平和の築き方、それぞれの思い Part2
74回目の終戦の日を迎えた木曜日、私どもの市庁舎でも正午に黙祷を捧げました。先の大戦での戦没者を悼み、二度と戦争の惨禍を繰り返さないことを誓う節目の日でした。毎年、8月に入ると戦争について取り上げるメディアが増えています。特に今年は後ほど紹介しますが、NHKスペシャルが貴重な資料をもとにした番組制作に力を注いでいました。
戦争を体験された方が少なくなる中、この時期だけでもメディアが力を注ぐことは意義深いものと受けとめています。このブログでも戦争や平和を顧みる機会とし、先週は「平和の築き方、それぞれの思い」という記事を綴っていました。今週も「Part2」を付け、平和への思いを託した内容の投稿を続けてみます。
まず前回記事に対し、yamamotoさん、おこさんからコメントがあり、少し補足していました。さらに今回の記事でも、一人ひとり「それぞれの思い」がある中、平和の築き方について私自身の思いを補足させていただきます。戦争は起こしたくない、総論として誰もが願うことです。一方で、各論となる具体的な安全保障に対する考え方は個々人によって差異が生じがちです。
憲法9条の解釈も完全に統一されていない現状を認めなければなりません。しかし、個別的自衛権まで認めた解釈までを合憲とする立場が主流だったはずであり、そのような立場を私自身は支持しています。その上で攻撃された場合は反撃するという抑止力の必要性を認めています。集団的自衛権の行使は国際法上問題ないため、国際社会の中で日本国憲法9条は異質だと言えます。
このような「異質さ」や「特別さ」には効用があり、私たち日本人にとって価値ある国の姿だったはずです。そのため、従来の憲法解釈を変更した安全保障関連法の成立を問題視しています。今後、改憲論議を深めるのであれば憲法9条の「特別さ」を重視するのか、国際標準の「普通の国」をめざすのかどうかという明確な論点を示して欲しいものと願っています。
このような端的な説明では言葉が不足しているかも知れません。詳しい説明としては以前の記事「平和の話、インデックスⅢ」「平和の話、サマリー」「平和の話、サマリー Part2」などをご覧いただければ誠に幸いです。また、一昨年夏の「平和への思い、自分史」という記事の中では次のような記述を残していました。
知り得た戦争の悲惨さを部員や組合員に伝える、このような広げ方が平和を築くための運動だと考えていました。青婦部を卒業してからも、しばらくは平和をアピールすることや軍事基地に反対することが大事な行動だろうと認識していました。もちろん多くの人が戦争の悲惨さや実相を知り、絶対起こしてはならないという思いを強めていくことは重要です。しかし、そのような思いだけでは決して戦争を抑止できないことを痛感するようになっています。
誰もが「戦争は起こしたくない」という思いがある中、平和を維持するために武力による抑止力や均衡がどうあるべきなのか、手法や具体策に対する評価の違いという関係性を認識するようになっています。安倍首相も決して戦争を肯定的にとらえている訳ではなく、どうしたら戦争を防げるのかという視点や立場から安保法制等を判断しているという見方を持てるようになっています。
その上で、安倍首相らの判断が正しいのかどうかという思考に重きを置くようになっています。そして、自分自身の「答え」が正しいと確信できるのであれば、その「答え」からかけ離れた考え方や立場の方々にも届くような言葉や伝え方が重要だと認識するようになっていました。そのため、このブログでは「答え」の正しさを押し付けるような書き方を避けながら、多様な考え方や情報を提供するように努めています。
今回の記事も多様な情報を提供する機会として、私自身が視聴したテレビ番組や最近読み終えた書籍の内容を紹介させていただきます。先ほど今年のNHKスペシャルのことに触れました。特に関心を持った2点の番組を録画しています。どのような内容だったのかはNHKのサイトでの番組紹介を掲げさせていただきます。1点目は『かくて“自由”は死せり ~ある新聞と戦争への道~』です。
なぜ日本人は、戦争への道を歩むことを選択したのか。これまで"空白"だった道程を浮かび上がらせる第一級の史料を入手した。治安維持法制定時の司法大臣・小川平吉が創刊した戦前最大の右派メディア「日本新聞」である。1925~35年に発行された約3千日分が今回発見された。発刊当時、言論界は大正デモクラシーの全盛期。マイナーな存在だった"国家主義者"は、「日本新聞」を舞台に「デモクラシー=自由主義」への攻撃を開始する。
同志の名簿には、後に総理大臣となる近衛文麿、右翼の源流と言われる頭山満などの実力者が名を連ねていた。国内に共産主義の思想が広まることを恐れた人たちが、日本新聞を支持したのである。さらに取材を重ねると、日本新聞は地方の読者に直接働きかける運動を展開していたことも明らかになってきた。そして、ロンドン海軍軍縮条約、天皇機関説排撃など、日本新聞が重視した事件がことごとく、社会から自由を失わせ軍の台頭を招く契機となっていく。知られざる日本新聞10年の活動をたどり、昭和の"裏面史"を浮かび上がらせる。
上記番組が報道された直後、BLOGOSに『欠陥NHKスペシャル放送される』という見出しが付けられた記事を目にし、自民党の和田正宗参院議員が強く批判していることを知りました。同じ時期のBLOGOSで、漫画家の小林よしのりさんの 『NHKスペシャル「日本新聞」のこと』というタイトルのブログも掲げられていました。
日本が大正デモクラシーで自由の空気を謳歌していた時代から、たった10年余りで一気に軍国主義に傾斜していったのは、「日本新聞」という国粋主義のメディアが重要な役割りを果たしたらしい、このように小林さんは記し、貴重な番組だったと評価しています。同じ番組を見ていながら人によって評価が大きく分かれることは珍しくありません。
特に今年夏のNHKスペシャルは賛否両論があることを覚悟した上、かなり踏み込んだ題材に切り込んでいるものと思っています。土曜の夜に放映された『昭和天皇は何を語ったのか ~初公開・秘録「拝謁記」~ 』は、そのような思いを際立たせた内容だったと言えます。「日本新聞」の時よりも視聴者一人ひとり、評価や感じることが大きく分かれたのではないでしょうか。
日本の占領期の第一級史料が発見された。初代宮内庁長官として昭和天皇のそばにあった田島道治の『拝謁記』である。1949(昭和24)年から4年10か月の記録には、昭和天皇の言動が、田島との対話形式で克明に記されていた。敗戦の道義的責任を感じていた昭和天皇は、当初「情勢ガ許セバ退位トカ譲位トカイフコトモ考ヘラルヽ」としていた。
さらに、1952年の独立記念式典の「おことば」で戦争への反省に言及しようとする。しかし、吉田茂首相からの要望で、最終的に敗戦への言及は削除されていく。その詳細な経緯が初めて明らかになった。番組では、昭和天皇と田島長官の対話を忠実に再現。戦争への悔恨、そして、新時代の日本への思い。昭和天皇が、戦争の時代を踏まえて象徴としてどのような一歩を踏み出そうとしたのか見つめる。
過去は変えられません。しかし、過去や歴史を振り返り、反省すべき点があれば率直に反省し、教訓化していかなければ同じ過ちを繰り返しかねません。今回のNHKスペシャルの内容のみで、日本が戦争の道に突入した背景などを短絡的に語ることは慎まなければなりません。しかし、その時々の国民の思いが世論を形成し、その世論に政治が縛られる場合もあり、軍部の独走を許す素地につながっていたことを考えさせられます。
そして、神格化された最高権力者だったとしても、時代の大きな流れに抗え切れなかったという史実に思いを巡らしています。また、戦争は避けたいという思いだけで戦争を回避できない理由として、冷徹な国際情勢があることも留意しなければなりません。それでも国民一人ひとりの思いが「戦争も辞さず」に傾くのか、為政者が国民の熱狂に左右されずに譲歩することも想定した外交交渉を重視していくのか、たいへん重要な立場性だと考えています。
現在の日本の為政者としてのトップリーダーは安倍首相です。最近、『安倍三代』という書籍を読み終えています。書籍を宣伝するサイトには「母方の祖父・岸信介を慕う安倍晋三首相には、もう一つの系譜がある。反戦の政治家として軍部と闘った父方の祖父・寛、その跡を継ぎ若くして政治の道に入った父・晋太郎だ。彼らの足跡から3代目の空虚さを照らすアエラ連載に大幅加筆」と記されています。なかなか興味深い事実関係に触れることができた書籍でした。
安倍首相の資質を批判する内容が目立ちますが、山口県での現地取材や史料をもとにした青木理さんのルポルタージュです。読者からの評価は分かれ、「
最後に、多様な情報を提供する機会として『週刊文春』に掲載された「祖父・寛や父・晋太郎にあって、安倍晋三にはないもの」という見出しが付けられた書評を紹介させていただきます。あらゆる人物評伝は、史料や証言者の声が積もり、ページをめくればめくるほど濃厚になるものだが、本書は例外。残り3分の1、安倍晋三の軌跡を追い始めた途端、万事が薄味になる。彼について問われた誰しもが、語るべきことがあったろうか、と当惑する。晋三が通った成蹊大学名誉教授・加藤節は、彼を「二つの意味で『ムチ』だ」と評する。
「無知」と「無恥」。「芦部信喜さんという憲法学者、ご存知ですか?」と問われ、「私は憲法学の権威ではございませんので、存じ上げておりません」と答弁した彼を「無知であることをまったく恥じていない」と嘆く。手元の原稿に記された「訂正云々」を力強く「訂正でんでん」と読む宰相は無知を改めない。
憲法改正を悲願とする彼は、母方の祖父・岸信介への傾倒を頻繁に語るが、なぜかもう一方の父方の祖父・寛について語らない。反戦の政治家として軍部と闘い、貧者救済を訴えた寛。「戦争とファッショの泥沼」の中で立候補した“選挙マニフェスト"には「富の偏在は国家の危機を招く」とある。それはまるで「アベノミクスの果実を隅々まで……」と緩慢なスローガンを反復する孫に警鐘を鳴らすかのよう。平和憲法を擁護し、リベラルな姿勢を貫いた晋太郎は、その父・寛を終生誇りにした。
晋三いわく「公人ではなく私人」の昭恵夫人が、本書の取材に応じている。寛にも晋太郎にもあった気概や努力が晋三に感じられないのはなぜか、との不躾な問いに「天のはかりで、使命を負っているというか、天命であるとしか言えない」と述べる。呆然とする。安倍家の対岸に住まう古老、“政略入社"した神戸製鋼時代の上司、安倍家の菩提寺である長安寺の住職等々が、晋三をおぼろに語る。彼の存在感を力強く語れる人が、どこからも出てこないのだ。
政界を引退した、かつての自民党の古参議員・古賀誠に語らせれば「ツクシの坊やみたいにスーッと伸びていく」ような世襲議員が、現政権では閣僚の半分を占めている。「ツクシの坊や」のために変更された自民党総裁任期延長に異を唱える党内の声は極端に少なかった。支持する理由のトップが常に「他より良さそう」であっても、自由気ままな政権運営が続いていく。
「私の国際政治学(の授業)をちゃんと聞いていたのかな」と恩師を涙ぐませてしまう宰相は、その薄味と反比例するように、国の定規を強引に転換させている。周囲に募る虚無感と本人が投じる強権とが合致しない。その乖離に誰より彼自身が無頓着なのが末恐ろしい。 《評者:武田 砂鉄(週刊文春 2017.3.23号掲載)》
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コメント
支持率が安定してるので、政策等の批判がやり辛くなる
と結局個人攻撃しか方法がなくなるのですね。
安倍批判でひたすら記事や本を書いて商売してる方々は
安倍総理が退任した後に、さぞかしお礼を言いにいくの
でしょうか。短期政権なら批判本を書いてる暇がないで
すからね
投稿: nagi | 2019年8月19日 (月) 09時46分
在日米軍基地を徹底的に縮小しなければ「特別な」とは見てくれません。日本は中東からアジアにかけて米軍の最大拠点で、沖縄は米軍基地島状態です。韓国、フイリピンは駐留規模を縮小してきたが、こうした行動を示さないと誰も信用してくれないでしょう。
あれだけ大騒ぎした安保法制から、3回の国政選挙を経ても安倍政権は倒れません。有権者は野党が勝つと景気が悪くなると危惧し、特に就職がかかっている若い世代にそれが言えます。なのに野党は代案を示さず、ただただ指をくわえて安部自民党の失点待ちです。あとは任期満了を願うだけで、情けない野党になったと思います。
投稿: yamamoto | 2019年8月19日 (月) 12時29分
久しぶりに某平和団体のサイトを見てみましたが、
どれほどの酷暑であっても、疲れることなく毒電波を
撒き散らせていますね。特に8月15日の記事は慰霊と
言う名の政権批判で満載です。しかも内容が圧倒的に
北朝鮮に軸足があることがはっきりわかることが特徴
です。まあ朝鮮総連が出した声明なら不思議ではない
のですが、なぜ日本人で組織される日本の団体がここ
まで北朝鮮や親北政権の韓国に忖度できるのかが
長年の不思議ですね。
まあ答えは判ってるのでですが、それを言うと色々と
問題があるので自粛しておきます。
投稿: nagi | 2019年8月20日 (火) 12時44分
香港では若者たちが自由を求めて連日デモをしています
それに対して香港行政府や中国政府はあの手この手で
迫害しています。そのニュースは日本にもいろんな形で
入ってきています。
平和や民主主義を日頃大声で叫んでいる某平和団体は
なぜ香港の若者を助けようとしないのだろう。
世界では本当に自由や民主主義を求めて戦っている人が
いる。一方で自分たちは安全なところにいながら、平和
運動を隠れ蓑に思想信条活動を行う連中もいる。
本当に恥ずかしい。
投稿: nagi | 2019年8月20日 (火) 16時35分
ふつうで平凡な私たちが凡庸な政治家を選んでますよ。権力は我々が持っていて、安部総理が権力を維持しているのは、凡庸な我々が選挙で委任したからなんです。70年前から国民主権が続いていますよ。あの小泉元総理だって凡庸でしたが、非凡な政治家はカリスマ性があり、理論家で弁舌家の不破哲三ぐらいです。
反安倍オンリーは拍手喝采でしょうが、普通や平凡じゃなく、あえて否定的な表現の凡庸を用いたことに、著者のエリート主義や上から目線、さらに自虐史観がみえみえでしょう。
投稿: yamamoto | 2019年8月21日 (水) 09時01分
日本のいつもの方々が、声明で「韓国は日本の敵か」と
出していました。いろんな答えがあると思うのですが、
少なくとも昨日、韓国が答えを出してくれましたね。
GSOMIAを破棄すると言うことは、少なくとも味方と
思っていないとはっきりと明示しました。ここまで判り
易いと助かりますね。
国防的に色々と大変ですが、中途半端に味方のふりで
足を引っ張られるより、公然と味方ではないと示して
くれてよかったのではないのでしょうか。
米国がアジアから手をひくと、巨大な中国に日本は単独
で向き合う必要があります。日本が生き残る道は中東の
イスラエルと同じような道を目指すことでしょう。
投稿: nagi | 2019年8月23日 (金) 09時22分
文大統領は、学生時代左派運動のリーダーでした。思想的には社会主義者です。政権は対北融和と対米自立が基本で、その流れでの破棄だと思います。
投稿: yamamoto | 2019年8月23日 (金) 19時43分
nagi殿
>日本のいつもの方々が、声明で「韓国は日本の敵か」と出していました。
貿易では日本が約2兆円の黒字、観光では国別訪日客数が第2位なので、韓国は日本の大切なお客様だと思います。これだけの太いお客様なので多少の我儘は我慢するのが商売だと思います。
日本の韓国に対する最近の対応は、以前は繁盛していたが最近は落ち目なのに気づかず以前と同じつもりで客に威張る寿司屋の大将に見えてしまいます。
>GSOMIAを破棄すると言うことは、少なくとも味方と思っていないとはっきりと明示しました。
田中角栄は
政治では敵をいかに中立に、中立をいかに味方にするかが大切だ
と言ったそうです。外交でも同じだと思います。
>米国がアジアから手をひくと、巨大な中国に日本は単独で向き合う必要があります。
”向き合う”の意味によりますが、対抗するという意味であれば人口も経済規模も日本の何倍もある中国に単独で対抗する事は可能でしょうか?
投稿: Alberich | 2019年8月24日 (土) 00時07分
nagiさん、yamamotoさん、Alberichさん、コメントありがとうございました。
いろいろな考え方や情報に触れられる機会は本当に貴重なことです。今回、この場を通し、私からの意見を付け加えることは控えさせていただきますがご容赦ください。
さらに新規記事の話題もガラッと変わってしまい恐縮です。ただ今回のような問題での意見交換は機会を見ながら続けていければと思っています。ぜひ、これからも当ブログをご注目いただければ幸いですのでよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2019年8月24日 (土) 06時47分
日本が落ち目の寿司屋ならお客様の韓国は他の寿司屋に鞍替えすればいいのに、それが出来ない事情でもあるのですかね?
最近の日本と韓国の関係を見てると、単なる寿司屋とお客の関係では無いような感じがします。
たとえば日本でしか作れない特別なネタの寿司があって韓国にかぎってはそれを食べないと死んでしまうとか。
投稿: おこ | 2019年8月24日 (土) 10時46分
おこ殿
>日本が落ち目の寿司屋ならお客様の韓国は他の寿司屋に鞍替えすればいいのに、それが出来ない事情でもあるのですかね?
これまでは(威張っていない)普通の寿司屋だったし何より近くにあるから使っていたのだと思います(値段が安いという事もあるかもしれません)実際に最近は他の寿司屋に鞍替えした客も多いと思います(韓国からの観光客は大幅に減っているそうです)
>たとえば日本でしか作れない特別なネタの寿司があって韓国にかぎってはそれを食べないと死んでしまうとか。
そういうものもあるかもしれませんが一時的なものだと思います。
逆の立場ですが、以前に中国が尖閣問題に関連してレアアースというハイテク分野で使われる特殊な金属の対日輸出を制限した事がありました。当時はレアアースのほとんどを中国が生産していたので関係する企業は一時大混乱になりましたが、製品のリサイクルを強化したりレアアースを使わない製品を開発して対応しました。その結果その後輸出規制がなくなっても中国からの輸入はそれほど増えなかったそうです。
当時の日本企業にできた事が(世界のシェアがDRAMで7割、フラッシュメモリで4割の)現在の韓国企業に出来ないはずはないと思います。
投稿: Alberich | 2019年8月24日 (土) 23時09分
yamamoto殿
>文大統領は、学生時代左派運動のリーダーでした。思想的には社会主義者です。
仰るように文大統領は左派で社会主義者かもしれませんが、それと現在の状況はどの程度関係しているでしょうか?例えば前の大統領を左派という人はいないと思いますが、前の大統領が(問題を起こさずに)続投していれば別の状況になったでしょうか?
その場合でも徴用工の判決は出たと思いますし、(判決を支持する国民が多数なので)その後の対応も文政権とあまり変わらないと思います。そうすると日本はホワイト国の認定を取り消したでしょうから、協定破棄はしなくても状況は今とあまり変わらないと思います。
>政権は対北融和と対米自立が基本で、その流れでの破棄だと思います。
北と戦争になれば韓国は失うものが大きすぎるので、どんな政権になっても北とは融和せざるを得ないと思います。ソウルは、東京でいえば鎌倉、八王子、取手あたりまで北の領土という状況です。戦争になればミサイルを使わなくても隠している大砲で一斉射撃をすればソウルは壊滅すると思います。
前の大統領も(対米自立かは不明ですが)中国とは良好な関係を維持していました。
投稿: Alberich | 2019年8月24日 (土) 23時14分
おこさん、Alberichさん、コメントありがとうございました。
より望ましい「答え」に近付くため、このようなやり取りに触れられる機会がたいへん貴重だと受けとめています。ぜひ、これからもご訪問いただけますようよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2019年8月25日 (日) 21時01分
>Alberich氏
>韓国は日本の大切なお客様だと思います。これだけの太いお客様なので多少の我儘は我慢するのが商売だと思います。
私は商売だから、もうかれば全て良いと考えることは
できません。人道主義が至上の価値である欧州でも、
商売のために理念を捨てた例がありましたね
>https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8276.php
まあこの例では、大学が撤回したのですが、大学の価値
が大きく棄損したのは間違いない。どれほど商売が大事
でも譲れないことはあります。
ちなみに韓国出身の友人達に今回の件を聞いてみたの
ですが、さすがに韓国政府を非難してましたね。もっとも
彼らは海外在住が長いので、少し意識は違うと思うの
ですがね。教育は大事だと思います。
投稿: nagi | 2019年8月26日 (月) 09時55分
nagi殿
>どれほど商売が大事でも譲れないことはあります。
2兆円の収入を失ってでも譲れない事とはどのような事でしょうか?2兆円の収入を失うと収入が減る方も多いと思いますが、それらの方もそう思われているのでしょうか?
>ちなみに韓国出身の友人達に今回の件を聞いてみたのですが、さすがに韓国政府を非難してましたね。
今回の件とは具体的にはどのような件でしょうか?(徴用工判決?, GSOMIA破棄?)
投稿: Alberich | 2019年8月26日 (月) 22時14分
貿易に関しては、韓国も日本も互いに大切なお客なので、米国VS中国のような関税の発動合戦にしないことです。GDP米2000,中1300,日500,韓160、これを見れば米中貿易戦争のほうが日韓経済に与える影響が大です。日韓のちょっとした摩擦は、貿易に関しては互いに心配がなくメディアが煽ってるだけです。
文大統領が左派なのは、韓国内でわかってることで別に驚きもありません。5年の任期内で自らの信念を発揮するのが大統領制です。トランプ、マクロンしかりです。日本は冷静に粛々と対応するだけです。
投稿: yamamoto | 2019年8月27日 (火) 10時51分
>Alberich氏
逆にお聞きしますが、利益の為には何を捨ててもよい。
何を犠牲にしてもよいとお考えですか?
私は商売よりも大切なことはたくさんあり、今回の日韓
の問題は、商売より大切なことがらと認識しています。
>今回の件とは具体的にはどのような件でしょうか?(徴用工判決?, GSOMIA破棄?)
文政権が取ったさまざまな件です。
投稿: nagi | 2019年8月28日 (水) 08時54分
nagi殿
>逆にお聞きしますが、利益の為には何を捨ててもよい。何を犠牲にしてもよいとお考えですか?
私は利益の為には何を捨ててもよい。何を犠牲にしてもよいとは思いません。しかし利益を捨てさえすれば別の何かを捨てなくてすむ とか 犠牲にしなくてもすむ とも思いません。
>私は商売よりも大切なことはたくさんあり、今回の日韓の問題は、商売より大切なことがらと認識しています。
私も商売よりも大切なことはたくさんあると思いますが、以下の点から今回の日韓の問題は商売のほうが大切だと思います。
・nagi殿がどのような事を商売よりも大切だと考えておられるのか分かりませんが、それは2兆円を捨てなければ達成できないのでしょうか?
”日本は怒っているんだ!!”という事を表明するだけなら2兆円を捨てなくても別の方法があるように思います。
・nagi殿が商売よりも大切だと考えておられる事は2兆円を捨てれば達成できるのでしょうか?
2兆円を捨てても達成できなければ日本の丸損です。香港の様に政府と住民の意見が異なる場合は政府が変われば状況が変わるかもしれません。しかし韓国では今の政権の支持率が下がっても、徴用工の判決やGSOMIA脱退は国民の過半数が支持しているそうです。ですから2兆円を捨てても今の政権が変わっても状況はあまり変わらないと思います。2兆円を捨てて現状が変わらないのと2兆円を捨てないで現状が変わらないのとでは2兆円を捨てないほうが良いと思います。
投稿: Alberich | 2019年8月28日 (水) 21時46分
yamamoto殿
>貿易に関しては、韓国も日本も互いに大切なお客なので、米国VS中国のような関税の発動合戦にしないことです。
関税の発動合戦にはなっていませんが、輸出手続を煩雑化したり、それに近い状況になっていると思います。
>GDP米2000,中1300,日500,韓160、これを見れば米中貿易戦争のほうが日韓経済に与える影響が大です。
米中貿易戦争のほうが日韓経済に与える影響が大だというのは仰る通りだと思います。しかし米中貿易戦争で経済の先行きに不安がある時に、わざわざ(それまで問題がなかった)日韓の通商に悪影響をあたえ問題を増やすような(火事場にガソリンのタンクローリーを呼ぶような)事を日本からやらなくてもよいと思います。
>日韓のちょっとした摩擦は、貿易に関しては互いに心配がなくメディアが煽ってるだけです。
貿易に関しては当事者同士が対策をとるので心配ないかもしれません。しかし観光に関しては九州や関西では韓国人観光客が大部分を占めている所があり、それらでは影響が大きく困っているそうです。このように困っている人がいるという事を認識するためにもメディアはきちんと報道すべきだと思います。
>文大統領が左派なのは、韓国内でわかってることで別に驚きもありません。5年の任期内で自らの信念を発揮するのが大統領制です。
仰るように文大統領は5年の任期内で自らの信念を発揮すると思いますし、次の大統領も5年の任期内でその方の信念を発揮すると思います。しかし韓国は北朝鮮と違って大統領になるのは国民の多数が支持する信念を持つ方だと思います。nagi殿のコメントでも申し上げましたが徴用工の判決やGSOMIA脱退は国民の過半数が支持しているそうです。ですから次の大統領になっても(その方が文大統領と真逆の右派の保守派だとしても)状況はあまり変わらないと思います。
投稿: Alberich | 2019年8月28日 (水) 21時56分
2兆円を捨てるとか、捨てないとか意味が分かりません。
輸出は日本⇒韓国5.5兆円、韓国⇒日本3.5兆円の貿易収支です。損益ではないです。貿易依存度から判断すると、互いの輸出不振からくるGDP影響度は、韓国のほうが日本より1.7倍大きくなります。貿易はwin winが当たり前で、韓国の「中央日報エコノミスト」が参考になります。冷静な分析で、地に足がついた解説です。
「徴用工の判決やGSOMIA脱退は国民の過半数が支持している」日本はこのような情勢を踏まえ、焦ることなく、じっくりと対韓外交にあたるでしょう。特に問題はありません。
投稿: yamamoto | 2019年8月29日 (木) 09時06分
nagiさん、Alberichさん、yamamotoさん、コメントありがとうございました。
興味深いやり取りを引き続き拝読させていただいています。この流れを踏まえられず恐縮ですが、新規記事の題材は久しぶりに参加した自治労の定期大会を予定しています。ぜひ、これからも当ブログをご注目いただければ幸いですのでよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2019年8月31日 (土) 08時12分
yamamoto殿
>互いの輸出不振からくるGDP影響度は、韓国のほうが日本より1.7倍大きくなります。
日本のホワイト国除外の決定後、日本⇒韓国の輸出は(日本製消費財の売上や訪日観光客の減少により)不振で、(ささやかですが)日本のGNPに良くない影響を与えています。(幸いな事に)韓国⇒日本の輸出は大きな変化はなく、韓国のGNPへの影響はあまりないようです。
>貿易はwin winが当たり前で、
仰るように韓国の業者も、これまでは最もwin winになると判断して日本から輸入していたと思います。しかし日本による規制やその影響で他国から輸入したほうがもっとwin winになると判断すれば別の国に乗り換えると思います。
>「徴用工の判決やGSOMIA脱退は国民の過半数が支持している」日本はこのような情勢を踏まえ、焦ることなく、じっくりと対韓外交にあたるでしょう。
仰るように、韓国の状況は変わらない事を前提に日本は冷静に粛々と対応するべきだと思います。しかし(外交や防衛分野と異なり)これまで問題の少なかった経済分野で、日本の方から問題を起こす対応をしたのでは、冷静に粛々と対応しているとは言えないと思います。
投稿: Alberich | 2019年8月31日 (土) 22時45分
Alberichさん、コメントありがとうございました。
コメント欄を通し、私自身の意見を補足していないことをご容赦ください。新規記事も最近の話題に絡めた労働組合のことを取り上げる予定ですが、ぜひ、これからも当ブログをご注目いただければ幸いですのでよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2019年9月 7日 (土) 08時47分