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2021年11月28日 (日)

緩められないコロナ対策

新型コロナの新規感染確認者の数は激減しています。東京都内の先週水曜の感染確認は5人で今年最も少ない数となっていました。8月には5千人を超える日が続いていましたので最近の推移から見れば収束に向かっていることを期待したい傾向です。しかし、まだまだ安心できない現況であることを下記のような報道から認識しなければなりません。

新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言を9月30日までで解除してから、間もなく2カ月となる。南アフリカなどではインド由来のデルタ株を上回る感染力を持つとの見方がある変異株「オミクロン株」が確認された。韓国では新規感染者数と重症者数が過去最多を更新、医療体制は逼迫し、欧州でも感染が再拡大している。政府や専門家は「第6波」の到来に警戒を強めている。

ワクチン接種が進めば新規感染者が増加しても、重症者数を抑えられ、社会経済活動を続けることができる-。ワクチン効果として指摘されるそんな見方は韓国では通用しなかった。韓国はワクチン接種率が8割近くになり、今月から飲食店の営業時間制限を撤廃した。だが、24日の発表では新規感染者が4115人と初めて4000人を超え、過去最多を更新。25日の発表では重症患者数が過去最多の612人に上った。2回接種した人が感染する「ブレークスルー感染」が相次いだとされる。

感染再拡大は欧州でも広がっており、脇田隆字国立感染症研究所長は「ワクチンの効果が落ちてきているのだろう」と分析。欧州や韓国では英アストラゼネカ製のワクチンが広く使用されたことなどを日本との違いに挙げる。実際、アストラゼネカのワクチンは米ファイザー製に比べ、効果の持続期間が数カ月短いとの指摘がある。

一方、南アなどで検出されたオミクロン株は香港などでも感染が確認されており、ワクチン効果を低下させる可能性が指摘されている。松野博一官房長官は26日の記者会見で、「ワクチン効果に与える影響などを評価していくことが重要だ」と述べた。

政府は12日、コロナ対策の全体像を決定した。今夏の第5波の感染力が2倍になっても対応できる病床確保策などを盛り込んだが、「2倍」というのは、第5波でワクチン効果が十分あったと仮定した場合の2倍だ。実際に発生した感染者数の2倍ではない。ブレークスルー感染が相次ぐ事態となれば、全体像で示した確保病床数では足りなくなることも考えられる。各都道府県と医療機関とで行う病床や医療人材をめぐる調整も容易ではない。

また、北海道で飲食店や医療機関などでクラスター(感染者集団)が発生している。こうした中、医療従事者は12月、高齢者は来年1月から追加接種が始まる。追加接種の間隔は2回目から原則8カ月以上だが、クラスターが発生した医療機関や高齢者施設の利用者や医療従事者は、例外的に6カ月に前倒しできる。

ただ、今後の感染状況次第では、前倒しできる対象の拡大を求める声が強くなる可能性がある。新型コロナ対策分科会のメンバーでもある医療関係者はオミクロン株についてこう語る。「南アではデルタ株からかなり置き換わったという情報がある。置き換わるということは感染力が強く、ウイルスとして勢いがあるということだ。侮れない」【産経新聞2021年11月27日

前回記事「新疆ウイグルの問題から思うこと」から話題が変わり、新型コロナに絡む内容を書き進めています。日本はワクチン接種が遅れていたため、再拡大の時期が海外に比べて遅くなっていると見られています。もしくはマスク着用や手指の消毒など必要な感染対策を緩めていないことが再拡大を防いでいるという見方もあります。

いずれにしても新型コロナに関しては「これが正解だ」と断定的に語れない点が多々見受けられています。このブログを開設してから意識的に幅広い情報や考え方に触れるように心がけています。最近、新型コロナ関連の書籍を2冊読み終えています。1冊は小林よしのりさんの『コロナ論4』です。

マスク不要と訴え続ける小林さんの『コロナ論』『コロナ論2』『コロナ論3』すべて目を通しています。そのため最新刊を書店で見つけた時は迷わず手にしていました。新型コロナはインフルエンザよりも怖くない、子どもの死亡者はゼロであり、若者の死亡者も極めて少ないというデータを示しながら小林さんは持論を展開しています。

インフルエンザワクチンは5千万人に接種して死亡例は数人に対し、コロナワクチンは4千万人に接種して夏の段階で751人が亡くなっているというリスクを強調されています。このようなリスクを明らかにせず、ワクチン接種を強く推奨している国の対応を小林さんは厳しく批判していました。

さらに井上正康大阪市立大学名誉教授の「日本人は既に新型コロナの集団免疫を獲得しており、もともと感染しにくい子どもはもちろん、大人も接種する必要はない」という言葉も『コロナ論4』の中に掲げられています。このような疑義がある中、ワクチンの効果が薄れるから3回目の接種も必要という発想に小林さんは警鐘を鳴らしています。

『コロナ論4』に登場されている訳ではありませんが、このあたりについてブログ『Dr.和の町医者日記』で有名な長尾和宏医師が最新記事「貴方は自分の免疫を持っている!」を通して問題点をまとめられています。転載や引用ができませんので、ぜひ、興味を持たれた方はリンク先をご参照ください。

もう1冊は『日本の聖域 ザ・コロナ』です。会員制の月刊誌「選択」の連載記事「日本のサンクチュアリ」を中心にまとめた書籍で、今回が第6弾となっています。新型コロナに絡む内容は25本の記事のうち前半の8本でしたが、幅広い情報に触れられる機会につながったことは確かです。

人命を脅かす疫病を前に、己の利のみ追及し甘い蜜を吸う輩が存在する。感染症対策そっちのけでワクチン利権拡大に勤しむ国立感染症研究所。人流減しか提言できない専門家会議の実態。カネを独占するため異常に抑制されたPCR検査……。国民生活に密接する国の中枢で何が行われているのか?

上記はリンク先のサイトに掲げられている書籍の紹介文です。日本のコロナ敗戦の軌跡として、行政の意図的怠慢、真の専門性を有する専門家の不在、大手メディアの科学的リテラシーの欠如、 この3点が集約できると「はじめに」の中に記されています。全体を通して「なるほど」と思える箇所も少なくありませんでしたが、次のような感想を抱いていました。

前述したとおり新型コロナに関して不明瞭な点が多い中、政治家や官僚、専門家の皆さんらが試行錯誤を繰り返されたことは間違いありません。ただ意図的な怠慢や私益を優先して対応された方は皆無に近かったのだろうと思っています。もちろん的外れな判断を重ねていた場合、そのことに対する責任や総括は厳しく問われなければなりません。

当初、PCR検査が増えなかったことについて厚労省関係者は「民間の検査会社や大学に頼めば、PCRはいくらでも増やせたのにカネと情報を独占するため、あえてやらなかった」と打ち明けていることを伝えています。そのままの発言であれば大きな問題ですが、一方でPCR検査自体の精度や必要性を疑う考え方があったことも留意しなければなりません。

2回目の緊急事態宣言を発出する際、1回目の時に近い営業自粛要請の対象範囲を検討していながら業界団体の陳情で方向転換したという与党議員の声も伝えています。そのためマスクなしの会話をしがちな飲食店に絞った要請となっていました。クラスターの発生率が飲食店は高いというエビデンスをもとに結論付けたと政府は説明していました。

しかし、書籍の中で「これはデタラメだ」と指摘しています。保健所の実務的な負担を減らすため、濃厚接触者の定義を「1メートル以内の距離で、マスクなしで15分以上会話した者」としていました。したがって、マスクを外すことのない施設はクラスターを発見するための積極的疫学調査の対象になりません。

濃厚接触者にならなければPCR検査の対象となりませんので、飲食店での会食によるクラスターの発生率が高くなる点について伝えていました。『ザ・コロナ』では「GoToトラベル」で全国にウイルスをばらまいたりせず、大学病院の重症患者受け入れ数を増やすだけで医療崩壊を回避できたのに不要な緊急事態宣言を発出し、日本に大きなダメージを与えたことを批判しています。

繰り返しになりますが、新型コロナを巡り、様々な考え方が散見しています。マスクの効用、三密を避けることの有用性、ワクチンの効果やリスク、いずれも人によって評価の分かれる場合があります。また、感染対策の大半は、あくまでも感染リスクを低減させるかどうかの問題だろうと思っています。

人との接触を完全に断ち、ウイルスの侵入を防ぐ生活が送れるようであれば何よりです。しかしながら社会生活を営みながら新型コロナと向き合っていくためにはワクチンを接種していたとしても、パンデミックの終息が宣言されるまで必要な感染対策を緩めることはできません。幸いにも現在、日本国内で感染者が激減していることは間違いありません。

当たり前な話ですが、周囲に感染者がいない、このことが最も安全で安心な状況です。もちろんウイルスがゼロになることはなく、無症状で感染している場合もありますから油断大敵ですが、このような状況が続くのであればワクチンの効果が薄れても第6波を防げるのかも知れません。

最後に、東京五輪の開催を間近にしていた時とは異なり、オミクロン株を侵入させないための水際対策に政府は全力を注げるはずです。このあたりは個々人の努力が及ばない領域であり、ぜひとも政治の力で望ましい状況を何としても維持して欲しいものと願っています。

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