« 2020年11月 | トップページ | 2021年1月 »

2020年12月26日 (土)

コロナ禍の2020年末

2020年も残りわずかです。新型コロナウイルス感染症によって、これまで経験したことがなかった「日常」を強いられた一年でした。新規感染者の数は過去最多という言葉が日々伝わってきています。前回の記事は「迷走するGoTo」でしたが、外出を控えなければならない年末年始となります。

3月以降、飲食を伴う歓送迎会や親睦会などは一切開いていません。忘年会の季節を迎えていましたが、私の周りでは開けないことが当たり前な雰囲気でした。菅総理の5人以上の忘年会が批判を招いた後、自民党の忘年会が次々中止になったというニュースを耳にしました。国民に対して多人数での会食の自粛を求めながら自民党の国会議員の皆さんは開く予定だったことに驚きました。

国会議員に限らず、西尾市の自民党系市議は14名による忘年会を催していました。「忘年会ではなく反省会」「コンパニオンを呼んだのは感染防止のため」と釈明したことで、ますます認識のズレを際立たせたように思っています。感染症対策への温度差があるのかも知れませんが、国民に対して様々な要請を重ねているのであれば政治家の皆さんは率先垂範しなければならないはずです。

小林よしのりさんの『コロナ論2』が発売され、さっそく読み終えています。客観的なデータや専門家の意見なども紹介しながら持論を展開する『ゴーマニズム宣言』のSPECIAL版です。インフルエンザの脅威に及ばない新型コロナウイルスに過剰反応し、小林さんは「経済を止めるな!」という主張を貫いています。

欧米よりも日本の死者数の少ない理由、ファクターXとして小林さんは日本人の衛生観念の強さをあげています。さらにハグ・キスをしない文化、飛沫を飛ばさない日本語の発音など、日本人は自然体でウイルスの防御を行なっているため、緊急事態宣言や外出・営業自粛をせずに経済を回し続けるべきという主張です。

京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授の宮沢孝幸さんとの対談記事があり、宮沢さんは大声での会話を控えれば済む話で、飲み会やカラオケでは感染に気を付ける程度の行動で感染を防げると語っています。3月の段階で「絶対ロックダウンをしてはいけない」と繰り返し訴えてきている専門家の一人です。

したがって、小林さんや宮沢さんらの主張と同じ考えを持たれている方々にとってGoToトラベルや忘年会の中止はあり得ないことになるのかも知れません。私自身は前回記事で紹介したとおり「エンジンブレーキ」が必要であるという考えです。アクセルは踏まず、車を止めないけれども、ゆっくり走行していくという発想です。

小林さんらの主張と相通じるものですが、再度の緊急事態宣言は可能な限り避けるべきと考え、感染症対策において罰則や強制力を持たせる法改正等の動きには懐疑的な立場です。やはり前回記事で紹介した新型コロナ対策の成功国としての台湾を心強い手本にすべきものと考えています。

これまで緊急事態宣言の発令はなく、出入国制限のほか、新たな生活様式の徹底化を国民に求めている程度の対策とし、台湾は経済を過度に停滞させていません。「防疫新生活運動」と呼びかけた新たな生活様式は次の6点で、日本でも同様に推奨し、ほぼ実践できている項目ばかりだと言えます。

  1. マスク着用の習慣化
  2. 石鹸での手洗いや消毒の励行
  3. ソーシャルディスタンスの確保(屋内1.5メートル、屋外1メートル)
  4. 外出の際は混雑しない時間帯を調べてから出かける。
  5. 屋内に入る際の検温に協力する。
  6. 飲食店のテーブルには飛沫防止パーテーションを設置する。

その台湾の累計感染者は776人(死者7人)であり、本日、過去最多を更新した東京の1日の感染者数949人を下回るものです。もちろん新型コロナウイルスの脅威を絶対侮ってはいけません。ワクチンや特効薬が普及し、集団免疫が確認できるまで、自分自身が感染しているかも知れないという意識のもとに行動していかなければなりません。

菅総理の「アクセルとブレーキを踏みながらやっている」という言葉はアクセルとブレーキを同時に踏んでいるように映っていました。実際、GoToはアクセルであり、人と人との接触の機会は増え、感染拡大につながった可能性は高かったはずです。今回、加速している最中に急ブレーキをかけてしまったため、キャンセル料の負担など避けられた出費や混乱を招いてしまったことは否めません。

「Goto」撤退に失敗した政権の「病理」』という見出しの新聞記事の中で、千葉商科大学准教授の田中信一郎さんが「菅首相ら政府首脳に上がってくる情報は、異動対象になり得る役人たちが上げてきます。菅首相らの嫌う情報は小さく見せ、楽観的な情報は大きく見せる、といった『加工』が積み重ねられた、と見るのが当然です」と解説しています。

菅総理の「私ども(政治家は)選挙で選ばれている。何をやるという方向を決定したのに、(官僚が)反対するのであれば異動してもらう」という言葉は「自分の政策に異論を唱える官僚はトバすぞ」という恫喝と同然です。11月以降、東京都医師会の尾崎治夫会長が「一度中断するという決断を」と訴えても「GoToが感染を拡大させた証拠はない」という楽観的な情報に打ち消されていました。

いずれにしても新型コロナウイルスに対する考え方も単一ではありません。違いは違いとして認め合いながら、より正確な情報をもとに最適な「答え」を見出すための努力が必要です。当たり前なこととして東京都医師会の尾崎会長に殺害予告の脅迫文というような行為は決して許されません。 

最適な「答え」をめざす際、菅総理には最も重い責任と調整能力が求められています。台湾の蔡英文総統は「新型コロナ“神対応”連発で支持率爆上げ」という結果を出しています。国会で「事実に反した答弁」を繰り返した安倍前総理の不適切な行為を反面教師とし、ぜひ、菅総理には国民に対して常に説明責任を果たし、信頼を寄せられる政治を進めて欲しいものと願っています。

2020年末、『週刊金曜日』最新号の特集記事は「『鬼滅の刃』メガヒットの理由」でした。硬派な週刊誌の表紙に意外な見出しを目にして少し驚いていました。その内容についても触れてみるつもりでしたが、いつものことながらたいへん長い記事となっています。年明け、機会を見て「『鬼滅の刃』を読み終えて」という記事を投稿させていただくかも知れません。

最後に、この一年間、多くの皆さんに当ブログを訪れていただきました。本当にありがとうございました。どうぞ来年もよろしくお願いします。なお、次回の更新は例年通り元旦を予定しています。ぜひ、お時間等が許されるようであれば、早々にご覧いただければ誠に幸いです。それでは皆さん、良いお年をお迎えください。

| | コメント (2)

2020年12月20日 (日)

迷走するGoTo 

12月11日午後3時、菅総理はインターネット番組『にこにこ生放送』に出演し、冒頭で視聴者へのメッセージを求められた際に「こんにちは。ガースーです」とあだ名で自己紹介していました。スタジオ内は大ウケで、菅総理はニンマリしていたそうです。

周囲からも「うまくいきましたね」と言われ、菅総理は自信を回復させていたという話が週刊文春最新号で伝えられています。ちなみにネット上で検索したところ「ガースー」は愛称というよりも「茶化し」や蔑称として使われてきたようです。

その番組内で菅総理はGoTo停止を「まだ考えていない」という強気の姿勢を示していました。同じ時間帯、政府の新型コロナウイルス対策分科会を終えた後の記者会見で、尾身茂会長は感染状況が拡大している地域でのGoToトラベル一時停止の提言をまとめたことを発表していました。

菅総理は「アクセルとブレーキを踏みながらやっている」とし、医療と経済のバランスを保ちながら舵を取っていることを強調していました。「いつの間にかGoToが悪いことになってきちゃったんですけど、移動では感染しないという提言もいただいていた」とも話されていました。

分科会から提言を受けた翌々日の13日午後4時半、加藤官房長官、田村厚労相、西村担当相との協議中、菅総理は「札幌は緩められないのか」と語気を強めていました。行動の引き締めを協議する場で飛び出した緩和策に対し、西村担当相は色をなして反論し、40分ほど続いた協議は平行線をたどり、結論は翌14日に持ち越されていました。

政府は15日、観光支援事業「Go To トラベル」を年末年始に一時停止する方針を決定したことについて説明に追われた。新型コロナウイルスの新規感染者拡大や、トラベル事業見直しを求める新型コロナ感染症対策分科会の提言などを理由としているが、今までの説明と矛盾する点も多く対応に苦慮している。

菅義偉首相は15日の自民党役員会で、トラベル事業について「(新規)感染者が(1日)3千人を超える中で年末年始に集中的な対策を取るべきだと考え、いったん停止することを決断した」と説明した。同席した党幹部は「首相は眠れないほど考えたと思う」と推し量る。

首相は感染防止対策を取りながら経済回復も図る考えを示してきた。15日も周囲に「移動の自粛を求めたわけじゃない」と語っている。実際、11日午後までトラベル事業見直しには否定的だった。だが、11日夜に分科会がトラベル事業の見直しを求める提言を行って以降、状況は一変した。

「全国で止めようと思う」 首相は13日、官邸に集まった関係閣僚らにこう告げた。決断は前日の12日だった。厚生労働省幹部らから全国の感染状況の報告を受け、新規感染者が3千人を超えたことでかじを切った。閣僚の一人は「急転直下だった」と振り返り、政府高官も「今回は(事前に)知らなかった」と明かす。

ただ、政府は分科会の11日の提言を踏まえ、トラベル事業の全国一斉停止に踏み切ったとも説明している。加藤勝信官房長官は15日午前の記者会見で12回も「提言」に言及したが、分科会がトラベル事業見直しを提言したのは11日が初めてではない。

政府が分科会の提言にもかかわらず事業を継続してきたのは、分科会自体が「感染拡大の主因であるとのエビデンス(根拠)は存在しない」としていたからだ。現在もこの認識に変わりはないが、一時停止に踏み切った。政府は事業の見直しは地域の実態を知る都道府県知事と相談しながら決定すると説明してきたが、今回の決定を前に各知事と相談した形跡はない。

政府高官は14日午前、医療体制に関して「私なんかは大丈夫だと思っている」と語っていた。それでも報道各社の世論調査では、政府のコロナ対策に厳しい評価が下されていた。自民党の佐藤勉総務会長は15日の記者会見で首相の決断について、こう語った。「高度な政治判断だと理解している」【産経新聞2020年12月15日

産経新聞の上記の報道では、菅総理が「全国で止めようと思う」と関係官僚に告げたのは13日だったと伝えています。久しぶりに購入した週刊文春は、前述したとおり13日の段階では側近中の側近である和泉首相補佐官まで菅総理の頑迷な姿勢に「俺も困っているんだよ」と愚痴をこぼしていたと記しています。

菅総理が考え方を急転させた理由はNHKの世論調査の結果だったことも伝えています。14日午前、支持率が前月比14%減、GoToの一時停止を求める声は79%に上っていることを知り、菅総理はGoTo継続を諦めたことが週刊文春の特集記事の中で綴られています。

12日に毎日新聞の世論調査で支持率17%減が発表されていましたが、菅総理はNHKの調査精度の高さを重視していることが書き添えられていました。産経新聞と週刊文春の報道、どちらが事実関係を正確に伝えているのかどうか分かりませんが、菅総理の決断が関係者にとって「寝耳に水」だったことは間違いないようです。

GoToの一時停止を明らかにした後、記者から「GoToに感染拡大のエビデンスはないとの認識が変わったのか」と問われると菅総理は「そこについては変わりません」と答えています。政府の分科会は「エビデンスは現在のところ存在しない」と提言し、さらに様々な専門家の見方があることも確かです。

このブログでは「批判ありき」と見なされるような論調はなるべく避けたいものと心がけています。「支持率が下がったから方針を変えた」と批判される場合がありますが、国民の声を受けとめて臨機応変に判断したという評価もあり得るのだろうと思っています。

最近、小林よしのりさんの『コロナ論』を読み終えています。小林さんは「新型コロナウイルスの脅威を煽りすぎている。経済のほうが命より重い」という主張を続けています。『コロナ論』の中でスウェーデンに関する記述が目を引きました。

スウェーデンは新型コロナ対策でロックダウンのような強硬な「抑圧策」を採らず、規制を緩やかにして経済を回す「緩和策」を採用しています。感染者や死亡者の数が他の北欧諸国と比べて圧倒的に高くなっていますが、多くの国民が「緩和策」を支持していました。

国民の中に「自然なかたちで死を迎える」という死生観があり、経済を回すことを選択しているという背景が小林さんの著書で解説されていました。ただ「スウェーデン 見捨てられた高齢者」という報道もあり、必ずしも国民のすべてが支持している訳ではないため、悩ましい政治的な選択だろうと見ています。

日本の国民の大半も感染対策に留意しながら経済を回すことの重要性は理解しているはずです。確かにGoToそのものが感染拡大につながる訳ではありませんが、人と人との接触の機会が増えれば感染する確率は上がります。会食は4人以下という目安や営業時間の短縮なども、あくまでも感染リスクの確率を下げるための対策だと言えます。

菅総理の「アクセルとブレーキを踏みながらやっている」という言葉は矛盾したもので、国民に誤解や混乱を与えがちな考え方だと言わざるを得ません。パンデミックの終息が宣言されるまでGoToという「アクセル」は時期尚早だったものと思っています。

ロックダウンや緊急事態宣言は避けながら「新たな日常」のもとに経済を静かに回す、このような発想が必要だったように考えています。例えれば「エンジンブレーキ」です。アクセルは踏まず、車を止めないけれども、ゆっくり走行していくという発想が望ましかったのではないでしょうか。

新型コロナ対策の成功国として台湾が心強い手本となります。緊急事態宣言の発令はなく、出入国制限のほか、日本でも励行している生活様式の徹底化に努めています。国内での移動に制限はないため、今年の域内旅行者数は過去10年間での最高記録を更新する見通しです。際立った「抑圧策」を採らない台湾の感染者は759、死者7という数字を今朝の新聞で確認できます。

一方で、新型コロナの脅威を侮ったリーダーを要する国の感染者数と死亡者数は増加傾向にありました。感染対策と経済の両立を苦慮しながら政治的な判断を下す際、ますます国民と政治家との信頼関係が重視されていきます。厳しい「抑圧策」を強いたとしても『日本と真逆。ドイツのロックダウンに「国民が批判しない理由」』という国も見受けられます。

GoToは迷走しましたが、菅総理も「国民のため」に様々な判断を下しているものと信じています。その判断が適切なものだったのかどうかは上記のような問題意識を持っています。いずれにしても『菅首相"5人以上忘年会"の真相』のような批判を招かないように襟を正しながら国民から信頼される政権運営に努めて欲しいものと願っています。

| | コメント (0)

2020年12月12日 (土)

継続中の賃金・一時金交渉

木曜の夜、連合地区協議会委員会が開かれました。都内の新規感染者数が600人を初めて超えた日でした。開催そのものを中止や延期するケースが増えていますが、新型コロナウイルス感染症対策に最大限留意しながら催しています。Web参加とともに館内の会議室を2箇所確保し、受付で検温や消毒を徹底しています。

議長代行として閉会の挨拶を担いました。私どもの組合の定期大会での挨拶とは異なり、ノー原稿で臨んでいるため、つい言葉が走りがちとなります。あまり長々と話していないつもりですが、少しまとまりが欠けた内容だったかも知れません。この場で伝えたかったことを改めて整理し、書き残しておきます。

ちょうど昨年の今頃、中国武漢で新型のウイルスが確認されました。そのウイルスがここまで世界中に脅威を与えることを誰も予想していなかったはずです。社会経済に深刻な打撃を与え、フェースツーフェースの関係が大事な労働組合活動にとって、たいへんなピンチの一年だったと言えます。

私どもの組合でも三多摩メーデー、日帰りバス旅行、職員家族クリスマスパーティーなど多くの組合員が集う場を持てない一年でした。ただピンチをチャンスに変えるための努力や工夫をはかってきました。執行できなかった組合予算の還元策として、今年、労働金庫口座開設推奨金振込制度を創設しています。

新規開設者だけにとどめず、すでに労金口座をお持ちの組合員の皆さんも対象にしました。充当できる予算が生まれたからこそ可能となった制度のスタートでした。他にも委任状を含む定期大会参加者全員を対象に抽選会も行ないました。

前者と後者では一桁違う支出差となっていますが、出席者数を絞らなければならなかった今年ならではの特別企画でした。いずれにしても各種行事に参加しない、もしくは参加できない組合員の皆さんに対し、組合予算を還元していく方策として今後も意識していくべき試みでした。

コロナ禍というピンチに直面し、このような時だからこそ試すことができた点をチャンスととらえても良いのではないでしょうか。新たな一年、このような思いのもとに連合地区協も議長を先頭に頑張っていきます、という趣旨の話を地区協委員会の最後に挨拶させていただきました。

さて、前回記事は「不戦を誓う三多摩集会、2020年冬」でしたが、今回、労働組合が最も力を注がなければならない賃金・一時金交渉について取り上げます。1か月前に投稿した記事「当面する労使課題について」の内容と重複する箇所もありますが、時系列に交渉経過をたどってみます。

私どもの市の職員賃金は東京都に準じ、東京都人事委員会勧告(都人勧)の内容を基本に改定されます。今年の都人勧は10月30日に一時金を先行させた勧告を示していました。年間一時金を0.1月引き下げて4.55月分とし、再任用職員は0.05月引き下げて年間2.4月分とする内容でした。

10月30日に自治労都本部統一「2020賃金改定等に関する要求書」を市当局に提出し、回答指定日の11月6日に文書回答が示されました。11月11日に団体交渉を開き、12月議会に向けた条例案を送付する日程等を考慮し、一時金の取扱いに絞って協議しました。

都人勧を上回る削減は考えていないこと、会計年度任用職員の一時金に関しては引き続き協議していくことを確認し、下記のとおり労使合意しています。月例給に関しては、今後示される都人勧を踏まえ、引き続き労使協議していくことも確認していました。

  1. 東京都人事委員会の勧告通り一時金を0.1月分引き下げて年間4.55月分、再任用職員は0.05月分引き下げて年間2.4月分とします。来年度の一時金は夏と年末とも2.275月分(再任用1.2月分)ずつの配分となり、今年末の一時金は2.225月分(再任用1.175月分)、支給日は12月17日です。
  2. 会計年度任用職員の場合、都人勧の内容の反映は翌年度とすることを確認しています。都人勧は期末手当2.6月分から0.1月分引き下げる勧告であり、勤勉手当が支給されない会計年度任用職員にとって削減率は常勤職員の倍に相当します。そもそも期末手当に限る支給自体「同一労働同一賃金」の考え方に反していることであり、翌年度以降も会計年度任用職員の一時金は現行水準を確保するよう求め、引き続き協議していきます。

月例給に関する都人勧は12月16日頃と見込まれています。人事院勧告をはじめ、東京都特別区人事委員会も月例給は据え置きを報告しています。都人勧も同様な報告を示すのだろうと予想していますが、一時金の削減幅が独自な判断でしたのでマイナス勧告もあり得るのかも知れません。 

会計年度任用職員の一時金は昨年度の制度化を巡る労使交渉の際、都人勧通りとし、翌年度に反映させることを確認していました。しかしながら削減率が常勤職員の倍に相当するため、組合は現行水準の確保を求めています。

市当局は「すでに決まっていること」という姿勢を崩していません。組合も「労使で決めたこと」という認識を持ち、「決めていない」という信頼関係を損ねるような主張をしている訳ではありません。予想していなかった事態のもと会計年度任用職員の一時金に関しては現行水準の確保を要求している局面だと言えます。

特に自治労都本部が統一闘争を進めている最中、先駆けて0.1月分の引き下げを受け入れることはできないと跳ね返していました。その結果が上記の確認内容となっていました。決着した後は都労連交渉や自治労都本部統一闘争の行方を注目し、私どもの労使交渉の追い風になる動きを期待していました。

他力本願な期待で心苦しいところでしたが、0.1月分引き下げを圧縮できた組合はわずかでした。東京都をはじめ、圧倒多数の自治体の会計年度任用職員が今年度から0.1月分の引き下げを受け入れる交渉結果となっています。たいへん厳しい情勢ですが、決着期限とされている1月末までに労使交渉を精力的に重ね、組合要求の実現をめざします。

| | コメント (0)

2020年12月 5日 (土)

不戦を誓う三多摩集会、2020年冬

『ゴー・ホーム・クイックリー』を読み終えて」から「憲法論議に願うこと」という記事を投稿し、2週続けて日本国憲法について取り上げてきました。今週末に投稿する新規記事も戦争と平和について考える内容となります。

土曜日の午後、三多摩平和運動センターが主催した不戦を誓う三多摩集会に参加しました。コロナ禍の中、感染対策に留意し、広い会場を確保して催されています。組合ニュース等で案内し、組合役員の他に組合員の方も参加されています。

一人でも多く集めたいと願う主催者の方々には申し訳ありませんが、私どもの組合では「動員」という言葉が消えています。少し前の記事「組合役員を続けるモチベーション」の中で次のような現状を説明していました。

かつて私どもの組合も各職場何割という動員割当を要請していました。現在、動員要請という言葉自体使っていません。広く参加者を募る集会やイベントは組合ニュースで呼びかけ、あくまでも個々人の判断での参加です。このような関係性のもと組合役員も各種集会に参加するかどうかは任意に選べるようになっています。

決起集会などは参加者の数の多さが成否の目安となり、桁違いの数が集まった場合、社会的な影響力を発揮できる可能性も高まります。また、関心のなかった方が「動員」で参加したことで、何か新しい発見や問題意識を触発する機会につながる可能性もあります。

このような意義や効果が「動員」にあることも確かですが、組合員の皆さんとの関係、組合役員の担い手問題を考慮した時、義務感の伴う参加要請は何年も前から見合わせています。一人でも多く集めたい場合、組合ニュースで広く呼びかけた上、個人的な人間関係で誘うように努めています。

今回、参加された組合員の方は「沖縄のことに関心があり、この映画を観たかった」と話されていました。企画内容によって自発的に参加を希望される方々も少なくありません。昨年は知名度の高い講師による講演があったため、例年よりも参加者が多くなっていました。

組合員の皆さんには組合ニュースを通して参加を呼びかけましたが、いつもより多い参加人数を得られていました。東京新聞の記者である望月衣塑子さんの講演「破壊される民主主義~安倍政権とメディア」が注目されたからでした。当日の会場は満杯で300人ほど集まりました。催しをお知らせすることで組合員の皆さんが個々の判断で足を運び、このように盛況となる取り組みが望ましいことです。

上記の記述は昨年の記事「不戦を誓う三多摩集会」の中に残したものです。昨年12月のバックナンバーを確認したところ「不戦を誓う三多摩集会 Part2」まで続けていたことを思い出していました。それぞれ読み返してみると次のような内容を伝えていたことも思い出しています。

講演の最後のほうで幣原喜重郎元首相の言葉などを紹介されたことを伝えていました。日本国憲法の平和主義は制定に関わった当時の首相だった幣原さんがGHQに提案したと言われています。したがって、「占領されていた時代に押し付けられた憲法だ」という見方自体、間違っているという説もあります。

このような説に対し、中路啓太さんの著書『ゴー・ホーム・クイックリー』の中では、幣原首相が「戦争放棄」に疑念をはさんでいたことを伝えています。このブログで、よく使っている言葉ですが、「誰が」ではなく、「何が望ましいのか」という視点を重視しています。つまり幣原元首相の提案ではなかったからと言って、憲法の中味に対する評価が変わるものではありません。

今年「2020年冬」の集会の内容に入る前に前置きの文章が長くなって恐縮です。個人の責任で運営しているブログであり、「書きたいことを書く、伝えたいことを伝える」という自由度があるからこそ、ここまで長続きしているものと思っています。

ますます前置きが長くなりましたが、不戦を誓う三多摩集会は三多摩平和運動センターが主催し、太平洋戦争に突入した12月8日前後に毎年開いている集会です。今年、40回という節目を迎えていました。

コロナ禍の中、今年8月の原水禁大会は規模が縮小されていました。子ども派遣も中止されていたため、代わりの企画として小・中学生に「平和を願う!」作文や絵を募集していました。今回の不戦を誓う三多摩集会の冒頭で、入賞された子どもたちの表彰式が行なわれています。

今年のメインとなる企画は映画『GAMA 月桃の花』の上映でした。沖縄戦から75年、沖縄県民を巻き込んだ激烈な地上戦を繰り広げた悲惨な史実をもとにした映画です。キャストなど詳しい内容についてはリンク先のサイトをご参照ください。そのサイトでは「語れない恐ろしい秘密…」という見出しを付け、次のように物語が紹介されています。

宮里房(72)は海辺の村で琉舞を教えながら幼稚園を経営している現役の園長である。同世代の沖縄のアンマーの例にもれず地獄の戦場を体験した一人である。十数名の家族や親兄弟を次々と砲爆撃に奪われ、最後に追い詰められた摩文仁岬の洞窟から母と娘だけが奇跡的に生還してきた。

敵は米兵だけではなかった。兵隊と避難民が雑居した洞窟の中では、いまわしい惨劇が繰り広げられていた。だが、彼女はこれまでのあの洞窟の中で目撃した真相を誰にも語ったことがない。語るに語れないおそろしい秘密が房の胸の中には畳み込まれている…。

映画は1996年に制作されています。その前年、沖縄戦集結50年記念事業として、沖縄戦で亡くなった23万余の人々の名前が国籍を問わず、黒い石版に刻銘されました。沖縄本島南部、摩文仁の丘の平和記念公園に黒い石版「平和の礎」は海に向かって立ち並んでいます。

「平和の礎」の建設が進められた中、沖縄の文化人や一部の財界人など戦争を体験した人々が協力し、沖縄の心や沖縄戦の実相を映像化しようと試み、映画『GAMA 月桃の花』が完成しています。沖縄県民だから伝えていかなくてはならない平和への強い願いが込められた映画だと言われています。

ひとたび戦火に見舞われると年齢や性別に関わらず、生き続けたかった人々の命が奪われ、数多くの悲劇が生み落とされます。このような戦争を誰もが二度と起こしたくないと願っているはずです。しかしながら平和の築き方に対する考え方は人によって差異が生じがちです。

映画を上映することで平和が近付くものではありません。しかし、より正しい「答え」を模索する際、このような史実を知った上で考えを巡らすのと、知らないまま考えを巡らすのと、どちらが望ましいのか、やはり前者ではないでしょうか。映画を観たことで、その人が次に何を考えるのか、そのような意味合いの大切さを感じています。

実は『GAMA 月桃の花』を観るのは2回目です。ある程度の筋書きは覚えているつもりでしたが、記憶は薄れるもので新鮮な気持ちで鑑賞できました。エンドロールとともに主題歌『月桃』が流れている時、今回も思わず目がうるんでいました。

前回、この主題歌を知ってから時々YouTubeで視聴しています。作詞作曲は海勢頭豊さんです。リンク先の映像は沖縄の青い海と空、モノクロの沖縄戦の場面が対照的であり、ぜひ、ご覧ください。最後に、『月桃』の歌詞も紹介させていただきます。

月桃ゆれて 花咲けば
夏のたよりは 南風
緑は萌える うりずんの
ふるさとの夏

月桃白い 花のかんざし
村のはずれの 石垣に
手に取る人も 今はいない
ふるさとの夏

摩文仁の丘の 祈りの歌に
夏の真昼は 青い空
誓いの言葉 今も新たな
ふるさとの夏

海はまぶしい キャンの岬に
寄せくる波は 変わらねど
変わるはてない 浮世の情け
ふるさとの夏

六月二十三日待たず
月桃の花 散りました
長い長い 煙たなびく
ふるさとの夏

香れよ香れ 月桃の花
永久(とわ)に咲く身の 花心
変わらぬ命 変わらぬ心
ふるさとの夏

| | コメント (0)

« 2020年11月 | トップページ | 2021年1月 »