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2021年11月28日 (日)

緩められないコロナ対策

新型コロナの新規感染確認者の数は激減しています。東京都内の先週水曜の感染確認は5人で今年最も少ない数となっていました。8月には5千人を超える日が続いていましたので最近の推移から見れば収束に向かっていることを期待したい傾向です。しかし、まだまだ安心できない現況であることを下記のような報道から認識しなければなりません。

新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言を9月30日までで解除してから、間もなく2カ月となる。南アフリカなどではインド由来のデルタ株を上回る感染力を持つとの見方がある変異株「オミクロン株」が確認された。韓国では新規感染者数と重症者数が過去最多を更新、医療体制は逼迫し、欧州でも感染が再拡大している。政府や専門家は「第6波」の到来に警戒を強めている。

ワクチン接種が進めば新規感染者が増加しても、重症者数を抑えられ、社会経済活動を続けることができる-。ワクチン効果として指摘されるそんな見方は韓国では通用しなかった。韓国はワクチン接種率が8割近くになり、今月から飲食店の営業時間制限を撤廃した。だが、24日の発表では新規感染者が4115人と初めて4000人を超え、過去最多を更新。25日の発表では重症患者数が過去最多の612人に上った。2回接種した人が感染する「ブレークスルー感染」が相次いだとされる。

感染再拡大は欧州でも広がっており、脇田隆字国立感染症研究所長は「ワクチンの効果が落ちてきているのだろう」と分析。欧州や韓国では英アストラゼネカ製のワクチンが広く使用されたことなどを日本との違いに挙げる。実際、アストラゼネカのワクチンは米ファイザー製に比べ、効果の持続期間が数カ月短いとの指摘がある。

一方、南アなどで検出されたオミクロン株は香港などでも感染が確認されており、ワクチン効果を低下させる可能性が指摘されている。松野博一官房長官は26日の記者会見で、「ワクチン効果に与える影響などを評価していくことが重要だ」と述べた。

政府は12日、コロナ対策の全体像を決定した。今夏の第5波の感染力が2倍になっても対応できる病床確保策などを盛り込んだが、「2倍」というのは、第5波でワクチン効果が十分あったと仮定した場合の2倍だ。実際に発生した感染者数の2倍ではない。ブレークスルー感染が相次ぐ事態となれば、全体像で示した確保病床数では足りなくなることも考えられる。各都道府県と医療機関とで行う病床や医療人材をめぐる調整も容易ではない。

また、北海道で飲食店や医療機関などでクラスター(感染者集団)が発生している。こうした中、医療従事者は12月、高齢者は来年1月から追加接種が始まる。追加接種の間隔は2回目から原則8カ月以上だが、クラスターが発生した医療機関や高齢者施設の利用者や医療従事者は、例外的に6カ月に前倒しできる。

ただ、今後の感染状況次第では、前倒しできる対象の拡大を求める声が強くなる可能性がある。新型コロナ対策分科会のメンバーでもある医療関係者はオミクロン株についてこう語る。「南アではデルタ株からかなり置き換わったという情報がある。置き換わるということは感染力が強く、ウイルスとして勢いがあるということだ。侮れない」【産経新聞2021年11月27日

前回記事「新疆ウイグルの問題から思うこと」から話題が変わり、新型コロナに絡む内容を書き進めています。日本はワクチン接種が遅れていたため、再拡大の時期が海外に比べて遅くなっていると見られています。もしくはマスク着用や手指の消毒など必要な感染対策を緩めていないことが再拡大を防いでいるという見方もあります。

いずれにしても新型コロナに関しては「これが正解だ」と断定的に語れない点が多々見受けられています。このブログを開設してから意識的に幅広い情報や考え方に触れるように心がけています。最近、新型コロナ関連の書籍を2冊読み終えています。1冊は小林よしのりさんの『コロナ論4』です。

マスク不要と訴え続ける小林さんの『コロナ論』『コロナ論2』『コロナ論3』すべて目を通しています。そのため最新刊を書店で見つけた時は迷わず手にしていました。新型コロナはインフルエンザよりも怖くない、子どもの死亡者はゼロであり、若者の死亡者も極めて少ないというデータを示しながら小林さんは持論を展開しています。

インフルエンザワクチンは5千万人に接種して死亡例は数人に対し、コロナワクチンは4千万人に接種して夏の段階で751人が亡くなっているというリスクを強調されています。このようなリスクを明らかにせず、ワクチン接種を強く推奨している国の対応を小林さんは厳しく批判していました。

さらに井上正康大阪市立大学名誉教授の「日本人は既に新型コロナの集団免疫を獲得しており、もともと感染しにくい子どもはもちろん、大人も接種する必要はない」という言葉も『コロナ論4』の中に掲げられています。このような疑義がある中、ワクチンの効果が薄れるから3回目の接種も必要という発想に小林さんは警鐘を鳴らしています。

『コロナ論4』に登場されている訳ではありませんが、このあたりについてブログ『Dr.和の町医者日記』で有名な長尾和宏医師が最新記事「貴方は自分の免疫を持っている!」を通して問題点をまとめられています。転載や引用ができませんので、ぜひ、興味を持たれた方はリンク先をご参照ください。

もう1冊は『日本の聖域 ザ・コロナ』です。会員制の月刊誌「選択」の連載記事「日本のサンクチュアリ」を中心にまとめた書籍で、今回が第6弾となっています。新型コロナに絡む内容は25本の記事のうち前半の8本でしたが、幅広い情報に触れられる機会につながったことは確かです。

人命を脅かす疫病を前に、己の利のみ追及し甘い蜜を吸う輩が存在する。感染症対策そっちのけでワクチン利権拡大に勤しむ国立感染症研究所。人流減しか提言できない専門家会議の実態。カネを独占するため異常に抑制されたPCR検査……。国民生活に密接する国の中枢で何が行われているのか?

上記はリンク先のサイトに掲げられている書籍の紹介文です。日本のコロナ敗戦の軌跡として、行政の意図的怠慢、真の専門性を有する専門家の不在、大手メディアの科学的リテラシーの欠如、 この3点が集約できると「はじめに」の中に記されています。全体を通して「なるほど」と思える箇所も少なくありませんでしたが、次のような感想を抱いていました。

前述したとおり新型コロナに関して不明瞭な点が多い中、政治家や官僚、専門家の皆さんらが試行錯誤を繰り返されたことは間違いありません。ただ意図的な怠慢や私益を優先して対応された方は皆無に近かったのだろうと思っています。もちろん的外れな判断を重ねていた場合、そのことに対する責任や総括は厳しく問われなければなりません。

当初、PCR検査が増えなかったことについて厚労省関係者は「民間の検査会社や大学に頼めば、PCRはいくらでも増やせたのにカネと情報を独占するため、あえてやらなかった」と打ち明けていることを伝えています。そのままの発言であれば大きな問題ですが、一方でPCR検査自体の精度や必要性を疑う考え方があったことも留意しなければなりません。

2回目の緊急事態宣言を発出する際、1回目の時に近い営業自粛要請の対象範囲を検討していながら業界団体の陳情で方向転換したという与党議員の声も伝えています。そのためマスクなしの会話をしがちな飲食店に絞った要請となっていました。クラスターの発生率が飲食店は高いというエビデンスをもとに結論付けたと政府は説明していました。

しかし、書籍の中で「これはデタラメだ」と指摘しています。保健所の実務的な負担を減らすため、濃厚接触者の定義を「1メートル以内の距離で、マスクなしで15分以上会話した者」としていました。したがって、マスクを外すことのない施設はクラスターを発見するための積極的疫学調査の対象になりません。

濃厚接触者にならなければPCR検査の対象となりませんので、飲食店での会食によるクラスターの発生率が高くなる点について伝えていました。『ザ・コロナ』では「GoToトラベル」で全国にウイルスをばらまいたりせず、大学病院の重症患者受け入れ数を増やすだけで医療崩壊を回避できたのに不要な緊急事態宣言を発出し、日本に大きなダメージを与えたことを批判しています。

繰り返しになりますが、新型コロナを巡り、様々な考え方が散見しています。マスクの効用、三密を避けることの有用性、ワクチンの効果やリスク、いずれも人によって評価の分かれる場合があります。また、感染対策の大半は、あくまでも感染リスクを低減させるかどうかの問題だろうと思っています。

人との接触を完全に断ち、ウイルスの侵入を防ぐ生活が送れるようであれば何よりです。しかしながら社会生活を営みながら新型コロナと向き合っていくためにはワクチンを接種していたとしても、パンデミックの終息が宣言されるまで必要な感染対策を緩めることはできません。幸いにも現在、日本国内で感染者が激減していることは間違いありません。

当たり前な話ですが、周囲に感染者がいない、このことが最も安全で安心な状況です。もちろんウイルスがゼロになることはなく、無症状で感染している場合もありますから油断大敵ですが、このような状況が続くのであればワクチンの効果が薄れても第6波を防げるのかも知れません。

最後に、東京五輪の開催を間近にしていた時とは異なり、オミクロン株を侵入させないための水際対策に政府は全力を注げるはずです。このあたりは個々人の努力が及ばない領域であり、ぜひとも政治の力で望ましい状況を何としても維持して欲しいものと願っています。

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2021年11月20日 (土)

新疆ウイグルの問題から思うこと

前回記事「衆院選挙が終えて思うこと」の中で「国民からの信頼を裏切るような失態が続けば政権の座から下ろされる、このような緊張感があってこそ、より望ましい政治の実現につながっていくものと考えています。そのためにも立憲民主党の奮起を期待しています」と記していました。このような思いのもとに立憲民主党の代表選の動きを注目しています。

昨日告示され、4名の立候補者での論戦が交わされていくことになりました。一騎打ちという構図ではなく、多様な顔ぶれでの選挙戦となったことに安堵しています。ちなみに衆院選挙での自治労組織内・政策協力議員候補は20名で14名が当選しています。自治労の機関紙を改めて確認してみたところ代表選の立候補者全員、その14名の顔ぶれの中で拝見でき、たいへん心強く思っています。

さて、前々回記事「定期大会を終えて、2021年秋」の中で、組合員から平和や人権に関わる方針案について率直な意見が示されたことをお伝えしていました。このブログを通して培ってきた問題意識であり、質問者から提起された問題は今後、しっかり組合員全体できめ細かい議論が交わせる場を設けていくことを約束しています。

さらに示された質問内容は貴重な論点提起であり、それこそ当ブログの中でも機会を見て詳しく取り上げていくつもりであることを前々回記事の中で書き添えていました。もともと今年4月に投稿した「今、ミャンマーで…」という記事の最後に次のような記述を残していたため、今回、その機会として新規記事に向き合っています。

最後に、香港における民主派への弾圧、新疆ウイグルでの人権抑圧、北朝鮮の強制収容所の問題など、世界の各所で苦難を強いられている人たちが存在しています。それらの事実が正確に伝わっていかない限り、解決の道筋を見出すことも難しいままとなります。前述したとおりの問題意識のもとに今後もSNSと向き合っていければと考えています。

私どもの組合の平和や人権に関わる方針案に拉致問題や新疆ウイグルについて触れていないことを問題視した発言が定期大会の中で示されました。人権が尊重される社会の実現をめざすという方針を掲げていますが、確かに指摘されたような具体的な言葉は記載していません。しかし、だから軽視しているという見方は当てはまりません。

あらゆる場面で人権を阻害する行為や非人道的な問題を許さず、強く抗議していく立場を包み込んだ方針だと言えます。特に「親中派だから」というような見方で切り分けられてしまった場合、ますます本質的な論点から遠ざかってしまうように思っています。どこの国の問題であろうとも「ダメなことはダメ」と指摘し、被害を受けている人たちを救うために力を出し合うことが必要です。

これまで当ブログでは「避けて通れない拉致問題」「拉致問題を考える」「ルワンダの悲しみ」「チベット問題とオリンピック」など人権に関わる問題を取り上げてきています。新疆ウイグルの問題も扱いたいと考え、かなり前に清水ともみさんの著書『命がけの証言』を読み終えていました。

ウイグル人たちの「命がけの証言」に応えて、ナチス・ヒトラーにも匹敵する習近平・中国共産党によるウイグル弾圧を、清水ともみ氏がマンガで告発。描き下ろしの新作(「日本への『夢』を奪われて……アイトゥルスン・エリさん」)に加え、楊海英氏(静岡大学教授・司馬遼太郎賞受賞者)との告発対談も収録。文化的なジェノサイド、恐るべき臓器狩り、強制収容所の実態が今明るみになる!

「絵本や漫画やアニメは日本のお家芸ですから、ウイグル問題が清水さんの手によって、こういう目ですぐに読める形で一冊の本になって本当に嬉しく思いました。この本には、ウイグル人女性(男性)などが強制収容所で受けた虐待や人体実験の生々しい証言が描かれています。ユダヤ人がアウシュビッツなどのナチスの収容所で体験したものと瓜二つ。21世紀の今、こんなチャイナチスの横暴が許されていいわけがない」(楊海英)。

「本書に出てくるウイグル人たちの証言は氷山の一角です。現状、声を発することすら出来ず、人生を踏みにじられている大勢の方の声を「伝える」ため、ひとりでも多くの方にこの本を利用していただけること、一刻も早い解放の一助になることを願っております」(清水ともみ)

上記はリンク先のサイトに掲げられている書籍の紹介文です。実名での証言は文字通り命がけであり、祖国に残っている家族が深刻な迫害を受けることになります。証言ビデオを作成した女性は実家との連絡が完全に遮断され、「私のせいで家族が酷い目にあっているのでは」とさいなまれていることを告白しています。

「でも私たち民族の経験していることを誰かに伝えなければなりません。私たちウイグル人は人間として扱われてはいない事実を」と語り、50歳までの女性全員が避妊のための検診や措置を受けさせられ、自費で麻酔なしの手術を強制されていることを伝えています。その女性は「ウイグル族と呼ぶことは私たちを少数民族と印象付けたいためであり、私たちはウイグル人です」と訴えています。

職業訓練センターと称される収容所の医師だった亡命ウイグル人は「驚いたことにメスを入れたら血が流れたのです。まだ生きている!1週間拷問を受けて傷だらけの女性の胸を麻酔なしの手術で切り開いていました。最初が心臓で、次が腎臓、手術バサミで切り取られた時、痛みで身体が痙攣しました」と証言しています。この証言を伝えた後、年間10万件以上の臓器を全世界に提供していることが著書の中に記されています。

収容所の内側の様子も描かれています。牢屋の高さ6メートル、長さ7メートル、幅3メートルぐらい、時には40人以上が押し込められていました。同時に寝る場所がなく、2時間ずつ交代で寝ます。部屋の上部にはテレビがあり、習主席の演説が流されています。ガラス張りのトイレ、トイレットペーパーは1日縦7センチ横1.5センチだけ渡されます。

朝から15時間座りっぱなしの罰を受けます。時々、全裸でおかしな格好をさせられ、屈辱的な検査を受けました。外部から取材カメラが入る時には、みんな歌や踊りを命令に従って一生懸命やりました。5つの中国語の決まった曲を覚えて取材カメラに披露しました。これらは外国へ送金した罪という濡れ衣を着せられ、収容されたカザフスタン国籍のウイグル人女性の証言です。

ここは君らウイグル人の土地だからあなたがたに任せる。私たちは協力するだけだ。経済的に豊かになったら出ていく。とても友好的できれいなことをたくさん言われ役人は信じましたが、結果それらは全部嘘で侵略のための罠でした。

そして、たくさんの漢人たちが私達の土地に入って来続け、いつのまにかウイグル人の人口と同じぐらいになって彼らは態度を豹変させましたが、その時は既に手遅れでした。人口が逆転したら、いくら私達が正しいことを言っても、もうそれは通じないのです。正しいことを言ったほうが罪人になるのです。

このような信じられない残虐な事実や理不尽な行為の数々が『命がけの証言』の中に綴られています。著者の清水さんが「本書に出てくるウイグル人たちの証言は氷山の一角です」と語っていますが、この瞬間に人権を抑圧され、生命の危機にさらされている方々が無数に存在しているはずです。

私自身、微力であり、できることも限られています。それでも当ブログを通し、まず新疆ウイグルで何が起こっているのか、どのように多くのウイグル人の皆さんが苦しんでいるのか、清水さんの著書を紹介することで一人でも多くの方々に伝えたいと考えていました。そして、私どもの組合が人権についての方針を掲げるのであれば、新疆ウイグルの問題も重視していかなければならないという思いを託しています。

つい最近、目に留まった動きを紹介します。『岸田首相“親中に変節”か 人権法見送り報道、林外相の起用…怪しい「対中姿勢」 乱れる欧米各国との歩調 識者「弱い政治のシグナルに」』という見出しの報道です。個人的には「親中に変節か」という言葉は前述したとおり違和感のある見方だと思っています。

大事な目的は中国当局による香港やウイグルなどでの人権侵害行為を止めさせることです。国際社会が足並みを揃えて圧力を加え、中国を強く非難していくことで問題が解決するのであれば最適な選択肢だと言えます。一方で、中国が反発を強めるだけで、対立が激化していくのであれば非常に悩ましい話となります。

このような悩ましさを踏まえた時、岸田総理らの「対中外交の選択肢をより多く残しておく狙い」という判断なども頭から否定できないものと思っています。圧力一辺倒ではなく、相手側の言い分にも耳を傾けながら相手側の意思を変えていくためには率直な対話の場が欠かせないはずです。

今、ミャンマーで…」でも記したことですが、日本政府が主体的な外交力を発揮し、抑圧されている方々に平穏な日が戻るのであれば何よりなことです。しかし、そのような外交力を期待できず、人権より経済を優先した判断だと見られるようであれば問題です。最後に、紹介した見出しの記事全文を掲げますが、岸田政権の対応が前者であって欲しいものと願っています。

岸田文雄政権の「対中姿勢」が怪しくなってきた。中国当局による香港やウイグルなどでの人権弾圧を念頭に、海外での人権侵害行為に制裁を科す「日本版マグニツキー法」の整備が検討されてきたが、岸田首相が当面見送る方針を固めたと報じられたのだ。第2次岸田内閣では、政界屈指の「親中派」である林芳正外相を起用した一方、法整備に積極的な中谷元元防衛相を「国際人権問題担当の首相補佐官」に登用してバランスをとったとされたが、まさか「親中・リベラル」に舵を切ったのか。

「首相、人権侵害法見送りへ」「対中外交に選択の余地」 共同通信は16日午後、このような見出しで、政府関係者が明かしたという「独自ダネ」を、次のように配信した。「岸田首相は『日本版マグニツキー法』の制定を当面見送る方針を固めた」「外為法など既存の法律を活用し、資産凍結や入国制限を可能とする方策を検討する」「対中外交の選択肢をより多く残しておく狙い」「新法制定で中国を過度に刺激するのを避ける」「岸田政権の姿勢に欧米各国の理解が得られるかも焦点」

欧米各国はすでに、人権侵害に関与した外国当局者らに制裁を科す法律や制度を整備している。記事は、中国に配慮して、欧米との共同歩調から外れる-と読める。習近平国家主席率いる中国共産党政権による人権弾圧は極めて深刻だ。100万人以上のウイグル人が職業訓練センターを称する強制収容所に送られたとされる。チベット人やモンゴル人も人権侵害に苦しんでいる。香港からは「自由と民主主義」が消えた。

岸田首相は、自民党総裁選で「日本版マグニツキー法」に賛成する姿勢を示し、「人権担当首相補佐官の設置」を目玉政策としていた。ところが、第2次内閣発足を受けた10日の記者会見では、新法制定について「超党派の議論も続いている」と明言を避けた。中谷氏も15日のBS日テレ番組で「(新法制定は)簡単にはいかない」と慎重な姿勢を示していた。

中谷氏は4月に設立された「人権外交を超党派で考える議員連盟(人権外交議連)」の共同会長を務め、与野党の有志議員の中心的存在として「日本版マグニツキー法」の必要性を訴えてきた。今回の報道をどう見るか。中谷氏とともに人権外交議連を設立し、共同会長も務めた弁護士の菅野志桜里前衆院議員(旧姓・山尾)は「事実なら失望だ」といい、続けた。

「岸田政権が、中谷氏を首相補佐官に登用したことで、欧米各国は『日本も人権外交に取り組む』と期待していた。今回、『当面見送り』という報道が出たことは大きな後退だ。今大切なのは、各国が連携して『あなたのしていることが人権侵害だ』と中国に声を上げ、行動を起こすこと。このままでは、『国際情勢の変化に対応できない日本』『外務省に飲み込まれる弱い政治』というシグナルになってしまう」

6月中旬に閉会した通常国会で、中国当局による人権侵害行為の即時停止を求める国会決議案は採択が見送られた。これに対する反発が、菅義偉前政権への逆風につながった面もある。衆院選で勝利した岸田政権だが、「親中派」林外相の起用を含め、「対中姿勢」が変化したとすれば看過できない。

人権外交議連の副会長を務める自民党の山田宏参院議員は「日本政府が示すべきは、中国の人権弾圧に対する『明確な姿勢』だ。欧米と共通する『自由』『民主』『人権』といった価値観に基づき、行動しなければならない。共同通信は『外為法など既存の法律を活用して…』と報じていたが、日本には『人権』で横軸を入れてペナルティーを科す法律はない。既存の法律での対応とは似て非なるものだ。中谷氏も補佐官になった以上、法整備に向けて努力してほしい」と強調した。

米紙ワシントン・ポスト(電子版)は16日、ジョー・バイデン米政権が、中国の人権侵害を理由に、来年2月の北京冬季五輪に外交使節団を派遣しない「外交的ボイコット」を近く表明する見通しだと報じた。後手後手の日本とは温度差が生じるばかりだ。

前出の菅野弁護士は「欧米各国は『中国も経済発展すれば民主化する』という認識を改めた。中谷氏には『日本版マグニツキー法』の必要性を主張し続けてほしい。林外相は『親中派』というレッテルを貼られているが、軌道修正して毅然とした対中政策をとれば国民からも評価されるはずだ。国会での対中非難決議と、北京五輪の『外交的ボイコット』についても、先送りにせずに検討して、実行してほしい」と語った。【zakzak 2021年11月18日

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2021年11月13日 (土)

衆院選挙が終えて思うこと

10月15日の東京都人事委員会勧告を踏まえ、私どもの組合は月例給の水準の維持などを求めた自治労都本部統一要求書を10月28日に市当局に提出しました。定年引き上げに向けた統一要求書と単組独自要求書も同時に提出しています。11月2日に市当局から都人勧を基本に改定するという文書回答が示されていました。

11月10日夜に団体交渉を開き、公民格差以外を理由とする引き下げがないことの確認などを求め、早期の決着をはかっています。会計年度任用職員の場合は都人勧の内容の反映を翌年度としていますが、他団体の労使交渉の結果等を見定めた上、翌年度に向けての再協議を求める場合があることも市当局に申し入れています。

本来、労働組合にとって最も重要な賃金交渉について当ブログで掘り下げるべきなのかも知れません。それでも前回記事「定期大会を終えて、2021年秋」の冒頭に「衆院選挙に絡んだ内容は機会を見て次回以降取り上げていくつもりです」と記したとおり総選挙戦の結果を受け、いろいろ思うことを書き進めてみます。

立憲民主党は改選前の110議席を14議席減らし、96議席という結果となっています。敗因について前回「野党優位の状況だったのに…」維新は大躍進を遂げて、立民が惨敗した決定的な違い 』『立憲民主党はなぜ若者の支持を得られなかったのか?』『野党共闘はなぜ失敗したのか 惨敗の立憲民主、政治評論家が指摘した「維新との差」』という記事を紹介しています。

その後も様々なサイトの論評を目にしています。今回、特に目に留まった記事中の一文を紹介し、個人的な見方や感想を添えていく構成を考えています。まずディリー新潮に掲げられた『なぜ君「小川淳也」は野党の“希望の星”になれるか 不安要素は「消費税」と「共産党」』という記事に注目しました。

2016年の参院選、小川氏は民進党香川県連の代表として香川選挙区の野党候補を共産党候補者に一本化する先頭に立ちました。共産党候補への一本化は香川県だけで当時話題となりました。この時小川氏は共産党香川県委員会に歩み寄りを求め、「日本社会に必要なのは社会主義的変革ではなく資本主義の枠内での民主的改革」「日米安保条約の破棄や自衛隊の解消と言う政策は持ち込まない」「天皇制を含めた現行憲法の全条項を守る」などの確認書を交わしました。

私はこの小川氏の前のめりな姿勢を懸念して、議員会館を訪ねました。そして「共産党と組むと民進党がどんどん浸食され、左傾化するんじゃないか」と率直に尋ねました。それに対して小川氏は「僕は変わって行くのは共産党の方だと思う。欧州のような共産党の現実化・中道化は時代の流れでしょう。欧州も入り口は選挙協力でした。今回はその第一歩ですよ」と話していました。

映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』で一躍有名になっている衆院議員の小川淳也さんは立憲民主党の代表選挙への出馬に意欲を示しています。その映画を私も見ていますが、ドキュメンタリーとしての出来映えに感心しながら小川さんにエールを送りたくなる内容だと言えます。いずれにしても2003年10月10日の衆院解散の日からカメラを向け続けている密着ぶりに驚いていました。

欧州ではユーロコミュニズムと言われる共産党がソ連共産党と距離を置くようになり、イタリアでは1990年代に共産党が解党して左翼民主党になり、「オリーブの木」という連立政権に参加しています。このような欧州の動きを受け、小川さんは「変わって行くのは共産党の方だと思う」と語っていました。

ディリー新潮の記事中の「私」は政治ジャーナリストの青山和弘さんです。青山さんは「しかしあの参院選から5年。日本共産党は選挙協力にはさらに積極的に応じるようになりましたが、党名の変更はもちろん、綱領の抜本的な改定には踏み切っていません」と続けています。

さらに「代表選挙では共産党との共闘路線の是非が最大の焦点になります。比例代表で大きく議席を減らした今回の選挙結果を受けても、小川氏は共闘しながら共産党に中道化を求める立場を貫くのか、厳しく問われることになるでしょう」とディリー新潮の記事の中で問題提起しています。

続いて、夕刊フジの記事『立憲民主党は立ち直れるか? 問われる共産党との距離感、立証できない疑惑で騒ぐより政策重視を』を紹介します。内閣参事官だった嘉悦大教授の高橋洋一さんの論評ですが、次のような見方が気になりました。

立民が衆院選で負けた大きな要因は、共産党との選挙協力だった。いくら閣外協力といっても、自衛隊違憲、日米安保条約破棄の共産党とは組めないというのが常識だ。「立憲共産党」と揶揄され、実際、連合やトヨタ系の労働組合はアレルギー反応を示した。その結果、立民は議席を大きく減らした。

いまなお「モリカケ」優先では、さすがに国民の関心からずれてしまう。森友学園問題と加計学園問題が発覚したのは2017年2月ごろだ。森友問題では、財務省による文書改竄が明らかになったが、安倍晋三首相の関与は何も出てこなかった。むしろ、財務省による文書改竄の中で、関与していないという事実が明らかになった。加計問題も同様だ。

連合の芳野友子会長は「連合の組合員の票が行き場を失った」と語っています。結果から判断すれば共産党との選挙協力が相乗効果を生み出せなかったことは確かです。ただ小川さんの期待したような関係性や流れを強調できていれば、もう少し異なる展開もあり得たように思っています。

その上で、高橋さんが「モリカケ」の追及を立憲民主党の敗因の一つとして見ている点に関しては違和感を抱いています。少し前の記事「総選挙戦の論点は?」の中に掲げたとおり「李下に冠を正さず」という倫理観をはじめ、政治や行政に対する信頼感を失墜させていく事例として「モリカケ」等の総括が問われていたものと思っています。

NHKは選挙特番の冒頭で「自民212~253」と予想を出した。結果は、自民党が単独で過半数を大きく上回る259だった(後に261)。そして立民党は96。それが枝野代表の責任論になったわけだ。しかし、選挙戦を通じて自民党が強い危機感を持った事実、加えて、選挙を報道の最大の使命としているNHKが出した予測は軽視してはならない。どちらに転ぶかわからない選挙であり、野党共闘は有効だったということだ。

それを喝破したのは自民党で長く選挙を仕切った久米晃氏だった。西日本新聞の取材に「野党共闘は無意味ではなかったが、閣内協力か閣外協力かでもめ過ぎた。まだ政権を取れるわけでもないのにおこがましい。身の程知らずですよ」と語った。これを私がSNSで紹介すると予想通り多くの反発を招いた。しかし、選挙戦を振り返れば共産党の存在が自公からの標的となり、枝野氏も志位氏も防戦に追われた感は否めない。

仮に両者が、「政権奪取は今回は目指さず、まずは野党共闘で1強政治を終わらせて与野党が拮抗する国会を実現する。そのために選挙協力を結んだ」との姿勢を明確にしていたらどうだろうか? 自公の攻撃をかわすことができたのではないか。久米氏の指摘はそう読むべきだ。

上記は日刊ゲンダイの記事『自民党の強さは政治家ではなく党職員にある。立憲民主党は政権交代の土台づくりを』からの抜粋です。「なるほど」と思えた見方でした。自民党に比べ、野党側の土台の弱さは弁護士の郷原信郎さんの『「責任野党」は“見果てぬ夢”か ~15年前の「永田メール問題」から止まった時計』の中でも指摘されています。

野党側の政権の追及では、必ずと言っていいほど「調査チーム」「追及チーム」などが立ち上げられ、マスコミフルオープンで公開ヒアリングが繰り返されてきた。しかし、それらは、単に何人かの議員が集まって、公開の場で関係省庁の官僚や関係機関の幹部を呼び出して詰問しているに過ぎず、私が「責任野党構想」で提案した「政権追及のための調査の組織の構築」とは全く異なるものだ。

立憲民主党の政策が、十分な議論と検討を経て策定されたものであることに疑問が生じた出来事があった。今回の衆院選の投票日の3日前に、立憲民主党の代表代行(経済政策担当)として同党の経済政策を取りまとめた江田憲司氏が、BSフジ「プライムニュース」に出演し、「NISA(少額取引非課税制度)、積立NISAにも金融所得課税を課税する」と発言し、その後、訂正・謝罪に追い込まれた。

番組でのやり取りを見ると、江田氏は、そもそもNISAという制度自体を理解していないようにも見える。欧米と比較して個人の株式保有比率が低く、個人投資家の証券取引が少ない日本で、個人の証券取引を増やすことは重要な政策課題であり、NISA、積立NISAも、個人の証券取引の裾野を広げるために導入されたものだ。高額所得者の金融所得の課税の問題と、中間層への課税、少額投資家への課税、それぞれの在り方をきめ細かに議論していれば、江田氏のような失言はあり得なかったはずだ。

興味深い複数のサイトの内容を紹介しているため、たいへん長い記事になっています。衆院選挙が終えて思うこととして、立憲民主党は準備不足であり、党の土台や地力も自民党に比べれば劣っていたことを率直に認めなければならないという点です。今回の敗北を糧にして立ち直っていくのか、衰退の道をたどるのかどうか正念場だろうと思っています。

国民からの信頼を裏切るような失態が続けば政権の座から下ろされる、このような緊張感があってこそ、より望ましい政治の実現につながっていくものと考えています。そのためにも立憲民主党の奮起を期待しています。雨降って地固まる、そのような時間や機会が得られたと前向きに考えても良いのかも知れません。

今回の衆院選挙では改めて「新自由主義」という言葉が飛び交うようになっていました。 この言葉を軸に振り返った時、やはり民主党への政権交代も「時期尚早」感が目立っていたようです。その点について労働政策研究・研修機構労働政策研究所長の濱口桂一郎さんが『宮本太郎提言は“神聖なる憎税同盟”の壁を打ち破れるか』の中で語っています。最後に、濱口さんのブログの一文を紹介します。

2009年の民主党政権は、小泉政権と同じくらい「磁力としての新自由主義」を撒き散らしていたのではないか。宮本さん自身も詳しく書いていますが、2000年代前半の小泉政権は、確かに小泉・竹中の新自由主義路線でした。しかし第1次安倍政権から、福田、麻生政権と進むにつれ、自公政権は徐々に社会民主主義的な傾向を現してきました。

それが民主党政権になってもっと社民主義になったというふうに、『現代の理論』の読者は考えているかもしれませんが、私の目から見るとむしろ民主党政権で小泉政権に戻ったのです。構造改革だ、事業仕分けだと言って、無駄を全部切ればお金はいくらでも出てくると主張し、それまで自公政権末期3代で少しずつ積み上げられてきた社会民主主義的な方向が、個々の政策ではつまみ食い的に社会民主主義的な政策はあるものの、大きな流れでいうとむしろ断ち切られてしまった。

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2021年11月 6日 (土)

定期大会を終えて、2021年秋

このブログに関わるのは土曜か日曜に限っているため、最新記事の内容の鮮度は保てないまま1週間が過ぎます。前回記事は「明日は衆院選、雑談放談」でした。その中で「政治の場面において極端な変革や衣替えに至るのかどうか分かりません」と記していました。結局のところ選挙結果は極端な変革が求められなかった表われだったように受けとめています。

日曜夜の開票速報に注目していましたが、翌日は仕事があるため、すべての結果を確認できない段階でベッドに入っていました。朝早く起き、すぐテレビをつけ、驚きました。立憲民主党が改選前の110議席を大幅に減らすことを伝えていたからです。最終的に14議席減らし、96議席にとどまっています。

投票が終わった直後の各メディアは『衆院選議席予想 TV各局大ハズレの異常事態 自民261をフジ230、NHK212~253』という記事のとおり立憲民主党の大敗をまったく予想していませんでした。かろうじてテレビ東京が公示前の議席と同じ110と予想していたぐらいで、NHKが99から141と幅を持たせていましたが、議席増の見通しというアナウンスを繰り返していました。

敗因についてネット上では『「野党優位の状況だったのに…」維新は大躍進を遂げて、立民が惨敗した決定的な違い 』『立憲民主党はなぜ若者の支持を得られなかったのか?』『野党共闘はなぜ失敗したのか 惨敗の立憲民主、政治評論家が指摘した「維新との差」』という記事などが掲げられています。私自身も様々な思いが頭の中で駆け巡っています。ただ今回はタイミング的にローカルな話を優先し、衆院選挙に絡んだ内容は機会を見て次回以降取り上げていくつもりです。

昨年の今頃は定期大会を終えて、2020年秋」という記事を投稿しています。記事タイトルに悩む時がありますが、今回も悩まず「定期大会を終えて、2016年秋」「定期大会を終えて、2017年秋」「定期大会を終えて、2018年秋」「定期大会を終えて、2019年秋」という同じパターンでの記事タイトルとしています。

金曜の夜、私どもの組合の定期大会が開かれました。8年前の記事「定期大会の話、インデックスⅡ」の中で詳しく綴っていますが、組合員全員の出席を呼びかけるスタイルで続けています。ただ今年もコロナ禍が続く中、感染症対策に留意しながら開催しています。

200人以上入れる会場ですが、出席者が100人を超えないように事前申込制としています。来賓の方もお呼びしていません。マスク着用は必須とし、受付では検温や消毒を行なっています。例年以上に委任状での参加者が中心となるため、今回も委任状を含む定期大会参加者全員を対象に抽選会を企画しています。

今回、初めての試みとして委任状にご意見等を記載できる欄を設けました。思ったより寄せられたご意見は多くありませんでしたが、それでも直接会場に足を運ばない組合員の皆さんからの声を受け取れる回路は多いほうが望ましいものと考えています。

会場内の座席は1席ずつ間を空けて座るように指定されていましたので、ガランとした少なさを感じることのない雰囲気で催すことができています。さらに途中で退席された方も見当たらず、例年以上に活発な議論が交わされ、熱量の高い定期大会となっていました。

定期大会冒頭の執行委員長挨拶は、いつも簡潔な内容の挨拶に努めています。ちなみに人前で挨拶する機会が多いため、檀上で緊張するようなことはありません。原稿がなくても大丈夫ですが、いろいろ話を広げてしまい、割り当てられた時間をオーバーしてしまう心配がありました。

そのため、毎年、定期大会だけは必ず挨拶する内容の原稿を用意していました。ここ数年、挨拶原稿のほぼ全文をブログで紹介しているため、今回も同様に挨拶した内容をそのまま掲げさせていただきます。多少アドリブで言葉を足してしまいましたが、割り当てられた5分をそれほど超過していなかったはずです。

執行部を代表し、一言ご挨拶申し上げます。本日は第76回定期大会への出席ありがとうございます。新規感染者数は減っていますが、まだまだ必要な感染対策を緩められないコロナ禍が続いています。そのため、今年も事前申込制とし、出席者数を絞らなければならない大会となっています。

さて、衆院選挙が終わりました。選挙事務に従事された皆さん、たいへんお疲れ様でした。また、組合が推薦した候補者をご支援くださった皆さん、ありがとうございました。推薦した候補者全員の当選は果たせませんでしたが、地元21区の大河原まさこさんは引き続き議席を得ています。

寝不足だったと思われますが、月曜昼に私どもの組合事務所までご挨拶にいらっしゃっていただいていました。組合員の皆さんの中には「なぜ、組合が政治活動に取り組むのか?」という疑問を持たれる方も多いのかも知れません。決して「特定の政治家のため」「特定の政党のため」に方針化している訳ではありません。

労働組合が設立した労働金庫や全労済を推進する活動と同様な関係性を強調できます。定期大会議案書に掲げている活動方針は「すべて組合員のため」を目的にした内容ばかりだと言えます。選挙の取り組みに照らせば、次のような背景や理由を説明することができます。

労使交渉だけでは解決できない社会的・政治的な問題に対し、昔から多くの労働組合が結集して「組合員のため」を目的に政治的な活動にも関わっています。国際社会の中でも同様であり、多くの国のナショナルセンターが政治的な存在感を発揮しています。

特に私たちの公務員の労働条件は法律や条例で定められていきます。ますます各級議会において緊密な連携をはかれる議員の存在が貴重な関係性となります。そのためにも来年夏の参院選挙に向け、自治労の組織内候補の鬼木まことさんを国会に送り出すための方針案等について、ぜひ、ご理解くださるようよろしくお願いします。

せっかくの機会ですので、皆さんに直接訴えたいことが数多くあります。ただ皆さんからの発言の時間を充分保障するためにも、長い挨拶は歓迎されないものと思っています。制約された日常が続くコロナ禍ですが、必要な労使協議は重ねています。新学校給食共同調理場の問題、会計年度任用職員の課題など多岐にわたっています。

一方で、職員家族クリスマスパーティーやバスハイクなどの親睦行事は見合わせていました。組合予算の還元策の一つとして定期大会参加者を対象にした抽選会の賞品総額を拡充しています。ちなみに今回の1等賞品はダイソンのコードレス・スティック・クリーナーです。

組合員の誰もが当たるチャンスがあり、組合員の誰かが必ず当たる特別企画ですが、もっと広く還元して欲しいという声も届いていました。このような声を受け、いろいろ検討を重ねていたところ「来年1月、組合結成75年です」という指摘がありました。

50周年の時は記念行事や年史の発行に取り組んでいました。その時から四半世紀を刻み、75年という長い年月、組合が活動を続けられているのも諸先輩方のご努力をはじめ、現在、組合に加入されている皆さんがいらっしゃるからこそだと考えています。

この大きな節目を迎えるにあたり、組合員の皆さんに感謝の意を込め、コロナ禍の還元策として3千円のクオカードを組合結成75周年の記念品として贈らせていただきました。今後、よりいっそう大きな節目である結成100周年を迎えられるよう引き続き組合活動へのご理解ご協力をよろしくお願いします。

持続可能な組合活動に向け、組織の基盤を固めていくことが必要です。私自身、たいへん長く組合役員を務めている中、組合の必要性を強く感じています。今年3月末に発行した機関誌『市職労報』の特集記事の見出しは「組合は必要、ともに考え、ともに力を出し合いましょう!」でした。

そのような思いがありながら、私自身が長く続けていることで「ともに」という流れに掉さすことができていないのではないか、このような迷いがあります。様々な難題が残る中、次年度も引き続き全力を尽くす決意ですが、バトンを着実に渡すための一年であるという意識を強めながら臨ませていただきます。

長い挨拶は歓迎されないと言いながら長くなってしまい、申し訳ありません。また後ほど私の出番もあり、皆さんからの質問があった際に発言させていただくかも知れません。いずれにしてもコロナ禍が続く中、早めに終わる大会を心がけていますので、ぜひ、最後までご注目くださるようよろしくお願いします。

「当面する闘争方針(案)」を提起する役割も担い、こちらは原稿を用意していません。出席者からの質問にお答えした際、当然ながら「ノー原稿」のため、いろいろな思いが言葉になって多弁になりがちでした。特に平和や人権に関わる方針案について率直なご意見が示されたため、このブログを通して培ってきた問題意識などを添える場面もありました。

質問者と何回かやり取りした上、執行部提案はすべて原案通り承認を得られました。質問者から提起された問題は今後、しっかり組合員全体できめ細かい議論が交わせる場を設けていくことを約束しています。示された質問内容は貴重な論点提起であり、それこそ当ブログの中でも機会を見て詳しく取り上げていくつもりです。

他にも4人の方から質問やご意見が示されています。今年も保育士の方から「公立保育園の大切さ」のアピールがありました。このブログでは1年前「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんの講演内容をまとめた「子どもの権利を守るために私たちができること」という記事を投稿していました。

定期大会を区切りとして、長年、組合役員を務められた副委員長が第一線から退きます。副委員長とは青年婦人部時代からの本当に長い付き合いがあり、私より一足先に退かれることを寂しく感じています。他にも複数の組合役員の皆さんが退任されます。たいへんお疲れ様でした。

新たな執行部体制は前年度より少なくなりますが、3年前に比べれば相応の水準を維持できています。いろいろな事情がある中、留任される皆さん、新たに立候補される皆さん、本当にありがとうございます。第1回執行委員会の日に団体交渉も予定し、いきなり多忙な時期に突入していきますが、これから一年間よろしくお願いします。

最後に、組合員の皆さん、大会運営にご協力いただいた皆さん、新旧の組合役員の皆さん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。定期大会が終わった後、今年も打ち上げはなく、現地で解散しています。来年こそ心置きなく、皆さんと飲み語り合える機会が持てることを願っています。

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