役に立たない組合はいらない?
土曜日、三多摩メーデーが催されました。今年もご家族の方を含め、私どもの組合だけで300人以上の参加者を得られています。組合員の皆さんに配布したチラシの中で、私からの挨拶文には今年も「組合員にとってどうなのか」という視点を大事にしながら組合活動を進めていく旨を記しています。
この言葉の重さや広がりを踏まえながら今回の記事を書き進めてみるつもりです。かなり前の記事「組合に入らないデメリットは?」のコメント欄にichiさんから「組合なんてあってもなくても一緒なんじゃないの?」という問いかけがありました。その問いかけに対し、私からは「組合は必要です」と即答し、組合役員を長く続けている中で組合の役割を体感してきていることをお伝えしていました。
ただ組合役員がそのように考えていても、組合員の皆さんと認識にズレがあるようでは問題であり、その「溝」をどうしたら埋められるか、いつも苦慮していることも書き添えていました。そのような思いのもとに当ブログを長く続けているため、ichiさんから前回記事「JR東労組の組合員が大量脱退」にも寄せられた下記のコメントを受けとめ、私自身の思いを改めて綴る機会とさせていただきます。
コメントありがとうございました。私も組合の必要性は感じているのですが、それでも組合の活動に納得がいかなかったので加入しませんでした。ぜひ私と同じような考えの人にも納得して入ってもらえるようなそんな組織になって欲しいと願っています。
私の友人の会社は組合はないですが、サービス残業は皆無、賃金の保証もしっかりしています。私が以前勤めていた会社も労働組合はありませんでしたが、残業代はしっかり出してもらっていましたし、上司の身勝手な判断でサービス残業をさせられることはありませんでした。自分としては働いた分の賃金がしっかり出ればいいわけです。賃上げはもちろん大事ですが、まずはサービス残業をなくしてもらいたいんです。
組合は労働環境の改善、賃上げ交渉さえしていれば十分なんです。組合主催の飲み会(組合費から補助有)、政治活動への借り出し、組合員強制加入の保険、自動車購入などのための金貸し等々。必要のないものまで組合でやって、そのせいで組合費等の負担が跳ね上がってしまうのに、本来やるべき仕事はやらない。自治労全体で決まっていることだから、変えられないという事情はあるのかもしれません。
組合費が月1500円くらいまで下がって、サービス残業がなくなるなら、たぶん私も組合に加入すると思います。そうはいかないんですよね。3000円、保険含めたら6000円は出さないといけないのに、サービス残業は残り続ける。組合活動という余計な活動は増えるのにね。
私も労働組合は必要だとは思います(ちゃんと機能するのが前提)し、金額に見合った働きをしているのならぜひ加入したいと思っています。ですが、今のうちの組合の活動を見るとなくても変わらないんじゃないかと思わずにはいられないのです。私には、非組合員の市長や課長のほうが労働環境の改善に熱心に見えます。
最近の記事の冒頭にも記しましたが、このブログを定期的に訪問されている方が必ずコメント欄をご覧になっているかどうかと言えば、そうとも限らないようです。そのため、今回の記事を書き進めるにあたり、まずichiさんから寄せられていたコメントの全文を掲げさせていただきました。
真っ先に指摘しなければならない点として、サービス残業が上司の身勝手な判断で強いられているようであれば大きな問題です。サービス残業は違法であり、撲滅させなければなりません。そのことの問題意識が希薄な労働組合や組合役員であれば、ただちに猛省し、考え方を改めていく必要があります。
したがって、ichiさんの前の職場や友人の会社には労働組合がなくても、サービス残業はなかったという話が当たり前な姿だろうと理解しています。サービス残業を当然視する会社があれば、いわゆる「ブラック企業」と認定されることになります。そうならないための労働組合の役割があるはずですが、ichiさんの現況は異例なことだと言わざるを得ません。
ちなみに私どもの職場でも結果的に時間外勤務を申請しなかった、もしくは申請しづらかったという事例が生じがちな点を危惧しています。そのため、昨年6月に投稿した記事「20時完全退庁宣言」の中でも紹介していましたが、組合ニュース等を通して次のとおり具体的な例示をもとに日頃から注意喚起しています。
「19時までの残業は残業とは認めない」などという誤った運用があった場合、即刻改めてください。短時間の時間外勤務となった場合、事後でも問題ありませんので必ず実施申請してください。午後8時までの予定が長引いた場合も同様です。翌日以降、実態に合わせた申請をしてください。実施申請しないとサービス残業に該当します。業務に関連した地域団体等との会議や出張も時間外勤務に当たります。必要な旅費等が自己負担だった場合は問題です。このような問題が強いられた場合、ただちに組合まで連絡してください。
続いて、組合の役割は賃上げ交渉など労働環境の改善に絞るべきという指摘についてです。どのような活動をどの範囲まで取り組むのか、それぞれの組合が加入されている組合員の皆さん同士の議論を通して決めていく問題だろうと考えています。その一つに自治労加盟の選択肢もある訳ですが、自治労に結集しているスケールメリットがあるため、多くの自治体単組や公共サービス関連の組合が自治労に加盟しています。
このような関係性や政治活動の必要性については少し前の記事「自治労の4つの目的」などを通して数多く説明してきています。今回の記事では詳述できませんが、自治労加盟という判断も先輩組合員の皆さんが「組合員にとってどうなのか」という議論のもとに導き出した結論だと言えます。その上で「組合員のため」になることを目的に自治労に結集していることは昔も今も変わっていないはずです。
なお、ichiさんが少し誤解されているような点も見受けられます。「組合員強制加入の保険、自動車購入などのための金貸し等々」という記述が気になりました。私どもの組合では任意の保険が強制加入と位置付けられているのであれば状況は異なってしまいますが、自治労組合員として加入する共済掛金は300円です。保険料3千円については誤解されている可能性がありますので改めて確認してみてください。
自動車購入のためのローンも、あくまでも利用するかどうかは組合員本人の選択です。そのことを前提に労働金庫や全労済と連携しています。そもそも労働金庫も全労済も、労働組合が「組合員のため」に設立しています。組合員にとって優位なローンや保障を受けられるため、各組合が積極的に組合員の皆さんに対して利用を勧めているという関係性です。決して特定の団体のために余計な組合活動があるのではなく、すべて「組合員のため」を目的としています。
組合の大切な役割の一つとして、組合員が何か困った時に様々な相談を受けています。労働条件の問題であれば労使間の窓口となって解決をはかり、生活支援であれば前述したとおり労働金庫や全労済と連携しながら対応し、法律相談であれば顧問契約している法律事務所を紹介しています。いわゆる「駆け込み寺」の役割があり、そのような役割が果たせないようであれば組合の存続意義を問われかねません。
以前「パワハラ防止に向けて」という記事を投稿していますが、私どもの組合はハラスメントの対策に力を注いでいます。パワハラやセクハラという事態が生じた際、組合員から「組合には頼れない」と思われるようでは問題です。ichiさんのコメントを踏まえ、「組合は必要」という説明を加えています。たいへん長い記事になりつつありますが、せっかくの機会ですので、もう少し続けさせていただきます。
残念ながら私どもの組合でも様々な事情で組合に加入されていない方がいます。今のところ「加入率は100%近く」と言って間違いではありませんが、JR東労組の事態を「対岸の火事」とは見れない危機意識を抱えています。そのため、これまで組合の定期大会や新年度を節目にした時期に未加入者の方々に組合加入について呼びかけさせていただいています。今年3月末、機関誌『市職労報』を謹呈した際には次のような言葉を添えていました。
特集記事「春闘期、情勢や諸課題について 役に立たない組合はいらない?」を通し、組合の役割や直近の交渉結果をまとめました。その中で、組合に加入されていない方々を頭に浮かべながら綴っている箇所が多々ありましたので、お読みいただければ誠に幸いです。特に今回、「ここ数年の主な労使交渉の成果」を掲げてみました。このように組合があり、労使交渉を行なえたからこそ、市職員全体の賃金水準等を抑制する動きに一定の歯止めをかけてくることができました。このような労使交渉の成果を出せるのも大半の職員の皆さんが組合に加入いただけているからです。
しかしながら特集記事の中でも触れていますが、組合への加入者が激減するようであれば、組合の存続自体が危うくなります。そして、パワハラや違法な長時間労働を常態化させるような職場は労働組合がない、もしくは組合の存在感が希薄な場合に生じがちです。ぜひ、このような関係性を真摯に受けとめていただければたいへん幸いなことだと願っています。つきましては、この機会に改めて組合加入についてご検討いただけますようよろしくお願いします。
最後に、参考までに未加入者の方々を意識しながら綴った特集記事「役に立たない組合はいらない?」の冒頭に掲げた関連箇所をそのまま紹介させていただきます。パワハラへの対応について事実であれば、ichiさんの働く職場の組合側が改めるべき点もあろうかと思います。それこそ役に立たない組合はいりません。しかし、今回の記事に綴ったとおり組合活動はすべて「組合員のため」を目的にしている点などにご理解くださり、組合加入について改めてご検討いただければ幸いなことです。
* *
「組合は必要」という認識を広めるためには…
■まったく役に立たなければ「いらない」
ここ数年、この特集記事のトップ見出しに「役に立たない組合はいらない?」と掲げています。一歩間違うと大きな誤解を招き、組合をつぶそうと考えているような言葉です。決してそうではなく、組合員の皆さんに「何だろう」と関心を持っていただくための見出しの付け方でした。そもそも組合員の皆さんに対し、まったく役に立たない組合であれば、私自身も「いらない」と思います。
しかし、いろいろ力不足な点もあろうかと思いますが、一定の役割を果たしていることを確信しているため、組合は必要という認識を持ち続けています。ただ組合役員がそのように考えていても、組合員の皆さんと認識にズレがあるようでは問題です。そのようなズレを少しでも解消するためには、組合役員と組合員の皆さんと直接対話できる機会が多ければ多いほど望ましいのですが、それほど多く持てない現状です。
■一人は皆のために、皆は一人のために
組合は、一人ひとりが働き続ける上で困った時に支え合い、皆で助け合うための役割を負っています。いざという時の安心のため、つまり「保険」のような側面があります。中には組合加入を断る理由として「困ることはない」「困った時は自力で解決する」と話される方もいます。実際、ある程度「自助」だけで大きな支障がなく、過ごせる場合も多いのかも知れません。
それでも昔から「一人は皆のために、皆は一人のために」という組合を語る言葉があります。最近は「ワンフォーオール、オールフォーワン」と英語で強調される場面をよく見かけています。つまり一人の力には限りがあり、皆で支え合うことの大切さを表わした言葉です。特に労働条件を決める際は労使対等の原則が働きます。市役所の仕事において、一職員からすれば市長をはじめとした理事者の方々は「雲の上の存在」となります。
それが労使交渉の場では対等に物申すことができ、労使合意がなければ労働条件の問題は当局側の思惑で一方的に変更できないようになっています。このような原則のもとに労使交渉を積み重ね、現在の労働条件が築かれていることを機会あるごとに強調しています。仮に経営者の思惑だけで労働条件が決められていった場合、昨今、問題視されている「ブラック」を生み出す土壌につながりかねません。
また、パワハラや違法な長時間労働を常態化させるような職場は労働組合がない、もしくは組合の存在感が希薄な場合に生じがちです。直接的なメリットが感じられないからと言って、組合への加入者が激減するようであれば、組合の存続自体が危うくなります。ぜひ、このような総論的な意味合いでの「組合は必要」という見方について、ご理解いただければ本当に幸いなことです。
公務員をとりまく情勢がたいへん厳しい中、直接的なメリット、いわゆるプラスの成果にかかわる話は多くありません。しかし、個別課題においても組合員の皆さんの生活を守るため、いつも全力で労使協議を尽くしています。ここ数年の主な労使交渉の成果は別記のとおりです。今回の特集では時間外勤務や人事評価制度、嘱託職員の課題などを報告します。これからも組合員一人一人の思いを代弁する立場で労使協議に臨み、職場課題で結果を出していくことが「組合は必要」という認識を広め、組合への結集力を高めていくものと考えています。
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コメント
「役に立たない」のではなく、「余計なこと」や「必要のない」ことをしない。
それだけです。
普段から組合員のために、地道に一生懸命活動していますよね。十分、役に立っているじゃないですか。
それ以上の「何」を、組合員は求めるでしょう。
大多数の組合員は、何も求めませんよ。
一度、無記名でアンケートを取ってみたらいかがですか?
例えば
・特定の政党を支持していいですか?
・その政党の選択は、執行部に一任でいいですか?
・沖縄の基地問題、特に辺野古に反対活動を行いますか?
・憲法9条について、改正反対を求めますか?
・安保法(戦争法案)廃止活動を行いますか?
・原発廃止活動を行いますか?
・日米安保の反対、破棄を求めますか?
・中国の威圧的な行動に、抗議しますか?
・北朝鮮に対する最大限の圧力を承認しますか?
などなど
それぞれ、はい、いいえで回答を得て、過半数の回答を単組の方針にしてはどうでしょう。
投稿: 下っ端 | 2018年4月29日 (日) 18時47分
下っ端さん、コメントありがとうございました。
提起されている論点に対し、これまで数え切れないほど私自身の考え方をお伝えしてきています。個別の課題はもちろん組合員の皆さんとの関係性なども含め、記事本文や時にはコメント欄でも即応してきました。
それにも関わらず、今回、このような提案を頂戴できることに少なからず驚いています。同時に下っ端さんのような根強い問題意識を持たれている自治労組合員がいらっしゃることを知り得る貴重な場であることを改めて感じ取っています。
幅広い「答え」を認め合い、感情が先走るようなやり取りは避けたいため、回りくどい言い方になって恐縮ですが、この場、このタイミングでは以上のようなレスにとどまることをご理解ご容赦いただければ幸いです。
投稿: OTSU | 2018年4月29日 (日) 21時18分
なかなかおもしろい記事を紹介します
>http://agora-web.jp/archives/2032384.html
学者もあまりに行き過ぎると荒唐無稽になるのはしかた
ないのでしょうか。この手のタイプの学者とは議論は成立
しません。一方的に自分の考えを垂れ流すだけで有用な
反論はしません。野党の一部でもそのよな方は存在します
国会は野党が存在せずとも問題なく機能してるので、
このまま来年まで審議拒否してほしいですね。
投稿: nagi | 2018年5月 2日 (水) 14時59分
三多摩メーデー、嬉々として安倍ミサイル披露してますね。管理人さんも偉そうなこと言ってますが、やっぱりこういう類いの方なんですねぇ。
組合でこんなことを支援あるいは黙認する組合には、まともな人は参加したくないと思いますよ。最低ですね。人間が貧しい。
https://twitter.com/asunokaori/status/991180199822671872
投稿: 三多摩凄いね | 2018年5月 4日 (金) 10時59分
nagiさん、三多摩凄いねさん、コメントありがとうございました。
三多摩凄いねさんが感じたことや問題意識は否定できません。絶対許容できない行為であれば強く批判しなければなりません。一方で、今回の指摘されている行為がその範囲なのかどうかで言えば、人によって許容範囲とされるのだろうとも思っています。
このような論点等に対し、直接的なレスに至らないかも知れませんが、今回の記事に皆さんから寄せられたコメントを意識しながら新規記事を書き進めてみるつもりです。ぜひ、引き続きご覧いただければ幸いですのでよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2018年5月 5日 (土) 06時38分
下っ端氏(2018年4月29日18時47分ご投稿)のご意見というのは、おそらく、組合員の潜在的な多数意見だと思うんですよ。場合によっては過半数を超えるかも知れません。
JR東日本労組の大量脱退事案を念頭に置くと、私のこの評価もそこまで外れては居ないと思います。
そして、無記名での調査の結果(真意が忖度無く表明されたなら)は、おそらく今の政治運動路線を全否定せざるを得なくなると思います。
※旧総評系に限っては、若干の疑問符が付くんですけど。そうした旧総評系の立場は労働界のなかでも少数派になっていくと思います。
ただし、執行部としては、そんな結果は受入不可能でしょう。で、「施策の方針・考え方が十分に理解されていない。より、訴えを強化して、知ってもらわないといけない」という方向に思考が向かうと思います。どこかの野党さんそっくりに。
間違っても、「施策の方針・考え方が十分に理解されているからこそ、正しい理解に基づいてそれに対する拒絶反応が生じている」とは、思いもよらないと思います。理解不能な現実を突きつけられる感じかな。
そんなだから、組織率も伸びないし、支持も広まらないっていう。「今の路線で運動を強化すれば支持が伸びる」とかいう脳内世界を生きてるって言うか。でも、政治的主張を実現するには現実世界を生きないと行けません。今の遣り方が現実世界で通用しない(訴求力が無い)なら、遣り方を変えないと。
「社会運動(大衆運動)であれば現実を動かせるかも知れないが、今の労働運動(市民運動)ではそれはできない」っていうことの理由がそこにあるんですけど、思い至らないというか、考えも及ばないでしょう。
「自分たちの方針は正義であり、万人が受け入れて然る絶対の真理。拒絶や異なる意見は悪であり、存在するはずがない。教育して受け入れさせるのが使命。」とかいう、ゆがんだ認知があるというか。
構図としては「支持率がまるで伸びない野党さん」と同じなんですが、「この支援団体にして、この野党あり」なんで、それも然るとは思いますけど。
で、管理人様( 2018年4月29日21時18分ご投稿)の「このような提案を頂戴できることに少なからず驚いています」というご見解というのは、おそらく、組合執行部を構成するような組織体の指導的立場にある組合員の多数意見だと思います。もしかしたら、99%位の圧倒的多数意見と言えるかも。
今の労働運動とか野党系(というかヒダリ系)の有様ってのは、「下っ端氏 と 管理人様 の意識の断絶の深さ」に象徴される、「社会全体 と 運動体 の断絶の深さ」の結果だと思います。
運動体側に「自分たちの主張は正しく、受け入れられて当然。より、訴えを強化して、知ってもらわないといけない」というスタンスが通用しない 現実世界 を生きてるってことを、心底理解(というよりは体得)して貰わないと、どうにもならないと思います。
そして、脳内世界でなく、現実世界を動かさない限りは、現実は変わらないのだと言うことも。
今の野党が「質の面からも量の面からも政権を担えるもう一つの政党に”なりたい”」ではなく「質の面からも量の面からも政権を担えるもう一つの政党と”認識される”」存在であろうとするなら、この辺の状況認識は是非とも必要なんですけど。
何を言っても、「それが出来るなら、現状のようにはなってない」という一言に還元されるわけですが、それしか言い様がない状態が何十年も続いてるってのが、色々な意味で頭を抱えたい。反体制
投稿: あっしまった! | 2018年5月 7日 (月) 16時09分
ありゃ。最後の一分が「反体制」で途切れてしまいました。m(__)m
ワタクシの操作ミスですが、最後に書きたかった一文は下記の通りです。
----
反体制側は、どうにもならんまま(そして当事者に其の自覚がないまま、ゆでがエルのように)、滅びていくしかないんだろうなっていう。
投稿: あっしまった! | 2018年5月 7日 (月) 16時12分
希望の党に当初寄せられた期待というのは「旧来の左翼の流れと一線を画した政権交代可能な野党の確立」だったと思うのです。
ただ、ゼロから国政を担える代議士を生み出すというのは現実的でないわけで、当初、小池都知事は民進党(右派)+自民党非主流派(+α)の合同により、その問題を克服しようと目論んでいたものと思います。
しかし結局は、ほとんど民進党が右派(国民民主党)と左派(立憲民主党)に分かれただけで終わりました。
まあ、それでも分裂前の民進党の分かりづらさが少しは解消されたという点では良かったかもしれません。
コアな方々は変わらず立憲民主党を支持するのでしょう。国民民主党を支持する層というのがどのような層かが見えていませんけど。それはこれから打ち出す政策次第ですかね。
で、立憲民主党支持層が意外と厚いというのが、これまでの率直な印象です。OTSU様の現状認識も、この点を踏まえると少しは理解の助けになるかもしれません。
投稿: qur | 2018年5月 7日 (月) 22時56分
立憲民主党は判りやすい存在ですね。完全にかつての
社会党の復活です。たしかに一定の支持は常に得ることは
可能ですが、同時に同数以上のアンチも派生するのが常で
すね。一方、国民民主党は過去の民主党の大物が離れて
いったのが、後々良い結果につながるのではないでしょう
か。ここで野党共闘に走ると、立憲に脚光が集まるで
しょうし、野党共闘に消極的だと、連合あたりから突き
上げが厳しい。いかに独自色を出せるのかが勝負ですね。
>あっしまった!氏
完全に同意します。しかしなぜここまで組合幹部とそれ
以外の人々との断絶がそこまで深くなったのか。
まあ幹部の方々には申し訳ないですが、これは単純に
認知的不協和であると言えるので簡単な話です。
あとはどうやって、真に労働者の為の労働組合が活躍で
きるかですが、現状を見るに物凄く難しいですね。
労働組合は絶対必要。これには完全に賛成です。
労働組合は政治活動も行う。政治活動を行いたい人々
だけで集まり新しい団体を結成し活動を行う。
これほどの簡単な答えはだれにも理解できるのですが、
それができないのは単純に人員と費用の確保が理由で
あるのは明白ですね。
私はOTSU氏を非難するつもりは全くありませんが、正しい
手続きをもって決められた方針と言われていますが、加入
も強要されることが多々報告され、極めて閉鎖的で幹部の
方針に反対すると圧力があると予測される環境下で
どうして正しい手続きと言えるのか疑問です。
だからこそ無記名で意見を求めたらとの案がでたりする
のではないでしょうか。
真に正しい手続きで、かつ自由な気持ちで賛同が得られた
ことならば無記名でも同じ結末になることは間違いない
でしょう。それをできないのは異なる結果になるとご自身
で理解されてるからではないでしょうか。
立場があることを理解してるので、何も求めません。
投稿: nagi | 2018年5月 8日 (火) 10時53分
ワタクシも、立憲民主党さんについては、一定の評価をしています。政策的には支持し難いのですが、軸はしっかりしてるという印象ですので。
旧社会党さん(&その支持母体である 総評さん)の後継的な位置づけにあるという認識です。それはそれで、色がしっかりしてて一貫性が感じられるという側面があるので。
※党として支持できませんし、幹部の方の一部についても、過去の言動から政策的にはまるで評価できない方もおられますけども。
一応、主題が”労組”ということなので、少し思うことを。
実はワタクシ、「連合」さんも「総評」と「同盟」に改めて再編する(というか、分裂して元の鞘に収まる)のが吉だと思ってるんですよ。
かつての民主党さんが「数を追求しただけの(政権担当能力という意味では無能な)烏合の衆」であったように、その支持母体である連合さんも「数を追求しただけの、主義主張の異なる団体の烏合の衆」であると認識しているので。
---- ところで、
日本は、1990年代以降の一連の行政改革・政治改革で、「”イギリス型の”議院内閣制」を指向したわけです。
その「”イギリス型の”議院内閣制」が、イギリス国内で「選挙独裁」とか言われながらも、何とか機能してきたのは、「(質的に)十分に政権担当能力のある政党が複数存在する」という絶対的に重要な前提条件が成立していたからなんですよ。
ところが日本においては、その絶対的な前提条件がまるで成立しないまま、形式だけは整ってしまっている。
「器を作れば、中身は勝手に湧き出てきて、充填される」と言わんばかりの姿勢で制度改革をやってしまって、「器にふさわしい中身をどう作るか?」に無頓着のままに来てしまったので。あるいは、「器が出来れば中身は勝手に出来るという強度の楽観に支配されていた」というべきかな。
野党さんが、折に触れて「政権交代可能な野党を作る」って仰るんですけど、「”量的な意味での”政権交代可能な野党」しか念頭にない感じなんですよね。つまり、議員の数ですね。
ところが、「”質的な意味での”政権交代可能な野党」という側面はまるで念頭にない。というか、考える必要に気づいてもいない感じ?に見えるんですよ。つまり、現実的な政権担当能力を身につける必要があるということに気づいてないか、既に身についてると錯覚してるか、政権を取るつもりはなくて政党という名の反政府運動体を目指しているか、そのいずれかですね。※政策の方向性云々でなくて、政権担当能力です、念のため。
ワタクシは、「量的な意味での政権交代可能な野党」ってのは、必要条件。「質的な意味での政権交代可能な野党」ってのは、十分条件だと思っています。
「政権交代可能な野党」ってのは、此の両方、すなわち必要条文条件を具備する必要がある。しかし、肝心の野党さんは、必要条件を具備することしか考えてない。というか「必要条件を具備すれば政権交代可能な野党と認識される」という幻想に囚われてるようにみえる。
十分条件を満たす”質的な意味での政権交代可能な野党”であれば、次の選挙で必要条件を満たす”量的な意味での政権交代可能な野党”にはなれますから、それで必要十分条件を満たして政権交代可能になります。
さきに、十分条件を満たすことを考えて、努力して「全体としての有権者集団に十分条件を満たした野党と認識される政党なる」ということでないと、今のままでは色々と厳しいですよ。「”イギリス型の”議院内閣制」を日本で機能させるのなら。
野党支持者の方も、その当りを認識して支持して(議員さんに働きかけて)欲しいですねぇ。条件反射的に無条件に支持するのではなくて。
投稿: あっしまった! | 2018年5月 8日 (火) 20時02分
んで、旧総評系の流れを汲む単組が立憲民主党さんを支持するのは判るんですよ。おそらく、相性が良いでしょう。
ただし、「立憲民主党さんの支持者しか、組合に加入してくれなくなる。」ということと引換ですけど。
なので、既存の労組の組織率も政党支持率付近に収斂していくのではないか?と思います。
当事者に、「組織率の低下を嘆くばかりで、そういう根本的な構造問題に向き合う意識がないか、極めて薄い」ってのが、えっと。
※まぁ「向き合う必要なんか無い」って感じだろうとは思うんですが。
既に加入している組合員が、「立憲民主党さんが支持できないから組合を脱退するといって、直ちに&一斉に、ごっそり抜けることは考えにくい」ので、しばらく時間がかかるでしょうけど。
労組が、「労組ではなく、特定の思想集団(政治的運動体)だと思われている。実態特定の政治的思想を信奉するカルト化しているようにも見える。」ということを、もっと真剣かつ深刻に考えないと、労働運動はどうにもならないと思うようになって久しいのですが、何を言ってもここに帰結するんですよねぇ。
本来、「労働運動ってのは、特定の政治的思想とは切り離して考え得るし、労組は政治的運動体とちがうから、特定の政治的思想に純化する必要は無い」ハズなんですけども。
「要求が通るなら、与党だろうと野党だろうと、要求を通してくれる政党を支持する」ってのが労組だろうという。
それが「労組が労組であって、政治運動体でない理由(証明)」のハズなんですけども。
今はなんであっても、特定の政治思想に合致する政党を支持するって感じなんで。
「同じ政策をやっても、自民党がやれば叩きまくるが、民主党がやれば有耶無耶にして結果賛成になる(黙認というか容認する)」っていう、「どう考えても労組ではなく、政治運動体だろう」としか思えない状況にあるんで。
いや、この件について当事者に真剣かつ深刻に考えて貰えるようなら、労働運動や労組の組織率等が、現状のようにはなってないんでしょうけれども。
投稿: あっしまった! | 2018年5月 8日 (火) 20時23分
旧民主党にも自民党出身者はそれなりに多く居て、ある意味政権政党の遺伝子を宿していたはずなのですが、いざ政権を奪取してみると、何故にあのような結果になってしまったのでしょうね。
投稿: qur | 2018年5月 8日 (火) 20時27分
>「立憲民主党さんの支持者しか、組合に加入してくれなくなる。」
世論の政党支持率を考慮すると、組合に加入する方で
自民党支持者も相当数存在するはずですね。その方々から
見て、支持しない政党をなぜ自分が組合費を払っている
団体が支持し、またそれを助ける活動するのか。理解する
のは難しいですね。幹部の方が、どれほど正当な手続きを
経て決められたことだと言われてもです。
実際に国会において正式な手続きを経て採決した法案に
対して反対する団体がいますね。この例を考えると組合
の決めたことに組合員が反対するのも問題ないことですね
もっとも、組合の方には、正式な手続きを経て決めたこと
に反対するなら、組合から出ていけと言われる方もいる
ようなので、難しい話ですが。
投稿: nagi | 2018年5月 9日 (水) 10時20分
>「立憲民主党さんの支持者しか、組合に加入してくれなくなる。」
自分で言っておいてアレですけど、当分の間(相当長期)は、そういう事態にはならないと思っています。
旧総評系の組合の職域の特性からして、急激に組織率が下がることは考えにくいので。
※今、急激に下がるとすれば、大量脱退ですから。
ただ、新規加入率の低下から、組織率の低下トレンドが続いて、最終的に安定するのが政党支持率近傍だろうという印象です。
歴史的経緯からして、旧総評ってのは「社会党を応援する”政治的団体”」という側面が強かったですからね。労働運動の主体としての労働組合というよりは。
> 正式な手続きを経て決めたこと
いわゆる「組合の統制権」ですが、まぁ一定の正当性のある事なんで。
政治活動についてどこまで及ぶのか?というのは、幾つかの学説や裁判例がありますけど、万能の基準はないわけでして。
---- 話は変わって。
労組と職員団体の違いという問題もあるんで、一括りに語るのが難しい面もあるとは思います。
例えば、地方公共団体であっても、職員団体と労働組合が両方存在するわけで、この辺りなかなか。
こちらのブログの管理人様は、職員団体の方なんで、そこの切り分けは意識して投稿したりしますけど。
労働組合全般を語るのと、旧総評系全般を語るのと、旧総評系主流派系を語るのと、それぞれ微妙に違うという。
投稿: あっしまった! | 2018年5月 9日 (水) 12時21分
そういえば…。
このブログの閲覧者各位の年齢構成とか、職業の分布とかがよく判らないのでアレなんですけど、
「総評」とか「総評系」とか普通に書いてて、意味が通じるんでしょうか?
ということを唐突に思ったんですけど、どうなんでしょうね?
よく考えたら約30年前に消滅した組織体ですしねぇ。むぅぅ。
こちらの管理人様のお立場に鑑み、敢えて「総評系の労組」を持ち出して論じてるんですけどね。
投稿: あっしまった! | 2018年5月10日 (木) 21時25分
あっしまった!さん、qurさん、nagiさん、コメントありがとうございました。
コメント欄を通し、私からお答えすべき点について即応したほうが望ましいのだろうと理解しています。それでも記事本文を投稿する週末に至っていますので、いろいろ思うことを新規記事の中で綴らせていただくつもりです。
その中で皆さんからの疑問にどこまでお答えできるか分かりませんが、ぜひ、このような関係性の場であることをご理解ご容赦くださるようよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2018年5月12日 (土) 07時30分
今更、筆足らずかも知れないことに思い至った我が身の不徳を恥じるところですが、
このエントリに関してワタクシが書き連ねた組合(及び運動体)の執行部に関する批判は、すべて、総体としての労組(若しくは職員団体及び運動体)を念頭に置いているものです。
投稿の起点としては、下っ端氏と管理人様との遣り取りですが、管理人様及びその所属職員団体を、特定して個別具体的に批判しているものではありません。
投稿: あっしまった! | 2018年5月14日 (月) 07時00分
あっしまった!さん、ご説明ありがとうございます。
私自身の問題としても受けとめながら先週投稿したような記事を綴っています。大切な論点、乗り越えるべき課題が見受けられていますので引き続き新規記事を通し、私なりの思いをまとめてみるつもりです。ぜひ、これからもご注目いただければ幸いですので、よろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2018年5月19日 (土) 06時17分