« 2021年11月 | トップページ | 2022年1月 »

2021年12月25日 (土)

コロナ禍が続く2021年末

2021年も残りわずかです。新型コロナウイルス感染症によって制約された日常、いわゆるコロナ禍が続いています。今のところ海外に比べれば日本国内の新規感染者の数は低い水準で推移しています。しかしながらオミクロン株の市中感染が確認されるなど懸念される動きもあり、まだまだ必要な感染対策を緩めることはできません。

昨年末、最後に投稿した記事タイトルは「コロナ禍の2020年末」でした。1年後には以前と同じように忘年会を開ける日常が戻っていることを期待していましたが、残念ながら人数制限の必要性などが今も求められています。そのため万が一の感染リスクを考え、職場単位の忘年会は今年も見合わせている現状です。

私自身、自宅での晩酌等を習慣化していませんが、外で飲む機会があった際は平均以上に酔うほうの部類だと言えます。また、そのような席は懇親を深め、率直に語り合うことで普段知らなった一面を垣間見ることができ、お互いの距離感を縮められる貴重な機会につながっているものと見ています。

ただ日本生命のアンケート調査で「職場での“飲みニケーション”が必要か不要か」を各年代の男女計7,774名に尋ねると「不要・どちらかといえば不要」が61.9%で、「必要・どちらかといえば必要」の38.2%を大きく上回っています。2017年の調査開始以来、初めて「不要・どちらかと言えば不要」が上回ったそうです。

さらに全年代で、ほぼこの割合であり、決して「若い人たちだけがそう言っている」という訳ではないようです。このような調査結果に対し、東洋経済は職場の飲み会「不要6割」をあおる風潮に疑問な訳 納得させられる一方で分断に乗っかっていないか』という記事を掲げています。

その記事で飲み会は「職場でのコミュニケーション」ツールの一つにすぎないものであり、仕事のパフォーマンスを上げていくために「職場でのコミュニケーション」 自体を拒むようであれば「単なるわがまま」だと評しています。このブログでも過去に「協力関係を築く評判情報」という記事でインフォーマルネットワークの大切さを伝えていました。

何か仕事で悩んでいると「それだったら、あの人に聞けばいいよ」という情報が入りやすく、メンタル面などの病気で押しつぶされる前に相談を行ないやすい利点もあげられます。 しかし、残念ながら効率性を重視する会社側のマネジメントにより、社員旅行や社内運動会などインフォーマルな活動の場は狭まってきたのが現状です。

上記は10年以上前に投稿した記事の中の一文です。社員旅行や社内運動会どころか、今、忘年会や歓送迎会も否定されていくような動きまで芽生え始めています。さらに日常的な職場の風景さえ、テレワークの普及によって、人と人が直接触れ合う機会が減りつつある流れとなっています。

コロナ禍によって人と接する機会が減っていくことで、「コロナうつ」と呼ばれる方々が激増しています。前回の記事「『うつヌケ』を読み終えて」の中では「誰もが苦しい、そんな状況の中ですが、うつ経験者のエピソードをまとめたこの本が一人でも多くの方にとって救いになることを願っています」という『うつヌケ』編集者の言葉を紹介しています。

前回記事の最後のほうでは、うつ病と自殺との密接な関係性に触れていました。そして、つらければ遠ざかる、『うつヌケ』の著者の田中圭一さんの言葉が本当に多くの方々に届くことを願ってやみません、このような私自身の思いを添えていました。この記事を投稿した翌日、下記のような訃報に接しています。

歌手で俳優の神田沙也加さんが18日、滞在していた札幌市内のホテルで倒れているのが見つかり、搬送先の病院で亡くなりました。35歳でした。関係者によりますと部屋の窓から転落したということで、警察は自殺の可能性もあるとみて調べています。【NHK NEWS WEB 2021年12月19日

神田さんはアニメ映画『アナと雪の女王』の日本語吹き替え版で主人公「アナ」の声を演じ、高い歌唱力も話題となっていました。2世タレントとしての枠組みから抜け出し、将来を嘱望されていたのにも関わらず突然の訃報に驚き、たいへん残念なことだと思っていました。事故の可能性も報じられる中、各メディアは必ず次のような案内も同時に行なっていました。

「日本いのちの電話」相談窓口◆ 厚生労働省は悩みを抱えている人に対して相談窓口の利用を呼びかけています。 ▽ナビダイヤル 0570-783-556 午前10時~午後10時 ▽フリーダイヤル 0120-783-556 毎日:午後4時~午後9時、毎月10日:午前8時~翌日午前8時

著名人の自殺後に「後追い自殺」が多くなるため、このような報道におけるガイドラインがあるようです。前回記事を投稿した前日には大阪市北区の心療内科クリニックで放火事件が起こっていました。25人もの方が犠牲になった痛ましい出来事でしたが、情報が不足している段階でしたので前回記事の中では触れていませんでした。

クリニックではうつ病などで休職した患者らの職場復帰を支援する「リワークプログラム」を定期的に実施していました。犯行は多くの患者が訪れていたその日を狙い撃ちにしたようです。犠牲になった西沢弘太郎院長は親身な相談で多くの患者の皆さんの心の支えとなっていました。

22歳の女性患者は、人と何かが違うと悩んでいた時に先生から「病気の特性だから気にしなくてよい。これから治していこう」と言われて救われた思いだったと語っています。現場を訪れた40歳代の会社員男性は「人生がこれからだって思えるのは先生のおかげ。命の恩人で感謝しかない」と話し、言葉を詰まらせています。

「職場への復帰をめざし、クリニックに集まって頑張っていた人たちが、なぜ、亡くならなければならないのか、あまりに理不尽な事件だと感じます」という声がニュースの中で伝えられています。まったくその通りであり、「なぜ、死を急ぐのか」「なぜ、無関係の人たちを巻き添えにするのか」同じような事件に接するたびに未然に防ぐことができなかったのかどうか忸怩たる思いを強めています。

残念ながら2021年末、最後に投稿する記事の内容は暗い話題ばかりで締めることになります。他にも北京冬季五輪などの時事の話題に触れるつもりでしたが、ここまでで相応な長さとなっています。中途半端に触れることは控え、機会があれば年明けの記事で取り上げてみようと考えています。

最後に、この一年間、多くの皆さんに当ブログを訪れていただきました。本当にありがとうございました。どうぞ来年もよろしくお願いします。なお、次回の更新は例年通り元旦を予定しています。ぜひ、お時間等が許されるようであれば、早々にご覧いただければ誠に幸いです。それでは皆さん、良いお年をお迎えください。

| | コメント (0)

2021年12月18日 (土)

『うつヌケ』を読み終えて

前回記事「コロナ禍の年末、雑談放談」に記したとおり忘年会等は一切予定されていませんが、なかなか多忙な日が続いていました。組合関係や個人的な予定が入っていない日は子育て世帯への臨時特別給付金の事務を応援するつもりだったため、早く帰宅できる日が皆無に近い12月上旬のスケジュールでした。

課を越えた時間外勤務での応援でしたが、当初想定したより順調に進めることができたようです。そのため、幸いにも私自身が協力できる日を迎える前に他課からの応援は不要となっていました。このようにコロナ禍が続く中、各自治体に緊急な対応が求められた際、全庁的な緊急対応で支え合っていくことを組合は受け入れています。

ただ国に対しては苦言を呈したいことが多々あります。かつてない緊急事態かも知れませんが、もう少し全体を的確に俯瞰できていれば避けられそうな迷走や混乱が目につきがちです。今回の10万円給付の問題も顕著な事例であり、自治体が必要以上に負担を強いられることのないよう万全を尽くして欲しいものです。

さて、先月末の記事「新疆ウイグルの問題から思うこと」のコメント欄で、ぱわさんから貴重なご意見や情報が数多く寄せられていました。私自身の考えや組合の対応についてはコメント欄を通してお答えしています。その中で、うつ病のことが取り上げられ、田中圭一さんの『うつヌケ』の紹介もありました。

一読を薦められ、さっそく第1話はリンク先のサイトで試し読みしていました。全話読み終えることができた際、このブログの記事本文で、うつ病について取り上げることをお伝えしていました。通勤帰りに立ち寄る書店には見当たらず、何軒か書店を回って『うつヌケ』を手にしていました。

すぐ読み終えていましたが、先週末は別な題材での投稿だったため、ようやく今回『うつヌケ』を読み終えた感想をもとに新規記事を書き進めています。リンク先のサイトには「パロディマンガの巨星がマジに描いた、明日は我が身のうつ病脱出コミック!」と紹介されています。

新型コロナウイルス(covid-19)の広がりによって今、大きな社会的変化が訪れています。外出自粛(「STAY HOME」の呼びかけ)やテレワークによる在宅時間の増加、人と接すること自体が減っていくなど、これらの変化が私たちに心理的ストレスを与えていることは間違いありません。

報道によれば、日本に限らず、世界各国で「コロナうつ」と呼ばれる方々が激増していて、いつまで続くかわからない自粛にも疲れてしまっていると専門家は語ります。誰もが苦しい、そんな状況の中ですが、うつ経験者のエピソードをまとめたこの本が一人でも多くの方にとって救いになることを願っています(2020年8月18日編集者)。

著者自身のうつ病脱出体験をベースにうつ病からの脱出に成功した人たちをレポート。うつ病について実体験から知識を学べ、かつ悩みを分かち合い勇気付けられる、画期的なドキュメンタリーコミック!

上記はリンク先の書籍の紹介文です。いつも著作権やネタバレに注意し、書籍を宣伝しているサイトに掲げられた文章をそのまま紹介するように努めています。うつ病についての説明も厚生労働省の「みんなのメンタルヘルス」というサイトに掲げられている内容の一部を紹介させていただきます。

うつ病は、気分障害の一つです。一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスなどを背景に、脳がうまく働かなくなっている状態です。また、うつ病になると、ものの見方や考え方が否定的になります。

気分障害には、うつ病の他に、うつ病との鑑別が必要な双極性障害(躁うつ病)などがあります。うつ病ではうつ状態だけがみられますが、双極性障害はうつ状態と躁状態(軽躁状態)を繰り返す病気です。うつ病と双極性障害とでは治療法が大きく異なりますので専門家による判断が必要です。

発症の原因は正確にはよくわかっていませんが、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じているものと考えられています。うつ病の背景には、精神的ストレスや身体的ストレスなどが指摘されることが多いですが、辛い体験や悲しい出来事のみならず、結婚や進学、就職、引越しなどといった嬉しい出来事の後にも発症することがあります。なお、体の病気や内科治療薬が原因となってうつ状態が生じることもあるので注意が必要です。

うつ病は、しっかりと休養をとることが大切です。うつ病の治療を考える前に、まず、心身の休養がしっかりとれるように環境を整えることが大事です。職場や学校から離れ自宅で過ごす、場合によっては、入院環境へ身を委ねることにより、大きく症状が軽減することもあります。精神的ストレスや身体的ストレスから離れた環境で過ごすことは、その後の再発予防にも重要です。

うつ病の治療には、医薬品による治療(薬物療法)と、専門家との対話を通して進める治療(精神療法)があります。また、散歩などの軽い有酸素運動(運動療法)がうつ症状を軽減させることが知られています。主に使われる治療薬は抗うつ薬です。抗うつ薬は、継続して服用する必要があり、服用を開始してもすぐに効果が現れません。

主治医の指示に従い、自分の判断で薬の量を増やしたり減らしたり中断したりせず、焦らずに服薬を継続してください。副作用を最小限にするためにも、主治医との良いコミュニケーションが大事です。また、うつ病では様々な身体の症状も現れますので、その症状に応じた治療薬を併用することもあります。

精神療法には、支持的精神療法と呼ばれる基本的な治療法に加えて、認知行動療法や対人関係療法などのより専門的な治療法があります。その他のうつ病の専門的治療法として、高照度光療法、修正型電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激法などが用いられる場合もあります。

治療を進めるうえで不安や悩みを持ったら、主治医に相談しましょう。何でも相談できる関係を主治医ともつことはうつ病治療の第一歩です。場合によっては、主治医以外の専門家の意見を聞くことも考えます。これをセカンドオピニオンといいます。複数の専門家の意見を聞くことが納得のいく医療を受ける手だてになることもあります。

少し長くなっていますが、厚生労働省のサイトに掲げられた内容を紹介することで、うつ病に対する基本的な知識についてお伝えする機会としています。ここからは『うつヌケ』の中で著者の田中さんらが体験した事例を紹介することで、うつ病に対してどのように向き合っていけば良いのか記していきます。

全体を通して興味深く、貴重な体験談ばかりでしたが、特に目に留まった箇所を中心に取り上げさせていただきます。ぱわさんもコメント欄で指摘されていましたが、うつ病を「心の風邪」と称することで誤解されがちな点があります。風邪のように誰でもかかる可能性があり、そのように称されています。

しかし、深刻さは「心のガン」と呼ぶべきレベルの病気だと認識する必要があります。すぐに治るような病気ではなく、うつ病に苦しむ方々の悩みの深さは風邪と比べられるようなものではありません。ただ過度に恐れ、悲観や絶望することも避けなければなりません。

病状を悪化させる要因となるため、決して軽視しないという意識のもとに適切な距離感で病気と向き合うことが肝要です。自己嫌悪はうつ病への引き金となり、青い空がグレイにしか見えなくなる日々、まるで電気イスに縛りつけられたような恐怖を感じる日々が続いたことを田中さんは伝えています。

そのような暗黒のトンネルから脱出できたのは、たまたま立ち寄ったコンビニで1冊の本を見つけたことが切っかけとなっていました。宮島賢也さんの『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』という書籍でした。うつ病は「これ以上ムリをしてはいけない」という体が発する「非常ベル」という言葉に田中さんは目を留めました。

ありのままの自分を受け入れ、「ねばならない」という考えは捨て、ネガティブな言葉はやめて自分をほめる、顕在意識と潜在意識の境界があいまいになっている朝起きぬけに「自分をほめる言葉」を唱える、このようなことを3週間ほど続け、自分を好きになることで気持ちが明るくなってきたと田中さんは語っています。

しかし、うつを抜けた後、ある日いきなりぶり返しがあり、あのトンネルに再び戻るかも知れないと田中さんは心底恐怖しました。謎の現象「突然リターン」は「うつ病は急に良くなる訳ではなく、一進一退を繰り返しながら徐々に良くなる」という説明に行き着きます。さらに田中さんの場合、激しい気温差によって「うつが来る」ことを知りました。

からくりが分かったことで田中さんを覆っていた霧が一気に晴れ、好ましい存在ではないけれども付き合い方が分かれば決して怖くないと考えるようになり、「突然リターン」の数は目に見えて減っていきました。そして、うつはそのうち完全に治る、田中さんはそのように実感できるようになっていました。

上記は著者の田中さんの事例です。うつ病になった原因、「突然リターン」に至る理由、暗いトンネルから抜け出せた方法も個々人で違いがあります。著者本人以外の事例として、17名の方々に取材し、それぞれの体験談をまとめた書籍が『うつヌケ』です。自分を嫌いになる、私さえこの場からいなくなれば、本心を閉じこめてしまうなど原因は様々です。

脱出方法も様々ですが、本質的な点は同じであると記されています。仕事のプレッシャーが原因であれば遠ざかり、仕事に達成感を得られるのであれば近付く、肯定されたい、必要とされたい、このような気持ちに抗わないことの大切さを田中さんは説いています。

田中さんは転職を勧められた時、いわゆるリストラされた時、明日から「自分に向いた仕事」を探せる、「今、ボクは背中を押された」と前向きに考えることができました。その日の帰り道、夕景がキレイだったことを覚えているそうです。ほどなくしてマンガ家のキャリアとスキルを活かせる会社で働くことになっていました。

つらい仕事、きつい人間関係、本当にヤバイと思ったら仕事を辞めていいんだ、すべての苦痛から逃げて気持ちを正常に戻せば、またいい仕事はできる、自分を否定するものからは遠ざかることを田中さんは繰り返し訴えています。

そして、自分自身が1冊の本に救われたように『うつヌケ』が、先の見えない暗いうつトンネルで苦しんでいる多くの人たちにとって救いの1冊になることを願いながら執筆されています。

『うつヌケ』の内容から少し離れますが、もう少し続けさせていただきます。うつ病の診断基準の一つに「死について繰り返し考える」というものがあります。この診断項目で分かるようにうつ病と自殺は密接な関係があるため、ある意味、自殺はうつ病の症状であると言っても言い過ぎではないようです。

健康問題を原因・動機とする自殺者数の内訳として、うつ病が最も多くなっています。また、生活苦、仕事や学校での悩みという他の原因だったとしても、うつ病の疑いがあった可能性も高いのではないでしょうか。このような実情に対し、つらければ遠ざかる、田中さんの言葉が本当に多くの方々に届くことを願ってやみません。

たいへん痛ましい事例の一つとして、財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さんが自死に至った経緯を忘れてはなりません。さらに妻の雅子さんが真相究明を目的にした裁判を突然認諾し、幕引きをはかる国の判断に強い憤りを覚えます。

最後に赤木雅子さんと辻元清美氏 怒りの緊急対談「(岸田首相は)誠実そうに見えたけど裏切られた」』『橋下徹氏 森友決済文書改ざん、突然の裁判終結に「国が真実を隠したいんでしょう。ひどい政府」』という記事も参考までに紹介させていただきます。

| | コメント (6)

2021年12月11日 (土)

コロナ禍の年末、雑談放談

2年前の年末であれば忘年会をはじめ、会食する機会が立て続く季節でした。昨年末に続き、今年も外で飲むことを見合わせています。東京都は「基本的対策徹底期間における対応」を示し、12月1日から1月16日まで同一グループの同一テーブルへの入店案内を8人以内とするよう協力を依頼しています。

9人以上とする場合はTOKYOワクション又は他の接種証明書等を活用することを推奨しています。証明書を持参していなくても大半の方々がワクチン接種しているため、特に協力依頼の目安を守れば、そろそろ外で飲むことを解禁しても構わないのではないかと迷い始めています。しかしながら万が一の感染リスクを考え、今のところ誘われてもお断りするようにしています。

このように考えている最中、たいへん憤るべき報道を目にしました。『維新・松井代表 衆院選の反省会で30人の宴会 「市民から見て”違う”とお叱りがあるかも」』『松井市長 30人宴会に「問題ある?」と開き直り…“自分に甘い”姿勢に批判続出』『維新・松井一郎が掟破りの「30人宴会」も逆ギレ・開き直りの噴飯会見! コロナ失策ごまかすため大阪市職員は大量処分したくせに』という見出しの報道です。

大阪府が府民に対して“会食は2時間以内”と要請していたなか、12月初めに30名ほどの宴会を行っていたことが発覚した大阪市の松井一郎市長(57)。会見での”言い訳連発”に批判が殺到している。

「FRIDAY DITITAL」によると、10月末の衆議院議員選挙の大阪14区の「祝勝会」として大阪・心斎橋で宴会が行われ、日本維新の会の代表を務める松井市長や、同会所属の衆議院議員ら30名ほどが参加。宴会は、およそ3時間続いたという。

「報道によると、アクリル板が設置され、換気のために窓も開けられていたとのことで、店の感染対策はされていたようです。しかし、参加者が次々に松井さんのテーブルに挨拶に行っていたようですから、万全とは言い難い。市民に感染対策をお願いする立場の市長としては、意識が低すぎるのではないでしょうか」(全国紙記者)

このことが報じられる前日の9日の定例会見で、松井市長は宴会の事実を自ら打ち明け、「打ち上げじゃなくて“反省会”」と釈明した。“会食は2時間以内で”という大阪府の府民への要請については、松井市長は「2時間をめどにやろ」「2時間程度っていうのが、2時間半、3時間ぐらい、そこにいたことは事実なんでね」と言い訳に終始。

さらに、“30人という規模での宴会は不適切なのでは?”という記者から指摘されると、「だって人数の上限、アッパーはないよ」「なんか問題あります?」と、悪びれる様子はなかった。

松井市長は「1テーブル4人」「マスク会食」での“反省会”だったとしており、「要請の範囲の中でやっていると自分では思ってます」と、要請に反してはいないと強調。2時間以上の滞在を認めていながらも、問題はないとの認識を示した。しかし、前出の記者は松井氏のこの姿勢について、疑問を呈す。

「大阪府と大阪市では、少人数会食などの要請に反して会食していたとして、7月に1474人の職員を処分しています。その際、松井市長は『市民を裏切る行為で申し訳ない』『言語道断』と厳しい口調で断罪していました。それだけに、今回の宴会報道は“自分に甘い”と非難されても仕方ないと思います」

職員に対しては重い処分を下していたにもかかわらず、「反省すべきとこかなぁと思ってますけどね」と述べるのみだった松井市長。SNS上では批判が続出している。

《会食ルール違反で職員を戒告処分したのに、ご自分はどうするのでしょうか?》《市の職員も反省で済ませてやればよかったのにね》《大阪府が決めた会食ルールを、大阪市長である松井一郎氏自身が守らず、約30人で2時間半超す会食をしていた。松井市長は「反省」というが、ならば職員もまた「反省」と言えば処分されなくて済むのだろうか? どうなんですか?》【女性自身2021年12月11日

上記の記事のとおり職員には厳しく、自分自身の明らかなルール違反に対しては甘く、記者会見では「なんか問題あります?」などと居直っている態度に心底驚いています。前回記事「再び、信頼できる政治の実現に向けて」の最後のほうで国会議員の文書通信交通滞在費に絡む話なども紹介するつもりだったことを記していました。

略して文通費、国会議員になって1日だけで1か月分100万円支給されることが問題視されています。ただ必要以上に政争の具にされているような気がしています。特に日本維新の会の取り上げ方には次の記事『丸山穂高さん「それを言うたら自分もシロアリ吉村ってことに…」『シロアリ』発言の吉村知事にかみつく』のような違和感を強めていました。

自らの至らなさは棚に上げ、他者を厳しく批判する、今回の松井市長の振る舞いに見られるような体質的な問題が非常に目立ちがちです。『冨田宏治氏が喝破「大阪で維新を支持しているのは貧困層を憎悪する中堅サラリーマン層」』という記事では「身を切る改革」と称して行政を縮小する政策の方向性に対しても警鐘を鳴らしています。

松井市長の一件は強く問題提起したい事例でしたので、日本維新の会に関わる記述だけで相当な長さとなっています。今回の記事はタイトルに「雑談放談」を付けたとおり最近の出来事の紹介を中心に思うことを気ままに書き進めるつもりでした。いつものことですが長文ブログとなることをご容赦いただきながら先に進めます。

冒頭に記したとおり忘年会等は一切予定されていませんが、なかなか多忙な日が続いていました。火曜の夜は連合地区協議会の定期総会でした。長年、議長代行を務めてきましたが、副議長に替わりました。任期が2年間であり、1年後には退任する可能性があることを考慮させていただき、複数名で担っている副議長への交替でした。

したがって、議長代行として総会での閉会の挨拶は最後となります。議長と事務局長らが退任され、自分自身は継続する訳ですが、地区協の取り組みとして「拉致問題を考える」学習会を催し、2年前には「福島第一原発の現状」を視察したことなど思い出話を紹介していました。行動力のある柔軟な組織であることを伝えた上、この1年の特色ある取り組みに触れています。

8月に復興支援オンラインイベントとして南相馬市の皆さんと交流しました。観光スポットや名産品を紹介いただきながらパソコン画面を通し、懇親を深める機会でした。コロナ禍から以前のような日常に戻り、親睦を深めるために対面で語り合う場が増えることを願っています。

その一方で、オンラインであれば何百キロも離れた方々と同時進行で語り合えることの貴重さを今回のイベントを通して体感できています。このような利点はコロナ禍の後も駆使していく試みだろうと思っていることを閉会の挨拶を通して触れさせていただきました。

12月8日の水曜は太平洋戦争の開戦から80年目を迎えていました。その日、三多摩平和運動センターは「不戦を誓う三多摩集会」を開いています。東京新聞論説兼編集委員だった半田滋さんが「敵基地攻撃と日米一体化~踏み越える専守防衛~」という演題で講演されたようです。伝聞調となる訳は定例の執行委員会を前後にずらせず、残念ながら私自身は参加できていません。

協力委員の皆さんらに声をおかけし、参加された方から資料だけは受け取っていました。翌日木曜、反核座り込み行動には参加しています。マイクを持つ出番が見込まれたため、原稿をまとめて出向いていました。不特定多数の方々に発信したい私自身の率直な思いですので、最後に、駅頭で訴えた原稿の内容をそのまま掲げさせていただきます。

           ◇            ◇

1945年8月6日、広島に。8月9日、長崎に原子爆弾が落とされました。一瞬のうちに数万人の命を奪い、その後も数多くの方々が被爆によって苦しみ続けられてきました。このような悲惨な歴史を風化させないため、三多摩平和運動センターは毎月6日もしくは9日、三多摩のいずれかの地で、このような座り込み行動に取り組んでいます。

折しも昨日12月8日は太平洋戦争が始まってから80年という節目を刻んでいました。先週土曜と日曜、二夜にわたったNHKスペシャルでは太平洋戦争が開戦した当時の日本の姿を特集しています。戦時中に個人が綴った日記や手記をAIで解析した「エゴドキュメント」として、激動の時代を生きた日本人の視点から当時の戦争の姿を伝えていました。

開戦の前年、社会には戦争とは程遠い空気が漂っていました。都市部ではアメリカブームに沸き、ハリウッド映画やジャズが流行していました。国の指導者たちも、国力で圧倒的に勝るアメリカとの戦争を避けようとしていました。しかし、長引く日中戦争、アメリカなどからの経済制裁によって日本は非常に疲弊していました。

そのため、閉塞感に風穴を開けたように受けとめられた真珠湾攻撃の一報は、国民が喝采し、熱狂していたようです。その時、数年後に国が焦土と化し、広島と長崎には原爆が投下され、日本人だけで310万もの命が奪われることを予見した国民は皆無に近かったのではないでしょうか。

なぜ、悲惨な戦争を止められなかったのか、私たちは歴史から学ばなければなりません。80年経った現在、過去の過ちを教訓化できているとは思えない事例も見受けられます。いかなる国においても非人道的な振る舞いは許されません。中国の新疆ウイグルでの人権抑圧など国際社会が一致して是正を求めていかなければならない事例もあります。

しかし、北京オリンピックに際して殊更「外交的ボイコット」と声高に叫ぶことが望ましいことなのかどうか考えなければなりません。そのことによって香港をはじめ、中国国内での民主化が進むのであれば日本も率先して追随すべきだろうと思います。

また、「台湾の有事は日本の有事」「敵基地攻撃能力を備えるべき」などという勇ましい言葉も平和を保つために本当に必要な言葉なのかどうか懐疑的に見ています。

80年前、追い詰められた日本は戦争への道を選びました。中国大陸に対する利権を手放すことは10万人以上の兵士たちの犠牲を無にすることになり、自存自衛のため、やむを得ない決断だったと言われています。その決断が悲惨な結末に向かっていました。

さらにそのような決断に向け、国民からの後押しがあったことも留意しなければなりません。情報が統制され、表現や言論の自由も充分に保障されていなかった時代背景があったとは言え、NHKの特集からは国民一人一人自らの意思として開戦の報告を喜んだことも事実だったようです。

攻められない限り、武力行使しないという平和憲法の意義は敵対国に安心を与えるという広義の国防の一つだと見られています。そもそも脅威とは「能力」と「意思」の掛け算で決まるものだと言われています。

過去の悲惨な歴史を継承し、広島、長崎の惨禍を痛切に教訓化していくのであれば、今、日本に求められていることは核兵器禁止条約を実効あるものとしていく努力であり、対話による外交力を高めていくことではないでしょうか。

ぜひ、このような点について、忙しい日常の中でも少しだけ考えていただければ幸いです。よろしくお願いします。

| | コメント (0)

2021年12月 4日 (土)

再び、信頼できる政治の実現に向けて

新型コロナウイルスは一昨年12月に中国武漢市で初めて確認されたと見られています。そこから数えると3回目の12月を迎えている訳ですが、感染が世界的に拡大し、非日常を強いられているコロナ禍で迎える師走は2回目だと言えます。

前回の記事は「緩められないコロナ対策」でした。今週末に投稿する新規記事のタイトルも「コロナ禍で迎える2回目の師走」とし、コロナ禍での現況を取り上げていくつもりでした。書き始めると紹介したい時事の話題が政党や政治家の資質に絡む内容ばかり思い浮かび、早々に「再び、信頼できる政治の実現に向けて」に変えています。

「再び」としているのは8月から9月にかけて信頼できる政治の実現に向けて」というタイトルの記事を Part2 Part3」まで投稿していたからです。個人的に「信頼できる政治の実現に向けて」という言葉が気に入っているため、今回も同じタイトルに「再び」を付けて書き進めています。

実は「信頼できる政治の実現に向けて」というタイトルの記事を「Part3」まで重ねていたことを忘れていました。「Part2」については覚えていましたが、3か月前に投稿した記事にも関わらず、 すっかり「Part3」のことは忘れていました。自分自身の記憶があてにならないことを改めて思い返す機会となっています。

ご高齢の政治家の皆さんにとって、ますます記憶力の維持はたいへんなことだろうと斟酌しています。『「お金の話は誰にもするなと」“裏金要求”否定の星野氏に泉田氏が反論』という報道が注目を集めています。衆院選前に「新潟のドン」こと星野伊佐夫新潟県議から自民党の泉田裕彦衆院議員が2~3千万円の裏金を要求されたという疑惑です。

当初、星野県議は会話そのものを「事実無根だ」と否定していましたが、音声データが公開されると「すべて思い出した」と記憶をよみがえらせています。星野県議は必要経費の要求で違法性はないと説明していますが、疑惑が徹底的に解明されない限り、政治に対する信頼は失墜していく大きな問題だと言えます。

音声データに残る泉田議員の「広島で(事件が)あったでしょ?」という言葉に対し、「そんなこと言ったらきりがないから、そういう世界なんだから」という会話が「作り話」ではなく、事実であれば本当に情けないことです。同じ自民党の政治家だった河井克行元法相は買収事件で実刑判決を受けています。

それにも関わらず、違法行為に対して「そんなものはね、いいですか、はっきり言うよ。言葉の問題だけであって、実際はそんなもの気にしている候補者なんて一人もいないからね」という言葉が返されることに根深く、政治的な土壌や体質的な問題が現存していることを疑わざるを得ません。

さて、最近の記事「衆院選挙が終えて思うこと」の中で「国民からの信頼を裏切るような失態が続けば政権の座から下ろされる、このような緊張感があってこそ、より望ましい政治の実現につながっていくものと考えています。そのためにも立憲民主党の奮起を期待しています」と記し、このような思いのもとに立憲民主党の代表選の動きを注目していました。

4名の立候補者が他の候補を敵対視するような言葉を避けていた論戦だったことに安堵しています。そのことが泉健太新代表のもと立民新幹事長に西村氏、代表代行は逢坂氏…政調会長には小川氏を起用』という挙党体制につなげられているものと思っています。今後、下記の報道のとおり連合との関係が良好なものとなっていくことを期待しています。

立憲民主党の泉健太代表は3日、支援団体・連合の芳野友子会長と新体制発足後初の会談を行った。 来夏の参院選に向けて連携していく方針を確認したが、連合が否定的な見解を示している共産党との「野党共闘」のあり方については触れなかったという。

泉氏はこの日、東京都内の連合本部を西村智奈美幹事長と訪れ、芳野氏に新執行部体制などを報告。約20分の会談後、記者団の取材に応じた。泉氏は「臨時国会、参院選と共に戦っていきたいと伝えた」と説明。芳野氏が合流を求めている国民民主党については「(国民と)やりとりしていきたいと伝えた」とした一方、共産に関しては「(話題に)出なかった」と述べるにとどめた。【朝日新聞2021年12月3日

労働組合の立場からは「組合員のため」、政権をめざす政党の立場からは「国民のため」、お互い「ウインウイン」の関係に高め合えなければ残念なことだと言えます。今回は儀礼的な挨拶が中心だったのだろうと思われますが、今後、共産党との関係も納得し合えるまで真摯に話し合う必要があるのではないでしょうか。

各政党が掲げる政策や選挙協力のあり方について、すべての人からの納得は難しくても、より100%に近い人たちから「なるほど」と思えるような説明責任が政党には求められています。信頼できる政治の実現に向け、欠かせない試みであり、そのような対応が不充分だった場合、国民からの支持は限られてしまうのだろうと思っています。

このような思いを泉新代表には受けとめていただき、政権交代を現実的な視野に入れられる政党に高めて行って欲しいものと願っています。今回の記事では国会議員の文書通信交通滞在費に絡む話なども紹介するつもりでしたが、機会を見ながら次回以降の記事の中で触れさせていただきます。

最後に、もう一つだけ『維新の会「党の正職員」募集に「パソナから採れよ」とツイッターユーザーが怒りのツッコミ』という話題を紹介します。日本維新の会を痛烈に批評する声が興味深かったため、このブログで紹介しようと考えていた記事内容であり、全文をそのまま掲げます。ちなみに衆議院選挙 投票マッチング」の結果、私の意見に最も遠かったのが維新の会でした。

先の衆議院選挙で議席を伸ばした「日本維新の会」の公式アカウントが11月25日に投稿した「党の正職員」を募集するツイートが話題になっている。

《【求人募集開始のお知らせ】 日本維新の会では、党の正職員の募集を開始いたします。我が党の活動を職員の立場で支えていきたいとお考えの方からのご応募をお待ちしております。詳細に関しては、下記URLにてご確認ください。https://o-ishin.jp/recruit/ (募集締切)令和3年12月10日(金)まで》

文面的には、どこもおかしいところはないが、投稿直後からツッコミが殺到した。《正職員という「既得権益」になりたい人を募集されています》《正社員いらんやろ 普段と同じようにパソナから派遣職員募れよ》《パソナから採りゃいいじゃん。正社員は既得権なんでしょ?》《職員は、是非パソナからの派遣で工面してください。だって、正社員は既得権益で打破しないといけないんですもんね》

正社員という既得権? 同党所属の足立康史衆議院議員が、9月28日にツイッターユーザーとのやり取りで「正社員」を〝既得権〟と表現し、炎上していたからだ。《小泉-竹中路線の労働市場の流動化が上手くいかなかったのは、正社員という既得権に切り込めなかったから。改革が中途半端だったからです。労働市場改革をやり過ぎたのではなく、足りなかった。何が足りなかったかと言えば、正社員の既得権に切り込めなかった》

これに、ツイッターユーザーから《正社員の既得権って何ですか?》と質問され、足立議員は《雇用です》と回答。大論争を巻き起こしていた。《さて皆さん。「正社員(正規雇用)は既得権」だそうですよ。今、正規雇用されている人たちは、かつて既得権者としてバッシングされた人たちと同じ目にあうという事です》

《「正社員という既得権」とかヤバすぎでしょ。労働者からこれ以上何を奪おうっていうの?それより非正規雇用の不安定な立場を何とかしなさいよ。こんなのが国会議員とかマジ勘弁してほしい》《「正社員という既得権」すっげーパワーワード来たな こりゃ労働市場に革命が起きるでぇ 雇用新時代の到来やー》

「維新の会代表の松井一郎氏が市長を務める大阪市と、副代表の吉村洋文氏が知事をしている大阪府は正職員をリストラして、代わりにパソナからの派遣社員に切り替えています。今では北区、都島区 、福島区、此花区、中央区、西区、港区、大正区、天王寺区、浪速区、西淀川区の窓口業務はほとんど派遣社員に切り替わっており、委託業者としてパソナグループの名前が入っているほどです」(地元記者)

ちなみに、募集要項には給与などの待遇については一切の記述がない。採用されたら〝やりがい搾取〟されそうだ。

| | コメント (2)

« 2021年11月 | トップページ | 2022年1月 »