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2018年3月25日 (日)

政治と教育の関係

前回記事「再び、森友学園の問題から思うこと」のコメント欄で、letさんから「結局ポジショントークにはまっていませんかね」という指摘を受けました。前回記事の冒頭で、週に1回、このブログの更新を続けている中、なるべくポジショントークという見られ方を避けるような記述に努めていることをお伝えしていました。

その一方で、最後のほうでは、このような論調のブログ記事も「ポジショントークではないか」と批判されてしまうのかも知れません、とも記していました。案の定、letさんからそのような指摘を受けてしまった訳ですが、昨日の朝、私から次のとおりお答えしていました。

私の立ち位置は明確にしているところですが、その上で「安倍首相は退陣すべき」という言葉を強調するのみで「何が問題なのか」という理由が二の次になるような批判であれば「ポジショントーク」と見られがちになるものと考えています。特に今回の記事は「退陣すべき」という主張ではなく、「何が問題なのか」「望まれる対応や責任の処し方」についての論点を提起したつもりです。安倍首相や麻生財務相のような振る舞いを仮に政権を担う他の政治家が行なっていたとしても同様な問題提起に至っていたものと考えています。

ちなみにポジショントークの意味を調べてみると「自分のポジションに有利な情報、見通しを述べること。意図的に自分に有利なように誘導しようとしていることを意味しているが、期待感から無意識的に偏った見通しを述べていることも含んで言うことがある」と解説されています。私の立ち位置としては自治労に所属する市職員労働組合委員長の立場を明らかにし、このブログは主にその立場からの主張や情報発信が多くなっています。

そのため、基本的な視点や考え方が異なる方々からは「結局、安倍政権を批判したいのではないか」と見られてしまうこともやむを得ません。そもそも「中立」の立場ではなく、安倍政権を問題視している立場でもあり、「意図的に自分に有利なように誘導しようとしている」記述が目立っていくことも仕方がないことなのかも知れません。ただ強調したい点として、事実関係が不明瞭な場合、断定調な書き方は慎んでいます。

さらに「私自身はこのように考えています」という言い回しを多用し、あくまでも問題提起を中心にしたブログ記事の投稿を心がけています。事実関係が疑問視されている中、決め付けた批判意見を発信した場合、異なる立場の方々に対して不愉快な印象を与えかねません。もっと付け加えればポジショントークという見られ方を避けるような記述に努めていくことで、異なる立場の方々からも「なるほど」と思っていただけるような関係性につながることを理想視しています。

つまり安倍政権を支持している、支持していない、それぞれの立場に関わらず、問題視すべき点は問題視すべきであり、評価すべき点は評価していくべきものと考えています。いつも申し上げている言葉ですが、適切な評価を下していくためには「誰が」に重きを置かず、その言動や判断は正しいのか、色眼鏡を外して物事を見ていくことが本当に大切な心得だろうと認識しているところです。

このブログの新規記事は週に1回の投稿ですので、取り上げる題材は限られています。letさんから例示された年金機構の問題などすべての事象に対し、このブログで取り上げることは困難ですが「だから何か特別な意図がある」訳でないことも付け加えさせていただきます。今回の記事も取り上げる題材選びには迷いました。結局、私自身が最も驚き、このような事実関係を多くの皆さんに知っていただきながら、問題提起したい事例だと考えた題材を選んでいます。

前川喜平・前文部科学事務次官が愛知県名古屋市の公立中学校で行った授業について、文科省が名古屋市の教育委員会に対し、内容の照会や録音データの提供を求めた問題で、文科省は20日、自民党文部科学部会長の赤池誠章参院議員と同会長代理の池田佳隆衆院議員から調査実施前に問い合わせを受けていたことを認めた。

文科省が市教委に送った調査メールには、前川氏について「国家公務員の天下り問題で辞職」「いわゆる出会い系バーの店を利用」などと記載。講師決定までの経緯や謝礼の金額、動員の有無など、15もの質問項目を並べた。質問内容の異様さから、問題発覚当初から「官僚の書いた文章ではない」(野党議員)と言われてきたが、予想通り自民党議員の関与が発覚した。

ただ、20日に記者会見を開いた赤池氏は、問い合わせの事実は認めたものの「立法府の一員として、(法令が)どう運用されているかを確認するのが我々の仕事」との見解を示し、圧力を否定した。その赤池氏は、過去にも文科省に猛烈な抗議を入れたことがある。しかも、批判の対象は人気アニメ「ちびまる子ちゃん」だった。赤池氏が問題視したのは、2015年12月に公開された映画『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』。

この作品の制作に文科省は、「国際教育に対する理解・普及を図る」目的で、東宝とタイアップしていた。作品紹介のホームページには馳浩文科相(当時)もメッセージを寄せ、映画を通じて「子供たちが世界に目を向けるきっかけとなることを期待しています」と述べている。内容で特に問題を感じる作品ではなさそうだが、赤池氏はポスターに掲載されたキャッチコピー「友達に国境はな~い!」に噛み付いた。

赤池氏は同年12月3日の自身のブログで、このポスターを見た瞬間に≪思わず仰け反りそうになりました≫と批判を展開。理由は、≪国際社会とは国家間の国益を巡る戦いの場であり、地球市民、世界市民のコスモポリタンでは通用しない≫からだという。そして赤池氏は、前川氏の授業の件と同じように、文科省の担当者にキャッチコピーを決めた経緯の説明を要求。担当者からは、東宝から複数のキャッチコピーの提案があったなかで、最終的に文科省が選んだとの説明を受けた。

納得がいかなかったのか、赤池氏は≪国家意識なき教育行政を執行させられたら、日本という国家はなくなってしまう≫として、担当者に≪猛省を促しました≫と記している。赤池氏は日本会議国会議員懇談会のメンバーで、安倍政権では文部科学政務官に就いた経歴もある。2年以上前の出来事であるが、前川氏の授業への圧力と通じる姿勢に、ネット上では「戦前か!」「国際感覚が欠落している」などの批判が出ている。

赤池氏の事務所に質問状を送付したところ、書面で回答が届いた。キャッチコピーに抗議した理由について「教育行政を司る文部科学省として、子供向けとはいえ、『国境はない』という嘘を教え、誤認をさせてはいけない」「国境は歴然としてあります」と主張した。そのうえで、「私なら(キャッチコピーは)『国境があっても、友達でいよう』と名付けた」と説明。今後、同様のケースがあった場合の対応については「国民に選ばれた立法府の一員として、行政府に対して、事実確認を行い、問題提起をすることは当然の仕事」と述べている。

※[編集部注]3月23日に赤池氏の事務所から書面による回答が届いたので、回答部分を追記した。(AERA dot.編集部・西岡千史)【msnニュース2018年3月22日

前川前文科事務次官の授業に対する自民党国会議員の関与も驚いていますが、それ以上に上記の報道にあるとおり「友達に国境はな~い!」というアニメ映画『ちびまる子ちゃん』のキャッチコピーに抗議した話を耳にし、いろいろな意味で驚いていました。このキャッチコピーに対し、猛然と抗議する感覚や姿勢に驚きました。さらに今回明らかになっている話が2年以上前の出来事だったことに驚きました。

私が気付かなかっただけなのかも知れませんが、なかなか物議を醸すような話だったように思っています。前川前次官の授業に絡んだ報道の際、自民党文科部会の部会長である赤池誠章参院議員について、文科省職員の「赤池さんの問い合わせには特段気を配るように言われている。部会長だから通したい法案の決裁権を握られていて、なるべく早く対応するようにと言われている」という声が伝えられています。

このような声を聞くと、赤池議員は日常的に文科省に対して事細かく、ご自身の意に反した事案について問い合わせや再検討を求めていたのだろうと思われます。赤池議員としては「事実確認は国会議員の仕事で、それを圧力と言われたら我々の仕事はできなくなる」と説明しています。その説明に対し、土曜夕方の『報道特集』の中で前川前次官は次のように語っていました。

自分たち自身が不当な支配になり得る存在だと認識しなければならない。国民の代表だから、選挙で選ばれたから、あるいは多数決で決めたから、と言うことで土足で教育の内容に入っていって良いかと言えば、それはできない。やはり政治と教育の関係がどうあるべきか、基本的な認識が欠けていると思う。

前川前次官は色眼鏡をかけて見られることが多くなっているかも知れませんが、「誰が」に重きを置かず、上記の言葉は受けとめていかなければならないはずです。教育基本法第16条で「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない」とされています。

最後に、今回の記事では「政治と教育の関係」に絞って「友達に国境はな~い!」の話を取り上げてみました。機会があれば政治と行政全般との関係についても掘り下げてみたいものと考えています。

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コメント

一年以下の懲役。
一年以下の懲役なんですよ。

犯罪なんですよ。

犯罪の目撃証言があるのなら、調査しないと。

(特定の政党を支持させる等の教育の教唆及びせん動の禁止)
第三条 何人も、教育を利用し、特定の政党その他の政治的団体(以下「特定の政党等」という。)の政治的勢力の伸長又は減退に資する目的をもつて、学校教育法に規定する学校の職員を主たる構成員とする団体(その団体を主たる構成員とする団体を含む。)の組織又は活動を利用し、義務教育諸学校に勤務する教育職員に対し、これらの者が、義務教育諸学校の児童又は生徒に対して、特定の政党等を支持させ、又はこれに反対させる教育を行うことを教唆し、又はせん動してはならない。
(罰則)
第四条 前条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。

投稿: | 2018年3月25日 (日) 17時16分

2018年3月25日(日)17時16分に投稿された方、コメントありがとうございました。

どのようなことを問題視されているのか推測できますが、もう少し分かりやすく記していただければ幸いです。加えて、単に忘れただけなのかも知れませんが、コメントを投稿する際、名前欄の入力にもご協力ください。

投稿: OTSU | 2018年3月25日 (日) 21時27分

えっと、

義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法(昭和二十九年法律第百五十七号)

でしたっけ?

投稿: | 2018年3月25日 (日) 21時37分

管理人様&閲覧者各位

誠に申し訳ありません、2018/03/25-21:37の投稿は、ワタクシHN:あっしまった!の、えっと、タブレットの操作ミスによるものです。

キーボードとマウスが無いと、ダメダメでして。
なれないことはするモノじゃ無いなぁと、反省中です。

本来書きたかったことは、

----------------
えっと、

義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法(昭和二十九年法律第百五十七号)

でしたっけ?
普段あまり接してない法律の条文だけ裸で引用されると、なかなか文意が掴みにくいというか。

----------------

というものでした。
重ね重ね、面目次第もございません。

※なお、2018/03/25-17:16の投稿は、ワタクシによるものではありません。投稿者のIPアドレスの見えない閲覧者各位宛、念のため。

投稿: あっしまった! | 2018年3月25日 (日) 21時46分

HN不明の方の引用されているのが何の法律なのかわかりませんが、おっしゃっているのは、この夕刊フジの記事のことでしょうか。

<https://twitter.com/sankei2017/status/977098633177788418>

だとしたら、この記事にある「授業改革フェスティバル」は、もともと愛知県の私学教員対象のイベントのようです。(主催は愛知県私立学校教職員組合連合)

<http://shikyouren.jp/kaikaku/>

教員以外に生徒や父母、市民なども自由に参加できるようですが、高校生限定対象ではないので、HN不明の方引用の法律には触れないと思われます。

<追記>
以上のことを書いて投稿しようとしたら、あっしまった!様のコメントが。
それによるとHN不明の方の引用していたのは義務教育に関しての規定のようですが、いずれにしても生徒対象のイベントではないので、懲役云々という話にはならないのでは…と思います。

投稿: 対人手当 | 2018年3月25日 (日) 22時09分

天下りに関与しまくって処分され 貧困調査って出会い系で物色されてた変態オヤジが何を教育するんですか?
まじめに気持ち悪いんですかw

投稿: はぐれ猫 | 2018年3月26日 (月) 00時54分

最近のニュースで政府が放送法4条を撤廃し、新規参入を
増えるように規制緩和に乗り出すとのことですが、地上波
のテレビ局は全て報道しない自由を行使した。
結局のところ、日本の新聞もテレビ局も自分たちは規制に
守られてぬくぬくしながら好きなことをしたいのが本音
ですね。これで報道の自由とか笑ってしまう。
日本の報道の自由が72位との記事が以前ありましたが、
放送法4条の撤廃はだれもが賛成しますよね。これ報道した
ら世論の多数は賛成しますよね。だから報道しないのでしょう。

現在のように中立のように装いながら偏向した番組を垂れ流す
より、はっきりと政治的スタンスを表明するほうが健全です。
今のテレビは選択肢も少ないし本当にくだらない。

投稿: nagi | 2018年3月26日 (月) 10時17分

証人喚問は予想どおりくだらない政治ショウでしたね
ただ、野党が証言を拒否したことを非難してましたが、
これは憲法で定められた証言拒絶権ですね。ならば
日頃立憲主義とか喧しいのに、批判するのはお門違いと
言うものです。どちらにしてもくだらない政治ショウは
これで終わりにしてほしい。

投稿: nagi | 2018年3月27日 (火) 16時21分

前回、疑問符をつけた形で投稿しましたので、改めて確認した情報として。
このエントリのコメント欄に最初に投稿された「条文」は、「義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法の第3条及び第4条」に間違いありません。

投稿: あっしまった! | 2018年3月27日 (火) 20時11分

野党の目的が、「国民のための政治」では無いですからね。
自分たちが少しでも勢力を伸ばすこと、ただこの1点のみを目的としているので、まともな議論や証人喚問など出来ませんよ。

本当に国民目線の政治を謳うなら、真に必要な法案は、ちゃんと委員会で審議して修正すべきは修正して可決させなくちゃ。

この前も書きましたが、野党のネタというかタマは、結局は「それ」だけですか?

投稿: 下っ端 | 2018年3月27日 (火) 21時28分

こんばんは。
あなたは官僚の天下りを”大した事ではない”と思っておられるようですね、
まぁ、左翼は安倍首相を叩ける物は何でも利用するか(笑)
平気でこんな事をする人間に授業させる方が問題だと思いますが。

投稿: す33 | 2018年3月30日 (金) 21時51分

あっしまった!さん、対人手当さん、はぐれ猫さん、nagiさん、下っ端さん、す33さん、コメントありがとうございました。

一点、補足させていただきます。文科省の質問に対し、名古屋市教育委員会は「天下り問題は、文科省ひいては国家公務員全体の問題であると認識しています。また、バーうんぬんについては、良心的な目的であったことが報道されています。いずれも今回の講演を依頼する障害になると考えませんでした」と答えています。
http://www.chunichi.co.jp/ee/feature/maekawa/index.html

この回答に関しても人によって評価は分かれるのかも知れません。ただ今回の記事本文の冒頭でも綴っているとおり「誰が」ではなく、その政治家の教育への関与は正しい行為なのか、その行為に対する論評は適切なのかどうか、固有名詞を取り外して物事を評価していくことが必要だろうと考えています。

コメント欄での管理人からのきめ細かい対応がなく、いつも恐縮しています。それでも多くの方から多様なご意見を伺える機会はたいへん貴重なことだと思っています。ぜひ、お時間等が許される際、一人でも多くの方からコメントをお寄せいただければ幸いですので、これからもよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2018年3月31日 (土) 06時27分

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