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2019年3月30日 (土)

会計年度任用職員制度の労使協議を推進

私どもの組合の労使課題の論点や協議状況などは月2回以上発行する組合ニュースを通し、組合員の皆さんにお知らせしています。年に1回は『市職労報』という機関誌を発行し、組合ニュースを補う目的で諸課題を掘り下げた特集記事を掲げています。

それぞれ組合員一人ひとりに配られ、配布後の取扱いは自由です。このようなオープンな配布の仕方ですので、組合ニュースが市議会議員や住民の皆さんの目に留まることも想定しています。要するに誰に見られても困るような内容は掲げていません。

ただ交渉結果の内容や組合の考え方に対しては人によって評価が分かれ、批判の対象になる場合があるのかも知れません。それでもコソコソ隠すような労使交渉や主張は行なっていないため、「内部資料」「取扱注意」のような但し書きは一切ありません。

仮に圧倒多数の方々から問題視されるような交渉結果や組合の主張だった場合、何か改める要素があることを察知する機会にすべきだろうとも考えています。そのような意味合いからも当ブログの記事の中で、組合員の皆さんに伝えているニュースや機関誌の内容をそのまま掲げる時があります。

今回も最近発行した機関誌『市職労報』等の記事内容をもとに労使協議に関わる話を紹介させていただきます。ちなみに『市職労報』には懸賞付のクロスワードパズルの頁もあります。ここ数年、オリジナルなクロスワードパズルを私が作成しています。

22頁にわたる特集記事も私が担当していましたが、それよりも先にクロスワードパズルを早々に仕上げていました。楽しみながら取り組める作業となっているからです。今回も誌面に目を通すと、すぐ答えが分かる設問をいくつか盛り込んでいます。

ろうきんの「〇〇〇〇NISA」のご利用を、全労済の検索ワード「絆を〇〇〇」など、パズルの頁をめくると答えが見つかるようになっています。他に今回のブログ記事で取り上げる「〇〇〇〇〇〇度任用職員制度の労使協議を推進」という設問も掲げていました。

以前の記事「非正規雇用の話、インデックスⅡ」があるとおり非正規公務員の問題は当ブログで数多く取り上げています。私どもの組合には多くの嘱託職員の皆さんが加入されているため、組合活動の中でも大きな比重を占めています。当事者である皆さんの声をまとめ、市当局に対して次の4点に絞った「嘱託職員に関する独自要求書」を提出していました。
  1. 嘱託職員の報酬に報酬表を導入し勤務年数によって引き上げること
  2. 嘱託職員に一時金を導入すること
  3. 全嘱託職員に代休制度を導入すること
  4. 嘱託職員の休暇制度を充実させること

それぞれ切実な要求であり、継続した労使協議会での課題としています。しかしながら具体的な前進をはかれない状況が続いていました。そのような中、会計年度任用職員制度が2020年度から導入されます。以前の記事「会計年度任用職員」で詳述していましたが、地方公務員法及び地方自治法の一部が大幅に改正され、2020年度から臨時・非常勤職員を一般職・特別職・臨時的任用の三類型に明確化されます。

その中で一般職の非常勤職員である会計年度任用職員の規定を新たに設け、手当支給等ができるようになっています。その実施に向け、各自治体での条例化が2019年度中に必要とされています。組合は会計年度任用職員制度の導入を「追い風」とし、臨時・非常勤職員の労働条件を大幅に改善する機会につなげられるよう労使協議を進めています。

昨年6月には私どもの市に働く嘱託職員の皆さん全員に組合加入を呼びかけさせていただきました。一人でも多くの方に組合加入していただくことで、よりいっそう当事者の声を反映した労使協議につなげていけるものと考えているからです。

現在、会計年度任用職員制度の確立に向け、労使協議は大詰めの局面を迎えています。来年度に向けた「人員確保及び職場改善に関する要求書」の中では「嘱託職員等の待遇改善に向け、会計年度任用職員制度の労使協議を促進し、業務実態に見合った職のあり方を確立すること」という要求を掲げていました。

この要求に対し、市当局から「現時点での考え方は提案済み。今後、労使協議を行っていきたい」という回答が示されています。市当局の現時点での考え方として「本市の人事給与制度は東京都準拠ということで対市民(対議会)等にも説明してきており、これを基本とする考えには変わりがない」としながらも「ただし、従来から労使で確認して運用してきたことを、軽視したいとする意向があるわけではない」と説明しています。

その上で現在の嘱託職員を月給制の会計年度任用職員、現在の臨時職員を時給制の会計年度任用職員とし、それぞれ期末手当の支給は検討しています。しかし、現行の嘱託職員の報酬水準が他団体に比べて高いことや財源の問題に触れ、大幅な改善に向けた姿勢が極めて薄い不本意な考え方にとどまっています。

嘱託職員の月額報酬と期末手当の総支給額の年収ベースが現在の水準を下回らないようにしたいと述べていますが、月収が現在よりも下がるような見直しは到底認められません。新年度に入り、大詰めの労使協議を重ねていくことになりますが、現時点での労使の考え方には大きな開きがあります。

働き方改革の柱の一つである「同一労働同一賃金」の理念のもと、国会の付帯決議を踏まえた納得できる決着点をめざし、今後の労使協議に力を注いでいかなければなりません。その足かがりとして、春闘要求の最終盤の確認の中でも会計年度任用職員制度の課題を大きな争点としていました。3月15日夜の交渉では次の2点を確認しています。

  • 現在雇用されている嘱託職員については、希望者全員の雇用継続を基本とする。来年度中に人事評価制度を導入し、最低評価ではない限り、会計年度任用職員として採用する。
  • 基本的に従前通り65歳まで雇用し、年収額や休暇制度など現在の嘱託職員の勤務条件は後退させない。
上記2点の確認を出発点とし、今後、総務省から示されている「会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル」に基づき、給料表の導入や年間2.6月分の一時金支給の実現などを組合はめざしていきます。労使協議が大詰めを迎えていく中、嘱託組合員の皆さん全体に呼びかけ、労使協議状況の報告を兼ねた懇談会を4月中に開く予定です。ぜひ、多くの皆さんの参加をお待ちしています。

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