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2020年5月30日 (土)

安倍首相へのお願い

月曜日、緊急事態宣言が全面的に解除されました。緊急事態宣言が解除された後も「密閉」「密集」「密接」という3密などに留意し、感染防止に向けて慎重な対応が求められていきます。新型コロナウイルスの終息まで長い月日を要するはずであり、長期戦の覚悟で「新たな日常」を探っていかなければなりません。

そのような心構えのもと通常に近い勤務体制に戻った際、会計年度任用職員制度の課題など積み残した事項の労使協議を再開する必要があります。他にも取り組むべき組合活動の範囲を徐々に広げていく予定であることを組合ニュースの最新号で伝えています。

さて、前々回記事「時事の話題、いろいろ思うこと」、前回記事「時事の話題、いろいろ思うこと Part2」の中で現政権に対する辛口な意見をいくつか述べてきました。前々回記事の冒頭で改めて紹介した私自身の心構えですが、適切な評価を下していくためには「誰が」に重きを置かず、その言動や判断は正しいのか、色眼鏡を外して物事を見ていくことが必要だろうと考えています。

自治労に所属する市職員労働組合の執行委員長を長年務めているため私自身の立ち位置について、いわゆる「左か右か」で分類されれば左寄りに見られているのだろうと受けとめています。そのことを特に否定せず、このブログでは自分自身が発信したい内容を一個人の立場と責任で投稿を続けています。

民主党政権時代には「上司としての菅首相」「脱原発依存の首相会見」など菅元首相に対する辛口な意見の投稿も重ねていました。その際、心がけている点として、できれば菅元首相にも目を通していただきたい、つまりご本人を前にしても語れる言葉で文章を綴っていました。

安倍首相に対しても同様です。決して「批判ありき」ではなく、その言動や判断が正しかったのかどうか、具体的な事例を示しながら問題提起や要望を記しています。もちろん私自身の問題意識そのものが必ずしも正しいとは限らず、読み手の皆さん個々人の評価は様々なのだろうという前提での提起やお願いだと言えます。

ただ不特定多数の方々に発信している内容ですので言葉の使い方や表現方法一つ一つに注意しています。そのため、回りくどい言い方になってしまい、うまく私自身の問題意識が伝え切れない時もあります。それでもポジショントークだと思われないように前述した心構えで当ブログと向き合っているつもりです。

このような点を意識しながら幅広い考え方や情報に触れていくことを習慣化しています。すると時々、私からすれば「なぜ、そのように見ることができるのか」と疑問に思う場面があります。やはり基本的な立ち位置が異なる場合、同じ事象に接していても導き出す評価が分かれがちな傾向を感じ取っています。

夕刊フジで麗澤大学国際学部教授の八木秀次さんが『黒川前検事長「処分」に問題なし 野党や一部メディアは黒川氏を“血祭り”にしたいのか』というタイトルの記事を寄稿し、官邸こそが冷静で客観的な政治的意志を排した処分を下したと評価し、一連の問題性を批判している「野党や一部メディアの主張には、黒川氏を血祭りに挙げてやろうという人民裁判的な意志がうかがえる」と論評しています。

黒川前検事長の問題に対する私自身の考え方は前回記事に記したとおりですが、八木さんの「官邸こそが…」という言葉は非常に違和感がある見方でした。この問題の国会での質疑の模様はFNNプライムニュース『「訓告」問題 守りたいのは誰? “傷だらけの大臣”連日の追及』で伝えています。その中の次のような見方のほうが個人的にはうなづけるものでした。

立憲民主党・黒岩宇洋議員「森大臣は、ある意味正直に答えたんです。今までのモリやカケ(森友・加計問題)、桜(を見る会)と同じになっている。総理が答弁しちゃって、それに合わせるため、こんなひどい目にあっている」

野党は、森法相が当初、「処分は内閣が決めた」と説明したものの、その後、「法務省と検事総長が決め、内閣が承認した」と修正したことについて、安倍首相が、処分は検事総長が決めたと答弁したことが原因だとして、森法相に同情を寄せる場面もあった。

公務員の処分の段階は一般的に次のとおりです。退職金の減額等を伴う懲戒処分は免職、停職、減給、戒告となり、監督上の措置としての処分は訓告、厳重注意、注意とされています。

黒川前検事長の訓告処分を判断した際も、もしかしたら安倍首相は深く関与していなかったのかも知れません。そのため「法務省と検事総長が決めた」と言い切っていたのでしょうか。当初、法務省が戒告処分を決めていたのにも関わらず、訓告に変わっていたとするのであれば森法相の発言が正しく、安倍首相は誤った事実関係を述べていたことになります。

安倍首相が嘘をついていた訳ではないと考えれば、安倍首相以外の官邸関係者によって訓告と判断したものと思われます。それはそれで注目を集めている事案に安倍首相が関与していないことの問題性も指摘しなければなりません。

いずれにしても事実関係を正確に把握せず、なぜ、偽りを疑われる発言を安倍首相は繰り返してしまうのでしょうか。そもそも原稿を用意して臨む記者会見の場であれば事前に事実関係を確かめる機会は充分あったはずです。

週刊文春の最新号では今回の黒川前検事長の問題を官邸側は法務・検察側に責任を押し付けようとしていた動きを報じています。官邸の思惑を察知した検察内部からは「あいつら、本当にクソだ!」と怒りの声が上がっていることも伝えていました。「あいつら」の中に安倍首相まで含まれているのかどうか分かりませんが、官邸と検察の溝は深まっているようです。

黒川前検事長の退職金について問われた時、安倍首相は「訓告処分に従って減額されていると承知している」と述べていました。この発言も事実を誤認したものでした。

よく耳にする「安倍首相は息をはくように嘘をつく」という批判の仕方は前述したとおり控えるべき言葉だと考えています。国民の一人として安倍首相を嘘つきだとは思いたくありません。

今回の記事タイトルとした安倍首相へのお願いです。ぜひ、事実関係を正確に把握した上で発言してください。理解や認識に曖昧さがある場合、その旨を告げた上で言い切った発言は慎んでください。もし事実関係を誤認したまま発言した場合、すみやかに訂正してください。

安倍首相を支えている皆さん、安倍首相の発言の中に明らかな誤りがあった場合、できる限り素早く訂正できるようなフォローをお願いします。持続化給付金の支給時期を安倍首相が原稿にあった8日を「最も早い方で8月から入金を開始します」と言い間違えた時、記者会見中にメモを渡して「5月8日」と訂正できたような対応をお願いします。

くれぐれも安倍首相が誤った発言をしてしまったため、その発言内容に沿うように事実関係を取り繕うことは絶対しないでください。重要な方向性を示す政治的な発言も同様です。安倍首相の発言内容に問題があれば修正をはかれる関係性も大切です。少し風向きが変わってきたのかも知れません。最後に、下記のように自民党側が筋を通した報道を紹介させていだたきます。

自民、公明両党は26日の幹事長・国対委員長会談で、国家公務員の定年を引き上げる国家公務員法改正案について、継続審議とする方針を再確認した。22日の衆院厚生労働委員会で、廃案を念頭に見直しの可能性に言及した安倍晋三首相に異議を唱えた格好で、政府・与党は足並みの乱れを露呈した。

26日の会談後、自民党の森山裕国対委員長は同改正案について、公明党との間で18日に継続審議と確認したことに触れ、「与党として確認した方針が変わっているということは、きょう現在ない」と記者団に説明した。

同改正案は、一括審議されていた検察庁法改正案が世論の批判を浴び、政府・与党が今国会成立を断念したあおりで、継続審議の方向となった。しかし、自民党の世耕弘成参院幹事長が新型コロナウイルス感染拡大による民間の雇用悪化を踏まえ、見直しを提唱。首相も衆院厚労委で「民間に先駆けて一律に65歳に延ばすのは性急ではないのかという批判もある」と同調した経緯がある。

しかし、自民党幹部によると、国家公務員法改正案について政府から「廃案にしたい」という話はないという。首相は、法案の扱いに責任を持つ党国対の頭越しに廃案を示唆した形。報道各社の世論調査で内閣支持率が急落したことに「焦りがある」(政府関係者)との指摘もある。【時事通信2020年5月26日

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