2018年末、気ままに雑談放談
今年も残りわずかです。このブログは毎週1回、週末に更新しています。そのようなペースの中で年末年始だけは少し変則となり、元旦に年賀状バージョンの記事を投稿してきました。そのため、少し早いタイミングとなりますが、今回が2018年最後の記事となります。
その年の最後の記事は「年末の話、インデックスⅡ」があるとおり1年間を締め括るような内容を綴る時も少なくありません。昨年は「2017年末、気ままに雑談放談」というタイトルを付け、雑多な話題を気の向くまま書き進めてみました。今回も安直に「2018年末、気ままに雑談放談」というタイトルに決め、今、思うことを書き進めてみます。
「雑談放談」はブログのサブタイトルに掲げています。「雑談」は様々なことを気楽に話し合うこと、「放談」は言いたいことを自由に語ること、このように辞書には記されています。取り上げる話題によっては、気楽に語れないような難しい問題も含まれていくのかも知れません。ただ言いたいことを自由に語るという意味合いから私自身の問題意識を改めて示させていただく機会になろうかと考えています。
最近の記事「入管法改正案が衆院通過」のコメント欄で「ネトウヨ」や「パヨク」という言葉が話題になっていました。「このようなお話について、私自身の考え方も機会を見て記事本文で取り上げてみたいものです」という一言を添えていましたので、年を越える前に今回の記事を通して私自身のとらえ方や問題意識などを少し触れさせていただきます。
それぞれ培ってきた経験や吸収してきた知識をもとに個々人の基本的な考え方が形作られていくはずです。その基本的な考え方が異なる場合、同じ出来事に接していても適否の判断や評価が枝分かれしがちな傾向を数多く見聞きしています。このような枝分かれしがちな傾向は、いわゆる右か左か、立場性の違いとしても区分けされていきがちです。
インターネット、特にSNSが普及する前、立場性の違いを明らかにした面と向かった議論の機会は稀だったはずです。今でも相手と直接顔を合わせた議論の機会は多くないはずです。一方で、SNSは匿名性が担保されやすいため、自分自身の立場性を明らかにした上で本音の意見を披露しやすくなっています。
2年前に投稿した「SNSが普及した結果…」という記事の中で「SNSが普及した結果、人は自分と同じ意見や感性にしかアクセスしなくなった。異なる立場の人々の意見と接する機会がなくなり、人々は極端な意見をもつようになっている」という見方を紹介していました。私自身、インターネットの普及は幅広く詳しい情報を手軽に素早くコストをかけずに入手できるため、大多数の方が「異なる立場の人々の意見と接する機会が増えている」傾向にあるものと見ていました。
そのため、SNSの普及が真逆の流れを生み出しているという見方に触れ、たいへん意外だったという話を伝えていました。いずれにしても「自分と同じ意見や感性にしかアクセスしなくなった」という傾向は、よりいっそう個々人の考え方や主張の正しさを裏付ける機会につながっていくのだろうと思い返しています。
その結果、自分自身が正しいと信じている「答え」から遠くかけ離れた異質な考え方や意見に対し、ますます不寛容な関係性となり、相手方の言い分に耳を傾けてみようとする姿勢が乏しくなっていくように危惧しています。さらに自分自身の価値判断から離れた考え方を持つ他者自体を見下し、辛辣な言葉で嘲笑するような場面までSNS上では散見しています。
このような傾向は左や右、それぞれの立場性を問わず見受けられています。「ネトウヨ」や「パヨク」という言葉は、それぞれの立場から相手側を蔑称した時に使われているようです。そもそも他者から属性を一括りに決め付けられた批判も不愉快になりがちですが、「ネトウヨ」や「パヨク」という言葉を投げかけられてしまった場合、まず理性的な議論を交わしていくことは難しい関係性に陥ります。
おかげ様で当ブログのコメント欄常連の皆さんは、このような点について充分わきまえられている方々ばかりであり、たいへん感謝しています。私自身、立場性を明らかにしながら様々な主張を発信していますが、いつも異なる立場の方々に届くような言葉や内容を探し続けています。それでも時々、「その言葉は決め付けすぎではないのか」という不適切さを指摘される場合もありました。
あまり意識しすぎると筆が進まなくなるのかも知れませんので、いろいろな考え方があることを認め合い、異質な「答え」を持つ他者を見下さないという心構えに留意していただければ幸いなことだと願っています。もちろん違いは違いとして厳しく指摘し、率直な言葉で批判し合っていく関係性まで自制を求めるものではありません。
批判や苦情が寄せられてこそ、至らなかった点を気付く機会につながります。ただ批判する側も手法や度合いには注意しなければならず、何よりも「何が問題なのか」という点を強調していく必要があります。批判の矛先が相手を全否定し、人格攻撃するような内容につながっているようであれば問題です。さらに思い込みや決め付けた批判だった場合、ますます相手側の心には響かなくなります。
「ネトウヨ」や「パヨク」という言葉をNGとしている心構えと同様に次のような点についても留意しています。例えば「安倍首相は戦争をしたがっている」などという言葉は思い込みや決め付けた批判の類いだろうと思っています。安倍首相に限らず「戦争をしたがっている」ような人は皆無に近いはずです。しかし、安保関連法や防衛費の増大などに対しては個々人による評価が大きく枝分かれしていきます。
海上自衛隊の護衛艦「いずも」の空母化方針に抗議している団体に対し、他国からの指示のもと「日本の邪魔をしている」という見方も思い込みや決め付けた批判の類いだろうと思っています。左や右の立場性に関わらず、誰もが戦争は防ぎたい、そのような思いのもとに考え、行動しているものと考えています。そのための選択肢として、つまり戦争抑止のあり方として、どちらの判断が正しいのかどうかという関係性につなげていかなければ、立場性の相反する両者間の溝は絶対埋まっていかないものと受けとめています。
具体的な論点に対し、今回の記事で掘り下げることはできませんが、より望ましい「答え」を見出すためには幅広い考え方や情報に触れていくことが大切です。そのためには幅広い考え方や情報が発信できる社会であり続けることが極めて重要です。為政者から情報が統制されるような社会であっては問題であり、時の政権にとって都合の悪い情報だったとしても国民が的確に把握できる関係性こそ、健全な民主主義が担保できた姿だろうと思っています。
SNSなどで個々人の言論の自由が保障され、マスメディアからも幅広い情報が流れてくる社会でなければなりません。「2017年末、気ままに雑談放談」の中で『THE MANZAI 2017』に登場したウーマンラッシュアワーの村本大輔さんの漫才が強烈なインパクトを与えたことを取り上げていました。今年も村本さんは『THE MANZAI 2018』に出演し、原発やLGBTなど難しい時事問題をネタにしていました。「ユーモアもない“漫才”? ウーマンラッシュアワー、『THE MANZAI』で時事ネタ披露でネットからは賛否」と評価は割れています。
沖縄の米軍基地問題については「沖縄の海って誰のもの?」という言葉で問題提起されていました。村本さんが今年も出演でき、ネタの内容にも制約を受けなかったようであり、前述したような趣旨からも何よりなことです。もう一つ、辺野古の新基地建設工事を巡る芸能人の政治的な発言に関し、その是非に一石を投じている下記のような話題も紹介させていただきます。
モデルのローラ(28)らが呼びかけ大きな話題となっている、名護市辺野古の新基地建設工事の中止を求める署名。12月18日には、アメリカ政府から何らかの返答を求められる10万筆に達した。
一方で、この問題を取り上げた『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)が物議を醸している。20日放送の『モーニングショー』は「ローラ 突然の政治的発言“辺野古にNOを”」と題してこの問題を特集。
ローラが自身のInstagramで署名を呼びかけたことが「波紋を呼んでいる」とし、「仕事がなくなる心配はありませんか」「CMの契約条項に抵触しないか心配」といったネット上の声を紹介した。こうした『モーニングショー』の取り上げ方にTwitter上では批判が相次いでいる。
《ローラさんが「政治的発言」をすることによってCM出演などに影響が出るのではないか、という言説は「心配」しているふりをして「抑圧」しているだけ》(法政大学教授・上西充子氏)
《芸能人は政治的発言はタブーみたいなテロップの出し方やめてほしい。こういう報道を見たら若い人はやっぱり政治の話はしちゃいけないんだなと思うし、無関心が蔓延するだけ、投票率だって上がらない。ローラかっこいいよ!》(越谷市議・山田裕子氏)
《松本人志やつるの剛士、小籔など、現政権にゴマをする政治的発言は「政治的発言」としてカウントされない。他方でローラさんのように現政権の目指す方向と違う発言をするだけで「政治的発言」としてテレビで吊し上げられる》(政治学者・五野井郁夫氏)
番組内で高木美保(56)は「芸能人の政治的発言はタブーという考えはもう変える時代」「別に政治家を倒そうということではなくて、この国をよくしたいという純粋さでは」と訴えた。
「そもそも”政治的”な話題を避けているのはワイドショーのほうでしょう。テレビが沖縄の基地問題をまともに取り上げないから、ローラさんが自ら署名を呼びかけた側面もあるわけです。むしろ、ローラさんを揶揄するような取り上げ方をした『モーニングショー』のようなマスコミの姿勢こそ、問い直されるべきではないでしょうか」(マスコミ関係者)【2018年12月20日女性自身】
最後に、この一年間、多くの皆さんに当ブログを訪れていただきました。本当にありがとうございました。どうぞ来年もよろしくお願いします。なお、冒頭にも記しましたが、次回の更新は例年通り元旦を予定しています。ぜひ、お時間等が許されるようであれば、早々にご覧いただければ誠に幸いです。それでは少し早いようですが、良いお年をお迎えください。
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