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2018年6月23日 (土)

市議選が終わり、今、思うこと

「いいかげんにしろ」、6月15日の厚生労働委員会に参考人として呼ばれた肺がん患者の長谷川一男さんに浴びせられた言葉です。長谷川さんは「原則としては屋外でもなるべく吸って欲しくないというのが肺がん患者の気持ちではある」と述べた上で、「やはり喫煙者の方がどこも吸う所がないじゃないかとおっしゃるのもすごくよく分かります」と喫煙者の思いにも配慮しながら発言していました。そのような発言の最中、自民党の穴見陽一衆院議員は長谷川さんに対してヤジを飛ばしていました。

また、「魔の3回生」がやらかした-。自民党の穴見陽一衆院議員(48)が、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案の審議中、参考人の肺がん患者に対し、「いいかげんにしろ!」とヤジを飛ばしたのだ。穴見氏は21日、謝罪コメントを出して火消しに走ったが、後の祭り。与野党から「言語道断」などと、一斉に批判が噴出している。問題の発言は、15日の衆院厚労委員会で飛び出した。日本肺がん患者連絡会代表の長谷川一男さんが、参考人として屋外の喫煙場所のあり方について発言していた最中だった。

考えられない暴言に、野党や一部メディアが批判を始めると、穴見氏は21日、以下の謝罪コメントを発表した。「『喫煙者を必要以上に差別すべきではない』という思いでつぶやいた。参考人の発言を妨害する意図は全くない。不快な思いを与えたとすれば、心からの反省とともに深くおわびする」 高鳥修一委員長(自民党)は穴見氏を厳重注意した。

穴見氏は、大分1区選出の3回生。大分がん研究振興財団理事を務め、ファミリーレストランを展開する「ジョイフル」代表取締役相談役でもある。改正案で、ジョイフルのような大手チェーンは禁煙となる。穴見氏の発言に、子宮頸がんを経験した自民党の三原じゅん子参院議員は、ツイッターでこう批判した。「法案審議の為にお願いして来て頂いた参考人に野次を飛ばすとは、常識的に考えられない。絶対にあってはならないこと!」

野党も反発した。立憲民主党の長妻昭代表代行は「患者は必死の思いで国会に来た。ヤジはあってはならない。党内で処分すべきだ」と強調し、共産党の志位和夫委員長は「あまりに心がない。自民党政治の劣化極まれりだ」と嘆いた。ネット上でも「与党、野党関係なく、審議中にヤジを飛ばす議員は辞めるべきだ」「国権の最高機関の名が泣く」「幼稚園でも『人の話は聞きましょう』と教えられる」などと、批判がわき起こっている。【ZAKZAK2018年6月22日

自民党内からも批判を受けているように国会議員同士のヤジとは異なる意味合いをはじめ、穴見議員の言動は非常識であり、政治家としての資質が大きく疑われる振る舞いだと思っています。しかしながら穴見議員の謝罪コメントの発表は当該の委員会の後、6日も経ってからでした。21日の朝、ネットメディア「バズフィード・ジャパン」が取り上げなければ、マスメディアも報道せず、穴見議員の謝罪もなかったという見方が成り立ちます。

15日の委員会室にいた国会議員やマスメディアの皆さんが、ただちに問題視すべき事例だったはずであり、対応の遅さや感度の鈍さを反省点とすべきではないでしょうか。いずれにしてもメディアの報道がなければ、このような国会議員がいることを私たち国民は把握できないままでした。SNSや口コミでも構いませんが、幅広い情報を得ていくことの大切さを改めて感じ取る機会だったとも言えます。

物事を適切に評価していくためには、より正確な情報に触れていくことが欠かせません。誤った情報にしか触れていなかった場合は適切な評価を導き出せません。また、情報そのものに触れることができなかった場合、問題があるのか、ないのか、評価や判断を下す機会さえ与えられません。

このブログの中で上記のような言葉を頻繁に掲げています。ここ数年、安倍政権を巡る問題の多さから、よりいっそう強めている問題意識です。一方で、森友学園や加計学園の問題を追及する側が批判される場合もあります。主な理由として「安倍首相自身が関与していなかったことは明らかであり、単なる政権批判のための追及である」という言い分などが見受けられます。

確かに安倍首相自身が贈収賄や偽計業務妨害などの罪に直接問われるような疑いは薄いはずです。ただ加計理事長との交友関係から大臣規範に抵触していた恐れは消えていません。抵触する恐れがあるため、「会っていない」「知らなかった」などという事実関係を書き換えているような疑念が高まりがちです。規範に抵触していたかどうかも問題ですが、それ以上に事実関係を偽っていた場合、次元の異なる致命的な大問題だと思っています。

本来、推論や仮定の話で他者を批判することは慎まなければなりません。それでも事実関係の真偽は留保した上、断定調の書き方を避けながら、もう少し私自身の思いを綴らせていただきます。森友学園や加計学園を巡る問題を軽視するつもりはありませんが、私自身の問題意識は「正確な情報を包み隠さず伝えているのかどうか」という論点に集約されていきます。

この点についての信頼関係が揺らぐ場合、政府が発信する情報は常に疑ってかからなければならなくなります。もともと歴代の政権が都合の悪い情報は伏せがちだったはずであり、安倍政権だけの問題だと考えている訳でもありません。だからこそマスメディアは政権と距離を置き、幅広い情報や批判意見を的確に伝えていく役割を負っているものと思っています。

「今、思うこと」だけで長い記事になりつつあります。タイトルに掲げた「市議選が終わり、」が後に続くことになりますが、私が勤めている自治体の市議会議員選挙は先週日曜に投開票されました。定数28になってから最も多い43人が立候補し、現職3人が落選する大激戦でした。たいへん残念ながら私どもの組合が推薦した候補者は議席を獲得できませんでした。

火曜の朝、読売新聞の政治面に「都内地方選 野党に勢い」という見出しの記事が掲げられました。中野区長選や今回の市議選の結果を受け、このような見出しを付けたようです。確かに立憲民主党の公認候補者は3,831票獲得し、2位に900票近くの大差を付けてトップ当選しました。一方で、立憲民主党の推薦候補者2名は落選しています。

党派別で見れば、自民党は立候補者9名のうち8名当選し、これまでより1名議席が増えます。公明党は現職7名が立候補し、全員当選しています。共産党は5名全員当選していますが、民主党の流れをくむ候補者は5名のうち現職1名が落選しています。2位から11位までが自民党か公明党の候補者であり、得票数から見ても「野党に勢い」という見出しには違和感がありました。

ただトップ当選した候補者の前回の得票は1,628票でしたので、立憲民主党の看板を背負ったことで2,200票ほど上積みをはかれたことになります。その意味で、立憲民主党の福山幹事長の「有権者は、昨年の衆院選で我々に向けた期待をまだ持っている」というコメントはその通りだろうと思っています。とは言え、議席数で考えれば、自民党8に対して立憲民主党1という大きな落差があることも押さえていかなければなりません。

もともと市議選は候補者と有権者との顔が見える中での関係性を深めているため、国政での風の影響はそれほど受けない傾向があります。それでも世論調査の一つとして市議選の結果をとらえた際、自民党に強い逆風は吹いていなかったものと見ています。下がり続けていた内閣支持率も30%前後に踏みとどまり、上昇に転じる気配もあるようです。

政権として至らなかった点を心から反省し、改めるべき点を迅速に改めていることを国民が評価し、上昇に転じていくのであれば問題ありません。しかし、何も変わらず、数々の不祥事が徐々に忘れられていくことで支持率が回復していくようでは大きな問題だろうと思っています。さらに「今の野党には託せられない」という消去法によって現政権が続くのであれば、たいへん残念なことです。

「市議選が終わり、今、思うこと」は、まだまだ頭の中に浮かんでいます。それでも長い記事になっていますので、このあたりで一区切り付けさせていただきます。最後に、土曜の朝「国会で議論を尽くしたという口実を与えかねない」とし、議論自体に応じない構えであることを立憲民主党の幹部が発言しているという新聞記事を目にしました。廃案を最優先にした構えであることも分かりますが、国会議員が議論自体を放棄することの問題性は強く認識すべきものと考えています。

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コメント

一つ質問です。
市長は自民系ですか?
そうであるならば、自民、公明で議席の過半数を超えたことについて、もう一つの立場としてどのようなご感想をお持ちですか?

投稿: 下っ端 | 2018年6月23日 (土) 16時33分

下っ端さん、コメントありがとうございました。

市長は自民党の市議会議員でした。今回の記事では世論調査の一つとして市議選の結果をとらえてみました。したがって、市議会における会派構成の詳細に触れた訳ではありません。これまでも保守系無所属議員1名を加えると自民党系と公明党で15名でした。

さらに民進党系会派5名も基本的に予算案には賛成してきています。もともと国政のような与党野党という峻別は薄く、もう一つの立場云々に関わらず、今回の記事本文に綴ったような感想があるだけです。

投稿: OTSU | 2018年6月23日 (土) 19時59分

>自民党の穴見陽一衆院議員は長谷川さんに対してヤジを飛ばしていました。

本当に許せない行為ですね。即刻議員辞職して金輪際、
政治に関わるなといいたい。こんな愚劣な議員がいるから
日本の受動喫煙対策が進まないんですよね。

>「今の野党には託せられない」という消去法によって現政権が続くのであれば、たいへん残念なことです。

世論調査をすると「モリカケ」に納得してない人が多い
のは判ります。しかし常に国民が政府に求めてるのは
経済対策、社会保障、安全保障になります。当然ながら
「モリカケ」だけを追求しろと思ってないのです。
野党の面々はそれを理解できないのでしょう。最近思う
のに、野党の面々それを応援する方々は、実は自民党から
送り込まれたスパイなのかと思う時があります。
わざと国民が距離を置きたくなるような言動や行為ばか
りで、本当に理解するのが難しい。

そういえば、財務省のセクハラ問題。あのテレビ朝日で
「ギリギリセーフ」との名言が生まれた会社ですが、
社内の労組がアンケートすると実に50%以上が社内で
セクハラ被害にあってるとの結果が報道されてました。
財務省よりマスコミ関係に喪服をきて押し掛けるべき
ですね、野党の議員は。
そしてそんな突っ込みを受けるような活動は意味がない
といいかげんに気が付くことを期待しています。

投稿: nagi | 2018年6月25日 (月) 09時45分

23日に開かれた沖縄全戦没者追悼式で安倍総理のあいさつ
中にやじを飛ばした方々がいたそうですが。やじをするな
とは言いませんが、せめて追悼式では自制することができ
ないのでしょうか。その場にいる遺族の方々には静かに
慰霊をしたい人もたくさんいるでしょう。本当に悲しい
話ですね。

RADの「HINOMARU」と言う曲に反対運動をしてる方々が
います。運動は自由ですが、駐停車違反の場所に車を止め
て、逮捕されたら、免許提示は拒否で黙秘を続ける。まあ
なんて立派なテロリストだろうと思います。
日頃言う、表現の自由、言論の自由はどこに言ったの
でしょうか。私もこの曲を聞きましたが、別に軍歌でも
ナショナリズムを高揚させる曲でもありません。単なる
J-POPですね。

投稿: nagi | 2018年6月28日 (木) 12時45分

興味深い記事を紹介します。技術の進化によって戦争の
形は変わっていきます。技術的にはほぼターミネーター
の世界に近い状況ですね。

>https://diamond.jp/articles/-/173584

投稿: nagi | 2018年6月29日 (金) 15時09分

nagiさん、コメントありがとうございました。

日々、耳にする話題に対し、その時々に思うことがあります。今週末に投稿する記事も、そのような「思い」をまとめてみる予定です。ぜひ、引き続きご注目いただければ幸いですのでよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2018年6月30日 (土) 06時23分

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