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2020年3月28日 (土)

定年を迎える週に思うこと

2月初めに「定年延長の話」という記事を投稿し、国家公務員の定年が60歳から段階的に65歳まで延びる動きを紹介しました。この法案は今国会で成立し、その後、地方公務員にも定年延長の動きは波及していくものと見込まれています。ただ下記報道のとおり黒川検事長の定年延長の問題と絡み合っていくと審議に影響を与える可能性もあるようです。

政府は13日の閣議で、検察官などの国家公務員の定年を段階的に65歳に引き上げるための法案を決定しました。13日に閣議決定された国家公務員法の改正案では、事務次官などを除いて60歳となっている国家公務員の定年について、少子高齢化の進展を踏まえ、経験が豊富な職員を最大限活用するため、令和4年度から段階的に65歳に引き上げるとしています。

また、60歳以上の給与はそれまでの水準の7割程度にするとしているほか、60歳になった職員を原則、管理職から外す「役職定年制」を導入するとしています。これに併せて、検察官の定年についても63歳から65歳に段階的に引き上げるための検察庁法の改正案も13日、閣議決定されました。この中では、検事総長の定年は65歳のままとし、「役職定年制」と同様の趣旨の制度を導入し、63歳になった検察官は原則、次長検事や検事長に任命できないなどとしています。

また、定年延長については、国家公務員法の改正案に合わせて最長で3年まで可能とするとしています。政府は今の国会で法案の成立を目指す方針ですが、検察官の定年延長をめぐっては、政府がことし1月、法解釈を変更して東京高等検察庁の黒川検事長の定年を延長したことに対し、野党側から批判が相次いでおり、法案の審議に影響を与えることも予想されます。【NHK NEWS WEB 2020年3月13日

数年前から公務員の定年延長の話は取沙汰されていました。公務員の制度を変更する際、いつも二通りの考え方が浮上します。民間に比べて公務員は優遇されているという批判を避けるため、先走った変更は控えるという考え方があります。その一方で社会全体の流れを作るため、公務員の制度を先行して変更していくという考え方もあります。

今回の定年延長の動きは後者に位置付けられます。高年齢者雇用安定法で使用者側に対して65歳までの安定的な雇用確保が求められていますが、定年を65歳以上としている事業所は厚生労働省の統計で10.9%にとどまっています。今後、社会全体で70歳までの雇用確保が「努力義務」として求められていく動きもある中、国家公務員の定年延長も判断されたのだろうと見ています。

いずれにしても今年3月末の定年対象者の年齢は60歳です。マラソンに例えれば42.195キロ先のゴールをめざして走ってきたところゴール直前で「まだゴールは先」と告げられずに済んだ世代だと言えます。そのうちの一人が私自身でした。定年延長のメリットもあるようですが、予定した年齢で無事にゴールを迎えられることのほうに安堵しています。

実はゴールという言葉を繰り返していますが、フルタイム再任用として続けるため、3月31日と4月1日で職場環境の変化は一切ありません。主任職の場合、同じ部署で同じ職責のもとに再任用されることが原則化されています。そのため、大きな節目であることに間違いありませんが、卒業式を迎える時のような感傷的な思いはありません。

もともと当ブログでは個人的な話をあまり取り上げていません。今回、記事タイトルに掲げながら個人的な話を取り上げることに少しためらいもありましたが、時事の話題を絡めながら「今、思うこと」を書き進めさせていただいています。振り返れば過去には「公務員になったイキサツ」「組合役員になったイキサツ」「組合役員を続けている理由」という記事も投稿していました。

長い市役所生活の中で組合役員を担い続けた経験は貴重なことだったと思っています。私の前の委員長たちは上部団体に活躍の場を移しながら定年を迎えています。私自身は介護の負担があり、単組の委員長に専念させていただいてきました。自分自身が望んだ選択でしたが、他の組合役員の皆さんらに対し、いろいろな場面でお力になれなかったことを改めてお詫び申し上げます。

あわせて私どもの組合において私自身が歴代委員長に比べて相当長く務めてきていることの功罪も顧みています。その評価は組合員の皆さんに委ねることになりますが、先日発行した機関誌の特集記事の「おわりに」には次のような私自身の思いを記しています。ちなみに特集記事の見出しは当ブログの最近の記事のタイトル「組合は必要、ともに考え、ともに力を出し合いましょう!」をそのまま使っています。

組合役員を長く続けている中で「組合は必要」という思いを強めています。私自身、別な頁で紹介されているとおり3月末に定年を迎えます。大きな節目でしたが、昨年11月の段階で引き続き執行委員長を担う判断を下していました。

ここまで長く務めてきた責任として、何とか「ピンチをチャンス」に変えるため、よりいっそう努力していくつもりです。組合加入率の問題や組合役員の担い手不足という厳しさに直面し、そのような思いを強めています。

同時に私一人や執行部だけの力で変えられるものではなく、そうすべきものではありません。情勢や問題意識を組合員の皆さんと共有化し、これからの組合の組織や活動のあり方について、ともに考え、ともに力を出し合っていくことが重要です。そのような意味で、今回の特集が情勢や問題意識の共有化に少しでも寄与できていたら本当に幸いなことだと考えています。

なお、今年も個人の責任で運営しているブログ『公務員のためいき』に書き込んだ記事内容を引用している箇所があります。もともと組合を身近に感じていただくための一つのツールとして開設しているブログです。

ただ組合員の皆さんが必ずしもご覧になっているものではありませんので、時々、今回のような引用を試みています。そのブログは毎週1回週末に更新しています。ぜひ、機会がありましたら、ご覧いただければ幸いです。

最後に、この特集記事の中で毎年、ストライキ批准投票の結果を報告しています。すでに組合ニュースでもお伝えしましたが、別記のとおり批准率(組合員総数に対する賛成の比率)は85.03%、投票率92.69%、賛成率91.74%で、過去20年ほどで最も高い数字だった昨年の水準に並ぶ高い結果を得られています。

ストライキの是非に対する賛否の投票で組合活動を直接評価するものではありませんが、組合員の皆さんからの信頼度をはかる大きな目安でもあり、たいへん心強く受けとめています。このような組合員の皆さんからの信頼に応えるため、これからも精一杯頑張る決意です。ぜひ、引き続き組合活動への力強い結集をよろしくお願いします。

4月1日以降、職場がそのままであることを前述していましたが、組合役員としての立場や役割もまったく変わりません。1年ごとの任期であるため、11月の定期大会に向けて判断を重ねていくことになります。「定年を迎える週に思うこと」というタイトルで書き進めてきましたが、当面、3月までと変わらない日常生活が続くことになります。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、様々な催しが中止されています。定年をお祝いただく会がいくつか3月に予定されていましたが、すべて取りやめていました。懐かしい方々と久しぶりに語り合える機会が見送られ、残念でしたが仕方ありません。

3月31日の辞令伝達式の後に予定されていた市長との懇話会も取りやめたという連絡を金曜日に受けました。懇話会の後、そのまま休暇を取って何人かで会食に行く約束も交わしていました。小池都知事の自粛要請を受け、辞令を受け取った後は職場に戻り、普段通りの仕事に励もうと考え始めています。

最後に、オリンピック・パラリンピックの開催延期が決まった途端、小池都知事は感染の危険性を強く訴え出しています。これまで開催の判断に影響を及ぼすため、自粛要請を控えていたとしたら「都民ファースト」の言葉に違和感を覚えてしまいます。

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