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2020年4月12日 (日)

緊急事態宣言発令

4月7日、政府は新型コロナウイルス感染症対策本部で特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令しました。感染が急拡大している東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象で実施期間は7日から5月6日までです。

これまでも不要不急の外出の自粛は要請されてきました。今後、法的根拠のある各知事からの要請になった訳ですが、罰則が設けられていないため、どうしても個々人の意識によって外出自粛の効果は左右されてしまいがちです。さらに宣言が出た後、7都府県の知事の判断に足並みが揃っていませんでした。

ネット上で興味深い記事を見つけています。今回紹介するサイトはブックマークし、定期的に訪問しているBLOGOSで目にした記事が多くなっています。BLOGOSのコメント欄は閉じられていますので、リンク先はそれぞれ筆者のサイトとしています。

まず一つ目が国際カジノ研究所長の木曽崇さんの『まさか百合子がマトモに見える日が来るとは思わなかった、という話』です。一つ一つ全文を転載していくと非常に長い記事内容となってしまいますので、ポイントとなる箇所のみを紹介していきます。関心を持たれた方はリンク先のサイトをご参照ください。

いや、黒岩知事の仰る「休業要請をするのなら補償とセットでなければ…」はもちろん仰る通りなのですけども、逆に「この1カ月間は人と接しないことを徹底してもらえれば、特別に要請する必要もなくなる」というのは、実質的に域内の営業者に対して何の補償もないまま「兵糧攻め」をするのと同義なんですが?

この事業者への休業要請をしないまま消費者にだけ強力な自粛をかけてゆく(しかも国の権限を借りて)という方針は、大阪も含めて東京以外の緊急事態宣言のかかった他府県は皆、同じだそうでして、東京都民としてはまさか百合子の方がマトモに見えて来る日が来るとは思いもしなかった、というのが感想です。

土曜の朝刊、読売新聞一面の『専門家に聞く』で片山善博元総務相も「休業要請には補償を迫られるが、財政に余裕がないからだという。ただそれだと、外出自粛で客足が落ち、事業者が干上がっても、府県の関知するところではないというように聞こえる。東京都の言い分に利があるのではないか」と語っていました。ただ「ない袖は振れない」という事情も理解できるため、片山元総務相は「財政の問題は重要なので、国の関与が欠かせない」と書き添えています。

感染拡大の防止を最大の目的とし、外出自粛によって効果が最も期待できるのであれば、より実効性を高める措置が求められているはずです。東京都以外の府県の知事に苦しい説明をさせず、地域によって対応が大きく分かれる不公正さを払拭するためには、やはり国の責任で財政的な手立てが必要であるもの考えています。

NPO法人ほっとプラス理事の藤田孝典さんは『麻生太郎財務大臣 今度は他人事のように「東京は金持っているんだろうね」 東京都の休業要請協力金支給』というブログ記事で「最近の麻生財務大臣は評論家のようであり、当事者意識に欠けているのではないか。東京都などの財政力がある自治体は休業補償できて、他県ではできないなら、それを財務大臣は調整して補うようにしないのだろうか」と訴えています。

いまは政府が率先して、財政支出を通じた強いメッセージを打ち出す時期であるはずだ。その主軸である当事者がこのような状況であることに残念でならない。改めて麻生太郎財務大臣には、市民、事業者目線での財政出動や支援をおこなう自治体への地方交付税の加算措置など踏み込んだ政策決定をしてほしい。

藤田さんのブログ記事は上記の言葉で結ばれています。そもそも安倍首相は事業規模108.2兆円の緊急経済対策を発表した時、「世界的に見て最大級の経済対策だ」と強調していました。ただ国からの直接支出は18.6兆円にとどまり、「規模ありき」で積み上げた施策の多さも目立っています。

財政や経済の先行きを心配することも重要ですが、過去に例のない緊急事態だと受けとめるのであれば現段階で最も必要とされる施策は素早く進めて欲しいものと願っています。コロナウイルス収束後の経済政策を優先した結果、壊滅的な事態を招いてしまっては本末転倒です。火災が発生し、現金や貴重品を持ち出すことに時間を取られ、逃げ遅れてしまうことは絶対避けなければなりません。

好意的に言えば、総理のトップダウンで物事が決まっていると言う事が出来ますが、私の目には「なんでもかんでも総理(と総理補佐官)のトップダウンで決まっている」ようにしか見えません。しっかりとボトムアップで積み上げて行って、最後にトップダウンが来るというのが理想的な姿です。最初からトップダウンを目指すと失敗するのは、民主党政権で明らかになった事ですが、その轍を現政権も踏んでいるような気がします。

上記は元衆院議員の緒方林太郎さんのブログ『迷走する新型コロナ対策 日本政府の意思決定が遅い理由』の中の一文です。2月末に投稿した当ブログの記事「新型コロナウイルスの感染対策」の中で小中高校の一斉休校は「最側近の官邸官僚と見られている今井首相補佐官の献策のみが安倍首相の判断につながっていました」と記していました。

布マスクを全世帯に2枚配布する施策も「国民の不安はパッと消えます」という官邸官僚の発案だったようです。さすがに最近は医学の専門家の意見を踏まえ、判断を下しているように見受けられます。今回の緊急事態宣言もクラスター対策班の北海道大学教授である西浦博さんの理論疫学に基づき次のような説明が加えられています。

東京都では感染者の累計が1,000人を超えました。足元では5日で2倍になるペースで感染者が増加を続けており、このペースで感染拡大が続けば、2週間後には1万人、1か月後には8万人を超えることとなります。しかし、専門家の試算では、私たち全員が努力を重ね、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減することができれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができます。

国際政治学者の篠田英明さんはブログの記事『社会運動家化する「専門家」たちの「責任」』の中で、「医療崩壊を防ぐ」という目標は社会的意義と内容が明確で良い目標だと評価しています。その一方で「8割減少」は架空の条件下の抽象モデルの話を具体的な日本の現実に強引に当てはめようとするだけの考え方で、 果たして現実的な意味があるのか定かではないと指摘しています。

このような見方があるのかも知れませんが、実際に緊急事態宣言は発令され、5月6日までという期限も区切られました。これまで前回記事「新入職員の皆さんへ 2020」で伝えていたとおり私どもの市でも感染防止の観点から様々な緊急的な対応をはかってきていました。法に基づく宣言が発令され、期限も明確になったことで対策のステージは一気に高まりました。

人と人との接触機会を減らす目的とともに職員の感染者が出た場合、部署全体が自宅待機となるような事態を防ぐため、先週金曜から交代制勤務が取り入れられるようになっています。その業務継続案は事前に組合にも示され、金曜以降、個々の職場の問題点は可能な限りの是正を求めています。

時給制の会計年度任用職員も含め、在宅勤務等の扱いとしながら有給保障を確認できています。このような職場環境が社会全体では当たり前ではないことを自覚し、私たち自治体職員は緊張感を持って職責を果たしていかなければなりません。最後に、NPO法人POSSE代表の今野晴貴さんの記事『政府の助成金を使って「コロナ解雇」を回避してほしい 声を上げ始めた労働者たち』をご紹介します。

確かに経済危機で経済的なコストとリスクが経営者にのしかかっている。だがそれを、一方的に労働者おしつけるのはアンフェアだ。例えば、コロナで縮小した需要に対し、製品やサービスを共同してつくる「取引先」に対し、一方的に解約してリスクを押し付けることは許されないだろう。

同じように、労働者も「労働契約」を結んだ対等な契約当事者だ。しかも、経営者は「経営権」があるために経営上のリスクを第一義的に引き受ける責務がある。だからこそ、解雇の前に行政の施策を最大限活用することは、「当然の義務」だと考えられるのだ。

飲食店ユニオンの事例は、労働者が行動を起こすことで、経営者に雇用維持の努力を促すことができることを示している。またそれは、「政府の政策を有効に機能させるための方法」でもある。

コロナウイルスの猛威の前に、特にダメージの大きい観光や飲食行界の中小企業では、自分の解雇撤回を要求することに萎縮してしまっている労働者多いと思われる。

しかし、労働者が自分の持つ権利を主張しなければ、積極的に国の制度も利用せず、安易な解雇に流れてしまう企業も少なくないのが現実である。世界的な危機においても、労働者の命や生活を守るために、労働組合が重要な役割を果たせることを、ぜひ知っておいてほしい。

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コメント

BIに批判的な藤田孝典さんが、給付などの積極的な財政支出を主張されるんだから真水が少ないでしょう。全世帯に30万円の政府小切手の給付、8月から5%の消費減税ぐらいやらないと持ちません。財源は日銀の国債引受けです。

リーマンは金融経済の危機でしたが、コロナは実体経済なのでより深刻です。

投稿: yamamoto | 2020年4月13日 (月) 07時54分

yamamotoさん、コメントありがとうございました。

緊急事態宣言が全国に拡大し、給付金は全国民に一律10万円支給することになりました。いろいろな話題が耳に入る中、今週末に投稿する新規記事は「Part2」として書き進めてみるつもりです。ぜひ、これからもご訪問いただければ幸いですのでよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2020年4月18日 (土) 06時57分

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