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2021年7月 3日 (土)

政治家の皆さんに願うこと

いつも連絡がなく、遅刻を繰り返している人が定刻に現われなくても、あまり心配されません。いつも時間を守っている人が定刻に現われなかった場合、何かあったのか、いろいろ心配されがちです。当たり前なことですが、日頃の行ないが周囲からの評価を左右していきます。

小池都知事が過労のため6月22日から入院し、退院後も一昨日まで自宅静養していました。都議選告示日の前日からの入院だったため「都議選から逃げるためか」「国政進出をにらんだ動きでは」などという憶測が飛び交っていました。

女帝 小池百合子』という書籍が伝えているような事実関係が誤りであれば「この大事な時期に過労で入院だなんて、よほど具合が悪いんだ」と周囲から物凄く心配される局面です。

この報道があった後、麻生財務相の「自分でまいた種でしょうが」という毒舌や舛添前都知事の「過労くらいで1週間も戦のときに休むのは政治家失格」という手厳しい言葉に対しては不適切さが逆に批判を受けていました。いずれにしても早く元気になられ、小池都知事におかれましては「自分ファースト」と揶揄されないような今後の頑張りを心から願っています。

前回記事「コロナ禍で問われる政治の役割」の冒頭で「私が議長代行を務める連合地区協議会は2人の候補者の応援に力を注いでいます」と伝えていました。インターネット選挙は解禁されていますが、特定公務員(徴税吏員)という立場上、この時期に各候補者の氏名等を紹介することは控えなければなりません。

ちなみに前回記事では「政党を問わず、候補者が掲げる政策を吟味し、信頼を寄せられる候補者かどうか、個々人の見識や資質を見極めていけることが理想です」という言葉も残していました。地区協が応援している2人の候補者に対して私自身は直接的な有権者でありませんが、身近に接する機会に恵まれていたため、まさしく理想的な距離感で評価できる関係性です。

2人とも市議会議員と都議会議員を経験されています。連合地区協議会が地域ミーティングを催した際、市政のことも都政のことも精通し、参加者からの多様な質問に詳しく答えている姿をたびたび拝見してきました。何よりも誰に対しても物腰が柔らかく、誠実に対応されている政治家であり、ぜひとも都政の場で活躍されるよう強く願っています。

一方で身近に接する機会に恵まれたことで、かえって政治家としての資質に疑問を抱くような場面もあります。連合東京主催の研修会に区部選出の都議会議員が講師として招かれていました。講師が用意してきたパワポの画面に「施行裁判所は、平成27年12月16日に合憲の判断」という内容を映し出していました。

質疑応答の時間、参加者が「最高裁判所の誤りではないですか」と指摘しました。すると講師は「参考にした資料が手元にありませんので改めて確認し、後ほどお伝えさせていただきます」と答えていました。この瞬間、たいへん驚きました。「申し訳ありません。最高裁判所とすべき所を誤りました」という答えを当然視していたからです。

まず自分で作成したパワポ画面の内容を推敲せず、講演会に臨む安易な姿勢に諫言したくなります。それでも多忙な中、ケアレスミスを一切なくすことの難しさも理解しています。しかし、施行裁判所が誤りだったと即答できない都議会議員と間近に接し、驚きながら落胆していました。普段はお会いできない方ですので、今回の事例だけで評価することは早計なのかも知れません。

ただ前回の都議選は強烈な追い風の中、当選を果たした方ですので、よりいっそう重責ある立場であることを意識しながら努力して欲しいものと願っていました。もし身近な方々も私のように落胆していた場合、今回の選挙は厳しい逆風に見舞われているのではないかと危惧しています。

そもそも森羅万象、すべてに精通し、完璧な人間は皆無に近いのではないでしょうか。政治家の皆さんも同様です。重い職責を果たすため、日々努力し、より望ましい政治的な判断を重ねられるよう研鑽に励んでいるものと推察しています。加えて、より望ましい「答え」を見出すためには幅広い情報や考え方に触れていくことが求められています。

自分自身にとって耳が痛く、不愉快な話だったとしても、いったんは受けとめていく度量も欠かせないはすです。正しいと信じている判断や対応も別な角度から指摘を受け、誤りに気付ける機会があれば何よりなことです。政治家の皆さんの側近にそのような進言や諫言をされる人物がいるのかどうか、たいへん重要な点だろうと思っています。

赤木ファイルで不満爆発 麻生財務相「その程度の能力」と記者批判』というような報道を頻繁に目にしているため、やはり総理経験者である麻生財務相の側近にそのような人物は残念ながら見当たらないのかも知れません。麻生財務相以上に重責を担っている菅総理に対しては、よりいっそう多面的な情報をもとに重要な判断を下して欲しいものと切望しています。

以前の報道で「最近の総理はいつもイライラしていて怒鳴り散らすので、誰も近づきたがりません。官邸内もイエスマンばかりで、総理に厳しい意見を言う人が周囲にいないことが、後手対応を招いている一因でしょう」という官邸関係者の話が紹介されていました。新型コロナウイルス感染症への対応や東京五輪の開催に向け、難しい判断を迫られる中、少しでも好転していくことを願い続けています。

しかしながら『菅首相お得意の「強権人事」で官邸から“安倍派”を一掃 長期独裁の足場固め』という報道をはじめ、東京五輪「開催ありき」のパソナグループの竹中会長と最近面談したという話などを耳にすると、たいへん残念ながら菅総理は私自身の願いとは真逆の方向をめざしているように思えてなりません。

実は最近『スガノミクス 菅政権が確実に変える日本国のかたち』という書籍を読み終えています。私自身、多面的な情報を把握した上で菅総理を評価しなければならないものと考えていたため、少し前に書店で購入していました。

必ず当ブログで触れるつもりでしたので読み進めながら興味深い箇所に付箋を貼っています。今回も「雑談放談」な話が長くなっていますので、その書籍の内容は次回以降の記事で取り上げる予定です。

最後に、特定公務員の立場からも声を大にして訴えることのできる言葉です。明日日曜、東京都議会議員選挙の投票日です。東京都在住の有権者の皆さん、まだ投票されていない場合、必ず投票所に足を運びましょう! よろしくお願いします。

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