ネット議論の悩ましさ Part2
前回記事は「ネット議論の悩ましさ」でした。コメント欄までご覧にならない方も多いようですので、そこに記した私からのレスをいくつか取り上げさせていただきます。まず三多摩すごいね(凄いね)さんから「自分(管理人である私)は公平だ」というスタンスで当ブログを綴っているような見方が示されていました。そのあたりから「何故こうも批判が偏るのか、ダブルスタンダードなのか」という見方にもつながっているようですが、大きな誤解があります。
このブログにおいて私自身の立場が「公平だ」と発したことは一度もありません。基本的な立場や考え方を明らかにしながら、自分自身が正しいと信じている「答え」に照らし、それぞれの事象に対して個人的な論評を加えています。もちろんネット上での発言という重さを受けとめ、言葉や表現は常に注意しています。
それでも個人的な立場で運営している場ですので縛りや忖度もなく、ブログのサブタイトルにある通り「雑談放談」的な意見を気ままに書き込んできています。その結果として、現政権に対しては辛口な論評が多くなり、三多摩すごいね(凄いね)さんらとの問題意識にズレが生じているのだろうと考えています。
「過去にこの掲示板に来訪していた方も、私と同じような印象を抱いてここを去ったのではないでしょうか」というご指摘もありました。確かにそのような方も多かったはずです。どうしても自分自身の正しいと信じている「答え」に沿って折り合えない限り、暖簾に腕押しのような平行線の議論だと感じがちです。それでも批判意見を忖度し、自分自身の意に反し、その場だけ繕うような対応をはかるほうが不誠実なことだろうと考えています。
それぞれ培ってきた経験や吸収してきた知識のもとに自分自身の正しいと信じている「答え」に行き着きます。何かの言葉に反応し、「なるほど」という気付きがあり、それまでの考え方を大胆に改める場合もあるのかも知れません。そのような機会は極めて稀だろうと思っていますが、このブログを通し、立場や視点の異なる者同士がお互い言葉の競い合いによって切磋琢磨できることを願っています。
安倍は次の臨時国会に自民党改憲案を提出すると表明した。この秋は改憲と戦争を阻止する大決戦になった。9・9革共同集会に集まり、この攻撃に立ち向かう固い団結をつくろう。改憲阻止の闘いの場は、労働現場・職場にある。安倍はUAゼンセンを手先に連合を改憲勢力に取り込むとともに、労働組合を解体する攻撃を強めている。
その最先頭に立っているのが、JR東労組さえ解体の対象としているJR資本だ。JR東日本がたくらむ乗務員勤務制度の改悪は、労働組合を解体した上で、労働者の雇用と権利を破壊しつくすものだ。だが、動労千葉・動労総連合はこれへの総反撃を開始した。「労組のない社会」を強いて戦争に向かう安倍のたくらみを覆す闘いは、改憲阻止闘争そのものだ。
上記はネット上で閲覧できる『前進』ブログ版の最新記事の冒頭に書かれている内容です。それぞれの立場から正しいと信じている主張を堂々と発せられることが健全な民主主義社会の基本です。したがって、上記のような主張があることを理解し、批判しませんが、私自身のとらえ方とは異なる点が多く散見しています。批判しないことで、その組織の運動を支持していると見られた場合、悩ましさの一つにつながります。
さらに前回記事に綴った通り当ブログを通して発信している主張が上記のような主張と同じカテゴリーで見られていたことに悩ましさを感じていました。「誰が」ではなく、「何を」という言葉が公平さを標榜しているような誤解を招いたようですが、あくまでも物事を評価するための心構えとして記しています。個々の事案に対し、安倍政権だから支持する、逆に反対する、そのような関係性に陥らないようにいつも心がけています。
前回記事の中で記していましたが、私自身が「左派」と見られ、私自身の正しいと信じている「答え」の中味が下っ端さんらから批判されても仕方ありません。その上で、私自身の結論は変わらない中、「なぜなのか」という説明について一人でも多くの方から共感を得られるように努めていきたいものと考えています。よりいっそう「何が正しいのか」という問題提起を重視した記事内容に向け、これからも頭を悩ましていくつもりです。
さて、自治労や平和フォーラムが在日米軍基地に対して抗議行動に取り組む一方、なぜ、中国大使館に向けた抗議行動には取り組まないのかという問いかけが頻繁に寄せられています。当初、新規記事のタイトルは「在日米軍基地の問題」としていました。書き進めていくと、前回記事のコメント欄に書き込んだ内容の紹介がたいへん長くなってしまいました。そのため、途中から「ネット議論の悩ましさ Part2」に変えています。
初めに思い描いた記事内容の広がりは避けながら、できる限り要点を絞ってまとめてみます。たいへん有難いことに前回記事のコメント欄でベンガルさんから、この件に関する詳しい説明となるコメントが寄せられていました。私自身の言葉に置き換えて説明するよりも、ベンガルさんのコメントから関連する箇所を抜粋し、そのまま紹介するという形を取らさせていただきます。
国民、住民の抗議行動(集会、デモ、座り込みなど)のスタイルは国によって様々ではあると思いますが、少なくとも日本の労働組合が行ってきた抗議行動のスタイルは、日本政府や自治体に対するものです。課題が日本国内の課題は当然のことですが、在日米軍や安保についても文脈として米軍批判をしながらも最終的に求めているのは日本政府に対する問題提起だったり、政策の転換、米国への抗議(日本政府が)など、一方自治体に対するものは、それらを政府に対し働きかけるよう求めたり、県民、市民の安全性の確保を求めるものであったりします。
例外としては、在日米軍基地の兵隊が日本国内で事件、事故を起こした場合など、米軍に対し、日本の法律で裁くため身柄を引き渡すよう求めた行動ははありましたね。これも根本的には、日米地位協定の問題であり、基本的には日本政府に対する抗議と要請を同時に行った経緯があると思います。
変化があるとすれば、ここ近年、「核兵器廃絶の世界的な潮流」の中で、核実験を行った国に対しては、どの国であろうが(当然、中国、北朝鮮も)各国大使館あてに抗議を行っているようです。これは全世界的な動きであり、日本の労働組合もこの動きに呼応しています。
「米国は批判するけど、中国、北朝鮮は批判しない日本の平和団体」という批判は、日本会議などが発端だったかと思いますが、かなり前から言われています。ただ、日本の労働組合が取り組む平和運動というのは、戦後のGHQによる統治から朝鮮戦争、日米安保、在日米軍基地問題などをスタートとして、あくまで日本国内問題として、日本政府が取ってきた外交政策や安全保障政策に対し、日本国民として抗議や反対の意を表明するというものですので、他国に対する直接的な抗議行動というのは違和感があると言うか…。また、日本の労働組合が単独で抗議したところで、「何言ってるの?」ってことにはならないでしょうか?これは、良し悪しは別として一貫していると思います。
上記の文章に対し、特に私から補足することはありません。私自身の認識と基本的に一致しているため、たいへん恐縮ながらベンガルさんのコメントのほぼ全文を転載させていただきました。もちろん反論や批判が加えられた場合、そのまま転載した私自身の責任で対応させていただきます。要するに自治労や平和フォーラムが取り組む在日米軍基地に対する抗議行動は「国内問題」という位置付けになります。
このブログでは以前「普天間基地の移設問題」や「横田基地にオスプレイ」という記事を投稿しています。民主党中心の政権に交代した直後、普天間基地移転を巡って迷走した際には「約束を踏まえた先に広がる可能性」という記事を投稿していました。アメリカとの約束を優先すれば、国内向けの約束を破る結果となるため、鳩山元首相らは相反する約束があることを踏まえ、下記のような関係性に充分配慮しながら対応する必要性があることを訴えていました。
アメリカ政府との関係で言えば、政権交代という非常に大きな国内事情の変更があったことを訴え、まず交渉のテーブルに着いてもらうことが重要でした。その際、「辺野古への移設の約束は白紙」と日本側が先に述べてしまうのは適切ではありません。あくまでもアメリカとの約束は生きている中で、改めて交渉の席に着くことを依頼しているのが日本の立場だからです。
すべての事象に対して当てはまることですが、「このようにしたい、こうあるべきだ」という理想的な姿を思い描くことも多いはずです。しかし、思い描いたからと言って一足飛びに理想的なゴールにたどり着ける訳ではありません。現状からスタートして、一つ一つ乗り越えるべき課題をクリアしながら、理想的なゴールにたどり着けるかどうか努力していかなければなりません。
在日米軍基地の問題で言えば、目の前にある地元の基地の取扱いと日米安全保障条約の見直しという総論的な課題が内包しています。理想的な姿は在日米軍を必要としない安全保障環境の構築です。そのような姿が実現できれば、沖縄をはじめ、在日米軍基地による各地域の負担感は劇的に解消されていくことになります。到底一足飛びにたどり着けるゴールではありませんが、理想を思い描きながら直面する課題に向かっていくことも欠かせないのではないでしょうか。
このような言葉に対し、痛烈な「お花畑」批判が寄せられるのかも知れません。それでも国際的な枠組みの中で軍縮の流れを高め、近隣諸国との関係改善に努めることで脅威を逓減化させ、アメリカ政府とも協議しながら軍事力に依拠した安全保障環境を見直していくことも決して絵空事ではないはずです。実際、安倍首相も中国や北朝鮮とも対話していく道を選びつつあります。このような対話をできる関係性こそ、武力衝突を回避する「安心供与」の広義の国防だろうと考えています。
たいへん重く難しい話を要約しすぎているため、言葉や説明が不足している箇所が目立っているかも知れません。機会があれば不充分な点は補足させていただきます。なお、このブログでは「答え」を一つに絞ることを目的としていません。記事本文に書かれた内容や閲覧された皆さんから寄せられるコメントに対し、個々人がどのように受けとめるのかどうかという関係性を重視しています。
最近の傾向として、コメント欄では私自身の主張に対する反対意見の数々という構図が多くなっています。前回、ベンガルさんからお寄せいただいたようなご意見が示されることで、コメント欄においても幅広い考え方や情報に触れられる機会につながるものと思っています。ぜひ、一人でも多くの皆さんからお気軽にコメントがお寄せいただければ幸いですのでよろしくお願いします。
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コメント
おっしゃりたいことは理解します。
国内問題という意味もわかります。
沖縄に負担があることも、誰もが理解しているでしょう。
米軍による問題(地位協定を含め)が起きている現実も、無視はしません。
でも、それでも、何に不安があるのか。
沖縄の基地を縮小したり、米軍を縮小させたら。
尖閣はどうなってしまうのか。
今、直接的な侵略行動はありません。(すでに領海侵犯等は多発していますが。)
そのような現実の中で、最大限の抑止力である沖縄の米軍を縮小させて、侵略行動がエスカレートした場合はどうするのですか?
つまり、南沙のおける中国の行動は、すでに国外問題とは言い切れないという不安を、誰もが持っているのですよ。南シナ海でそういうことをする国は、きっと沖縄の米軍が縮小されれば、東シナ海でも平気で同じように侵略してくるだろうと。
なので、なぜ、すでに脅威となっている中国に抗議しないのですか?
なぜ、沖縄の負担もわかるが、そうは言っても国防はどうするのですか?
と、問うているのです。
管理人さんが私の発言を批判と受け止めるのも自由。でも、この答えを、管理人さんも、左派の人達も、誰も答えてくれない。
沖縄知事選も、辺野古移転を反対はすれど、その先を誰も語ってくれない。
それでは、安心して任せられない。その一点です。
つまり、右派とか、左派などという話ではないのですよ。
日本の安全保障をどう考えるか?という課題に対して、沖縄の米軍について、今は必要であると、そう判断しているのです。
聞きたいのは答えなんです。
ぜひ、その先の答えを聞かせてください。
投稿: 下っ端 | 2018年9月 1日 (土) 17時28分
下っ端さん、コメントありがとうございました。
今回の記事を通し、私自身の「答え」はお示ししています。現状からスタートし、理想的なゴールをめざすという箇所です。現状という言葉は一足飛びにすべての在日米軍基地を撤去すべきという考え方でないことをご理解ください。
普天間基地の移設と辺野古の問題、複雑な方程式になっていますが、以前の記事「普天間基地の移設問題」の中で個人的な思いを綴っています。お時間等がある際、ぜひ、そちらもご参照いただければ幸いです。
投稿: OTSU | 2018年9月 2日 (日) 06時53分
こんにちは。
ためいきさんの引用する見解は「どうして○○なのですか?」という問いに対して「昔から首尾一貫して○○です。」と答えているだけで、疑問を持っている人に理解を求めるのは困難だろうと思います。例えば北方領土、竹島、尖閣諸島が日本固有の領土ではないからそれらで生じた問題は「日本の国内問題」ではないという立場なら別ですが。まさかそういうわけでもないのでしょう。
投稿: おこ | 2018年9月 2日 (日) 11時47分
「普天間基地の移設問題」を拝見しました。
今回と同じように、しっかりとお考えを述べられていますが、具体的な答えについてはお示しになられていないようです。そして、先週と同じように、多くの方々(懐かしいHNがありました)からご指摘となる意見が書き込まれているのも確認できました。
結局、この数年間は何も変わることはなく、同じようなことが延々と繰り返えされているという事も確認できました。
つまり、具体的な事例については述べるのではんなく、あくまでも「こうなればいいな」という願望を述べる場であると。
そうであるならば、管理人さんが発信する内容と、その発信に対して求める回答が、永遠に噛み合わないという過去からの流れは、今後も続いていくのでしょうね。
読み返してみて、改めて実感した次第です。
投稿: 下っ端 | 2018年9月 2日 (日) 13時36分
おこさん、下っ端さん、コメントありがとうございました。
このような関係性についても、いみじくも今回の記事本文に綴った通りです。どのような「答え」が正しいのか、望ましいのか、私は私自身の言葉で今後も訴えさせていただきます。
いずれにしても当ブログは下記のような場であり続けています。ぜひ、お時間等が許され、少しでも興味をお持ちいただけるようでしたら、これからも多様な「答え」や考え方をお示しください。
2013年4月14日(日) 出入り自由な場として
http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2013/04/post-2dce.html
投稿: OTSU | 2018年9月 2日 (日) 22時15分
>ベンガル氏
ベンガル氏の説明はよく理解できました。日本会議発なの
かどうか知りませんでしたが、私は単純に「平和活動」と
言ってるのになぜ、国内問題ばかりで他の平和を乱す行為
に対して活動しないか疑問に思っていたしだいです。
これが説明のあった経緯により日本政府や自治体に限るの
であれば、限定された活動であり、「平和活動」と標榜
されるのは混乱の原因になるのではないのでしょうか。
世界規模で活動する平和団体との混同を避けるためにも
何かふさわしい名称にすればどうでしょうか。
>また、日本の労働組合が単独で抗議したところで、「何言ってるの?」ってことにはならないでしょうか?
第三者が経緯をしらず、平和活動してる団体が日本政府や
自治体相手だけの問題に限定される時点ですでに理解の
範疇外と思います。さらに多くの人にとって、なぜ労働
組合が平和活動するの?って疑問は以前から存在して
いますね。それに対する説明は聞いたことはあります。
>ここ近年、「核兵器廃絶の世界的な潮流」の中で、核実験を行った国に対しては、どの国であろうが(当然、中国、北朝鮮も)各国大使館あてに抗議を行っているようです。これは全世界的な動きであり、日本の労働組合もこの動きに呼応しています。
これについては全く知りませんでした。某フォーラムの
アリバイ作りのような抗議文は知ってますが、実際の
活動はニュースでも見たことがありません。ぜひ実例を
教えていただければ幸いです。
投稿: nagi | 2018年9月 3日 (月) 10時50分
>実際の活動はニュースでも見たことがありません。ぜひ実例を教えていただければ幸いです。
昨年9月3日に北朝鮮が行った核実験に対し、長崎・広島を中心に呼応する地区で抗議集会を開催し、抗議文を北朝鮮本国、日本政府に郵送しています。
投稿: ベンガル | 2018年9月 4日 (火) 00時20分
「沖縄駐留の海兵隊に抑止力はあるのか」という問題についてです。
沖縄の海兵隊は第3海兵遠征軍、そのうちの地上部隊である第3海兵師団は、ほとんどが本国からのローテーション部隊で6カ月ごとに交代し、戦車大隊も編成されていません。航空部隊は第1海兵航空団、普天間と岩国にほぼ半数ずつ配備、攻撃機は岩国配備です。
仮に有事が発生し、戦地に赴くとした場合、海軍が有している揚陸艦43隻で運ぶことになりますが、これで運べるのは一個師団弱。うち太平洋には22隻が配備され、佐世保を母港とする4隻以外はカリフォルニアのサンディエゴに配備されています。
これらの揚陸艦は、有事の際、キャンプ・ペンドルトンの第一師団の一部を乗船させて出動することになります。最精鋭の第一師団を置き去りにして、カラ船を沖縄に回して第三師団を拾うのは不合理だからです。
空軍の大型輸送機は陸軍の緊急派遣部隊である第82空てい師団の一部や、空軍用の資材の輸送に使われます。海兵隊が岩国に置く6機前後の中型空中給油機KC130は輸送にも使い、横田の空軍中型輸送機 C130を十数機海兵隊の輸送に使えても、装備、弾薬を一緒に運べば一度に数百人が限度だと言われています。
大部分の海兵隊の輸送ヘリの航続距離は四百キロ程度で、沖縄からでは韓国(一千キロ)、台湾(六百キロ)、九州(六百キロ)のどこへも直行できず、島伝いに飛ぶしか方法がありません。
結局、沖縄の米海兵隊は、直接展開することができないからこそ、沖縄の第三海兵師団はローテーションで対応しているのではないかと思います。
尖閣の防衛については確かに心配です。しかし、海兵隊がいなくとも、沖縄の嘉手納空軍基地、横須賀の第7艦隊空母打撃群だけで十分抑止効果はあると思います。
ただ、尖閣の有事の際米軍が、防衛のため関わるのかは少々疑問ですが…
尖閣問題の最も重要な役割を担うのは海上保安庁、自衛隊であることは言うまでもありません。
元官房副長官補・柳沢協二氏は、ニュースのインタビューで、次のような考え方を示されています。
(引用開始)
Q.--在沖縄米海兵隊は抑止力として機能しているか
A.「抑止力とは『相手が攻撃してきたら耐え難い損害を与える能力と意志』のことだ。その意味で沖縄の海兵隊は抑止力として機能していない。離島防衛は制海権と制空権の奪取が先決で海兵隊がいきなり投入されるのはあり得ない。日米防衛協力のための指針でも、米軍の役割は自衛隊の能力が及ばないところを補完すると規定されている。それは敵基地への打撃力だが、海兵隊の役割ではない。沖縄は中国のミサイル射程内に軍事拠点が集中しており非常に脆弱だ。米国はいざというとき、戦力の分散を考えるだろう。そもそも、本格的な戦闘に拡大する前に早期収拾を図るだろう。海兵隊を投入すれば確実に戦線は拡大する。つまり、いずれの局面でも海兵隊の出番はない。いざというときに使わないものは抑止力ではない」
Q.--沖縄に海兵隊は必要ないと
A.「どこかにいなくてはいけないから入れ物は必要だろう。しかし、それがピンポイントで沖縄でなくてはならない軍事的合理性はない。有り体に言えば『他に持っていくところがない』ということだろう。そもそも、抑止力と軍隊の配置に必然的な関係はない。海兵隊は米国本土にいてもいい。いざというときに投入する能力と意志があり、それが相手に認識されることが抑止力の本質だ。『沖縄の海兵隊の抑止力』といったとたんに思考停止し、深く掘り下げて考えないのは一種の信仰だ。沖縄県民はそこに不信感を持っている」
(引用終了)
また、82年4月、米上院歳出委員会で 当時の米国防長官を務めていたワインバーガ氏は「海兵隊は日本を守る必要があるのか」との質問に対し、「沖縄の海兵隊は日本を守るためにいるのではなく、西太平洋・インド洋へ展開するために配置している」と答弁をしています。
この答弁は、沖縄の第3海兵遠征軍のをありようを示しているのではないでしょうか。
投稿: ベンガル | 2018年9月 4日 (火) 19時32分
ベンガル様
海兵隊のことを取り上げておられますが、沖縄本島に配備されている米軍全体がどのような役割を果たしているのかについて、御意見いただけないでしょうか。
それとも、主に敵対国への打撃を目的とする海兵隊は不要だが、その他の軍事力は維持し、引き続き沖縄を含む各地に(当面は)米軍の駐留が必要(あるいはやむを得ない)との認識でよろしいでしょうか。
そういった御意見であれば(仮定の話で申し訳ありません)、有事の際の仮想敵対国への攻撃力「だけ」がいらない、つまり、それら仮想敵対国にとって「だけ」都合が良くなることを主張されているように思えてならないのですが。
ちなみに、米国の狙いが極東方面の抑止力発揮だけでなく、西太平洋方面への影響力を想定していることは良く分かります。通商路の確保の観点から当然だと思います。日本もその利益を享受しているでしょう。中国が南シナ海で行っていることも同じ理由で、要するに米中で囲碁をやっているわけです。
投稿: qur | 2018年9月 4日 (火) 20時40分
OTSU氏が紹介している
>上記はネット上で閲覧できる『前進』ブログ版の最新記事の冒頭に書かれている内容です
を見ると、労組がない社会が正しいと思えるのが笑える
ところですね。労働者のための労働組合としてもっとも
やってはいけない行為のかたまりのようで本当に素晴ら
しい内容ですね。
ところで関西で知らない人はいない労働ヤクザのトップが
逮捕されましたが、やはり危険すぎて全国ネットでは
報道されてませんね。この夏の暑さでおかしくなったのか
週刊朝日のウェブ版で辻元清美との関係を報じていました
が、かなり驚きましたね。
しかしさすが説明責任が完璧で、国民のための政党である
立憲民主党の枝野代表は辻元の件も、文部科学省の汚職
で名前があがる議員の件も、なんらコメントしませんね
「知見がない」で終了とかさすがとしか言えませんね。
投稿: nagi | 2018年9月 5日 (水) 13時50分
qur 様
>海兵隊のことを取り上げておられますが、沖縄本島に配備されている米軍全体がどのような役割を果たしているのかについて、御意見いただけないでしょうか。
「沖縄本島に配備されている米軍全体がどのような役割を果たしているのか」ということですが、的を得たお答えできるかどうか…。
あくまで、在日米軍の体制として私が理解している限りの内容でお答えするならば、在沖縄米軍として統括する組織は存在しないため、沖縄の基地で何らかの機能や役割を果たすという体制にはなっていないと思います。在日米軍は、各軍(4軍)ごとに一つの司令部を持ち、4軍個々において沖縄の基地機能が考えられています。ちなみに、在日米軍4軍全体の統括は空軍の司令官が行うこととなっています。
前置きとして、米軍の世界戦略は、1991年のソ連崩壊による冷戦終結や2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件後の安全保障環境の変化、軍事技術の進歩により、大きく変化してきています。冷戦型の米軍配置を世界的に見直し、太平洋(東シナ海・北朝鮮・台湾海峡)からインド洋、中東(北アフリカ・カフカス含む)に連なる米国が警戒する地域を「不安定の弧」と呼び、その地域への指揮機能・後方支援機能への転換を図っています。
米軍再編の流れから、沖縄を含む在日米軍の対応エリアは太平洋(東シナ海・北朝鮮・台湾海峡)が主となっていることは明らかです。
在日米陸軍(在日米陸軍第1軍団)の司令部は、米軍再編の一環で、神奈川県座間市にある陸軍キャンプ座間へ移転。司令部移転後は、韓国駐留陸軍部隊を含む西太平洋全域の陸軍部隊を指揮下に収めるなど、複数の再編案があるようです。
陸軍の沖縄基地は、トリイステーションが中心的な施設です。電子諜報部隊、暗号部隊、犯罪調査部隊などが駐留しています。偵察衛星のデータが自動的に集積され、情報の処理・分析、暗号作戦の実施を行っており、アメリカ軍の、極東地域における軍事情報戦略の要と言える施設となっています。
またトリイステーションには、アメリカ陸軍特殊作戦コマンド特殊部隊群(通称:グリーンベレー)の第1特殊部隊グループ第1大隊390人が、基地の護衛を名目として駐留しています。アメリカ本国以外に駐留するグリーンベレーはこの部隊とドイツに駐留する第10特殊部隊グループ第1大隊のみ。この部隊はアジア・中東にかけてのありとあらゆる地域に出動し、内戦への介入や破壊工作、特殊潜入及び偵察、テロ及びテロへの対処を任務としています。
在日米海軍の司令部は、横須賀海軍施設(神奈川県横須賀市)にあります。横須賀海軍施設に米第7艦隊空母機動群、厚木航空施設(神奈川県綾瀬市・大和市)に第5空母航空団(空母艦載機本拠)、佐世保基地(長崎県佐世保市)に第7艦隊の強襲揚陸艦群が配備されています。
海軍の沖縄配備の艦船は存在しないものの、ホワイトビーチ地区には物資の積み下ろしの施設(海軍、陸軍)があり、出撃の拠点としての位置づけがあります。
在日米空軍の司令部は、横田基地にあり、在日米空軍司令官は、第5空軍司令官を兼務しています。横田基地(東京都)には、司令部とともに第374空輸航空団、第730航空機動中隊等、嘉手納基地(沖縄県)には第18航空団(F-15C/D)等、三沢基地(青森県三沢市)には、第35戦闘航空団(F-16CJ/DJ)等が配備されています。
沖縄の嘉手納基地は空軍の中でも主要な装備を備えており空軍の主たる部隊となっています。
在日米海兵隊の司令部は、沖縄県のキャンプ・バトラー内に設置されており、第3海兵遠征軍司令部はうるま市のキャンプ・コートニー、基地部隊司令部はキャンプ・フォスターに設置され、岩国にも海兵隊岩国基地があります。
海兵隊に関しての意見は、「在沖縄の海兵隊に抑止力があるのか」ということです。抑止力ということから考えて、周辺国からの攻撃や侵略、特に尖閣の問題という視点で意見させていただきました。周辺国から攻撃を受けた場合にはまず、制空権と制海権を奪取しなければなりません。その役割は海兵隊ではどう考えても無理です。「存在することが抑止力」という意見は、保険に入っていれば大丈夫という自己満足にすぎないのかなぁと感じます。相手国が驚異でなければ抑止力にはならないかと。
また、周辺国に出撃するにしても沖縄の海兵隊を運ぶ揚陸艦は佐世保の4隻のみであり、米海兵隊は、本国に配備している第1海兵遠征軍、第2海兵遠征軍が主力となっているのではと。そういうことを考えれば、海兵隊は、第1~第3までの全てが中東エリアを活動の場と考えているのではないかと感じています。
投稿: ベンガル | 2018年9月 6日 (木) 16時40分
ベンガル様
詳細なご回答ありがとうございます。
私は、海兵隊が沖縄にある現状と、無いという仮定を比較し、日本の領土領海に関する防衛力向上に寄与がないという御意見には懐疑的です。
有事の際、沖縄に海兵隊がなければ、沖縄にある現状に比べてタイムラグが生じ、敗北のリスクがそれだけ高まる結果となるように、単純に思えます。沖縄にある現状と、ないという仮定における差異やリスクが、本当に無視出来る程小さいのでしょうか。
また、沖縄の海兵隊が専ら中東向けであるという御意見にも賛同しかねます。米国が中東情勢を極めて重要視している(おそらくは宗教的動機から)のは確かでしょうが、沖縄の基地について、単に中東のためだけに現状を維持しているというのは無理筋ではないでしょうか。既存基地の有効活用のために、極東と中東の両睨みで運用しているというのなら分かりますが、日本の周辺三国がいずれも核兵器を所有しており、米国本土への攻撃能力を有するという事実をそんなに軽視するでしょうか。
沖縄に海兵隊がある現状は、単に日米の利害が一致しているからそこにあるのだろうと思うのです。詳細なご説明をいただきましたけれども、その印象は変わりません。沖縄本島の兵力が減れば、尖閣を飛び越えて、沖縄本島を直接占領しようという諸外国の欲求が、それだけ高まるだけではないかと。
とはいえ、私もシミュレーションできる程の知識があるわけではありませんので、これ以上の議論は控えたいと思います。ありがとうございました。
投稿: qur | 2018年9月 6日 (木) 22時07分
こういうネタなので久しぶりがてらちょっとだけ(枝葉なので…)
沖縄の海兵隊ですが、日本の「直接的」な防衛力に寄与していないのはほぼ事実であろうと思います。
では何故そこに小規模でも部隊をおく必要があって、それを日米とも是認しているのか不思議に思いませんか?
そこで思い出して欲しいのが沖縄の鼻先にあって、大陸の一党独裁国家から常に圧力を受けている民主主義体制の島国の存在です。
そう身もふたもない事を言えば、沖縄の海兵隊はその島国への侵略に対する抑止力、彼らは侵略が切迫した際に緊急展開される贄だと思われます。
本来なら米軍が直接駐留できれば話は単純なのですが、政治的外交的にそれは不可能な状況です。
ならば次善の策として、着上陸戦闘が始まる前に米軍の地上戦力が展開できる状態を維持する事で
「侵略=米国との交戦状態になる」というリスクを以て抑止をかけているのでしょう。。
ですので、戦力としては余り意味のない少数でも即応出来る部隊が維持されているのだと思います。
(それこそ沖縄からオスプレイで飛んでいけば大陸からより遥かに早く到着できますから)
日本としてもシーレーン防衛として南シナ海の安定は重要事項ですので、島国に米軍の抑止力が効いてる状態は大歓迎。
ただこれも米軍が駐留できないのと同じく政治的外交的に公言出来ない。いわゆるお察し案件ですな。
ここまで書けば誰が沖縄の海兵隊を邪魔に思っているのか自明だと思いますので、以降は割愛
まあ自称平和主義の方々の主張が一党独裁国家の侵略に対するハードルを下げかねない皮肉な状況です(笑
というか沖縄の基地問題を解決するために原因分析をしていけば、かなりの部分は大陸国家対応に行きつきます。
以前、基地問題を根本解決したかったら一番早いのは大陸国家の民主化だよみたいな事をコメントした気がします。
その時もそちらの議論はふくらみませんでしたので、まあそいう事なんでしょうね。
投稿: どうでしょう | 2018年9月 7日 (金) 00時05分
北東アジアの平和と安寧に近づく最良の方法は、中国の
民主化に間違いないと考えています。そして平和と人権が
なにより大事で設立趣旨にも記載のある平和フォーラムは
中国の民主化運動をする人々を助けることは全くありませ
ん。ノーベル平和賞を受賞した劉暁波さんを支援すること
もありません。一方、独裁国家で人民に圧制を行う北朝鮮
には何度か訪れ、指導者や主体思想を称賛する発言すら
ありますね。
そのような点を考慮して、平和フォーラム等が反対する
基地問題は誰の利益のために活動してるのか疑問に思う
ことがあります。単なる疑問です。
投稿: nagi | 2018年9月 7日 (金) 16時07分
雑感を追記させてください。
私は、米軍基地に反対する沖縄の方の思いは、県内米軍基地の全廃及び米軍の完全撤収であって、海兵隊だけの撤収を求めているわけではないと理解しているのですが。
したがって、ベンガル様が、海兵隊に絞ったお話をされたことを奇異に感じ、あの様な質問をしました。
海兵隊が移転すればそれだけ負担は減ります。減らせるものは減らした方がいい。そこに異論はありません。しかし、そこが着地点でないのなら、途中経過についてのお話には余り意味がないのかなと感じています。
どうでしょう様から「お察し案件」というお話がありました。もう一点加えると、地理的状況や国家の枠組みが激変しない限り、沖縄の基地負担はほぼ現状維持せざるをえないし、到底ゼロには出来ない。
つまり事実上無理である。そのことを、皆さん気を遣って言わない。そんなことは言えない。事実であっても認めるわけにはいかない。言わないけど察して欲しいと、必要派の方は思っている。
そこを避けて通ろうとするから、話が無理筋になるのではないでしょうか。
投稿: | 2018年9月 7日 (金) 17時29分
nagiさん、ベンガルさん、qurさん、どうでしょうさん、 2018年9月7日(金)17時29分に投稿された方、コメントありがとうございました。
このブログを通して「答え」を一つに絞ることを目的にしていませんので、パネルディスカッションのような場として幅広い視点や見識からの多様な意見に触れ合っていけることを望んでいます。
そのような意味合いから久しぶりにベンガルさんに登場いただき、たいへん有難く思っています。最近の傾向として、コメント欄では私自身の主張に対する反対意見の数々という構図が多くなっていましたが、やはり幅広い立場や考え方に基づく意見が交わせることを願っています。
当初、このような話を中心にした新規記事も考えていましたが、新規記事は障害者雇用率の問題を取り上げる予定です。これまでの流れを変えた題材の投稿となりますが、決して意識的に流れを変えようと思っている訳ではありません。これからも皆さんからお寄せくださった論点は機会を見ながら記事本文を通して少しずつお返しできればと考えています。
投稿: OTSU | 2018年9月 8日 (土) 07時11分