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2020年9月27日 (日)

コロナ禍での組合活動、2020年秋

前回記事は「新しい立憲民主党に期待したいこと」でした。今回は一転してマイナーでローカルな話題となります。2か月ほど前に「コロナ禍での組合活動と役割の発揮」という記事を投稿していました。今回、その続編となる私どもの組合活動の「今」を書き残しておこうと考えました。

そもそも当ブログでは政治的な話題を取り上げることが多くなっていますが、日常の組合活動は身近な職場課題や労働条件の改善に向けた取り組みが大半を占めています。取り上げ方が非対称となっている理由の一つは不特定多数の方々に発信しているため、誰もが知り得ている時事の話題を選びがちとなるからです。

さらに私自身の背伸びしない一つの運動として、あえて人によって評価が分かれがちな情報や問題意識を訴え続けています。このような理由があり、政治や平和の話を取り上げた記事が多くなっています。一方で、そのような話題ばかり目立ってしまうと日常の組合活動の中味そのものが誤解される心配もあり、今回のような内容の記事もしっかり書き残すように努めています。

さて、昨年8月末、私自身にとって久しぶりの自治労大会に参加していました。新型コロナウイルス感染症拡大がなければ今年は愛知県で開かれる予定でした。コロナ禍の中、第93回定期大会は署名審議とウェブ開催による代表代議員会議に切り替えていました。自治労中央執行委員長の挨拶の冒頭の内容は次のとおりでした。

労働組合は、多くの人間が集い、ともに声を発することによって力を発揮できる組織です。そのため、「他人との距離を保つ」「できるだけ会話は控える」などの、いわゆる「新しい生活様式」は、労働組合の根本に対する挑戦であるとも言えます。だからこそ私たちは、現状に流されてしまうのではなく、何ができるのか知恵を絞る必要があります。

「挑戦」という言葉は試練に挑戦するという意味で理解し、「知恵を絞る必要があります」という訴えはまったくそのとおりだと思っています。昨日土曜の自治労東京都本部第69回定期大会は収容人員の多い会場を確保し、検温や消毒など感染症対策に留意しながら開かれました。

私どもの組合の第75回定期大会は11月6日午後6時30分から予定通り市民会館小ホールで開きます。「密閉」「密集」「密接」という3密が避けづらいため、3月以降、会議室で開く職場委員会は取りやめています。定期大会の会場は200人以上入れるため、3密に注意することができます。

これまで一人でも多くの方の出席を呼びかけてきましたが、残念ながらコロナ禍の中、事前申込制として出席者が100人を超えないように留意していきます。したがって、例年以上に委任状での参加者が中心となります。

コロナ禍での組合活動と役割の発揮」の中で、コロナ禍での組合員の皆さんに対する還元策として2千円の労働金庫口座開設推奨金振込制度を創設したことを紹介していました。今回、コロナ禍での特別企画として委任状を含む定期大会参加者全員を対象に抽選会を行ないます。

  • 1等  ロボット掃除機ルンバ(1名様)
  • 2等  1万円相当のお肉ギフト(1名様)
  • 3等  コンパクト超音波加湿器(1名様)
  • 4等  温度が選べる電気ケトル(1名様)
  • 5等  パワフル風量サーキュレーター(1名様)
  • 6等  プレスサンドメーカー(1名様)
  • 7等  ハンディーアイロン&スチーマー(1名様)
  • 8等  5千円相当のスイーツギフト(1名様)
  • 9等  クオカード3千円分(5名様)
  • 10等  書籍『霞保育園で待っています』(5名様)
  • 11等  石けんシャンプー&リンス(5名様)

賞品は上記のとおりですが、総額10万円ほどの予算で取り組めます。組合員一人100円ほどの負担で大きな楽しみが生み出せるため、スケールメリットの一例として紹介することもできます。当選者は後日『組合ニュース』紙面で発表します。ちなみに大会出席者には組合規程に基づく日当千円を支給するほかに当選確率を2倍にします。

次年度の「運動方針(案)」は組合員全員に事前配布し、経過報告や資料が掲載された「定期大会議案書」は職場回覧します。組合員全員を対象にしたお楽しみ企画があることで、硬い議論を必要とされている定期大会への関心が少しでも高まっていけば、たいへん幸いなことだと考えています。

私どもの組合の機関紙は月に2回発行し、『闘争ニュース』というタイトルが付いていました。このブログで『闘争ニュース』というタイトル名で取り上げたことはなく、組合ニュースと記してきています。「タイトルが付いていました」と過去形で改めて紹介した訳は次のような経緯があったからです。

老朽化した印刷機を8月末に入れ替えました。コピー機と一体化し、機能面の向上とともに運転コストも縮減できます。入れ替えに伴い、1回の印刷でカラー刷りも可能となっています。これまで赤色のニュース題字だけ別原稿でしたが、印刷機の入れ替え後、題字もニュース本文のレイアウトに組み込むことになりました。

レイアウトとデザインを刷新する機会に『闘争ニュース』というタイトルを『組合ニュース』に改めました。労働組合にとって「闘争」という言葉は重く、これからも状況に応じて毅然と闘うという姿勢は待ち続けなければなりません。その上で組合員の皆さんから親しみを高めていただくためにも、シンプルなニュース名に改めることにしました。

コロナ禍が続く中、ますます紙面を中心に組合活動をきめ細かく伝えていくことが重視されています。そのため、ニュース名の変更を機会によりいっそう親しみと存在感が発揮できる組合活動に向けて努力していくことを『組合ニュース』に改めた9月8日発行の初回号で強調していました。

12月に予定していた職員家族クリスマスパーティーは残念ながら取りやめています。定期大会の事前申込制など組合員同士が直接交流する機会は控えていきますが、様々な課題の解決に向けた労使交渉能力はしっかり維持し、具体的な成果を上げることで、よりいっそう存在感が発揮できる活動をめざしています。

人員確保・職場改善要求の取り組みは例年通り進めます。各係・施設単位でアンケートを実施し、要求書をまとめ、年度末まで労使交渉を精力的に重ねていきます。会計年度任用職員制度に関する労使協議会を開いていますが、市当局側と組合の主張との隔たりは大きいままです。組合の要求の切実さを訴え、引き続き労使協議を重ねていくことを確認しています。

2年前、組合の要請書に対する文書回答で、行革計画の中で「労働条件の変更を伴う事項については、従前と変わらず事前協議していく」ことを確認していました。さらに労使の信頼関係を損ねないように取り組んでいくという確認もあり、その確認に沿った必要な対応を市当局に求めています。

コロナ禍における執務環境や昼食時の感染防止策、時間外勤務縮減の課題など労使協議すべき事項は多岐にわたっています。定期大会に先がけ、組合役員選挙が10月に実施されます。様々な課題に対して着実な成果を上げていくためにも執行部の体制充実が欠かせません。

最後に、『組合ニュース』の裏面に「組合は大事、だから幅広く、多くの担い手が必要です! 同時に貴重な経験を積める組合役員、ぜひ、手をあげてみませんか?」という見出しを掲げた記事内容をそのまま紹介させていただきます。 

定期大会から定期大会までの1年間が組合役員の任期です。今年も11月6日に第75回定期大会が開かれるため、その直前に組合役員の選挙が行なわれます。詳しい日程等は選挙委員会から改めてお知らせしますが、あらかじめ組合役員、とりわけ執行委員の担い手の問題について、組合員の皆さん全体に呼びかけ、ご理解ご協力を訴えさせていただきます。

■ 執行委員長、副執行委員長2名、書記長、書記次長、執行委員が定例執行委員会の出席対象であり、様々な組合課題の進め方等を議論しています。ここ数年、執行委員会の開催は隔週水曜夕方が定着していますが、年度ごとに調整可能です。執行委員の定数は12名です。任務の重さやプライベートな時間が割かれる面もあり、執行委員の定数を満たせない現況が何年も続いています。

■ 組合員から人員アンケート等で寄せられる組合への期待は非常に大きなものがあり、よりいっそう労使交渉の大切さが高まっています。組合の責任や役割を充分に全うしていくためには日常的な組合活動を担う執行部の充実が欠かせません。逆に万が一、担い手がいなくなれば組合活動は停滞し、つぶれてしまいます。職場委員同様、職域ごとに選出する方法に切り替える他の組合もありますが、次年度に向けては従来通りの選出方法で組合役員の立候補を募っていく予定です。

■ 「たいへんだったけど、やって良かった」、組合役員OBの皆さんからよく耳にする言葉です。組合役員を担うことで、日常的な仕事だけでは経験できない貴重な機会や幅広い情報が得られます。団体交渉など労使協議の場では副市長や教育長らに対し、自分自身の考え方や思いを直接訴えることができます。幅広い職場や世代の声、会計年度任用職員の皆さんらが、それぞれ抱えている悩みや要望を率直に伝えていける役割だと言えます。

■ 自分の職場以外の組合員の皆さん、さらに私どもの市役所以外の方々と交流できる機会が増えます。コロナ禍が終息した後であれば、限られた予算の範囲内で全国各地に出向く機会もあります。組合役員一人ひとりのアイデアや企画を形にしやすく、その成果や手応えを即時に実感できる経験を積んでいけます。何よりも組合員の皆さんから「組合があって助かりました。ありがとうございました」という声をかけられる時も少なくありません。

■ もちろん組合役員を担ったからと言って仕事の上で不利益になることはありません。ずっと組合役員として頑張り続けることも、組合役員を何年か担った経験を活かして役所の階段を上がっていくこともできます。これまで組合役員だった部課長は多く、現在の副市長は組合の会計幹事を4年間担われています。また、他の自治労単組では組合役員が係長や課長補佐に昇任する場合もあります。私どもの組合も例外ではなく、今後、組合役員を担いながら係長に抜擢されることも望ましい流れだろうと考えています。

■ このような点について少しでも関心を持たれた方は気軽に組合役員までお声かけください。なお、こちらから個別にお話をさせていただくこともありますのでご理解ご協力よろしくお願いします。

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コメント

OTSU 様

初めまして。ARIと申します。
現在30代半ばの市役所職員で、約8年間自治労系単組の執行役員を務めておりました。
8年間のうちの3年間は書記長、2年間は副執行委員長を務めておりました。
今回、役員の活動に関する記載があったため書かせていただきます。
不快にさせたり非常識ととらえられる内容でしたら大変申し訳ございません。

率直に申し上げますと、
書記長、副執行委員長の任務は苦痛そのものでした。
青字の「■『たいへんだったけど、やって良かった』、組合役員OBの皆さんからよく耳にする言葉です。」の記載について申し上げさせていただきますが、
私としては、組合の必要性については理解できますが、精神面で影響してしまったからかやったことを後悔しております。

記事の中に「任務の重さやプライベートな時間が割かれる面もあり、執行委員の定数を満たせない現況が何年も続いています。」ともありますが、私が所属していた単組もそのような状況でした(現在は不明です)。
私も書記長時代からプライベートを割かれ散々でした。
そのため、ワークライフバランスを執行部が訴えておきながら自分たちのワークライフバランスを崩していることに矛盾のようなものを感じておりました。

結果的には、プライベートが削がれリフレッシュの機会が減ってしまい、カウンセリングを受けるまでに至りました。
現在は執行役員を引退しており、メンタル面も安定しましたが、副執行委員長時代の経験等はトラウマになっています。


実際、私以外にも「やらされている」という感覚が強い役員は何名かいました。
そこで伺いたいのですが、
・ 役員として(組合活動等)でモチベーションを上げるには
・ ワークライフバランスを崩さずに組合役員を続けられるには
・ 組合役員に積極的に立候補する人を増やすには
についてご意見ご教示等いただけたら幸いです。
このような書き込みで大変申し訳ありませんがよろしくお願いします。

投稿: ARI | 2020年10月 7日 (水) 16時24分

ARIさん、コメントありがとうございました。

投稿日の夜、ご指示いただいたとおり重複したコメントは削除しました。ただ右サイドバーへの反映は数日を要していたようです。また、たいへん重要な問いかけをいただきながら当ブログに関わるのは週末に限っているため、返信が遅れて申し訳ありません。

「たいへんだったけど、やって良かった」、そのように述べられる組合役員OBの皆さんが多いことも確かですが、私どもの組合でもARIさんのように苦痛な任務に過ぎなかったと思われたまま退任された方も少なくありません。

役員改選期にあたり、そのような話を告げられる時もあり、今回のARIさんのコメントに身につまされる思いを強めています。いずれにしても本務以外の組合役員を務めたことで心身に不調を来すようなことは絶対避けたいものです。

しかし、任務の重さや関与しなければならない時間の膨大さに押しつぶされそうになる現況があることを決して否定できません。さらにARIさんが経験されたように書記長や副委員長という任務の重さに比例する傾向もあります。

今回、3点の問いかけをいただきました。このコメント欄で迅速にお答えすべきなのかも知れませんが、それぞれ端的な「正解」を示すことが難しい問いかけです。そのため、記事本文を通して、私自身の「答え」を掘り下げさせていただければと思っています。

ただ今週末の記事は別な題材で投稿する運びでしたので、来週以降となることをご容赦ください。ちょうど私どもの組合の役員改選期に入るため、私自身の思いや悩みを率直に吐露できればとも考えています。

末筆となりましたが、くれぐれもお体に気をつけてお過ごしください。そして、組合役員を経験した方、誰もが「たいへんだったけど、やって良かったこともあったな」と振り返られるような組合活動にしていければと思っています。

投稿: OTSU | 2020年10月10日 (土) 06時20分

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