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2019年11月 9日 (土)

定期大会を終えて、2019年秋

記事タイトルに悩む時がありますが、今回も悩まず「定期大会を終えて、2016年秋」「定期大会を終えて、2017年秋」「定期大会を終えて、2018年秋」という4年続けた同じパターンでの記事タイトルとしています。水曜の夜、私どもの組合の定期大会が開かれました。6年前の記事「定期大会の話、インデックスⅡ」の中で詳しく綴っていますが、組合員全員の出席を呼びかけるスタイルで続けています。

3年前の定期大会で特別議案「組合財政の確立に向けて」を確認し、経常的な収入に見合った支出構造に近付ける努力を重ねています。定期大会の会場の見直しもその一つでした。今回の大会当日の組合員数は1,147人です。組合員全員の出席を呼びかけているため、これまで千人以上収容できる市民会館の大ホールで催してきました。2階席は使用していませんでしたが、実際の出席者数に比べて大ホールは広すぎて、残念ながらガランとした雰囲気になりがちでした。

一人でも多くの出席を呼びかけながら300人も入らない会場で催した場合、初めから出席者をあまり集める気がないように思われてしまいます。このような点を考慮し、大ホールを定期大会の会場に定着させていました。しかしながら組合員数の減少に伴い、出席者数も漸減してきていました。そのため、一昨年から会場を1,201席の大ホールから246席の小ホールに移していました。

最終的な出席者数は一昨年が168人、昨年が162人でした。残念ながら「うれしい悲鳴」を上げることはなく、背伸びしない身の丈に合った小ホールの収容規模に見合った出席者数で推移しています。小ホールへの変更に合わせ、食事と出席記念品の配布をやめていました。そのため、300人前後で推移してきた出席者数の減少は、ある程度想定していました。

それぞれ160人台という数は大成功と喜べるものではありませんが、ことさら悲観するレベルのものでもなく、小ホールでの全員参加型の組合大会を維持していけるものと考えているところです。 今年の出席者数は176人でした。組合員数が減少している中、3年間で最も多い出席者数です。前々回記事でお伝えした会計年度任用職員制度の労使合意について嘱託組合員の皆さんが関心をお寄せいただいてた表われだと受けとめています。

さて、定期大会冒頭の執行委員長挨拶は例年通り簡潔な内容の挨拶に努めました。ちなみに人前で挨拶する機会が多いため、檀上で緊張するようなことはありません。原稿がなくても大丈夫ですが、いろいろ話を広げてしまい、割り当てられた5分という時間をオーバーしてしまう心配があるため、毎年、定期大会だけは必ず挨拶する内容の原稿を用意しています。ここ数年、挨拶原稿のほぼ全文をブログで紹介しています。今回の内容は下記のとおりでした。

八王子市を選挙区とする萩生田文部科学大臣の「身の丈」発言が批判を浴びました。ある意味で萩生田大臣の発言に感謝しなければならないように思っています。この発言によって問題点が注目されたため、大学に入るために必要な英語民間試験の導入が延期されることになりました。裕福な家庭との経済格差や試験会場等との絡みからの地域格差など様々な問題点がありながら見切り発車されるところを止めることができています。

このように様々な角度から検証した際、その「答え」が本当に最も望ましいものなのかどうか変わってくる場合もあります。本来、そのような意味合いから国会でのチェック機能が働き、萩生田大臣の「身の丈」発言よりも前に英語民間試験の導入は慎重な対応が求められていたはずです。一強多弱という国会の勢力図はこのような点から決して好ましい現状ではありません。

いずれにしても私たちの暮らしや働き方は政治の動きに左右されていきます。そのため、企業や自治体内の労使交渉だけでは解決できない社会的・政治的な問題に対処するため、多くの労働組合が集まって政府などへ大きな声を上げていくことも大切な運動の一つとなっています。私たち自治労の声を国会に届けるため、7月の参議院選挙で岸まき子さんを組織内候補として擁立し、おかげ様で当選を果たすことができました。ご支援くださった皆さんに改めて感謝申し上げます。

様々な角度からの検証やチェック機能の大切さは労使関係においても当てはまります。使用者の目線だけで労働条件を決められてしまった場合、「ブラック」な職場になりかねません。そのような事態を防ぐために様々な労働法制が整えられ、労働条件は労使対等な立場で決めていくという原則が確立しています。私どもの労使関係も、そのような原則のもとに幅広い労使課題の解決に向け、真摯な議論を尽くしています。

日付が10月25日に変わった深夜、会計年度任用職員制度の条例化を合意しました。他団体の非常勤職員との均衡に固執する市当局だったため、労使交渉という経路がなかった場合、病休の無給化など現行の待遇を大幅に切り下げる条例化に至っていたはずです。月額報酬の現行水準を確保できず、100%満足できる決着ではありませんが、嘱託組合員の皆さんの切実な声を背にしながら全力で労使協議を進めてきました。今後、この制度化を機会に学校事務や学童保育所など個々の職場の課題解決に向けて、さらに労使協議を進めていきます。

本日配布した「当面する闘争方針案」には賃金確定や人員確保の取り組みについて提起しています。私どもの市の独自課題として地域手当の引き上げは何としても実現したいものと考えています。また、職場アンケートを集約中ですが、人員確保要求に向け、切実な声が届いています。他に長期主任職選考方法の見直しや移動時間の時間外勤務認定基準も労使対等原則のもとに協議を重ねた結果、今回の定期大会で一つの節目を迎えます。

このように多岐にわたり、たいへん重要な職場課題に対応していくためには職員の大半が加入しているという結集力が欠かせず、活動を担う組合役員が必要です。昨年の大会で協力委員制度を創設しました。新たな年度に向けては数年ぶりに執行委員の数を増やすことができています。様々な事情を抱えながら立候補を決意された皆さんに心から感謝しています。

私自身、たいへん長く組合役員を務めている中、組合の必要性を人一倍強く感じています。そのため、引き続き執行委員長を担うことで、よりいっそう発展し、強固な組織基盤を整えた上、次走者にバトンを渡せるよう精一杯頑張る決意です。

出席者からの発言として、今回も保育士の方から「公立保育園の大切さ」のアピールがありました。市民課職員からはマイナンバー制度に伴う業務への負担が増している現状が訴えられました。また、その方からは全庁的にメンタル不調での病休者が増えているため、よりいっそう組合としても対策に力を注いで欲しいという要望が示されました。

他に前回記事「トヨタの労使交渉」の中でも触れた長期主任職の選考方法の見直しに関しての発言がありました。試験会場方式に見直しても、これまでのレポート提出と同様、複数の設問を事前に示した上での作文試験のみとし、合格基準を上げるものではないことを市側と確認しています。この確認が「なし崩し的に変えられていかないように」という趣旨の発言でした。

執行部からはそれぞれの発言をしっかり受けとめ、これからの組合活動に活かしていく旨を答えています。修正案の提出や反対意見はなく、執行部提案はすべて原案通り承認を得られました。今回の定期大会を区切りとして、会計監査を務められた方が退任されます。前年度よりも執行委員が5名増えるなど、久しぶりに新しい顔ぶれのメンバーが大勢加わった執行部体制となり、たいへん心強く感じています。

定期大会が終わった後、今年は水曜の夜だったのにも関わらず、遅くまで飲み語り合ってしまいました。それでも翌日仕事があることを意識できているためか、ひどい二日酔いにならずに済んでいました。いずれにしても今後の組合活動に対し、その夜は多くの方から様々な意見や問題意識を聞かせていただき、例年以上に貴重な交流の場となっていました。

最後に、組合員の皆さん、大会運営にご協力いただいた皆さん、ご来賓やメッセージをお寄せくださった皆さん、新旧の組合役員の皆さん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

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