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2020年9月13日 (日)

自民党総裁選と合流新党

インターネット上からは幅広い情報がコストをかけず、素早く手軽に入手できます。インプットした情報を組合役員という立場でアウトプットする機会が少なくありません。さらに当ブログを通し、不特定多数の方々にネット上で発信を続けているため、普段から幅広い情報にアクセスするように努めています。

その際、一面的な情報では正確な事実関係をつかめないケースもあります。最近、ネット上で『つるの剛士が畑泥棒を「近くの工場で働いてる外国人」「あそこ怪しすぎる」とヘイト丸出しツイート』という記事を目にしました。つるのさんが「畑泥棒は外国人だ」と憶測で決め付けていた場合、確かに批判を受けるツイートだったかも知れません。

ただ他のサイト『つるの剛士さんも炎上、なぜ野菜・家畜泥棒で「外国人」が疑われるのか』等にアクセスすると、現行犯で捕まえた犯人は「日本語分かりません」の一点張りだったという事実関係を把握できます。したがって、つるのさんに対する「外国人の犯罪かのように示唆してRTするのは極めて差別的」という非難は的外れだったと言えます。

先に紹介したLITERAの記事はそのような事実関係を踏まえながら、つるのさんのツイートでの発言を批判していました。畑泥棒した外国人がいた事実をもって、他の畑泥棒も外国人が多いと決め付け、外国人の入国を規制すべきという極端な意見であれば批判を免れません。しかし、そのような意図のないツイートの言葉を深読みし、つるのさんを批判するのは行き過ぎだろうと思っています。

記事タイトルに掲げた本題に入る前の話題で4段落を費やしています。前回記事「安倍首相の辞任会見後の話」は途中でタイトルを変えていましたが、今回は旬を外さないためにも「自民党総裁選と合流新党」の話題にここから集中していくつもりです。いずれにしても前置きしたとおり「多面的な情報への思い」のもとに幅広い情報をアウトプットする一つの場になり得ることを願っています。

さて、自民党の総裁選は月曜午後に投開票日を迎えます。菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長が立候補しています。自民党内の国会議員や各県連から党員投票を求める声が強まっていましたが、政治的空白を生じさせないという理由から党本部は両院議員総会での「簡易総裁選」を押し通しました。

小泉進次郎環境相は政治空白について「まったく嘘。首相は職務をこなしていて各閣僚は安倍内閣で仕事をしている。緊急事態宣言下でも全国で国政選挙や自治体選挙はやっている。なぜ全党員投票ができないのか論理的な説明がない」とまで批判していました。プラス1週間で党員投票を実施できるという見方もあり、そもそも党内の反発を受けた党本部は各県連での予備投票を推奨しています。

正式な党員投票の場合、地方票は国会議員票と同数となる394票ですが、両院議員総会での選出の場合は141票となります。結局のところ地方票を多く集めてきた石破候補を意識した党本部の判断だと思われています。「民意が反映されにくい選び方だ」というを耳にしますが、仮に全党員に対する投票を実施した場合でも、その民意はあくまでも自民党内のものでしかありません。

自民党総裁が総理大臣に直結する仕組みである限り、新たな首相に対する民意を問う機会は衆院の解散総選挙となります。勝ち馬に乗る自民党内の各派閥の思惑によって密室の中で選ばれたという声もあり、国民からの民意や正統性を担保するためにも新総裁は支持率が上昇している今、解散総選挙を強く意識しているのではないでしょうか。

総裁選は菅長官の圧勝という構図ですが、それぞれの候補者の政治理念や資質が見極められる機会となっています。ブックマークしているBLOGOSで目にしたChikirinさんのブログ「自民党総裁選 候補者の演説まとめ」で3候補の立ち位置や政策が興味深くまとめられ、「菅さんは全体として非常に上手い(マーケット感覚がある)スピーチでしたね」と評していました。

LITERAでは『官房長官がテレビ討論でもポンコツ露呈!「news23」では失言に加え放送事故寸前の質問』という記事があり、菅長官の資質や能力を厳しく批判していました。菅長官が「石破さんに沖縄の基地問題、特に辺野古の問題についてお尋ねしたいなあと思います」と問いかけ、この後に続く言葉がなかったため、数秒経ってから「え?」という声がスタジオ内に漏れていました。

この場面を映した「news23」を私も見ていましたが、本当に「え?」という間の抜けた瞬間でした。今回の総裁選を通して感じたことですが、菅長官は反射神経を問われるような言葉のやり取りが不得手なタイプであるように見受けられます。今後、間違いなく新首相に就任する菅長官について、いろいろな話題を情報提供していくことになるのだろうと思っています。

自民党総裁選の影に隠れてしまいましたが、立憲民主党と国民民主党などによる合流新党の代表選は先週木曜に行なわれました。立憲民主党の枝野幸男代表が国民民主党の泉健太政調会長を破り、新党の党名は「立憲民主党」に決まりました。衆院106人、参院43人が参加する野党第1党の誕生です。

より望ましい政治の実現のためには国会での的確なチェック機能の発揮が欠かせません。さらに国民から支持されない政策や失態を重ねた場合、政権の座を奪われるという緊張感のある政治的な構図が重要です。一時的に支持率を下げても選挙で負けなければ、問題視された個々の事案も信任されたと思わせてしまうような関係性は絶対好ましいものではありません。

そのためには合流新党が現実的な政権の選択肢として国民の多くから期待されていくことを願っています。合流新党について毎日新聞の調査で「期待は高まった」が24%にとどまったと報じられています。しかし、政党支持率の低さから比べれば、4人に1人が期待しているという前向きな見方もできます。

このような期待を表明した上で、いくつか辛口な指摘があることを添えていかなければなりません。まず合流新党の代表選にあたり、立憲民主党の蓮舫副代表は「派閥が総理を決める政党政治ではなく、国民が主役、国民が選択できる政党に」とツイッターに書き込んでいました。しかしながら新党に移行する過渡期という事情から党員やサポーターには投票権が与えられませんでした。

残念ながら自民党の組織土壌と対比させ、合流新党の清新さをアピールできるチャンスを逃していました。加えて、非公式なネット投票と実際の代表選の結果との乖離が話題になり、音喜多駿衆院議員からは政治家のネットリテラシーについて問題提起されています。

続いて、枝野代表らが立憲民主党という党名に固執していたことは意外でした。結党時からの思い入れが深いことは理解しています。名前ではなく、中味が重要であることも当然ですが、新党を立ち上げるタイミングでの党名変更は心機一転のチャンスだったものと思っていました。もう一つの選択肢が「民主党」だった点も含め、党名に関しては国会議員の皆さんと私自身の感覚にズレが大きかったようです。

新しい立憲民主党に期待したいこと、注文を付けたいことは、まだまだあります。長い記事になっていますので、ここで一区切り付けさせていただきます。最後に、最も残念な結果として下記報道のとおり国民民主党の連合組織内議員が合流できなかったことです。このことも含め、次回以降、私自身の問題意識を改めて書き進めてみるつもりです。

立憲民主、国民民主両党などの合流新党に参加しない玉木雄一郎・国民代表らが結党を目指す新党の参加者は14人となる見通しとなった。合流新党への不参加を決めた六つの産業別労働組合(6産別)の組織内議員(9人)の一部も加わる。合流新党が目指す「連合傘下労組の統一した選挙支援体制」は、実現が困難な情勢となってきた。

14人は7日までに、国民で分党協議の開始を求めている岸本周平選対委員長に対し、玉木氏らの新党への参加を申し出た。「5人以上の国会議員」との政党助成法上の政党要件を満たしたことで、国民執行部は8日の役員会で分党協議の開始を決めるとみられる。

連合傘下の労働組合は、旧民進党が2017年に旧希望の党(後の国民)と立憲民主党の事実上2党に分裂して以降、公務員労組系の自治労や日教組などが立憲、民間労組系の自動車総連や電力総連などが国民を支持・支援してきた。そのため、連合の神津里季生会長らが合流新党結成を後押しし、支援の統一化を目指してきた。

玉木氏らの新党については、菅義偉官房長官に近い日本維新の会との協力・連携も取り沙汰されており、合流新党参加議員は「連合の分裂につながるのではないか」と危惧する。【毎日新聞2020年9月7日

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