再び、信頼できる政治の実現に向けて
新型コロナウイルスは一昨年12月に中国武漢市で初めて確認されたと見られています。そこから数えると3回目の12月を迎えている訳ですが、感染が世界的に拡大し、非日常を強いられているコロナ禍で迎える師走は2回目だと言えます。
前回の記事は「緩められないコロナ対策」でした。今週末に投稿する新規記事のタイトルも「コロナ禍で迎える2回目の師走」とし、コロナ禍での現況を取り上げていくつもりでした。書き始めると紹介したい時事の話題が政党や政治家の資質に絡む内容ばかり思い浮かび、早々に「再び、信頼できる政治の実現に向けて」に変えています。
「再び」としているのは8月から9月にかけて「信頼できる政治の実現に向けて」というタイトルの記事を 「Part2」 「Part3」まで投稿していたからです。個人的に「信頼できる政治の実現に向けて」という言葉が気に入っているため、今回も同じタイトルに「再び」を付けて書き進めています。
実は「信頼できる政治の実現に向けて」というタイトルの記事を「Part3」まで重ねていたことを忘れていました。「Part2」については覚えていましたが、3か月前に投稿した記事にも関わらず、 すっかり「Part3」のことは忘れていました。自分自身の記憶があてにならないことを改めて思い返す機会となっています。
ご高齢の政治家の皆さんにとって、ますます記憶力の維持はたいへんなことだろうと斟酌しています。『「お金の話は誰にもするなと」“裏金要求”否定の星野氏に泉田氏が反論』という報道が注目を集めています。衆院選前に「新潟のドン」こと星野伊佐夫新潟県議から自民党の泉田裕彦衆院議員が2~3千万円の裏金を要求されたという疑惑です。
当初、星野県議は会話そのものを「事実無根だ」と否定していましたが、音声データが公開されると「すべて思い出した」と記憶をよみがえらせています。星野県議は必要経費の要求で違法性はないと説明していますが、疑惑が徹底的に解明されない限り、政治に対する信頼は失墜していく大きな問題だと言えます。
音声データに残る泉田議員の「広島で(事件が)あったでしょ?」という言葉に対し、「そんなこと言ったらきりがないから、そういう世界なんだから」という会話が「作り話」ではなく、事実であれば本当に情けないことです。同じ自民党の政治家だった河井克行元法相は買収事件で実刑判決を受けています。
それにも関わらず、違法行為に対して「そんなものはね、いいですか、はっきり言うよ。言葉の問題だけであって、実際はそんなもの気にしている候補者なんて一人もいないからね」という言葉が返されることに根深く、政治的な土壌や体質的な問題が現存していることを疑わざるを得ません。
さて、最近の記事「衆院選挙が終えて思うこと」の中で「国民からの信頼を裏切るような失態が続けば政権の座から下ろされる、このような緊張感があってこそ、より望ましい政治の実現につながっていくものと考えています。そのためにも立憲民主党の奮起を期待しています」と記し、このような思いのもとに立憲民主党の代表選の動きを注目していました。
4名の立候補者が他の候補を敵対視するような言葉を避けていた論戦だったことに安堵しています。そのことが泉健太新代表のもと『立民新幹事長に西村氏、代表代行は逢坂氏…政調会長には小川氏を起用』という挙党体制につなげられているものと思っています。今後、下記の報道のとおり連合との関係が良好なものとなっていくことを期待しています。
立憲民主党の泉健太代表は3日、支援団体・連合の芳野友子会長と新体制発足後初の会談を行った。 来夏の参院選に向けて連携していく方針を確認したが、連合が否定的な見解を示している共産党との「野党共闘」のあり方については触れなかったという。
泉氏はこの日、東京都内の連合本部を西村智奈美幹事長と訪れ、芳野氏に新執行部体制などを報告。約20分の会談後、記者団の取材に応じた。泉氏は「臨時国会、参院選と共に戦っていきたいと伝えた」と説明。芳野氏が合流を求めている国民民主党については「(国民と)やりとりしていきたいと伝えた」とした一方、共産に関しては「(話題に)出なかった」と述べるにとどめた。【朝日新聞2021年12月3日】
労働組合の立場からは「組合員のため」、政権をめざす政党の立場からは「国民のため」、お互い「ウインウイン」の関係に高め合えなければ残念なことだと言えます。今回は儀礼的な挨拶が中心だったのだろうと思われますが、今後、共産党との関係も納得し合えるまで真摯に話し合う必要があるのではないでしょうか。
各政党が掲げる政策や選挙協力のあり方について、すべての人からの納得は難しくても、より100%に近い人たちから「なるほど」と思えるような説明責任が政党には求められています。信頼できる政治の実現に向け、欠かせない試みであり、そのような対応が不充分だった場合、国民からの支持は限られてしまうのだろうと思っています。
このような思いを泉新代表には受けとめていただき、政権交代を現実的な視野に入れられる政党に高めて行って欲しいものと願っています。今回の記事では国会議員の文書通信交通滞在費に絡む話なども紹介するつもりでしたが、機会を見ながら次回以降の記事の中で触れさせていただきます。
最後に、もう一つだけ『維新の会「党の正職員」募集に「パソナから採れよ」とツイッターユーザーが怒りのツッコミ』という話題を紹介します。日本維新の会を痛烈に批評する声が興味深かったため、このブログで紹介しようと考えていた記事内容であり、全文をそのまま掲げます。ちなみに「衆議院選挙 投票マッチング」の結果、私の意見に最も遠かったのが維新の会でした。
先の衆議院選挙で議席を伸ばした「日本維新の会」の公式アカウントが11月25日に投稿した「党の正職員」を募集するツイートが話題になっている。
《【求人募集開始のお知らせ】 日本維新の会では、党の正職員の募集を開始いたします。我が党の活動を職員の立場で支えていきたいとお考えの方からのご応募をお待ちしております。詳細に関しては、下記URLにてご確認ください。https://o-ishin.jp/recruit/ (募集締切)令和3年12月10日(金)まで》
文面的には、どこもおかしいところはないが、投稿直後からツッコミが殺到した。《正職員という「既得権益」になりたい人を募集されています》《正社員いらんやろ 普段と同じようにパソナから派遣職員募れよ》《パソナから採りゃいいじゃん。正社員は既得権なんでしょ?》《職員は、是非パソナからの派遣で工面してください。だって、正社員は既得権益で打破しないといけないんですもんね》
正社員という既得権? 同党所属の足立康史衆議院議員が、9月28日にツイッターユーザーとのやり取りで「正社員」を〝既得権〟と表現し、炎上していたからだ。《小泉-竹中路線の労働市場の流動化が上手くいかなかったのは、正社員という既得権に切り込めなかったから。改革が中途半端だったからです。労働市場改革をやり過ぎたのではなく、足りなかった。何が足りなかったかと言えば、正社員の既得権に切り込めなかった》
これに、ツイッターユーザーから《正社員の既得権って何ですか?》と質問され、足立議員は《雇用です》と回答。大論争を巻き起こしていた。《さて皆さん。「正社員(正規雇用)は既得権」だそうですよ。今、正規雇用されている人たちは、かつて既得権者としてバッシングされた人たちと同じ目にあうという事です》
《「正社員という既得権」とかヤバすぎでしょ。労働者からこれ以上何を奪おうっていうの?それより非正規雇用の不安定な立場を何とかしなさいよ。こんなのが国会議員とかマジ勘弁してほしい》《「正社員という既得権」すっげーパワーワード来たな こりゃ労働市場に革命が起きるでぇ 雇用新時代の到来やー》
「維新の会代表の松井一郎氏が市長を務める大阪市と、副代表の吉村洋文氏が知事をしている大阪府は正職員をリストラして、代わりにパソナからの派遣社員に切り替えています。今では北区、都島区 、福島区、此花区、中央区、西区、港区、大正区、天王寺区、浪速区、西淀川区の窓口業務はほとんど派遣社員に切り替わっており、委託業者としてパソナグループの名前が入っているほどです」(地元記者)
ちなみに、募集要項には給与などの待遇については一切の記述がない。採用されたら〝やりがい搾取〟されそうだ。
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コメント
とりあえず、反共と民社党復活、経団連との協調を社是とする連合芳野会長をどうにかしてからものを言え。
投稿: れなぞ | 2022年1月 6日 (木) 20時59分
れなぞさん、コメントありがとうございました。
私自身、れなぞさんと同様な問題意識や情勢認識を共有しているのであれば、きっとご納得のいく記事内容が続くのではないでしょうか。そのような前提が必ずしも一致していないと見られる中で「…してからものを言え」というご指摘は到底「なるほど」と思えるような言葉ではありません。
なお、参考までに下記のような見方があることも紹介させていただきます。
労働組合は利益団体(ほぼ再掲)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2022/01/post-78d128.html
投稿: OTSU | 2022年1月 8日 (土) 07時07分