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2020年1月 1日 (水)

2020年、新たな12年の始まり

毎年、元旦に年賀状バージョンの記事を投稿していました。昨年3月に「母との別れ」という記事を綴らせていただきましたが、昨年末には喪中ハガキをお出しているところです。そのため、今年は新年を迎えた最初の記事も普段と変わらない文字だけの地味なレイアウトとしています。

2005年8月に「公務員のためいき」を開設し、今回の記事が843タイトル目となります。必ず毎週土曜又は日曜に更新し、昨年1年間で52点の記事を投稿していました。一時期に比べ、1日あたりのアクセス数は減っています。それでも週に1回の更新にも関わらず、毎日多くの方に訪れていただいています。

これまで時々、いきなりアクセス数が急増する場合もありました。Yahoo!のトップページに掲げられた際のアクセス数23,278件、訪問者数18,393人が1日あたりの最高記録となっています。ことさらアクセスアップにこだわっている訳ではありませんが、やはり多くの人たちにご訪問いただけることは正直嬉しいものです。

特に当ブログは不特定多数の方々に公務員やその組合側の言い分を発信する必要性を意識し、個人の判断と責任でインターネット上に開設してきました。したがって、より多くの人たちに閲覧いただき、多くのコメントを頂戴できることを願っているため、毎日、たくさんの方々にご訪問いただき、ブログを続けていく大きな励みとなっています。

2012年の春頃からは背伸びしないペースとして、コメント欄も含め、週に1回、土曜か日曜のみにブログに関わるようにしています。そのことだけが理由ではないようですが、以前に比べるとお寄せいただくコメントの数も減っています。それでも記事内容によっては貴重なコメントをお寄せいただけているため、このブログをご注目くださっている皆さんにいつも感謝しています。

さて、今年はネズミ年です。12年前、元旦に投稿した記事のタイトルは「2008年、転換の年へ」でした。十二支にこだわって考えていた時、子、丑、寅…、ネズミは12年間の先頭に数えられる年であることを思い出しました。バブルが崩壊した以降、閉塞感がただよっていた日本経済、2008年、新たな一回りの最初の年として、様々な課題が好転する転換の年となるよう願いを込めました。

2008年がどのような年だったのか、翌年の元旦に投稿した記事内容から思い返すことができます。2008年の世相を表した漢字1文字は「変」でした。「Change(変革)」を訴えたオバマ候補が次期米大統領に選ばれたこと、サブプライムローン問題に端を発した世界経済の大変動などが理由としてあげられていました。

日本の政治の「Change」は翌2009年に訪れていました。民主党を中心とする政権交代が果たされた訳ですが、その直後に投稿した「新政権への期待と要望」という当ブログの記事の中でマニフェストのあり方に懸念を示していました。財源の見積もりが不充分な中、掲げたマニフェストの実現性について次のように記していました。

仮にマニフェストを軽視した場合、国民との約束を破ることとなり、一気に民主党への批判が強まっていくはずです。したがって、まずは政権公約に掲げた政策の実現に向け、全力を尽くしていくのが当たり前な話だと受けとめています。しかし、著しい歪みや将来への大きな禍根が見込まれた時は、勇気ある撤退や大胆な軌道修正も選択肢に加えて欲しいものと望んでいます。

民主党が期待されているのは、総論としての国民生活の向上であり、明るい未来を切り開くことだと思っています。党としての面子や体裁にこだわり、各論の実現を優先しすぎた結果、逆に国民を不幸せにするような事態は本末転倒なことです。公約を修正する際など、真正面から誠意を尽くして説明責任を果たしていく限り、国民からの信頼も簡単に失墜しないのではないでしょうか。

今年2月「悪夢のような民主党政権」という言葉を安倍首相が使ったことには驚きましたが、そのように認識している方々が多いことも否めないのかも知れません。危惧したマニフェストの問題をはじめ、民主党の政権運営は残念ながら多くの国民の期待を裏切ってしまいました。そして、民主党政権の最も大きな責任は政権交代のハードルを高く上げてしまったことです。

安倍政権の進めている政策等を全否定すべきではありませんが、至らない点があれば国会で厳しい指摘を受け、場合によって大胆な軌道修正がはかれるチェック機能の存在は重要です。さらに政権運営での問題点や不祥事が目立つようであれば総選挙で敗れ、再び下野しなければならないという与党側の緊張感も欠かせないはずです。

干支が一回りした12年間で政権交代という政治の大きな転換が2回ありました。世論調査の結果、現政権を肯定的に評価している方々が一定の割合で存在しています。しかし、個々の案件として桜を見る会から散見している疑念やその対処の仕方、大きなテーマとしての外交や安全保障の方向性などに対し、国民の中で様々な評価があるはずです。

政権交代の受け皿となるべき野党が不甲斐ないため、結局、総選挙では負けない、その結果をもって様々な問題点も許されていく場合は非常に残念な政治的な構図だと思っています。加えて、日本の進むべき道を左右する大きなテーマが明確な論点とされず、与野党の相対評価が軸となった選挙での勝敗によって委任されていくような動きは避けなければなりません。

したがって、国政の場で健全なチェック機能を働かせるためには「1強多弱」の勢力図を少しでも塗り替える必要性があります。ただ当たり前な話ですが、政党としての理念等が曖昧なままの単なる数合わせだった場合、それはそれで問題だろうと思っています。仮に総選挙で勝利し、政権交代を果たせたとしても、その後の政権運営に不安要素が残ることになります。

個人的な思いですが、自民党に対峙する野党には労働組合との関係性を決して負の側面だととらえず、逆に強みとし、そこを起点にした理念や政策の再構築を願っています。「働くことを軸として、安心できる社会を作っていく」という言葉などは民主党政権の時に連合と共有化していたものです。

そもそも自民党との対抗軸が曖昧なまま、野党の再編が進んでしまった場合、視点や立場の相違からのチェック機能を充分働かせられない恐れがあります。基本的な立ち位置としてリベラルな色合いを持ちながらもイデオロギーが前面に出ない政党としての存在感を高めることで、国民からの幅広い支持を得られていくのではないでしょうか。

12年の間には大きな自然災害にたびたび見舞われていました。その中でも2011年3月11日の東日本大震災は未曾有の被害をもたらしていました。さらに福島第一原発の事故は膨大な年月を要しながら対応していかなければならない深刻な問題を残しています。

国民の多数は原発に依存しない社会をめざすべきだと思っているはずですが、現政権が明確な方針を打ち出しているとは言えません。そのため、政権選択の大きな論点にすべき課題であり、野党再編のための重要な協議事項となっているようです。

私自身の問題意識は昨年7月に投稿した記事「福島第一原発の現状」の最後に記したとおり脱原発かどうかという二項対立的な図式ではなく、どのようにすれば原発に依存しない社会を築いていけるのかどうかという視点を大事にすべきだろうと考えています。このような視点を基軸に協議が進むことを期待しているところです。

今回も書き進めていくと予想以上に長い記事になってしまいました。新年早々、お付き合いくださっている皆さん、本当にありがとうございます。私が最も責任を負うべき市職員労働組合の執行委員長という立場からの思いも綴るつもりでしたが、たいへん長い記事になっていますので一言だけ申し添えさせていただきます。

年末の記事「自治労都本部組織集会 Part2」に託した思いとして、組合は大事、なくしてはいけない、そのような認識のもとに組合加入の促進や組合役員の担い手問題に対処していく決意を新たにしています。長く執行委員長を務めてきた責任を痛感しているため、何とか好転させる切っかけや兆しを見出し、次走者にバトンを渡せるよう思いを巡らしています。

最後に、このブログは実生活に過度な負担をかけないよう留意しながら引き続き週に1回、土曜か日曜の更新を基本としていきます。いつもお正月のみ少し変則な日程となっています。次回は来週末に更新する予定です。

きめ細かいコメント欄への対応がはかれずに恐縮ですが、一人でも多くの方にご覧いただければ誠に幸いなことだと思っています。それでは末筆ながら当ブログを訪れてくださった皆さんのご健康とご多幸をお祈り申し上げ、新年早々の記事の結びとさせていただきます。

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コメント

あけましておめでとうございます。
オリンピックイヤーの幕開けです。本年もよろしくお願い申し上げます。

投稿: yamamoto | 2020年1月 2日 (木) 10時03分

yamamotoさん、新年早々にコメントいただき、ありがとうございました。

今回の記事本文に綴ったとおり幅広い視点や立場からご意見やご指摘をいただけることの貴重さを感じています。ぜひ、今年もお時間等が許される際、お気軽にコメントをお寄せいただければ幸いですのでよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2020年1月 4日 (土) 07時21分

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