であることに変わりありませんが、二つのニュースから得られる情報の違いによって思い描いていた場面の印象が少し変化していました。

同じ頃のニュースとして『《沖縄警察署破壊》生卵にロケット花火、壁には「しね」のラクガキも…暴徒と化した500人の少年たちが警察署を包囲 理由は「暴行“隠ぺい”疑惑」と「眼球破裂動画」』も衝撃的でした。このニュースに関しても『【沖縄暴動】息子の右眼を返して!「何が原因だったか」原因究明求めるバイク高校生の母』という記事などに触れていくと事件に対する見方が少し変化します。

もちろん暴力や暴動を容認するような思いは一切ありません。ただ得られる情報によってモノの見方や評価が変化する事例として上記のニュースを受けとめていたため、久しぶりに前回「多面的な情報」をタイトルに掲げた新規記事に取りかかっていました。

それにも関わらず北京五輪や「佐渡金山」の話題に絡む内容が大半を占め、切っかけとなった上記のニュースに一切触れないまま前回記事は終えていました。このような経緯があったため、改めて今回「多面的な情報の大切さ Part2」として上記のニュースの事例を紹介しながら書き進めています。

このブログでは「誰が」に重きを置かず、「何が」問題で批判すべきことなのか、具体的な言動や事実関係を指摘しながら論評を加えるようにしています。批判ありき、もしくはポジショントークだと見らないように注意しています。例えば安倍元総理を支持されている方々からも「なるほど」と思っていただけるような記事内容の投稿に心がけています。

一昨年7月の記事「政治の現場での危機管理」の中で、全戸への布マスク2枚配布は首相官邸周辺が発案し、安倍元総理自身も「いいと思った」という顛末を伝えていました。つまり莫大な国家予算を必要とする対策が、側近の一人からの思いつきのような助言によって進められていた問題性を指摘していました。

旬外れの布マスクは「アベノマスク」と揶揄されていましたが、最近『「アベノマスク」希望者へ配送「親切すぎる」“送料10億円”否定も野党が問題視、活用法めぐる議論も』という報道も目にしています。税金の使い方としての問題もありますが、安倍元総理の最近の言動にはもっと驚かされていました。

抗議殺到!「アベノマスク配送料」に10億円の血税って…着払いにしなかった岸田首相の思惑』という見出しの記事の中で、安倍元総理は派閥の会合で「2億8千万枚の希望があった」「もっと早くやっておけばよかった」と笑いを取りながら誇らしげに語っていたようです。自分自身の失策をまったく反省していない姿勢には批判が殺到しても仕方ないものと思っています。

昨年8月の記事「スガノミクスと枝野ビジョン」「信頼できる政治の実現に向けて」 などで取り上げていましたが、菅前総理は周囲の声に耳を貸さない「裸の王様」であり、自ら「官邸ひとりぼっち」の状況を作り出していました。菅前総理に寄せられる情報は偏在し、重要な政策判断に向けて支障をきたすほどだったかも知れません。

ワクチン接種に関しては独断的な強いリーダーシップを発揮し、結果的に目標を達成させた尽力には率直に敬意を表しています。ただ前回記事の中で触れたとおり菅前総理の「ワクチンは走りながら考えるしかない」という無茶ぶりに各自治体や職域接種の協力要請に応じた企業が振り回されたことも指摘しなければなりません。

「多面的な情報の大切さ」という主旨に沿って考えた時、安倍元総理と菅前総理の政治手法に私自身は懐疑的な立場でした。一方で「聞く力」をアピールしている岸田総理は前任者お二人と真逆なタイプと見受けられ、幅広い情報を踏まえながら穏健な政策判断が重ねられていくことを期待していました。

しかし、残念ながら安倍元総理らの意向などを忖度したような方針転換が目立つようになっています。オミクロン対策に関しても、国民の多くから共感を得られるような動きが見られていません。蔓延防止等重点措置の延長を決めていますが、少し前の記事「再び東京に蔓延防止等重点措置」に綴ったような問題意識は拭えそうにありません。

報道特集』内でのインタビューで、飲食に制限をかける対策の是非について問われた仙台医療センターの西村秀一ウイルスセンター長は「為政者としては一番楽なやり方ですよね」と否定的な見方を示し、「エアロゾルを一杯出す行為は大声とかそういう行為ですので、人数が多くても大声を出さなければいい」と説明を加えています。

長時間アルコールを飲むと酔っ払い、大声を出しがちとなりますので飲食時間等の制限が、まったく無意味とは言い切れませんが、納得感の薄い対策で国民生活や経済を疲弊させているような気がしてなりません。『13都県まん延防止措置延長で経済損失は合計2.7兆円規模に』という記事で失業は10.6万人増という試算も示しています。

ちなみに2022春闘への影響について「重点措置の延長や適用拡大で労使が交渉に慎重になれば、来年度の賃金も下押しされて景気への影響は長期化する」という分析も示されています。読売新聞の囲み記事でしたが、労働組合の役員の一人として取りわけ目に留まった箇所でした。

岸田首相のコロナ対策は本当に「科学的」なのか? ついに厚労省関係者も疑念を持ち始めた』という記事では「岸田政権に交代してから、尾身氏と首相官邸のすり合わせがほとんどなくなった」と伝えています。さらに厚労省関係者が次のように苦言を呈していることも伝えていました。

コロナ感染者の家族が7日目で隔離から解放される方針になりましたが、最悪の一手です。そもそも発症前の無症状の状態で他人に感染させてしまうのがコロナの特徴です。7日目以降に発症するケースは多い。厚労省の立場としては、患者が増えれば社会が回らなくなるのですから、まずはウィルスの封じ込めを目指すべきです。隔離が7日間ではダメです。

ただし、コロナを『普通の風邪』と定義する人がいて、今、世論もその意見になびきつつあるように思います。この意見を採用するのであれば、そもそも隔離は必要ありません。岸田政権は、水と油の意見を足して2で割っただけのものです。科学的根拠が見当たりません。

記事タイトルの主旨から話が広がっていますが、多面的な情報を提供する場としてご理解ください。最後に本当に意味あるの? “まん延防止”延長決定で空虚と化す「岸田4本柱」』という見出しの記事も多面的な情報の一つとして紹介し、岸田総理の「聞く力」が有効に働くことを願いながら苦言となる箇所をそのまま掲げます。

岸田首相は10日、菅前首相の事務所を訪ね、菅氏からワクチン3回目接種について助言されると、「そうですね」などと答えていたというが、菅政権に対して「現状認識が楽観的過ぎた」と指摘していたのではなかったのか。「そうですね」ではないだろう。

政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。「コロナ対策に失敗した人の事務所に首相がわざわざ出向き、アドバイスをもらっているのだから呆れてしまいます。要するにいまだに、コロナ対策についてどうするべきかを理解していない。分からないのでしょう」

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