« 2020年8月 | トップページ | 2020年10月 »

2020年9月27日 (日)

コロナ禍での組合活動、2020年秋

前回記事は「新しい立憲民主党に期待したいこと」でした。今回は一転してマイナーでローカルな話題となります。2か月ほど前に「コロナ禍での組合活動と役割の発揮」という記事を投稿していました。今回、その続編となる私どもの組合活動の「今」を書き残しておこうと考えました。

そもそも当ブログでは政治的な話題を取り上げることが多くなっていますが、日常の組合活動は身近な職場課題や労働条件の改善に向けた取り組みが大半を占めています。取り上げ方が非対称となっている理由の一つは不特定多数の方々に発信しているため、誰もが知り得ている時事の話題を選びがちとなるからです。

さらに私自身の背伸びしない一つの運動として、あえて人によって評価が分かれがちな情報や問題意識を訴え続けています。このような理由があり、政治や平和の話を取り上げた記事が多くなっています。一方で、そのような話題ばかり目立ってしまうと日常の組合活動の中味そのものが誤解される心配もあり、今回のような内容の記事もしっかり書き残すように努めています。

さて、昨年8月末、私自身にとって久しぶりの自治労大会に参加していました。新型コロナウイルス感染症拡大がなければ今年は愛知県で開かれる予定でした。コロナ禍の中、第93回定期大会は署名審議とウェブ開催による代表代議員会議に切り替えていました。自治労中央執行委員長の挨拶の冒頭の内容は次のとおりでした。

労働組合は、多くの人間が集い、ともに声を発することによって力を発揮できる組織です。そのため、「他人との距離を保つ」「できるだけ会話は控える」などの、いわゆる「新しい生活様式」は、労働組合の根本に対する挑戦であるとも言えます。だからこそ私たちは、現状に流されてしまうのではなく、何ができるのか知恵を絞る必要があります。

「挑戦」という言葉は試練に挑戦するという意味で理解し、「知恵を絞る必要があります」という訴えはまったくそのとおりだと思っています。昨日土曜の自治労東京都本部第69回定期大会は収容人員の多い会場を確保し、検温や消毒など感染症対策に留意しながら開かれました。

私どもの組合の第75回定期大会は11月6日午後6時30分から予定通り市民会館小ホールで開きます。「密閉」「密集」「密接」という3密が避けづらいため、3月以降、会議室で開く職場委員会は取りやめています。定期大会の会場は200人以上入れるため、3密に注意することができます。

これまで一人でも多くの方の出席を呼びかけてきましたが、残念ながらコロナ禍の中、事前申込制として出席者が100人を超えないように留意していきます。したがって、例年以上に委任状での参加者が中心となります。

コロナ禍での組合活動と役割の発揮」の中で、コロナ禍での組合員の皆さんに対する還元策として2千円の労働金庫口座開設推奨金振込制度を創設したことを紹介していました。今回、コロナ禍での特別企画として委任状を含む定期大会参加者全員を対象に抽選会を行ないます。

  • 1等  ロボット掃除機ルンバ(1名様)
  • 2等  1万円相当のお肉ギフト(1名様)
  • 3等  コンパクト超音波加湿器(1名様)
  • 4等  温度が選べる電気ケトル(1名様)
  • 5等  パワフル風量サーキュレーター(1名様)
  • 6等  プレスサンドメーカー(1名様)
  • 7等  ハンディーアイロン&スチーマー(1名様)
  • 8等  5千円相当のスイーツギフト(1名様)
  • 9等  クオカード3千円分(5名様)
  • 10等  書籍『霞保育園で待っています』(5名様)
  • 11等  石けんシャンプー&リンス(5名様)

賞品は上記のとおりですが、総額10万円ほどの予算で取り組めます。組合員一人100円ほどの負担で大きな楽しみが生み出せるため、スケールメリットの一例として紹介することもできます。当選者は後日『組合ニュース』紙面で発表します。ちなみに大会出席者には組合規程に基づく日当千円を支給するほかに当選確率を2倍にします。

次年度の「運動方針(案)」は組合員全員に事前配布し、経過報告や資料が掲載された「定期大会議案書」は職場回覧します。組合員全員を対象にしたお楽しみ企画があることで、硬い議論を必要とされている定期大会への関心が少しでも高まっていけば、たいへん幸いなことだと考えています。

私どもの組合の機関紙は月に2回発行し、『闘争ニュース』というタイトルが付いていました。このブログで『闘争ニュース』というタイトル名で取り上げたことはなく、組合ニュースと記してきています。「タイトルが付いていました」と過去形で改めて紹介した訳は次のような経緯があったからです。

老朽化した印刷機を8月末に入れ替えました。コピー機と一体化し、機能面の向上とともに運転コストも縮減できます。入れ替えに伴い、1回の印刷でカラー刷りも可能となっています。これまで赤色のニュース題字だけ別原稿でしたが、印刷機の入れ替え後、題字もニュース本文のレイアウトに組み込むことになりました。

レイアウトとデザインを刷新する機会に『闘争ニュース』というタイトルを『組合ニュース』に改めました。労働組合にとって「闘争」という言葉は重く、これからも状況に応じて毅然と闘うという姿勢は待ち続けなければなりません。その上で組合員の皆さんから親しみを高めていただくためにも、シンプルなニュース名に改めることにしました。

コロナ禍が続く中、ますます紙面を中心に組合活動をきめ細かく伝えていくことが重視されています。そのため、ニュース名の変更を機会によりいっそう親しみと存在感が発揮できる組合活動に向けて努力していくことを『組合ニュース』に改めた9月8日発行の初回号で強調していました。

12月に予定していた職員家族クリスマスパーティーは残念ながら取りやめています。定期大会の事前申込制など組合員同士が直接交流する機会は控えていきますが、様々な課題の解決に向けた労使交渉能力はしっかり維持し、具体的な成果を上げることで、よりいっそう存在感が発揮できる活動をめざしています。

人員確保・職場改善要求の取り組みは例年通り進めます。各係・施設単位でアンケートを実施し、要求書をまとめ、年度末まで労使交渉を精力的に重ねていきます。会計年度任用職員制度に関する労使協議会を開いていますが、市当局側と組合の主張との隔たりは大きいままです。組合の要求の切実さを訴え、引き続き労使協議を重ねていくことを確認しています。

2年前、組合の要請書に対する文書回答で、行革計画の中で「労働条件の変更を伴う事項については、従前と変わらず事前協議していく」ことを確認していました。さらに労使の信頼関係を損ねないように取り組んでいくという確認もあり、その確認に沿った必要な対応を市当局に求めています。

コロナ禍における執務環境や昼食時の感染防止策、時間外勤務縮減の課題など労使協議すべき事項は多岐にわたっています。定期大会に先がけ、組合役員選挙が10月に実施されます。様々な課題に対して着実な成果を上げていくためにも執行部の体制充実が欠かせません。

最後に、『組合ニュース』の裏面に「組合は大事、だから幅広く、多くの担い手が必要です! 同時に貴重な経験を積める組合役員、ぜひ、手をあげてみませんか?」という見出しを掲げた記事内容をそのまま紹介させていただきます。 

定期大会から定期大会までの1年間が組合役員の任期です。今年も11月6日に第75回定期大会が開かれるため、その直前に組合役員の選挙が行なわれます。詳しい日程等は選挙委員会から改めてお知らせしますが、あらかじめ組合役員、とりわけ執行委員の担い手の問題について、組合員の皆さん全体に呼びかけ、ご理解ご協力を訴えさせていただきます。

■ 執行委員長、副執行委員長2名、書記長、書記次長、執行委員が定例執行委員会の出席対象であり、様々な組合課題の進め方等を議論しています。ここ数年、執行委員会の開催は隔週水曜夕方が定着していますが、年度ごとに調整可能です。執行委員の定数は12名です。任務の重さやプライベートな時間が割かれる面もあり、執行委員の定数を満たせない現況が何年も続いています。

■ 組合員から人員アンケート等で寄せられる組合への期待は非常に大きなものがあり、よりいっそう労使交渉の大切さが高まっています。組合の責任や役割を充分に全うしていくためには日常的な組合活動を担う執行部の充実が欠かせません。逆に万が一、担い手がいなくなれば組合活動は停滞し、つぶれてしまいます。職場委員同様、職域ごとに選出する方法に切り替える他の組合もありますが、次年度に向けては従来通りの選出方法で組合役員の立候補を募っていく予定です。

■ 「たいへんだったけど、やって良かった」、組合役員OBの皆さんからよく耳にする言葉です。組合役員を担うことで、日常的な仕事だけでは経験できない貴重な機会や幅広い情報が得られます。団体交渉など労使協議の場では副市長や教育長らに対し、自分自身の考え方や思いを直接訴えることができます。幅広い職場や世代の声、会計年度任用職員の皆さんらが、それぞれ抱えている悩みや要望を率直に伝えていける役割だと言えます。

■ 自分の職場以外の組合員の皆さん、さらに私どもの市役所以外の方々と交流できる機会が増えます。コロナ禍が終息した後であれば、限られた予算の範囲内で全国各地に出向く機会もあります。組合役員一人ひとりのアイデアや企画を形にしやすく、その成果や手応えを即時に実感できる経験を積んでいけます。何よりも組合員の皆さんから「組合があって助かりました。ありがとうございました」という声をかけられる時も少なくありません。

■ もちろん組合役員を担ったからと言って仕事の上で不利益になることはありません。ずっと組合役員として頑張り続けることも、組合役員を何年か担った経験を活かして役所の階段を上がっていくこともできます。これまで組合役員だった部課長は多く、現在の副市長は組合の会計幹事を4年間担われています。また、他の自治労単組では組合役員が係長や課長補佐に昇任する場合もあります。私どもの組合も例外ではなく、今後、組合役員を担いながら係長に抜擢されることも望ましい流れだろうと考えています。

■ このような点について少しでも関心を持たれた方は気軽に組合役員までお声かけください。なお、こちらから個別にお話をさせていただくこともありますのでご理解ご協力よろしくお願いします。

| | コメント (2)

2020年9月20日 (日)

新しい立憲民主党に期待したいこと

このブログはプロフィール欄に掲げているとおり管理人名を「OTSU」としながら匿名で発信しています。ただ私どもの組合員の皆さんをはじめ、知り合いの方々にとって匿名ではありません。このような関係性のもとブログに綴る内容は実生活の中で、そのまま発言する場合や記名原稿として周知することが日常化しています。

建前上は匿名のブログだから書ける、逆に実生活で訴えている内容はネット上で不特定多数の方々に伝えられない、そのどちらでもありません。ブログでの発言の重さを踏まえているため、婉曲な言い回しも多く、分かりづらいという指摘も受けがちです。それでも自分の思いを偽ることは一切なく、伝えたい内容をネット上でも実生活でも同じように発しているつもりです。

先週日曜に投稿した前回記事は「自民党総裁選と合流新党」でした。その翌日、立憲民主党の参院議員の江崎孝さんと衆院議員の大河原雅子さんにお会いする機会がありました。江崎さんは自治労組織内というつながりから当ブログでは以前「参院選は、えさきたかしさん」「江崎孝さんを再び国会へ」という記事を投稿していました。

大河原さんは私どもの組合の地元選挙区で立候補する予定の方です。以前の記事「参院選、民主党大躍進」の冒頭で触れているとおり参院東京選挙区で初当選され、現在は衆院議員として活躍されています。新しい立憲民主党ではジェンダー平等推進本部長に就任されたようです。

お二人にお会いした際、国会議員だけの代表選挙にとどまったことの残念さなど前回記事に綴った内容をお伝えしています。名前よりも中味が大事なのでしょうが、今回に限っては党名を変えることでイメージを一新する必要があったのではないかという点について尋ねていました。

支持率が10%以上ある政党であれば認知度を下げてしまうリスクもありますが、5%を割り込む現状であれば党名変更によって心機一転、巻き返すためのチャンスだったのではないでしょうか、このようにお伝えしていました。たいへん僭越で失礼な物言いだったかも知れませんが、頑張って欲しいという率直な気持ちを訴えさせていただいています。

前回記事の最後に国民民主党の連合組織内議員が合流できなかったことを紹介していました。この話題についても私から触れています。この結果に最も残念な思いを強めているのは連合の神津会長ですが、各議員や出身産別との調整が不充分だった責任も神津会長に帰していることも否めません。

民主党時代、2030年代に原発ゼロをめざすという政策を提言していました。合流新党の発足に向け、将来的には原発ゼロという総論的な目標として意思一致をはかって欲しいものと願っていました。連合全体での踏み込んだ原発に関する議論は不足しているのかも知れませんが、昨年、私が所属する連合地区協議会は福島第一原発の現状を視察しています。

東電労組の皆さんと率直な意見を交わす中で、必ずしも原発を積極的に推奨する立場ではないことを伺っています。したがって、脱原発かどうかという二項対立的な図式ではなく、どのようにすれば原発に依存しない社会を築いていけるのかどうかという視点を大事にすべきだろうと考えています。

視察について綴った当ブログの記事の最後に上記のような私自身の思いを残していました。新しい立憲民主党においても基本的な理念として原発ゼロを重視した上、原発に対する幅広い考え方を持つ国会議員も包摂するような対応が欠かせなかったのではないでしょうか。

江崎さんと大河原さんにお会いした際、話題にした内容をもとに書き進めていることには間違いありません。とは言え、それほど長い時間、お二人と意見を交わした訳ではありません。したがって、今回の記事をまとめるにあたって、いろいろ付け加えている内容が多いことも申し添えなければなりません。

そのような点を申し添えた上、もう少し書き進めていきます。自民党を支持している連合の組合員が多く、自治労の組合員にも同様な傾向があるという話題にも触れました。組合役員側の情報発信の問題もあるのかも知れませんが、私からは安倍前首相の巧妙さがあることも指摘させていただきました。

民主党は国家公務員の総人件費20%削減をマニフェストに掲げていましたが、デフレ脱却という方向性のもと自民党政権は公務員賃金の引き下げについて前面に打ち出していません。このような対比がされがちな中、自治労組合員の中に自民党に対する親和性が高まっている現状についてお伝えしています。

そもそも安倍前首相はソーシャルな政策を数多く手がけています。労働政策研究者の濱口桂一郎さんはブログ記事「半分ソーシャルだった安倍政権」の中で「一般的には社会党とか労働党と呼ばれる政党が好み、労働組合が支持するような類の政策も、かなり積極的に行おうとする傾向があります」と解説しています。

つまりソーシャルな政策面では野党側が対立軸を打ち出しづらかったという話につなげていました。しかしながら安全保障面では明確な対立軸を打ち出せるはずであり、最近の記事「憲法9条の論点について」のような問題意識を私自身は抱えています。今回の記事で詳述しませんが、新しい立憲民主党に期待したいことの一つとしてソフトパワーを重視した政党であることを願っています。

余談ですが、このブログでは総理と呼ばず、首相という肩書きを使っています。菅義偉首相に対しては菅総理と記していきます。菅直人元首相との紛らわしさもありますが、今さらながら「首相」よりも「総理」のほうの文字入力の簡単さに気付きました。長い記事になっている中、本当に余計な話で恐縮です。

政権発足当初の支持率としては小泉政権、鳩山政権に続く高さで菅総理の内閣が滑り出しています。ただ菅総理の論戦力は疑問視され、官僚に対する政治姿勢も問題視されがちです。私自身は「国民のために働く内閣を作る」という言葉にも違和感を抱いています。

政権が交代した訳ではなく、まして官房長官を務めていた菅総理が強調する言葉としては如何なものかと思っています。それまでの内閣は「国民のために働いていなかったのか」という疑問が生じがちです。揚げ足取りだと批判を受けてしまうのかも知れず、「よりいっそう」という意味で理解してみようと思っています。

記事の紹介が中心となりますが、ブックマークしているBLOGOSで理学博士の鈴木しんじさんは『菅氏の「自助・共助・公助」はおかしい』という記事を投稿しています。他のサイトでは『「菅義偉さん、やっぱりあなたは間違っている」…“左遷”された総務省元局長が実名告発』という記事を目にしています。

慶応大学名誉教授の小林節さんは『「政治に抵抗する官僚は更迭して当然」という大きな誤解』という論説を展開しています。多様な意見に耳を傾けず、より望ましい「答え」から遠ざかる懸念がある菅総理の政治姿勢だと言えます。その結果、私たち国民に不利益を被るケースが生じていく話となりかねません。

前述したとおりここまで詳しく話した訳ではありませんが、菅総理にはしっかりたださなければならない疑念が多々あることを江崎さんらと認識しあっていました。新しい立憲民主党に期待したいこととして、問題視すべき点については国民から共感を得られる説得力のある言葉で菅総理を追及して欲しいものと願っています。

最後に、新党さきがけの代表だった武村正義さんが枝野代表らに助言した内容を掲げたサイト『「鳩山内閣のような未熟な政治主張をしない」 枝野、前原両氏に元官房長官・武村正義氏が助言』を紹介します。新党さきがけ出身者に対する叱咤激励ですが、対立軸のヒントが隠された興味深い箇所をそのまま紹介させていただきます。

◇武村さんたちが立ち上げた「新党さきがけ」は「小さくともキラリと光る国」「質実国家」を掲げ、地球環境保護も政治理念に盛り込んでいました。今の野党は自公政権に対し、明確な対立軸を打ち出せていないように見えます。

「自民党という巨大政党は『鵺』みたいなもの。いろいろな側面があり、つかみどころがない。野党がいわゆる社会民主主義的な政策、弱者を擁護する姿勢を強調するのは一つの手だが、自民はその政策にすぐに乗ってきたり、それ以上のことを公約したりする。変幻自在なところがあって、それで生き延びてきた。だから、自民との違いを鮮明にするのは簡単ではない。無料化や国民負担を軽減する政策に自民は財政(の持続性)の立場から抵抗すべきなのに、しない。結果、国の借金が返せないほど膨らむという日本特有の政治現象が起きている」

| | コメント (2)

2020年9月13日 (日)

自民党総裁選と合流新党

インターネット上からは幅広い情報がコストをかけず、素早く手軽に入手できます。インプットした情報を組合役員という立場でアウトプットする機会が少なくありません。さらに当ブログを通し、不特定多数の方々にネット上で発信を続けているため、普段から幅広い情報にアクセスするように努めています。

その際、一面的な情報では正確な事実関係をつかめないケースもあります。最近、ネット上で『つるの剛士が畑泥棒を「近くの工場で働いてる外国人」「あそこ怪しすぎる」とヘイト丸出しツイート』という記事を目にしました。つるのさんが「畑泥棒は外国人だ」と憶測で決め付けていた場合、確かに批判を受けるツイートだったかも知れません。

ただ他のサイト『つるの剛士さんも炎上、なぜ野菜・家畜泥棒で「外国人」が疑われるのか』等にアクセスすると、現行犯で捕まえた犯人は「日本語分かりません」の一点張りだったという事実関係を把握できます。したがって、つるのさんに対する「外国人の犯罪かのように示唆してRTするのは極めて差別的」という非難は的外れだったと言えます。

先に紹介したLITERAの記事はそのような事実関係を踏まえながら、つるのさんのツイートでの発言を批判していました。畑泥棒した外国人がいた事実をもって、他の畑泥棒も外国人が多いと決め付け、外国人の入国を規制すべきという極端な意見であれば批判を免れません。しかし、そのような意図のないツイートの言葉を深読みし、つるのさんを批判するのは行き過ぎだろうと思っています。

記事タイトルに掲げた本題に入る前の話題で4段落を費やしています。前回記事「安倍首相の辞任会見後の話」は途中でタイトルを変えていましたが、今回は旬を外さないためにも「自民党総裁選と合流新党」の話題にここから集中していくつもりです。いずれにしても前置きしたとおり「多面的な情報への思い」のもとに幅広い情報をアウトプットする一つの場になり得ることを願っています。

さて、自民党の総裁選は月曜午後に投開票日を迎えます。菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長が立候補しています。自民党内の国会議員や各県連から党員投票を求める声が強まっていましたが、政治的空白を生じさせないという理由から党本部は両院議員総会での「簡易総裁選」を押し通しました。

小泉進次郎環境相は政治空白について「まったく嘘。首相は職務をこなしていて各閣僚は安倍内閣で仕事をしている。緊急事態宣言下でも全国で国政選挙や自治体選挙はやっている。なぜ全党員投票ができないのか論理的な説明がない」とまで批判していました。プラス1週間で党員投票を実施できるという見方もあり、そもそも党内の反発を受けた党本部は各県連での予備投票を推奨しています。

正式な党員投票の場合、地方票は国会議員票と同数となる394票ですが、両院議員総会での選出の場合は141票となります。結局のところ地方票を多く集めてきた石破候補を意識した党本部の判断だと思われています。「民意が反映されにくい選び方だ」というを耳にしますが、仮に全党員に対する投票を実施した場合でも、その民意はあくまでも自民党内のものでしかありません。

自民党総裁が総理大臣に直結する仕組みである限り、新たな首相に対する民意を問う機会は衆院の解散総選挙となります。勝ち馬に乗る自民党内の各派閥の思惑によって密室の中で選ばれたという声もあり、国民からの民意や正統性を担保するためにも新総裁は支持率が上昇している今、解散総選挙を強く意識しているのではないでしょうか。

総裁選は菅長官の圧勝という構図ですが、それぞれの候補者の政治理念や資質が見極められる機会となっています。ブックマークしているBLOGOSで目にしたChikirinさんのブログ「自民党総裁選 候補者の演説まとめ」で3候補の立ち位置や政策が興味深くまとめられ、「菅さんは全体として非常に上手い(マーケット感覚がある)スピーチでしたね」と評していました。

LITERAでは『官房長官がテレビ討論でもポンコツ露呈!「news23」では失言に加え放送事故寸前の質問』という記事があり、菅長官の資質や能力を厳しく批判していました。菅長官が「石破さんに沖縄の基地問題、特に辺野古の問題についてお尋ねしたいなあと思います」と問いかけ、この後に続く言葉がなかったため、数秒経ってから「え?」という声がスタジオ内に漏れていました。

この場面を映した「news23」を私も見ていましたが、本当に「え?」という間の抜けた瞬間でした。今回の総裁選を通して感じたことですが、菅長官は反射神経を問われるような言葉のやり取りが不得手なタイプであるように見受けられます。今後、間違いなく新首相に就任する菅長官について、いろいろな話題を情報提供していくことになるのだろうと思っています。

自民党総裁選の影に隠れてしまいましたが、立憲民主党と国民民主党などによる合流新党の代表選は先週木曜に行なわれました。立憲民主党の枝野幸男代表が国民民主党の泉健太政調会長を破り、新党の党名は「立憲民主党」に決まりました。衆院106人、参院43人が参加する野党第1党の誕生です。

より望ましい政治の実現のためには国会での的確なチェック機能の発揮が欠かせません。さらに国民から支持されない政策や失態を重ねた場合、政権の座を奪われるという緊張感のある政治的な構図が重要です。一時的に支持率を下げても選挙で負けなければ、問題視された個々の事案も信任されたと思わせてしまうような関係性は絶対好ましいものではありません。

そのためには合流新党が現実的な政権の選択肢として国民の多くから期待されていくことを願っています。合流新党について毎日新聞の調査で「期待は高まった」が24%にとどまったと報じられています。しかし、政党支持率の低さから比べれば、4人に1人が期待しているという前向きな見方もできます。

このような期待を表明した上で、いくつか辛口な指摘があることを添えていかなければなりません。まず合流新党の代表選にあたり、立憲民主党の蓮舫副代表は「派閥が総理を決める政党政治ではなく、国民が主役、国民が選択できる政党に」とツイッターに書き込んでいました。しかしながら新党に移行する過渡期という事情から党員やサポーターには投票権が与えられませんでした。

残念ながら自民党の組織土壌と対比させ、合流新党の清新さをアピールできるチャンスを逃していました。加えて、非公式なネット投票と実際の代表選の結果との乖離が話題になり、音喜多駿衆院議員からは政治家のネットリテラシーについて問題提起されています。

続いて、枝野代表らが立憲民主党という党名に固執していたことは意外でした。結党時からの思い入れが深いことは理解しています。名前ではなく、中味が重要であることも当然ですが、新党を立ち上げるタイミングでの党名変更は心機一転のチャンスだったものと思っていました。もう一つの選択肢が「民主党」だった点も含め、党名に関しては国会議員の皆さんと私自身の感覚にズレが大きかったようです。

新しい立憲民主党に期待したいこと、注文を付けたいことは、まだまだあります。長い記事になっていますので、ここで一区切り付けさせていただきます。最後に、最も残念な結果として下記報道のとおり国民民主党の連合組織内議員が合流できなかったことです。このことも含め、次回以降、私自身の問題意識を改めて書き進めてみるつもりです。

立憲民主、国民民主両党などの合流新党に参加しない玉木雄一郎・国民代表らが結党を目指す新党の参加者は14人となる見通しとなった。合流新党への不参加を決めた六つの産業別労働組合(6産別)の組織内議員(9人)の一部も加わる。合流新党が目指す「連合傘下労組の統一した選挙支援体制」は、実現が困難な情勢となってきた。

14人は7日までに、国民で分党協議の開始を求めている岸本周平選対委員長に対し、玉木氏らの新党への参加を申し出た。「5人以上の国会議員」との政党助成法上の政党要件を満たしたことで、国民執行部は8日の役員会で分党協議の開始を決めるとみられる。

連合傘下の労働組合は、旧民進党が2017年に旧希望の党(後の国民)と立憲民主党の事実上2党に分裂して以降、公務員労組系の自治労や日教組などが立憲、民間労組系の自動車総連や電力総連などが国民を支持・支援してきた。そのため、連合の神津里季生会長らが合流新党結成を後押しし、支援の統一化を目指してきた。

玉木氏らの新党については、菅義偉官房長官に近い日本維新の会との協力・連携も取り沙汰されており、合流新党参加議員は「連合の分裂につながるのではないか」と危惧する。【毎日新聞2020年9月7日

| | コメント (0)

2020年9月 5日 (土)

安倍首相の辞任会見後の話

前回記事「憲法9条の論点について」の中で安倍首相の辞意表明について取り上げました。健康上の問題での退陣ですので労いの意味合いから下落傾向だった支持率も、ある程度上がるのだろうと見ていました。ただ共同通信社の調査で20ポイント超上昇した結果には驚きました。

リンク先の記事で「反安倍はやめるから上がったと言い、安倍総理支持派はやめて欲しくないから上がったと言う」という声も紹介しています。さらに朝日新聞社の調査で第2次安倍政権の7年8カ月の実績評価を聞くと「大いに」17%、「ある程度」54%を合わせて71%が「評価する」と答えていました。

2007年9月、 第1次政権時に安倍首相が辞任を表明した直後、同じように質問した際は「評価する」が37%で、「評価しない」が60%でした。政権を担った全期間の総合評価の違いですが、辞意を表明した記者会見の持ち方にも大きく明暗を分けた要素があったものと思っています。

流れを変えた記者会見の一つとして、郵政解散直後の小泉元首相の姿を思い出しています。「参院で否決されて、なぜ衆院を解散?」という懐疑的な雰囲気を一蹴した気迫が伝わってきた記者会見でした。シチュエーションが異なりますので気迫云々で比べるものではありませんが、プロンプターは使わずに安倍首相自身の思いが伝わる会見だったと言えます。

前回記事で安倍首相に対する評価の落差が人によって極端に枝分かれしていることを記していました。いみじくも安倍首相の辞意表明の受けとめ方の決定的な落差によって、京都精華大学の白井聡さんがシンガーソングライターの松任谷由実さんを罵倒し、謝罪するという騒動まで起こっていました。

いつも述べているとおり私自身の心構えとして「誰が」に重きを置かず、「何が正しいのか、どの選択肢が正しいのか」という論点を重視しています。安倍首相に対しても評価すべき点があれば評価した上で、問題点があれば具体的な政策や言動を示しながら批評するように心がけています。

どちらかと問われれば安倍首相を支持している立場ではありませんが、安倍首相を信奉されている方々が多いことも冷静に受けとめています。当たり前なことですか、安倍首相を支持されている方々を見下すような思いは一切ありません。そのため、安倍首相の会見に涙した松任谷さんを揶揄した白井さんの言葉は極めて不適切だったものと思っています。

安倍首相に限らず、時の最高権力者を支持する自由、もしくは支持しない自由、それぞれを認め合っていける社会が大切です。お互いの考え方や意見が異なっても、相手を全否定し、攻撃し合うことは避けたいものと願っています。ちなみに以前の記事「批判の仕方、その許容範囲」の中で権力者に対する批判のあり方について私見を述べていました。

このブログの場では、いろいろな「答え」を認め合った場として分かり合えなくてもいがみ合わないことの大切さを頻繁に訴え続けてきています。そして、自分自身が正しいと信じている「答え」に対して共感を広げていくためには、異なる立場や意見を持つ方々に届く言葉を探すことの重要性を認識するようになっています。

今、マスメディアからは自民党総裁選の話題が連日伝えられています。立憲民主党と国民民主党が合流するため、同じ時期に新党の代表を決める選挙も行なわれます。完全にかすんでしまいましたが、自民党総裁選のほうは実質的に総理大臣を選ぶ動きであり、やむを得ないことだろうと考えています。

個人的にはそれぞれ関心を寄せる話題だったため、今回の記事は「自民党総裁選と合流新党」というタイトルを付けていました。いつものことながら書き進めるうちに話が広がり、相応の長さとなっていたため途中でタイトルを変えていました。旬を外していなければ次回の記事を「自民党総裁選と合流新党」とするつもりです。

最後に、ブックマークしているBLOGOSで目にした経営コンサルタントの倉本圭造さんの記事「左派の過激化する正義感がむしろトランプ大統領再選を可能にする理由」を紹介します。今回の記事に託している私自身の問題意識につながる内容だったため、興味深く読ませていただいていました。冒頭の箇所のみ掲げますが、興味を持たれた方はリンク先で全文をご参照ください。

今回の記事は、例えば安倍首相が辞任するとなった時に、「安倍氏が支持されていた理由」を直視してそれを包摂しようとすることなく、安倍氏や安倍氏の支持者をリベラル派が罵倒しまくって溜飲を下げているだけだと、結局さらに孤立無援化して「リベラル的でない」政策が通る世界になってしまうのではないか?という話をします。

そして後半では、まさにそれと同じ理由で、アメリカではさすがに今回は米国民主党のバイデン氏の方が勝つだろう・・・と思われていた状況が徐々に逆転しつつある状況にあるという話をします。

この記事を通じて伝えたいメッセージは、リベラルがやるべきことは安倍氏やトランプ氏を罵倒して溜飲を下げることではなく、「リベラルが取りこぼしているもの」をいかに包摂できるか真摯に向き合うこと・・そうしないと選挙に負け続けるぜ!ということです。

| | コメント (0)

« 2020年8月 | トップページ | 2020年10月 »