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2020年9月 5日 (土)

安倍首相の辞任会見後の話

前回記事「憲法9条の論点について」の中で安倍首相の辞意表明について取り上げました。健康上の問題での退陣ですので労いの意味合いから下落傾向だった支持率も、ある程度上がるのだろうと見ていました。ただ共同通信社の調査で20ポイント超上昇した結果には驚きました。

リンク先の記事で「反安倍はやめるから上がったと言い、安倍総理支持派はやめて欲しくないから上がったと言う」という声も紹介しています。さらに朝日新聞社の調査で第2次安倍政権の7年8カ月の実績評価を聞くと「大いに」17%、「ある程度」54%を合わせて71%が「評価する」と答えていました。

2007年9月、 第1次政権時に安倍首相が辞任を表明した直後、同じように質問した際は「評価する」が37%で、「評価しない」が60%でした。政権を担った全期間の総合評価の違いですが、辞意を表明した記者会見の持ち方にも大きく明暗を分けた要素があったものと思っています。

流れを変えた記者会見の一つとして、郵政解散直後の小泉元首相の姿を思い出しています。「参院で否決されて、なぜ衆院を解散?」という懐疑的な雰囲気を一蹴した気迫が伝わってきた記者会見でした。シチュエーションが異なりますので気迫云々で比べるものではありませんが、プロンプターは使わずに安倍首相自身の思いが伝わる会見だったと言えます。

前回記事で安倍首相に対する評価の落差が人によって極端に枝分かれしていることを記していました。いみじくも安倍首相の辞意表明の受けとめ方の決定的な落差によって、京都精華大学の白井聡さんがシンガーソングライターの松任谷由実さんを罵倒し、謝罪するという騒動まで起こっていました。

いつも述べているとおり私自身の心構えとして「誰が」に重きを置かず、「何が正しいのか、どの選択肢が正しいのか」という論点を重視しています。安倍首相に対しても評価すべき点があれば評価した上で、問題点があれば具体的な政策や言動を示しながら批評するように心がけています。

どちらかと問われれば安倍首相を支持している立場ではありませんが、安倍首相を信奉されている方々が多いことも冷静に受けとめています。当たり前なことですか、安倍首相を支持されている方々を見下すような思いは一切ありません。そのため、安倍首相の会見に涙した松任谷さんを揶揄した白井さんの言葉は極めて不適切だったものと思っています。

安倍首相に限らず、時の最高権力者を支持する自由、もしくは支持しない自由、それぞれを認め合っていける社会が大切です。お互いの考え方や意見が異なっても、相手を全否定し、攻撃し合うことは避けたいものと願っています。ちなみに以前の記事「批判の仕方、その許容範囲」の中で権力者に対する批判のあり方について私見を述べていました。

このブログの場では、いろいろな「答え」を認め合った場として分かり合えなくてもいがみ合わないことの大切さを頻繁に訴え続けてきています。そして、自分自身が正しいと信じている「答え」に対して共感を広げていくためには、異なる立場や意見を持つ方々に届く言葉を探すことの重要性を認識するようになっています。

今、マスメディアからは自民党総裁選の話題が連日伝えられています。立憲民主党と国民民主党が合流するため、同じ時期に新党の代表を決める選挙も行なわれます。完全にかすんでしまいましたが、自民党総裁選のほうは実質的に総理大臣を選ぶ動きであり、やむを得ないことだろうと考えています。

個人的にはそれぞれ関心を寄せる話題だったため、今回の記事は「自民党総裁選と合流新党」というタイトルを付けていました。いつものことながら書き進めるうちに話が広がり、相応の長さとなっていたため途中でタイトルを変えていました。旬を外していなければ次回の記事を「自民党総裁選と合流新党」とするつもりです。

最後に、ブックマークしているBLOGOSで目にした経営コンサルタントの倉本圭造さんの記事「左派の過激化する正義感がむしろトランプ大統領再選を可能にする理由」を紹介します。今回の記事に託している私自身の問題意識につながる内容だったため、興味深く読ませていただいていました。冒頭の箇所のみ掲げますが、興味を持たれた方はリンク先で全文をご参照ください。

今回の記事は、例えば安倍首相が辞任するとなった時に、「安倍氏が支持されていた理由」を直視してそれを包摂しようとすることなく、安倍氏や安倍氏の支持者をリベラル派が罵倒しまくって溜飲を下げているだけだと、結局さらに孤立無援化して「リベラル的でない」政策が通る世界になってしまうのではないか?という話をします。

そして後半では、まさにそれと同じ理由で、アメリカではさすがに今回は米国民主党のバイデン氏の方が勝つだろう・・・と思われていた状況が徐々に逆転しつつある状況にあるという話をします。

この記事を通じて伝えたいメッセージは、リベラルがやるべきことは安倍氏やトランプ氏を罵倒して溜飲を下げることではなく、「リベラルが取りこぼしているもの」をいかに包摂できるか真摯に向き合うこと・・そうしないと選挙に負け続けるぜ!ということです。

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