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2019年10月 5日 (土)

組合役員の改選期、インデックスⅡ

10月から消費税が10%に引き上げられました。このブログでも以前「消費税引き上げの問題」という記事を投稿していました。大きな節目に際し、新規記事で取り上げることも考えていました。しかしながら私どもの組合にとって最も重要な問題であり、たいへん重要な1週間を迎えるため、ローカルな話題で恐縮ながら組合役員の改選期の話を取り上げさせていただきます。

その上で参考までにブックマークしている朝霞市議の黒川滋さんのブログ「きょうも歩く」の記事「10/1 きょうから消費税10%に」をご紹介します。軽減税率やポイント還元の問題なども含め、全体を通して私自身の認識と同じであり、たいへん共感した記事内容でした。ぜひ、お時間等が許されればリンク先をご覧になってください。

さて、カテゴリー別に検索できる機能を使いこなせず、これまで「自治労の話、2012年夏」のように記事本文の中にインデックス(索引)代わりに関連した内容のバックナンバーを並べていました。その発展形として「○○の話、インデックス」を始めています。その記事の冒頭、インデックス記事のバックナンバーを並べることで「インデックス記事のインデックス」の役割を持たせています。カテゴリー別のバックナンバーを探す際、自分自身にとっても役に立つ整理の仕方であり、時々、そのような構成で新規記事をまとめています。

これまで投稿したインデックス記事は「職務の話、インデックス」「原発の話、インデックス」「定期大会の話、インデックスⅡ」「年末の話、インデックスⅡ」「春闘の話、インデックスⅡ」「組合役員の改選期、インデックス」「人事評価の話、インデックス」「図書館の話、インデックス」「旗びらきの話、インデックスⅡ」「人事院勧告の話、インデックス」「非正規雇用の話、インデックスⅡ」「いがみ合わないことの大切さ、インデックス」「憲法の話、インデックスⅡ」「平和の話、インデックスⅢ」」「原発の話、インデックスⅡ」「コメント欄の話、インデックスⅡ」のとおりです。なお、「Ⅱ」以降がある場合は最新のインデックス記事のみを紹介しています。

そのようなインデックス記事が右サイドバーの「最近の記事」から消えていましたので、今回、「組合役員の改選期、インデックスⅡ」として書き進めることにしました。2015年以降、今回、追加した記事は5点でした。毎年、秋に私どもの組合の定期大会があり、大会から大会までの1年間が組合役員の任期となっています。そのため、「定期大会の話、インデックスⅡ」と重複する記事が多くなっていますが、「組合役員の改選期」に絞ったインデックスとしてご理解ください。

インデックス記事を投稿した際も必ずその時々の近況や思うことを書き足しています。今回も同様に「組合役員の改選期」に絡んだ内容を少し書き進めてみます。組合役員の担い手不足という悩ましい問題が恒常化し、紹介した上記の記事の中で様々な思いを綴ってきています。今年も11月6日に定期大会を控え、火曜日から役員選挙の立候補等の受付が始まります。

久しぶりの自治労大会」の中で記したとおり全国的な自治労の現況として次代の組合役員(執行部) の担い手の問題が深刻化しています。各職場からの輪番制で1年ごとに役員が交代し、さらに経験の乏しい若年層のみで担う組合が増えているようです。その結果、定例の執行委員会や組合ニュースの定期発行を行なえず、統一要求書の提出などにも対応できない「有名無実化」が進み、組織維持そのものが困難視されている組合も目立ち始めています。

組合役員の担い手の問題は新規採用者の組合加入に向けた働きかけも不充分になりがちです。具体的な組合活動の不足は組合そのものの存在意義が問われることになり、脱退者を増やす一因につながりかねません。組合員数の減少は組合の財政問題にも直結し、予算不足から必要な活動に制約をきたす恐れも生じます。組合役員の担い手問題は負のスパイラルに陥る深刻な事態だと言えます。

もちろん個々の組合によって事情は大きく違うようです。組合役員の担い手問題に悩むことはなく、活発な組合活動を続けている組合も多いのではないでしょうか。ちなみに全国的な状況とは異なる意味で、自治労東京都本部内の多くの単組(単位組合)は苦しい局面を迎えています。組合役員の世代交代や新陳代謝が円滑化できず、一部の組合役員が留任を重ねることで必要な活動を継承している現況です。

私どもの組合は真っ先に数えられがちなそのような組合の一つに至っています。すでに執行委員会等で表明している話ですので結論を先に申し上げます。私自身、引き続き執行委員長に立候補することを決めています。同じポストに同じ人物が長く務めることのマイナスも意識しています。「同じ人が役員を長くやると経験が豊富ゆえに組織はしっかりするが、その人がいなくなると運動が次につながらない」という声も耳にしています。

それでも今、退任することは責任ある対応に至らず、周囲からもそのように見られていることを受けとめ、結果的に毎年、留任する判断を下してきています。組合は大事、つぶしてはいけない、そのためには担い手が必要、そのような思いを強めながら委員長を続けています。持続可能な組合組織に向け、組織基盤を底上げすることに力を注ぎ、次走者に安心して「バトン」を渡せるタイミングを強く意識しています。

労働組合の委員長は首長のように幅広い分野で大きな権限を持っていません。ただ小さいながらも当該組織の進む方向性等に対し、大きな責任や役割を持っていることも念頭に置いていかなければなりません。この責任や役割に対し、当該組織の構成員から信頼を得られないようであれば身を引くことが賢明な判断なのだろうと思っています。幸いにも多選に対して私どもの組合員の皆さんから特に批判の声は上がっていません。

とりわけ今回、引き続き立候補するという判断を伝えた際、安堵される方々が多く、私自身の独りよがりな問題意識ではないものと理解しています。以前「タイタニックにならないように…」という記事を投稿していましたが、沈みそうな船から船長が真っ先に逃げてしまっては批判の対象になります。船長が逃げ出したことで沈没を免れなくなってしまうようであれば、もっと大きな批判の対象になりかねません。

「今、委員長がやめたら組合はつぶれてしまう」と心配する現職の組合役員がいる一方、「委員長がやめても組合はつぶしません」と自信を示してくれる役員もいます。確かに私自身が退けば残されたメンバーに苦労をかけますが、いきなりつぶれることはなく、しっかり組織は維持されていくのだろうとも思っています。それでも今ではなく、次年度も引き続き担うことで組合役員の担い手が広がるための処方箋を探し続けてみるつもりです。

組合役員の担い手問題は、まだまだ書き進めたい点があります。今回、インデックス記事としていますので、ぜひ、お時間等が許される際はバックナンバーもご覧いただければ幸いなことです。参考までに「組合は大事、だから幅広く、多くの担い手が必要です! 同時に貴重な経験を積める組合役員、ぜひ、手を上げてみませんか?」という見出しを掲げた私どもの組合ニュースの呼びかけ文を当ブログの中でも紹介させていただきます。

定期大会から定期大会までの1年間が組合役員の任期です。今年も11月6日に第74回定期大会が開かれるため、その直前に組合役員の選挙が行なわれます。詳しい日程等は選挙委員会から改めてお知らせしますが、あらかじめ組合役員、とりわけ執行委員の担い手の問題について、組合員の皆さん全体に呼びかけ、ご理解ご協力を訴えさせていただきます。

■ 執行委員長、副執行委員長2名、書記長、書記次長、執行委員が定例執行委員会の出席対象であり、様々な組合課題の進め方等を議論しています。ここ数年、執行委員会の開催は隔週水曜夕方が定着していますが、年度ごとに調整可能です。執行委員の定数は12名です。任務の重さやプライベートな時間が割かれる面もあり、執行委員の定数を満たせない現況が何年も続いています。

■ 組合員から人員アンケート等で寄せられる組合への期待は非常に大きなものがあり、よりいっそう労使交渉の大切さが高まっています。組合の責任や役割を充分に全うしていくためには日常的な組合活動を担う執行部の充実が欠かせません。逆に万が一、担い手がいなくなれば組合活動は停滞し、つぶれてしまいます。職場委員同様、職域ごとに選出する方法に切り替える他の組合もありますが、次年度に向けては従来通りの選出方法で組合役員の立候補を募っていく予定です。

■ 「たいへんだったけど、やって良かった」、組合役員OBの皆さんもからよく耳にする言葉です。組合役員を担うことで、日常的な仕事だけでは経験できない貴重な機会や幅広い情報が得られます。団体交渉の場では副市長や教育長に対し、自分自身の考え方や思いを直接訴えることができます。自分の職場以外の組合員の皆さん、さらに私どもの市役所以外の方々と交流できる機会が増えます。

■貴重な組合費による限られた予算の範囲内とは言え、全国各地に出向く機会もあります。また、組合役員一人ひとりのアイデアや企画を形にしやすく、その成果や手応えを即時に実感できる経験を積んでいけます。何よりも組合員の皆さんから「組合があって助かりました。ありがとうございました」という声をかけられる時も少なくありません。

■ このような点について少しでも関心を持たれた方は気軽に組合役員までお声かけください。なお、こちらから個別にお話をさせていただくこともありますのでご理解ご協力よろしくお願いします。

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コメント

朝霞市議の黒川さんは、政治的に左派の立場だと思いますが、財政規律、財政再建を重んじる財務省と同様に消費税増税に賛成なんですね。いま左派が主張すべきは「政府の借金なくして、デフレ脱却なし」でしょう。西欧なみの福祉国家を想定されているなら、北欧・EUでは物価上昇率2%、経済成長4%が普通です。
消費税を増やして、少しでも財政再建しよう、借金を減らそうとの考えではデフレ脱却は無理だと思います。黒川先生には「そろそろ左派は経済を語ろう:亜紀書房」を推薦します。

投稿: yamamoto | 2019年10月 6日 (日) 12時40分

yamamotoさん、前々回記事も含め、コメントありがとうございました。

消費税一つ取っても人それぞれ様々な見方があることを知る機会となり、たいへん感謝しています。ぜひ、これからもお時間等が許される際、貴重なご意見や情報提供いただければ幸いですのでよろしくお願いします。

なお、ココログの不具合は解消されていません。同様な声がココログのサイトに書き込まれていますのでユーザー全体の問題であるようです。それにも関わらず、対応の遅さに歯がゆさを感じています。そのため、これからも投稿されたコメントが即時に反映されない点についてご容赦ください。

投稿: OTSU | 2019年10月 6日 (日) 21時04分

>otsu様

出過ぎた発言になるかもしれないことを初めにお詫びしておきます。
組合の委員長は統率力と調整能力を求められる苦労の多いポジションであり、誰もがなりたがる役職ではありません。「多選に対して批判の声は上がってこない」「引き続き立候補することに安堵してくれる人たちが多い」というのも、単に委員長職続投への支援ではなく「辛い役目を引き受けてくれる人がいて良かった」という周囲の方々の本音なのではありませんか。
失礼ながら、「船長が逃げ出したことで沈没を免れなくなってしまうようであれば、もっと大きな批判の対象になりかねない」というのも、御自分に甘い判断だと思います。
「委員長がやめても組合はつぶしません」と自信を示してくれる役員がいらっしゃるのなら、早々にその方たちに職を譲ることが何より効果的な担い手育成策ではないでしょうか。


>yamamoto様

黒川さんのツイッターでのつぶやきを見ていると松尾匡さんなどへの批判的なコメントが多いことから、御紹介の本の内容等は承知の上での発言でしょう。黒川さんは表面的な「右・左」だけでは単純に区分けできない主張をされる人だと思います。

投稿: 対人手当 | 2019年10月10日 (木) 16時15分

黒川さんのツイッターをさらっとみましたが、経済は井出英策先生寄りなんですね。だとすれば、幸福増税論の井出さんと反緊縮論の松尾さんは真逆なので、失礼しました。

ただ、黒川先生のプロフィールをみると共通事項が一つだけありまして、日商簿記2級です。企業決算の有価証券報告書を読み取るイメージを捨てないと、役所の決算書類はイライラして悪戦苦闘する先生の姿が想像できます。財務三表のように、スパッと役所の財政状態がわかる改善を黒川さんに期待してます。

投稿: yamamoto | 2019年10月11日 (金) 09時34分

yamamoto様、返信ありがとうございます。

>黒川さんのツイッターをさらっとみましたが、経済は井出英策先生寄りなんですね。

黒川さん御本人は、井出先生より吉川洋・小野善康両先生の考え方に近いとおっしゃってらっしゃいますね。井出先生の富山スウェーデン論には違和感があるようです。

  https://twitter.com/kurokawashigeru/status/1034819582349864960

小野先生とは、黒川さんが市議になる前から交流があったようですね。

  http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2011/02/23-c7ed.html

小野先生から著書を贈られたこともブログで述べられています。

  http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2017/11/1120-05ea.html

私たちは知らないものに出会うと、とりあえず知っているものに結び付けて理解しようとしますが、人の考えはそう簡単なものではないようです。

投稿: 対人手当 | 2019年10月11日 (金) 21時38分

対人手当さん、yamamotoさん、コメントありがとうございました。

いつもコメント欄では具体的なやり取りに参加せず、一閲覧者になっていることをご容赦ください。その上で一言だけ添えさせていただきます。

対人手当さんの委員長続投に対する見方について、その通りだろうと思う一方で「御自分に甘い判断」かどうかは何とも言えません。いずれにしてもベストかどうかは分かりませんが、ベターな判断だったと振り返られるよう「今」努力していくつもりです。

投稿: OTSU | 2019年10月12日 (土) 07時50分

小野先生はケインズ派の巨匠ですが、消費税率は20~25%にすべきで、井出先生は19%で高福祉高負担の北欧なみの福祉国家を目指すと唱えています。お二人とも財政規律を重視し、方向性は同じです。

投稿: yamamoto | 2019年10月12日 (土) 11時56分

>otsu様

返信ありがとうございます。
多くの組織でトップの座に固執してきた人たちが往々にして口にするような言葉と同じ匂いを、今回の記事から感じたため、不躾だと思いながらコメントしてしまいました。
組織それぞれに事情はおありでしょうし、otsu様が「ベターな判断だったと振り返られるよう「今」努力していくつもり」とおっしゃるのであればそれはそれで結構だと思います。
ただ、otsu様の組合の中にも私のようなことを考えながらotsu様の姿を見ているメンバーがいらっしゃるだろうと思います。そのことを忘れないようにしてください。


>yamamoto様

重ねての返信ありがとうございます。
 「方向性は同じです」
やはり大雑把な括りなんですね。
方向性が同じだとして、yamamoto様が黒川さんのツイッターを見ておっしゃった「井出先生寄り」という評価を黒川さん御本人が聞いたら、はたして納得されるでしょうか。
otsu様が次の記事をUPされたので、私からはこれを最後にしたいと思いますが、一度御自問くださいませ。

投稿: 対人手当 | 2019年10月12日 (土) 23時55分

yamamotoさん、対人手当さん、コメントありがとうございました。

このコメント欄を貴重な場として、いろいろな見方があることを受けとめながら実際の活動に活かしていければと考えています。ぜひ、これからも皆さんから幅広いご意見や情報をお寄せいただければ幸いですのでよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2019年10月13日 (日) 21時57分

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