沖縄の県民投票
前回記事「コメント欄の話、インデックスⅡ」のコメント欄で、改めてnagiさんからの問いかけにお答えしていました。「特定の人物や団体を誹謗中傷するような書き込みは慎むようにお願いします」という従来からの「お願い」をもとにした注意喚起だったことを説明させていただいています。また、関係者からすれば誹謗中傷の類いと見なされるような揶揄した書き方は説得力を低下させ、感情的な反発を招く恐れがあることも申し添えていました。
さらに「この問題を新規記事で直接的な取り上げ方はしない予定ですが、少しだけ関連させながら私自身の問題意識を盛り込むことも考えています」と予告していました。その時点で新規記事は「沖縄の県民投票」を取り上げることを決めている中での予告でした。どのように関連するのかは後述させていただくつもりですが、まず下記の報道を紹介します。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐる県民投票(14日告示、24日投開票)が1日、全県で実施されることに決まった。条例改正後、態度を表明していなかった沖縄、宜野湾、石垣の3市長が1日、実施する意向を表明した。これで全41市町村で足並みをそろえて実施される。
宜野湾市の松川正則市長は、市議会の会派代表者会議の後、記者会見して参加を表明した。「県議会で条例改正案が可決されたことが参加を決断した理由になった。会派代表者会議で説明し、理解をいただいた」と述べた。沖縄市議会は臨時会を開き、県民投票の経費を含む一般会計補正予算案を採決。賛成多数で可決した。桑江朝千夫市長は可決後、記者団に「議会の意思も、私の意思も同一。速やかに予算を執行するよう指示する」と述べた。
石垣市議会も臨時会を開き、補正予算案を賛成多数で可決した。中山義隆市長は休憩中、記者団に「市議会で可決されたので実施する。24日の投開票で準備している」と話した。県民投票をめぐっては、沖縄、宜野湾、石垣の3市と、うるま、宮古島の2市の市長が、不参加を表明していた。だが1月29日の県議会で「賛成」「反対」の選択肢に「どちらでもない」を加えた3択にする条例改正案が可決されたことなどから、既にうるま、宮古島両市が参加を表明し、方針を転じた。【朝日新聞2019年2月1日】
全県での実施の見通しが明らかになった直後、ブックマークしている弁護士の澤藤統一郎さんのブログでは「沖縄全県での県民投票実施見通しを歓迎する。」という記事が投稿されていました。昨年5月、県民投票条例制定の直接請求署名運動が始まり、9月までに必要数(有権者の50分の1にあたる2万3千筆)の約4倍にあたる92,848筆の署名を集めて県議会に提出した経緯などが綴られています。
県議会では選択肢を「賛成」「反対」の2択とした県民投票の条例案に対し、県政野党である自民党と公明党は「賛成」「反対」に「やむを得ない」「どちらとも言えない」を加えた4択とする案を提出していました。結局、4択案は否決され、2択案が賛成多数で可決成立し、県民投票条例は10月31日公布、投開票日が2019年2月24日と決まっていました。
その後、選挙事務執行のための補正予算案が市議会で否決されたため、宮古島、宜野湾、沖縄、石垣、うるま、5市の市長が県民投票に不参加することを表明していました。沖縄県の全有権者の31%に当たる約36万7千人が投票の機会を失う事態に至っていました。このような経緯から上記報道のとおり全県での実施に足並みが揃うまでの動きを澤藤さんのブログでは分かりやすくまとめられていました。
今回の県民投票の位置付けや実施方法などは沖縄県の公式サイトで詳しく説明されています。トップに「沖縄県では、普天間飛行場の代替施設として国が名護市辺野古に計画している米軍基地建設のための埋立てに対し、県民の意思を的確に反映させることを目的として、 県民投票を実施します」という目的が掲げられています。
公式サイトのQ&Aで、県民投票は地方自治法第74条に基づく住民の直接請求によって制定された「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票条例」に基づき、実施されるという説明が加えられています。また、市町村の事務の執行に要する経費については、地方財政法第28条の規定に基づいて全額、県が負担し、市町村に交付することを説明しています。
もともと国政選挙であれば国、都道府県レベルの選挙であれば都道府県が事務経費を負担しています。したがって、補正予算案の否決は各市の財政負担の問題ではなく、県民投票の実施そのものに異を唱えた表われでした。事務の実施主体は市町村であり、「名簿の調整」「投票の実施」「開票の実施」という全般的なものを担っています。そのため、県民投票という位置付けでありながら少し前まで3割ほどの有権者が意思表示の機会を奪われるという異例な事態を招いていました。
Q&Aの5問目には全国の住民投票の実施状況についても説明していました。市町村レベルでは、日本全国で市町村の統廃合等に関連する住民投票の実施事例は多数ありますが、都道府県レベルでの実施となりますと、沖縄県が22年前の平成8年9月に実施した「日米地位協定の見直し及び基地の整理縮小に関する県民投票」のみとなり、今回が2例目となります、と解説しています。
これまで市町村レベルでの住民投票ばかりだったため、このような混乱が生じていなかったようです。通常の選挙で個々の市町村の判断で事務を協力するかしないかという問題は考えられないため、今回のような県と市におけるネジレは極めて異例な事態だったと言えます。このような異例な事態を避けられたという点において、私自身、県民投票が全県での実施に決まり、本当に良かったものと思っています。
沖縄の県民投票について取り上げようと考えたのは、やはりnagiさんからのコメントが切っかけでした。先月中旬に投稿した記事「諸手当の見直し提案」のコメント欄で、nagiさんから次のような意見が寄せられていました。そのコメントに対し、私からは「この問題も様々な見方があるようです。投票日は2月24日であり、まだ先ですので機会があれば記事本文で取り上げてみたいものです」とお答えしていました。
週末だと言うのに、沖縄は混乱してますね。予想どおりと言いますが、やはり日本型リベラルあるいは革新と呼ばれる人々はなぜ、ダブスタばかりなんでしょうか。玉城知事も国会議員当時は、少数派の声を聞け、丁寧に話し合え、強硬するなと声高に主張していました。しかし自らが権力の座につくと、県民投票が2択では問題があるとの声を無視し、強引に結果ありきで進めていますね。さらに市町村に圧力をかけている。県が決めたことに市町村は従えというのは、日頃の発言と矛盾しないのか 辺野古の埋め立ては反対で、浦添の埋め立ては環境破壊ではないのか?本当に日本や韓国には人権派と呼ばれる人物にろくなのがいない。
このブログの記事本文で取り上げる機会を先送りしてきた結果、幸いにも前述したような歩み寄りがはかれたことを伝えるタイミングに恵まれました。このような歩み寄りに至るまで沖縄県は事務を行なう「法的義務」があるという助言や勧告を各市に発しながら、玉城知事や謝花副知事は直接足を運び、各市長へ協力の要請を重ねていたようです。
同時に全県実施を求める多くの県民の声が後押しし、沖縄県の各政党や当該首長らの姿勢にも影響を与えていったことが伝えられています。玉城知事を支持する政党が多数を占める沖縄県議会での多数決で2択となった訳ですが、少数意見にも配慮し、「どちらでもない」を付け加えることで事態を打開した関係者の皆さんの努力に敬意を表しています。
私自身、このブログの中で〇か×か、容易に選べない問題が多いことを表明しています。そのため、辺野古への米軍基地建設に対し、そのように思われている沖縄県民の方々が決して少数ではないことを推測しています。県民投票にあたり、そのような方々は棄権、もしくは白票や無効票を投じるという選択肢があるのではないかとも考えていました。
それでも明確な意思表示の選択肢として「どちらでもない」を付け加えたこと自体に大きな違和感はありません。二者択一を基本としてきた住民投票の実施方法としては異例な形となりましたが、仮に「どちらでもない」が多数を占めた場合、それはそれで沖縄県民の判断だろうと考えています。しかし、そのような結果に至った場合は、辺野古への新基地建設を沖縄県民が容認した訳ではないため、改めて次善の策に向けた仕切り直しが求められていくことになります。
沖縄県の玉城デニー知事は16日、同県浦添市の松本哲治市長と県庁で会談し、那覇市の米軍那覇港湾施設(那覇軍港)を浦添市の米軍牧港補給地区沿岸に移設するための埋め立て計画について、経済波及効果など将来性を考慮すれば自然破壊はやむを得ないことなど3項目を確認した。玉城、松本両氏はこのほか、新たな施設は「新基地」ではなく「代替施設」であることも確認。那覇軍港の浦添移設が「県内移設」ではなく「那覇港湾区域内の移動」であることでも一致した。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、県は「新基地建設」として批判し、環境破壊や県内移設は認められないとしている。辺野古移設と浦添移設の違いについて、玉城氏は16日、記者団に「那覇軍港(移設)は那覇市、浦添市双方にメリットがあり、県全体の産業振興にもつながる」などと述べた。那覇軍港の浦添移設をめぐっては、翁長雄志前知事も容認していた。玉城氏が昨年10月に知事に就任したことを受け、松本氏が改めて3項目の確認を求めた。【産経新聞2019年1月16日】
nagiさんのコメントにあった浦添の埋め立てとは上記の件だと思います。このような事例から玉城知事や辺野古新基地反対派が「ダブスタだ」という批判を受けがちです。このような批判意見には重要な論点が内在している可能性もあります。両者の基地問題を客観的に比較しているブログもあるようです。ただ貴重な提起も「人権派と呼ばれる人物にろくなのがいない」とまで言い切ってしまっては建設的な議論につながりづらくなることを心配しています。
実は「沖縄の県民投票」という記事を取り上げるにあたり、前大阪市長の橋下徹さんの著書『沖縄問題、解決策はこれだ!』を購入していました。通勤帰りによく立ち寄る書店で、その本を手にしてパラパラと頁をめくっていました。すると第1章の冒頭「言いっ放しの沖縄問題」という小見出しが掲げられた箇所で、下記のような記述に目を留めていました。
沖縄の米軍基地の必要性を説く人たちは、日本の安全保障を強調し、米軍基地に反対している人たちのことを「暴力集団」「沖縄県民以外の活動家」「中国・韓国人が多い」「カネをもらって動いている」と口を揃えて罵ります。他方、米軍基地を絶対反対と説く人たちは、本土は沖縄のことをまったく考えていないと憤り、日本の安全保障上米軍基地が必要なのであれば、本土に基地を構えろ!と主張します。
前回記事のコメント欄に記した話として、それぞれの主張が思い込みや憶測で語られていた場合、その説得力や発信力が乏しくなるという問題意識を示していました。事実関係を正確に把握していなければ、より望ましい「答え」から離れがちとなるはずです。そのような問題意識があるため、橋下さんの上記のような言葉に興味を覚え、書籍をレジに運んでいました。
読み終えた感想ですが、沖縄の問題を語る前提として大阪での実績が頻繁に強調されていました。そのあたりは少し違和感がありましたが、沖縄の改革・活性化案や県民投票に対する大胆な提案など興味深い箇所も多く、一気に読み終えていました。今回、たいへん長い記事となっていますので書籍の内容について詳述しませんが、最後に、基地問題に対する思いとして比較的重なり合う箇所を紹介させていただきます。
国の安全保障政策が、地方の首長選挙の結果によって左右されることは避けなければなりませんが、しかし、米軍基地の問題は、日本の安全保障政策の問題であるにもかかわらず、その現実的な不利益は地元のみに大きく覆いかぶさります。したがって地元の意思を完全に無視するわけにもいきません。僕は、普天間基地の辺野古移設は賛成と言いましたけど、後で詳しく述べますが、辺野古移設を強行に進めることに対しては反対の考えにいたりました。
| 固定リンク
コメント
先日、安倍総理と岡田さんの国会論戦の様子や記事を
読んだのですが、興味深い内容でした。
与野党の立場を超えて、論戦だけを見ると安倍さんの勝ち
と思いました。もっとも岡田さんの「小さい総理」発言も
そのとおりと思いました。
岡田さんは相変わらず旧民主党を引きずって、過去の栄光
を忘れることができないのがよく理解できました。
一方の安倍総理は、第一次政権の悪夢がよほど忘れること
ができないのだろうと。
過去の自民党は選挙に負けて政権を失うことなど想定して
おらず、野党がどのような攻撃をしても、やり返すよう
なことはしなかった。しかし、第一次安倍政権の時、官僚
サイドの攻撃をマスコミと野党がぐるになって世論を扇動
した結果、見事に政権を奪取した。
その悪夢があるからこそ、現在の安倍政権は野党の攻撃を
横綱相撲のように受けることなく、勝ちにこだわるように
なったと見えます。政権与党側としては横綱相撲で野党
の攻撃を受けろと言えるので、小さい発言はそのとおりと
言えます。ただし野党側も過去と同じようなやり口は
もう通用しないと認識を改めないとだめでしょう。
失言や揚げ足とりに終始しても、野党側にそれが発生した
時に盛大に攻められて逆効果になってします。
まさに現在の辻元議員のように他人にのみ厳しく、自分
には限りなく甘いと言われてしまいます。特に献金問題の
内容より、メディア取材を申し込まれたが、文書配布で
逃げようとしたり、結局カメラなしを条件に取材に応じる
などの行為は日頃の言動と一致しない酷い対応であるの
は間違いない。
投稿: nagi | 2019年2月14日 (木) 10時50分
いよいよ韓国国内の日本企業資産が現金化されるようで
すね。言うならばついに一線を超えてしまいますね。
日本政府も口先だけの抗議ではすまなくなりました。
先制攻撃をしたのは韓国なので、専守防衛の日本であって
も反撃することは問題ないでしょう。この際日本政府には
徹底的に戦ってほしいですね。
>ただ貴重な提起も「人権派と呼ばれる人物にろくなのがいない」とまで言い切ってしまっては建設的な議論につながりづらくなることを心配しています。
世界的人権派フォトジャーナリストと呼ばれる広河隆一氏
の恐ろしい性暴力告発が年末からありましたが、日頃なら
喧しい革新とか日本型リベラルと呼ばれる人々や、MeToo
運動に熱心だった野党の人々は全くスルーしてますね。
仮にもジャーナリストならば、弁護士を通して文書を
発表して逃げるのではなく記者会見をするべきでしょう。
まあ鳥越俊太郎氏の時もそうですが、本当にろくなのが
いない。財務省事務次官の時に騒いだ方々はなぜ沈黙
しているのか?建設的な議論もなにもないですね。
ただただ人権派って言葉は嘘くさい言葉になりました。
ちなみに隣国の大統領は人権派弁護士出身であるのに、
なぜ世界最大の人権蹂躙こくである北朝鮮に対して
問題提起しないのかと 海外のメディアに質問された時
の受け答えが秀逸すぎて本当に素晴らしい。
これぐらいの答えを日本の某団体もできればよいのに。
本国の指令は存在せず、最高指導者に忖度したと言う
ことなのかな。(注 コメント投稿者の推論です)
投稿: nagi | 2019年2月15日 (金) 17時39分
お疲れ様です。
前にも少し書き込みしました、他単組で書記長を務めている牧場と申します。
沖縄問題、原発、9条系の活動については正直当組合の中でもごく数人の高齢職員のみしか関心を持っていません。
現職の死亡、職場繁忙によるうつ病罹患者の増加、業務量の増大、組合員やアクティブな組合役員の払底という問題を抱えながら、こういった活動についての教宣活動や集会への動員指示文の乱発に血道を上げるそれら年配幹部について、特に若手組合員からは強烈な嫌悪感の声が寄せられています。
そんな事をする暇があったら。周りからあの人達と同じと思われたくない。かえって組合が周囲から色眼鏡で見られるだけ。街宣の効果について客観的な検証がなく自己満足の総括してるだけ等。
組合員は、職場環境の改善や上からの不当な圧力や業務命令に対する抑止力として組合に加入しているのであり、主に左翼の方が支持する活動に賛同して加入している訳ではありません。
他団体との連携による政治力の獲得が目的としても、副作用として組合に対する印象の悪化や、若手組合員の役員就任拒否等、組合員の組織離れの加速の理由となっているのは確かです。
(もっとも、組合を辞めるための大義名分に使われているだけかも知れませんが…。)
公務員の労働組合は、こうした活動や団体との連携から一切手を引き、真摯に職場の窮状のみを世間に訴える方が、世間の皆様の理解を深め、世論を動かし、ひいては政権与党を動かす道に繋がると思うのは間違っているでしょうか?
おそらく既出の意見でもありましょうが、沖縄、という単語を見て書き込みさせていただきました。
無礼な書き込み、大変失礼致しました。
投稿: 牧場 | 2019年2月16日 (土) 07時24分
牧場さま
私も完全に同意見です。
また、同じような見解を、この場で何度も述べております。
特定の政党を支持することは、特定の思想・信条に囚われることになり、本来の目的から逸脱しませんか?と。
現組合員の生の声を、どのように汲み取って頂けるのか。
例え、それが少数の意見であったとしてもです。
ちなみに、最近は動員のチラシは回覧されますが、昔のように分会や支部で何名…といった強要は無くなりホッとしています。正直、原発ゼロ、憲法9条改悪反対、沖縄反基地といった動員を、強要するのはどうかと感じていましたので。
少し古い話になるかもしれませんが、「君が代の起立は思想・信条を侵すので反対」としておきながら、人それぞれの思想・信条に関することを、動員という形で半ば強要するのも、流行りのダブスタだなぁ~と、様々な場面でそのように感じている組合員は多いと思われます。
投稿: 下っ端 | 2019年2月16日 (土) 09時35分
nagiさん、牧場さん、下っ端さん、コメントありがとうございました。
牧場さんや下っ端さんらのような問題意識を持つ自治労組合員が少なくないという現状を受けとめ、日常の組合活動に取り組み、かつ当ブログと向き合っています。継続してご覧くださっているお二人ですので、私自身の問題意識もお分かりいただければ幸いです。もし不明な点が残るようでしたら、また機会を見て記事本文を通して詳述させていただくつもりです。
ちなみに私どもの最近の組合ニュースに沖縄のことはまったく触れていません。専ら職場課題に関する交渉報告等が中心となっています。さらに各種集会への参加も、あくまでも呼びかけにとどめ、組合員の皆さん個々の意思に委ねていることも申し添えさせていただきます。
投稿: OTSU | 2019年2月17日 (日) 07時29分
お疲れ様です。
下っ端さま、OTSU様、返信いただきましてありがとうございます。
OTSU様が真摯に職場の抱える問題に向き合いご自分の時間を使って懸命に活動されている事、申し上げた政治的な活動についても相当葛藤なさっている事はこれまでの記事からも拝察しておりました。
先日は、ともすれば当単組の内情に関する愚痴でしかない事を書き込んでしまい、申し訳ありません。
春闘、繁忙期を迎えておりますが、活動に当たってどうかご無理をなさらぬよう、ご自愛下さい。
投稿: 牧場 | 2019年2月17日 (日) 08時27分
牧場さん、コメントありがとうございました。
書記長の任務、たいへんだと思いますが、お体に注意しながら頑張ってください。ぜひ、これからもお時間等が許される際、コメントいただければ幸いですのでよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2019年2月17日 (日) 21時22分
投票が明後日に迫りましたね。
沖縄の問題は本当に難しいと思います。
管理者様の葛藤がよく理解できます。
個人的に思うのは「沖縄の声」って何だろうという事。
旗を振り、拡声器を使い、抗議活動をする光景が
沖縄の望む姿だとは到底思えない。
美しい景色と優しい時間の流れる空気の中
あれはやはり、異様です。
言いにくいですが、匂いも気になります。
※現場に行くとわかります。率直に臭いです。
被害者意識を必要以上に焚き付けている団体が
きっとあるのだろうなという「うさん臭さ」が
どうしても拭えない。本質は、政治利用なのだと。
でも、米軍基地があることで
大変な生活を強いられている人たちがにいる。
「こんな軍事施設を私は望んでない!」の声が
ないわけがない。
そして、私たちはそうした人たち犠牲の上に
今の「平和」を手にしている。
そのことを、私たち本土の人間は
忘れてはいけないなと感じます。
良き解決策を、一つも書けない
自分自身の不甲斐なさを痛感します。。。
投稿: ご教授ください! | 2019年2月22日 (金) 22時17分
ご教授ください!さん、コメントありがとうございました。
この記事では県民投票の動きに焦点を当てながら綴っています。なかなか難しい問題ですが、沖縄の基地そのものの問題について機会を見て取り上げてみたいものです。ぜひ、これからもご注目いただければ幸いですのでよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2019年2月23日 (土) 22時17分
私事都合によりアクティブに投稿しがたい状況です。
ので、今更ながらですが、敢えて当該エントリへのコメントという形で、ひっそりと私の思うところを申し述べます。
私が今回の事案を通して感じたのは、「平成11年法律第87号による地方自治法改正後において、なお都道府県と市町村の上下関係が存続している。地方自治という観点から、現状は是認されるべきか?」という問題です。このブログに訪問される方は市町村の関係者の方も多いと思いますから、超長文ですが渾身の力を振り絞って、敢えて提起してみます。
今回の県民投票は、地方自治法に基づく直接請求によって制定された県条例によって行われ、同条例第13条に基づき市町村が事務を処理することとして行われました。このこと自体は疑義はありません。
ところで、同条は次のようなものです。
====================
(事務処理の特例)
第13条 第3条に規定する知事の事務のうち、投票資格者名簿の調製、投票及開票の実施その他の規則で定めるものは、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の17の2の規定により、市町村が処理することとする
====================
私が問題とするのは、この「地方自治法第252条の17の2」です。
同条は、次のようなものです。
====================
(条例による事務処理の特例)
第二百五十二条の十七の二 都道府県は、都道府県知事の権限に属する事務の一部を、条例の定めるところにより、市町村が処理することとすることができる。この場合においては、当該市町村が処理することとされた事務は、当該市町村の長が管理し及び執行するものとする。
2 前項の条例(同項の規定により都道府県の規則に基づく事務を市町村が処理することとする場合で、同項の条例の定めるところにより、規則に委任して当該事務の範囲を定めるときは、当該規則を含む。以下本節において同じ。)を制定し又は改廃する場合においては、都道府県知事は、あらかじめ、その権限に属する事務の一部を処理し又は処理することとなる市町村の長に協議しなければならない。
3 市町村の長は、その議会の議決を経て、都道府県知事に対し、第一項の規定によりその権限に属する事務の一部を当該市町村が処理することとするよう要請することができる。
4 前項の規定による要請があつたときは、都道府県知事は、速やかに、当該市町村の長と協議しなければならない。
====================
どうでしょうか?
都道府県条例によって、市町村に事務処理を行わせることができるという規定です。
ですから、都道府県条例ができれば、市町村はそれに従って事務を処理しなければなりません。
今回の県民投票も、こうした法的根拠により、沖縄県は市町村に事務の実施を求めましたし、市町村は行いました。もちろんそのことに法的な問題はありません。
しかしながら、私が問題視しているのは、この地方自治法第22条の17の2によって「市町村には、都道府県条例の制定(即ち事務処理の実施)を拒むことができない。都道府県側に対して、従うほかない。押しつけと事実上の指揮命令が可能である。」ということです。
都道府県条例の制定に際しては「協議」しなければなりませんが、「同意」は要らないからです。要するに「都道府県条例の制定が許される範囲において、都道府県の意のままに市町村を使うことができる」ということであり、事実上は「都道府県知事より市町村長に対し、“機関委任事務”を創設するのと事実上は変わらない」という効果が立法技術上可能になります。
平成11年法律第87号の最大の眼目の一つであった”機関委任事務の廃止”が事実上、都道府県知事と市町村長の間においては機能しない抜け道があるということを意味します。
---- なお、
※今回の事案では、事実はわかりませんし結局は有耶無耶になりましたが、とある市長さんは、「地方自治法第252条の17の2に基づく協議が行われておらず、県条例制定の過程に法的瑕疵がある」ことも、補正予算執行の専決処分を行わない理由の一つに挙げていました。
---- さて、
地方自治法は、帝国憲法下において施行されていた ”東京都制(昭和18年法律第89号)府県制(明治32年法律第64号)、市制(明治44年法律第68号)、町村制(明治44年法律第69号)” による、内務省の地方支分部局としての都府県、その監督下にある半自治体としての市町村、東京都の内部組織としての特別区を否定しました。
そして、”北海道庁官制(大正2年勅令第150号)、北海道会法(明治34年法律第2号)、北海道地方費法 (明治34年 3月28日法律第3号)”による、内務省の外局としての北海道庁によって直接統治される北海道地方というあり方も否定しました。
ともに、日本国憲法に基づく“地方自治の本旨による地方自治”のためです。
平成11年法律第87号は、地方自治法施行後もなお半世紀近く残っていた”上記戦前の諸法令下の残滓”を排除することを目的にし、「中央政府と自治体は対等であり、協力連携の関係にある」ということを目指しました。実態はどうであれ、目指しました。
結果として、「中央政府と都道府県の関係」というのは、かなり望ましい方向での法規定が用意されました。実情はどうであっても。
しかしながら、ここまで縷々述べたように「都道府県と市区町村の関係」というのは、未だ「上限関係、指揮命令系統という関係が部分的には存続している」状況にあり、果たしてそれで良いのだろうか?今回の一連の県民投票を巡る遣り取りの中で、そうした側面が顕在化して見えたことを放置して良いのだろうか?というのが私の問題意識です。
※この点、地方自治法制を専門にする識者の間では予て問題視されていました。
一方で、今回の県民投票を巡る論争においても、こうした視点は必ずしもメジャーな論点になりませんでした。やはりなぁという印象ではありますが。
自治体(特に市区町村関係者)の皆さんには、考えてみて頂きたい論点だと思っています。もちろん、「現状のままで構わない」というのも立派なご見識だと考えています。
投稿: あっしまった! | 2019年5月11日 (土) 11時13分
あっしまった!さん、お久しぶりです。コメントありがとうございました。
今回のような補足コメントをいただければ本当に幸いなことです。お時間等が許され、ご無理のない範囲で、これからもよろしくお願いします。
なお、ココログのシステムがリニューアルした以降、右サイドバーに新規コメント投稿者のお名前が即時に反映されなくなっています。投稿自体は即時に受け付けていますが、時間差が生じていたことをご容赦ください。
投稿: OTSU | 2019年5月11日 (土) 20時21分