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2019年10月26日 (土)

会計年度任用職員制度、労使合意

懸案課題だった会計年度任用職員制度の条例化に向けて労使合意しました。労使交渉の結果等を組合員の皆さんに伝える手段は紙媒体が基本です。交渉の行方を心配されていた当事者である嘱託職員の皆さんの多くは出先の職場で働いています。今回の交渉結果を伝える組合ニュースが届くのは週明けとなります。

このブログは個人の責任によって運営していますが、SNSの速報性を活かし、組合ニュースでの全体周知の前に新規記事の題材として取り上げさせていただきます。前回記事「組合活動の近況、2019年秋」のコメント欄にyamamotoさんから次のような書き込みがありました。

団体交渉は合意することが目的なので、交渉最終日に市長から前向きな回答を得て合意とのシナリオができてると思っています。当局も12月市会まで延ばして交渉してきたわけで、ゼロ回答はありえないでしょう。労使がまったく譲歩しないのは、ただの結論なき話し合い、座談会で交渉ではありません。

私からは「ご指摘のとおりお互いの主張から一歩も踏み出せないようであれば交渉は成り立ちません。参考までに私自身の問題意識等を綴った以前の記事を紹介させていただきます」と記し、以前の記事「労使交渉への思い」を紹介させていただきました。その記事の中には次のような一文を残しています。

労使交渉に限らず、それぞれ考え方や立場の異なる者同士が話し合って一つの結論を出す際、難航する場合が多くなります。利害関係の対立はもちろん、お互い自分たちの言い分が正しいものと確信しているため、簡単に歩み寄れず、議論が平行線をたどりがちとなります。両者の力関係が極端に偏っていた場合、相手側の反論は無視され、結論が押し付けられがちとなるはずです。しかし、そのようなケースは命令と服従という従属的な関係に過ぎず、対等な交渉とは呼べなくなります。

そのために「労使対等」原則があり、労働条件の変更は労使協議を尽くし、合意が得られない限り一方的に実施しないことを確認しています。このような信頼関係を維持していくためにはyamamotoさんのご指摘のとおり「労使がまったく譲歩しないのは、ただの結論なき話し合い」にとどめない決断が労使双方に求められていきます。

ただ私どもの労使関係に完璧なシナリオはなく、どのような結論を見出せるのかどうか激しい議論を交わす団体交渉や断続的に重ねる事務折衝を通して状況が常に変化していきます。木曜の夜、確かに市側からすれば組合の主張に沿った前進した内容の回答を示してきました。それでも組合として合意できる水準には程遠く、労使協議を重ねていきました。

最終的に合意に至ったのは金曜を迎えた深夜1時近くでした。これまで「会計年度任用職員」「会計年度任用職員制度の労使協議を推進」「会計年度任用職員制度、労使協議の現況」という記事を投稿してきましたが、私どもの組合にとって非常に悩ましい事態を強いられていました。法改正が非常勤職員の待遇改善の好機ととらえていたのにも関わらず、全体を通して後退する内容が目立っていました。

他団体に比べて月額報酬の額が高い、他団体の非常勤職員の病休は無給である、このような点を市側は説明し、総務省の事務処理マニュアルに基づき他団体の非常勤職員との均衡に固執していました。月額報酬を1万円ほど下げ、休暇制度は都準拠とし、唯一改善となる期末手当支給も2年間かけて2.6月までに引き上げるという提案内容でした。

それに対し、組合は法案成立時の国会の附帯決議が「公務における同一労働同一賃金の在り方に重点に置いた対応」を求めていることをはじめ、総務省の事務処理マニュアルも全体的な底上げをはかることを目的とし、決して水準の高かった自治体の非常勤職員の待遇を引き下げることを企図していないと再三再四訴えてきました。

木曜夜の団体交渉の中で副市長は「条例や予算の裏付けが必要であり、私どもの市だけ突出した制度は議会や住民の皆さんに説明できない」とし、これ以上、提案内容を改める考えはないことを組合側に伝えていました。私からは「当り前なこととして法的に問題になるようなことを求めていない。月額の現給を保障することなど充分説明できるのではないか」と反論しています。

このような反論を加えている時、このブログのことが頭の中に浮かんでいました。いつも説明していることですが、組合ニュースは組合員一人ひとりに配られ、配布後の取扱いは自由です。このようなオープンな配布の仕方ですので、組合ニュースが市議会議員や住民の皆さんの目に留まることも想定しています。

要するに誰に見られても困るような内容は掲げていません。ただ交渉結果の内容や組合の考え方に対しては人によって評価が分かれ、批判の対象になる場合があるのかも知れません。それでもコソコソ隠すような労使交渉や主張は行なっていないため、「内部資料」「取扱注意」のような但し書きは一切ありません。

仮に圧倒多数の方々から問題視されるような交渉結果や組合の主張だった場合、何か改める要素があることを察知する機会にすべきだろうとも考えていま。そのような意味合いからも当ブログの記事の中で、組合員の皆さんに伝えているニュースの内容をそのまま掲げる時があります。今回の記事もその機会とし、週明けに配布する最新の組合ニュースに掲げる内容をそのまま紹介します。

会計年度任用職員制度、条例案送付を基本合意 ~24日深夜に及ぶ交渉で前進した回答~

継続課題の会計年度任用職員制度は24日、労使協議を重ねた結果、前進した回答を引き出し、12月議会への条例案送付について基本合意しました。休暇制度等の現行の待遇を後退させず、来年度から結婚休暇を導入することができました。月額報酬の確保は到達できませんでしたが、他団体に比べて水準が下回る職種等については引き続き協議していきます。

公募によらない再度の任用は原則として連続4回としますが、これまでの労使確認事項も尊重していきます。期末手当は経過措置を設けず、来年度から年間2.6月を支給します。さらに在職者は6月支給分満額1.3月とします。今後、主任職制度の導入も検討していきます。  

その他、必要な課題について引き続き労使協議していくことを確認しています。この課題や賃金闘争、長期主任職試験見直し提案等について定期大会(11月6日)当日配布の議案として予定しています。ぜひ、多くの方の出席をよろしくお願いします。

定期大会当日に配布する資料を通し、上記内容を次のとおり補足する予定です。病休の無給化提案が最も嘱託職員の皆さんの不安感を生じさせていました。病休の有給維持をはじめ、休暇制度全般を現行同様とする提案に改めさせることができ、嘱託職員である執行委員の方は本当に安堵されていました。さらに来年度から結婚休暇を導入することができたことも前進でした。

公募によらない再度の任用は原則として連続4回としますが、これまでの労使確認事項も尊重していくという市側の考え方を引き出しています。現在も年度単位の雇用ですが、恒常的な業務に従事する嘱託組合員の方々はその勤務経験を尊重しながら雇用継続しています。このような従来の労使確認事項を踏まえ、5年後、合理的で適切な対応をはかっていくことになります。なお、来年度に向けては人事評価をもとに在職者の雇用継続を確認しています。

最大の労使の争点だった月額報酬の見直しは提案通り受け入れざるを得ませんでした。他市の嘱託職員の報酬額を時間単価に置き換えた比較表を示し、期末手当を新たに支給するため、年収総額で30万円ほど引き上げになる提案であることを理解して欲しいという市側の姿勢は一貫していました。地方交付税不交付団体であり、数億円単位の増額分を自主財源で賄わなければならない財政的な事情も大きかったようです。

基本合意する中で、他団体に比べて水準が下回る職種等については上乗せに向けて引き続き協議していくことを確認しています。また、当初の提案で期末手当は2年間かけて段階的に引き上げていく考え方でしたが、来年度から2.6月支給することを確認できました。さらに新規採用とは異なる在職者の場合、来年6月支給分から満額の1.3月とする回答を引き出すことができました。

月額報酬が下がる緩和策の一つとして、最終盤の交渉で組合側が強く要求した対応策でした。それこそ団体交渉で激しくぶつかり合う中、副市長が途中で考えを改めた様子がうかがえたため、市側にとって想定外のシナリオだったかも知れません。もう一つの緩和策として、4月5月は現給を保障することを求めました。受け入れさせることはできませんでしたが、6月から1.3月支給のほうが額としては断然優位な交渉結果となっています。

月額報酬の現給保障につながる案として、組合側から主任職制度の導入を求めました。これまでベテラン職員と新規採用職員が同じ額であることの問題性を訴える組合員も少なくありません。そのような声があることも踏まえながら早期の導入を求め、 最終盤の交渉では「今後、検討していく」という確認を交わしています。「この場だけの回答にしないように」と副委員長は執拗に念を押し、人事課長から「他団体の事例を参考にしていく」という言葉を引き出しています。

以上は会計年度任用職員制度の条例化に向けた労使合意事項です。その他、必要な課題について引き続き協議していくことを確認しています。継続協議を約束している学校事務職場の業務のあり方などもその一つとなります。具体的な業務のあり方の取扱いとなるため、新たに執行委員に立候補された学校事務嘱託の皆さんとともに教育委員会当局と協議していく場を早急に設ける予定です。

最後に、余談です。深夜に及ぶ交渉が終わり、帰宅した後、神経が高ぶっているためか、すぐ眠れません。3時間も眠れませんでしたが、金曜は一日勤務し、夜は職場の歓送会もありました。ちなみに今年度、欠員、補充、欠員と続いているため、毎月のように歓送迎会があります。その夜は睡眠不足だったことを忘れ、2次会まで参加していました。11時過ぎ、バスに乗れましたが、眠ってしまい、気付いた時は終点近く…。タクシーもつかまらず、重い足取りで自宅をめざすことになった金曜の深夜でした。

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