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2020年4月18日 (土)

緊急事態宣言発令 Part2

テレビの報道番組やワイドショーから伝えられる内容は新型コロナウイルスに絡む話題一色だと言えます。それほど深刻な事態であり、皆さんの関心もコロナウイルスの話に集まっているはずです。このブログの前回記事も「緊急事態宣言発令」でした。今回も「Part2」を付け、コロナウイルスに関する話題から個人的に思うことを書き進めてみるつもりです。

ここ数日で様々な動きがありました。新型コロナウイルスの感染者急増を受け、東京都など7都府県に発令していた緊急事態宣言の対象地域が全都道府県に拡大されています。同時に新たな生活支援策として全国民に一人当たり一律10万円を給付することになりました。減収世帯への30万円給付は取り下げ、補正予算案を組み替える異例な事態となっています。

30万円の給付は不評だったため、多くの国民の声を受けとめ、土壇場で臨機応変に判断したという見方も成り立ちます。野党からは朝令暮改であることを批判し、責任を追及する声も上がっています。それでも多くの国民は前者のように見ているのではないかと思っています。

それよりも緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に拡大した経緯が気になっています。拡大に向けた専門家による諮問委員会の招集が「唐突だ」という不満の声も漏れ聞こえています。前回記事で「最近は医学の専門家の意見を踏まえ、判断を下しているように見受けられます」と記していましたが、外形的な姿に過ぎなかったのかも知れません。

そもそも対象となった都市部から地方への人の流れは予見できていた話であり、早い段階で専門家は全国への緊急事態宣言発令を主張されていたようです。経済への影響を理由に反対論があり、7都府県にとどめていました。最終的な決断は政治家が下すことに異論ありませんが、このところ目的と手段が迷走しているように思えてなりません。

前回記事に「コロナウイルス収束後の経済政策を優先した結果、壊滅的な事態を招いてしまっては本末転倒です。火災が発生し、現金や貴重品を持ち出すことに時間を取られ、逃げ遅れてしまうことは絶対避けなければなりません」と記していました。その後、もっと的確な比喩があることを思い出していました。

確かに経済が壊滅し、財政が破綻すれば国民の生命や暮らしを脅かすことになります。しかしながら経済も大事、感染症対策も大事だと考え、優先順位が曖昧なまま後手に回ってしまった場合「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺のとおりとなりかねません。

10万円の給付の問題も目的が迷走しそうな印象を受けています。コロナウイルスの影響で収入減となった方々への生活支援が目的であるはずです。経済対策の一つに数えられていますが、外出自粛が長引きそうな局面において消費を促すという目的は横に置いて考えるべきです。

その上で30万円給付の施策は対象者の線引きの不明確さや支給までの迅速さが問題視されたため、10万円一律支給という方法に改めたものと理解しています。所得制限を設けず、窓口の混雑による感染リスクを高めないように申請方法が検討されていることに安堵しています。なりすましなどの対策は欠かせませんが、基本は本人の申出を信頼して受け付けていくことになるはずです。

NPO法人ほっとプラス理事の藤田孝典さんは『現金一律10万円給付が始まる前に考えておきたいこと』の中で公務員や国会議員らも受け取るべきであり、不毛な対立や分断はやめようと訴えています。藤田さんが訴えられる問題意識はまったくそのとおりだと受けとめています。ただリーマン・ショック後の緊急経済対策とした定額給付金の目的や趣旨とは峻別して位置付けることも必要だろうと思っています。

これまで当ブログの中でも「密閉」「密集」「密接」という3つの密を避ける心構えをしっかり持ち続けなければならないことを訴えています。しかしながら3密という言葉を耳にするようになった初期の段階で、どれほど徹底していたかどうかと問われれば甘かった点があったと答えざるを得ません。

症状の表れない感染者がどこにでもいる、もしかしたら自分自身が知らない間に感染しているかも知れない、このように考えた時、3密の重要性が身にしみてきます。2週間後も元気な自分でいるため、周囲に迷惑をかけないため、今、最大限の努力や配慮が求められているものと考えています。

前回記事に「法に基づく宣言が発令され、期限も明確になったことで対策のステージは一気に高まりました」と記したとおり4月7日以降とそれ以前、個々の行動に対する対応は大きく変わっています。そのように振り返った時、安倍首相夫人である昭恵さんが3月15日に宇佐神宮を参拝していたという話もあまり強く批判できません。

「問題ない」とは決して言えず、常に注目されている首相夫人という立場から軽率な行動だったことは確かです。しかし、緊急事態宣言が発令された後の4月9日、高井崇志衆院議員が歌舞伎町の風俗店に出向いていたという話は軽率な行動だったというレベルではありません。立憲民主党を除籍処分されていますが、国会議員としての資質を大きく問われ、議員辞職すべき失態だと思っています。

最後に、来週発行する組合ニュースの内容の一部をそのまま紹介します。「新型コロナウイルス感染症対策、最大限の努力を 4月7日に緊急事態宣言が発出」という見出しを付け、下記の内容を掲げています。組合員の感染リスクを低減し、万が一のリスクを分散させるためにも交代制勤務が可能かどうかを基本に協議しています。

4月7日、新型コロナウイルス感染症対策の特別措置法に基づき緊急事態宣言が7都府県を対象に発出されました。期間は7日から5月6日までです。緊急事態宣言を受け、感染症対策としての職員の勤務体制の取扱い等の案について組合に提示されました。その案に沿って「業務継続の考え方」が通知されています。恒常的な勤務体制の変更ではなく、緊急を要するため組合としても迅速に対応しています。

人と人との接触の機会を減らす目的としての業務体制の縮小、職員に感染者が出た場合の部署全体の自宅待機を避けるための交代制、2通りの方策があります。リスク回避の方策として望ましいのは後者であり、可能な限り交代制勤務の検討を求めていました。ただ職場実情によって困難な場合があることも了承していました。5月7日以降も続く場合は改めて労使協議が必要という認識です。3密に留意し、最大限の努力で難局を乗り切りましょう。

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コメント

自治労はまた非正規公務員に不利益の全てを押し付けて高給を謳歌するのでしょう。

投稿: れなぞ | 2020年4月24日 (金) 20時01分

れなぞさん、コメントありがとうございました。

「自治労は…」という見方などが今一つ理解しづらいところですが、会計年度任用職員制度の導入が非常勤職員の皆さんの大きな待遇改善につなげられなかったことは組合の力不足であり、たいへん残念なことだったと思っています。

投稿: OTSU | 2020年4月25日 (土) 07時11分

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