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2017年10月 1日 (日)

衆院解散、対立軸の明確化を切望

衆院の解散が決まりました。投開票日は10月22日です。疑惑隠しや大義のない解散などという「入口」に対する批判の声が上がっていましたが、選挙結果という「出口」が今後の日本の進路を大きく左右する様相を見せつつあります。希望の党が立ち上がり、民進党が事実上解党される動きに至っています。先週月曜以降、日々情勢が変化していますが、ここまで波乱含みのシナリオを誰も予想できなかったのではないでしょうか。

民進党の執行役員会が開かれ、前原代表は、「希望の党と一緒に今回の選挙戦を戦っていく」と述べ、衆議院選挙の候補者について、希望者は全員、東京都の小池知事が代表を務める新党「希望の党」から立候補させたいとして、事実上の合流を提案しました。一方、菅官房長官は、臨時閣議のあとの記者会見で、「選挙の直前になって政党がいろんな組み合わせを行っていくことは、かつて何回もあったことだ」と批判しました。

第194臨時国会は28日に召集され、衆議院では、民進党と共産党が、臨時国会の冒頭で衆議院を解散するのは認められないとして、議院運営委員会の理事会を欠席し、本会議にも出席しない方針です。与党側は予定どおり、正午から衆議院本会議を開会することにしていて、本会議では大島議長が解散詔書を読み上げて、衆議院は解散される運びです。

こうした中、民進党は28日午前、党の執行役員会を開きました。この中で前原代表は「今回の衆議院選挙では民進党として公認は行わず、『希望の党』と一緒に選挙戦を戦っていく」と述べ、選挙の候補者について、希望者は全員、東京都の小池知事が代表を務める新党「希望の党」から立候補させたいとして、事実上の合流を提案しました。

このあと開かれた党の常任幹事会でも、前原氏は、「安倍政権を終わらせることと、もう一度、政権交代可能な二大政党制を作りたいという思いで、具体的な提案をする。すべて、皆さんと築いてきた、われわれの目指す社会像と政策を実現するためだ」と述べたうえで、みずからの考えを説明し、理解を求めました。

民進党内では、「希望の党」に参加するため党を離れる動きが続いていることも踏まえ、「安倍政権に対抗するため、やむをえない」として、前原氏を支持する意見が出ている一方で、党の存続に関わるだけに、「到底、受け入れられない」と反対する意見や、戸惑いの声も聞かれます。このため、28日の党の会合で、前原氏の説明に党内の理解が広がるのかがポイントになります。

さらに、「党どうしの合流はありえない」としてきた小池知事が、民進党から実際にどの程度の候補者を受け入れるのかも未知数で、今の段階では合流の規模は不透明です。民進党と「希望の党」の連携について、菅官房長官は臨時閣議のあとの記者会見で、「選挙に勝つために政党が直前になっていろんな組み合わせを行っていくことは、かつて何回もあったことだ」と批判しており、衆議院の解散を前に、早くも、与野党の動きや発言が活発になっています。

民進党の前原代表は党の代議士会で、「ようやく国会を開会すると思ったら一切の議論もせずに解散し、議論も封じる。議会制民主主義を無視した冒とくだ」と批判しました。そのうえで、前原氏は「ピンチはチャンスで、絶好のチャンスが来た。日本の上空を旋回している空気を一身に集め、政権交代に持っていくため、これからも一致した行動をお願いしたい。国民に新たな選択肢を示し、「1強多弱」を終わらせるため、力添えをお願いしたい」と述べました。【NHKニュース2017年9月28日

今回の記事は事実関係の記載を中心としながらも、今後の情勢の変化に関わらず強調できる私自身の問題意識を添えさせていただくつもりです。このブログを通し、「誰が」や「どの政党が」に重きを置かない思考に努めたいという心構えを訴えています。まさしく、そのような心構えが重視される中、より望ましい「答え」を探る局面を迎えているものと思っています。

衆院の解散直前、前原代表は「安倍政権が続くことは、日本にとっての不幸であり、体を呈し、どんな手段をもってしてでも、安倍政権を止めなければならない」と繰り返し訴えていました。このようなフレーズがメディアから頻繁に流されていましたが、なぜ、そうすべきなのかという理由はあまり報道されていませんでした。そのため、安倍政権を倒すことのみが目的化されているような印象を抱き、幅広い支持を得られにくいフレーズであるように感じていました。

今回の判断の主たる目的は、この選挙で安倍政権を終わらせることです。アベノミクスは、一般の国民の皆さんの暮らしの改善には繋がらない反面、その極端な低金利政策や放漫財政は非常に危険であり、何かのきっかけで皆さんの暮らしを崩壊に追い込む可能性があります。自衛隊や日米同盟の強化は必要ですが、そのために憲法違反の法律を強引に成立させることは許されません。森友・加計問題にみられるように、情報を隠し、国民に全く説明をしない姿勢は民主主義を否定するものです。国民生活を脅かし、憲法を軽視し、民主主義を否定する安倍政権を一刻も早く終わらせることが、わが国政治の最大の課題だと私は確信しています。

上記は民進党のHPに掲げられていた前原代表の「党員・サポーター、そして国民の皆様へ」から抜粋したものです。前原代表が指摘する理由の妥当性について個々人で評価は分かれるのでしょうが、このような説明がセットであれば「安倍政権が続くことは日本にとっての不幸」というフレーズも違った印象で受けとめられます。メディアの切り取り方の問題もあろうかと思いますが、広く支持を得られるかどうかはリーダーの短い一言一句に大きく影響していくことも確かです。

民進党は30日、各都道府県連の幹部を集めた会議を党本部で開いた。希望の党の小池百合子代表(東京都知事)の民進党出身者を選別する方針への反発が相次ぎ、「民進党公認の道を開くべきではないか」(北海道連)との意見も出た。希望の党への不参加を表明する民進党前衆院議員も続出している。全員合流は困難な情勢で、民進党の一部が残留し、分裂するのは避けられない見通しとなった。

会議では28人が発言し、2時間の予定が3時間半に延びた。前原誠司代表は「民進党独自で乗り越えられるならば、こうした選択肢はなかった」と合流に理解を求めた。しかし参加者からは「憲法と安全保障法制が踏み絵になって候補が選別される」(三重県連)など疑問の声が続いた。前原氏は選別を巡る希望の党側の発言について小池氏に抗議したとしたうえで、「小池氏とは対等の立場で話しており、全員を公認候補にしたいと申し出ている。一両日中に方向性を示したい」と説明。両党の合意がない限り、一方的に排除されることはないと強調した。

前原氏の説明にもかかわらず、県連幹部から「結局全員は行けない」との懸念が出るのは、希望の党が着々と選別を進めているからだ。希望の党の若狭勝前衆院議員は30日、記者団に10月2日にも50人強の第1次公認を発表するとし、内定者に連絡したと明らかにした。第1次公認には民進党前職は含まれず、民進党前職の選挙区にも希望の党の独自候補が内定していると述べた。このため、民進党内では合流に見切りをつけ、無所属出馬や分党・新党結成など、前原執行部とは別の道を探る動きが加速している。

辻元清美幹事長代行(大阪10区)は党本部で記者団に、「私はリベラルの力の重要性を信じている。だから(希望の党には)行かない」と述べ、無所属で立候補する意向を表明。赤松広隆元農相(愛知5区)は名古屋市内で記者団に「もう一つの新しい政党も選択肢の一つ」と語り、新党結成の可能性を示唆した。神奈川12区から出馬を予定している阿部知子副代表も街頭演説で「(希望の党とは)組めない」と語った。連合の神津里季生会長は30日、党本部で前原氏と会い、合流希望者全員が公認を得られるようにすべきだと伝えた。会談後、記者団に小池氏の選別方針について「おかしい。できるだけみんなが行くことが望ましい」と不快感を示した。【毎日新聞2017年10月1日

前原代表の「どんな手段をもってしてでも」という言葉は希望の党への合流という大胆な決断を想定したものだったようです。諸手を挙げて賛同できる提案ではなかったはずですが、憲法を軽視し、財政再建に消極的な安倍政権を倒すためには欠かせない苦汁の判断として民進党国会議員の皆さんは受け入れていったのではないでしょうか。しかし、上記報道のとおり「憲法と安全保障法制が踏み絵になって候補が選別される」という事態となっています。

希望の党、早々に原発ゼロという基本方針が示されていたため、自民党との対立軸を明確化していく方向性を期待しました。さらに民進党が合流することで、よりいっそう安倍政権の立ち位置から距離を置いた政党になっていくことを願いました。前回記事「安全保障を強い言葉で語ることの是非」に記したような論点など安倍政権の何が問題で、新しい党はどのような姿をめざすのか、対立軸が明確化されることを望んでいました。

しかし、たいへん残念ながら今のところ希望は失望に変わりつつあります。護憲か改憲かという問いかけよりも、日本国憲法の平和主義の「特別さ」を維持することが望ましいのかどうかという論点だろうと思っています。2年前に成立した安保関連法は違憲の疑いがあるため、見直しが必要という判断は民進党全体で決めている方針です。このような経緯がある中、現行の安保関連法を認めるかどうかという「踏み絵」であれば民進党議員の合流を初めから拒んでいることと同然です。

憲法や安保関連法の問題は国民の中でも「答え」が大きく分かれる重要な選択肢だと言えます。それにも関わらず、自民党の強力なライバルとなりそうな希望の党が自民党と同じ選択肢しか示せないのであれば国民にとって望ましい話ではありません。さらに安倍政権に「NO!」という意思を示したつもりで希望の党に一票を託した結果、自民党の補完勢力だった場合や、もっと右寄りで問題ある政権を生み出してしまうようでは本末転倒なことだろうと危惧しています。

公示日に向け、まだまだ様々な動きがあろうかと思いますが、安倍政権との対立軸が明確化された選挙戦の構図に至ることを切望しています。私自身の問題意識を少しだけ添えるつもりでしたが、踏み込んだ記述も目立つようになっています。今回の記事内容は、あくまでも現時点での情勢を踏まえた個人的な感想や要望です。週明けに開かれる連合や自治労の機関会議で衆院選挙に向けた対応方針が確認されます。私どもの組合員の皆さんに対しては職場委員会や組合ニュースを通し、組合の考え方を示させていただく予定です。

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コメント

まだ公示前だし、思い切って言い切ってしまいますが。
※「公示」で良いよね、確か。国政だからさ。「告示」じゃなくて。

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そもそも、「政党」という概念というか、用語の定義からすると、

安保とか憲法とか、政治上のコアな概念で180度方向性の違う、社会党系と民社党系(あるいは現実的な論調の一派)が一緒にいた、今までの民進党さんのありようが異様だったわけで。

希望の党さんの、「安保と憲法で主義主張が一致する人だけ参加して貰う」ってのは、「政党」というものの意味する所からすると、「当然至極」でしかない。

希望の党さんや小池氏・前原氏の今回の言動・政策・政治的思想についての是非・賛否の別は置いておいて。

※同じことは、「連合」さんにも言えて、総評系と同盟系が一つ屋根の下に居るという今のあり方が「政治的には、ある意味で、不可思議」でしかない。
純粋な労働運動としてなら、あり得るだろうが、政治運動としての側面が強く現れている(というか、政治運動としか見えない)現状では、もう「そもそも一つの組織として成立するはずがない」としか言い様がない。という印象。

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で、今回の顛末、民進党さんの自業自得としか思えない。

「疑惑の成立に根拠は不要」とか「裁判の立証責任と、行政府の対応義務を混同している。」とか、
「現を抜かしてモリカケに没頭してるからこうなる。こうなるべくして、こうなった」としか言い様がない という印象なんですよねぇ。

「違うだろ、違うだろ、この 0x41 0x48 0x4F ~~。だから言わんこっちゃない。」

民主党(当時)さんが、政権を取る前にも、政権を降りたときも、今に至るまで、ずっと忠告してきたのに、何やってるんだか。
政策は支持していないが、「まともな野党が必要で、民主党さんがまともな野党であるためには?」って論点でずっと発言してきたのに。

※0x 云々は、ASCII Code の hexadecimal 表記 on "Program Language C" 一応、自己規制。

投稿: あっしまった! | 2017年10月 1日 (日) 17時48分

ありゃ、
"Program Language C" ではなくて、
"Programming Language C"だったかも。
というか、多分"Programming Language C"だな。

「0x41 0x48 0x4F ~~」はワタクシかもな。
あんまり、他人様のことは言えないなぁ。(ポカッ☆

投稿: あっしまった! | 2017年10月 1日 (日) 17時52分

あと、「排除の論理」ってのは、

民主党さんの結党時(民進党になる前の、自由党さんと合流する前の最初の民主党さんの結党時)に、参加希望者の選別・排除が行われたという歴史的な事実があるじゃないですか。

当時の新語・流行語大賞の候補として「排除の論理」と「友愛(リベラルとは愛だ!)」っていう言葉があった位で。

そんなわけで、「自分たちが最初に行ったことを棚に上げて、排除の論理を批判するなんて、何を今更・身勝手なこと言ってるんだか。因果応報・自業自得だろう。希望の党さんを批判できる立場かっての。我が身を振り返って反省するのが先だろう」って印象でして。

いろいろな意味で、0x41 0x48 0x4F 0x75 という印象しか…。

投稿: あっしまった! | 2017年10月 1日 (日) 19時34分

で、「アベノミクスの継続が国民にとって不幸」なのだとして、
では「代りに何を行って国民を幸福にするのか」を提示できなかった時点で、民主党さんの支持は伸びません。

国民が野党に求めているのは、「自民党(与党)や総理を批判すること」ではなく、
「自民党(与党)や総理と異なる手法で、以下に国民生活を豊かにしてくれるのか、その政策手段は何かを提示すること」を求めているわけです。

そこを根本的に誤解してるから、どれだけ総理や与党の支持率が下がっても、民進党さんの支持率が伸びず、選挙の展望も開けなかったんですよ。

前回、「政権交代を目的にした」結果、何が起きたか?を国民は知ってしまってますからね。

今回の前原氏の言動も、「結局は、政権交代を目的にしている だけに過ぎない」のは明々白々だったわけで、

そんなことでは、仮に「前原氏の意図する所が正しく伝わった」としても、
むしろ、「正しく伝わったが故に 拒絶される」結果にしかなりませんよ。

国民が民進党さんに求めたのは「政権交代を手段として、どんな社会を構築しようとしているか?どんな社会を目的としているのか?を示して貰うこと」だったのであって、「政権交代を手段とすること」では決してなかったんです。

民進党さんは、何かにつけて「伝わらなかった」ことにするのが得意だったのですが、「伝わったからこそ、拒絶された。支持されなかった」という発想に至らないというか、そういう現実から目を背けてきたというか、どれだけ忠告してもそういう被害者意識というか、甘えというか、そういう根性から抜け出せなかったでしょ。

それが、最後まで判ってなかったところが、自業自得なんですよ。

これらは当事者である民進党産の議員さんだけでなく、主たる支持者にも言えることだと思いますけどね。

いろいろな意味で、0x41 0x48 0x4F 0x75 という印象しか…。

投稿: あっしまった! | 2017年10月 1日 (日) 21時10分

事故レスです。m(__)m

× 国民が民進党さんに求めたのは …中略…
「政権交代を手段とすること」では決してなかったんです。

○ 国民が民進党さんに求めたのは …中略…
「政権交代を目的とすること」では決してなかったんです。

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要は「自分たちがやってきたこと、訴えようとしていること が、正しく伝わった結果として、拒絶されている」ことを受容できなかった時点で終ってるんですよ。

政権交代を「目的にすること」しか出来なかった時点で、アベノミクスを止めることは出来なかったわけで、それが出来ると考えた時点で、自身に対する過大評価だったのだと思いますけどねぇ。

投稿: あっしまった! | 2017年10月 1日 (日) 21時34分

あっしまった!さん、コメントありがとうございました。

今回、メディアの記事等の紹介が中心だったため、私自身の言葉は普段の記事に比べれば少なめでした。あっしまった!さんのコメントを受け、もっと多くの言葉を書き足すべきテーマだったろうと思っています。機会があれば次回以降の記事を通し、補足できればと考えています。

投稿: OTSU | 2017年10月 1日 (日) 21時46分

私は、かつての民主党の政権奪取は、自民党に代わる代替政策が支持された結果だと考えています。
その政策は「国には埋蔵金がある。事業仕分けでそれを洗い出し、増税せずに国民の福祉を向上させる」というもの。
で、やらせてみたら、埋蔵金はなかった、事業仕分けで重要施策に遅れを取るようになった、結局は消費税増税せざるを得なかった。
当時の野田首相は、民主党が下野することを覚悟して総選挙に臨んだ。
国民の期待に応えられなかった政権は、予想通り下野した。
こういった経緯かと。

しかし考えてみれば「埋蔵金」なんてものを期待した国民の方もどうかなあと思う訳です。夢を見すぎたんじゃないかと。
美味い話に乗ってみたはいいが、やっぱり失敗だった。じゃあ次は選択肢ないよね、となるのは当然で。

なので今回の選挙、事前の予想を外れて流動化する政局や、勝負に出た人間ドラマとしてはとても面白いし、たぶん投票率も上がるのではと思いますけれど、希望の党が「消費税増税凍結」した上で、どうやって経済成長拡大、将来の不安の払拭、貧困問題の解決等々を実行するのか、我々はその具体的な政策案を吟味しなければいけないと思いますね。

あるいは、選挙結果によっては、票が分散し、カオスな多重連立政権となることも十分考えられます。そうなると、重要政策が宙に浮く状態が予想されますので、今後数年の国政停滞も覚悟しなければならないかもしれません。

私はどちらかというと経済政策優先派で、憲法改正云々はあまり気にしていないので、次の政権による施策が、経済停滞を招かず、憲法改正についても多重連立のため調整がつかず、結果として先走りしない、というのであれば、それはそれでいいんじゃないか、とも思っていますが。

投稿: qur | 2017年10月 1日 (日) 22時39分

民主党政権の悲劇は、ワタクシが自身の体験から思うには、
当事者(民主党さんの議員さんも、候補者さんも、コアな支持層の皆さんも)の皆さんが、
「夢を見ていて、現実を見ていないことに、まるで、気づいていなかった。」ことにあると思うんですよ。

国民の多くは「騙された・裏切られた」という感覚なんですが、当事者自身に「騙している自覚も、裏切っている自覚もなかった」んですよ。
むしろ、本気で、100%真剣に「自分たちの脳内世界を前提にした脳内妄想が、現実世界を前提にした現実に適用できる」と信じてた印象すらある。
それが最大にして最高の悲劇です。もはや喜劇の世界でもある。

自分たちの言葉は「魔法の言葉」であって、「唱えれば現実世界はそうなる」みたいな、厳しい言い方をすると「幼児的万能感 or 幼児的全能感 と呼ばれる何か」の虜になっていて、そのことを自覚していなかった。

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政権を取って、こういう政策を実施したいってのは、ある意味「理想」なんですよ。
で、政権をとって「理想を実現する」ってのは、すなわち「現実と理想のギャップを、埋めていく作業の連続」なんです。政権運営ってのは「そういう、理想と現実のギャップを一つずつ埋めていって、パズルを完成させる」って行為なんだと。

ところが、当時の民主党産関係の当事者は、「現実世界における日本の現状をまるで判ってなかった」んです。
当事者の頭の中では、「現状は○○で、理想は△△で、ギャップは□□だから、アレをこうしたら、○○になる」って理屈があるにはあったんですよ。
でも、当事者の思う「現状は○○」ってのが、「所詮は彼らの脳内世界の中の日本であり、脳内世界の国際社会」でしかなかったんですよ。

現実世界の中の日本や国際社会の状況を××とすると、それを○○だと認識してたわけ何ですから、上手く行くはずがないんです。
○○を前提に△△を導く手段を◎◎だとすると、手段◎◎が正しくても、前提が××であれば、結果は上手く行かない。
それだけのことなんです。

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××を○○と誤認するような状況では、現実に政権を取っても上手く行かないのは目に見えてる。
政権交代を成功させる為にも、前提となる現実認識の誤りを解かないと、政権を取ってから大変なことになる。

そういう問題意識の下、ひたすら現状はこうなんですよ。今の現状認識では失敗しますよ。乗り越えるべき理想と現実のギャップは、思っておられるほど軽くも浅くもないんですよ。って可能な限り説明したんですよ。
「コレをこうしたらアレがあぁなって、アレをあぁしたら他がこぅなってって…」感じで、だから「コレをソレとアレとドレとを解決しないといけなくて」みたいに、可能な限り具体的に。
ところが、当事者はそろいもそろって、「既得権益を守りたいだけ」とか「自民党の工作員」とか「民主党に政権をとられると困る人」とか「民主党をdisって喜ぶ人」とか、まぁそんな応答しか帰ってこなかった。

もう、最初から絶望的な状況だったんですが、そのまま選挙が終って、政権が交代して…。

んで、大震災が起きたり、尖閣の国有化を - よりにもよって、盧溝橋事件の起きた日に発表したり - して、もう想定外に洒落にならなかったわけで。

「失敗すべくして失敗した」とか「失敗すると判っているのに、失敗する道をわざわざ進んで(ただし当事者はまるで無自覚)、失敗した」としか言い様がない状況だったんですよ。

投稿: あっしまった! | 2017年10月 1日 (日) 23時25分

間違えたっ。大間違い。

尖閣の国有化を発表したのは、- 柳条湖事件の起きた日 - でした。
[盧溝橋事件の起きた日]というのは、間違いです。
この点については、ワタクシの投稿内容の誤りです。お詫びします。

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で、
柳条湖事件というのは満州事変の端緒であり、昭和20年8月迄続く日本との戦争の端緒に当るんです。
共和国政府にとって、あるいは国民党政府にとっても、柳条湖事件ってのはそれくらいの重みがある。

日本では、盧溝橋事件が重要視されるし節目として認識される傾向があって、柳条湖事件は比較的重要視されない。
でも、共和国政府にとっては、そんなことはないんです。文字通り「日本との15年戦争の端緒」と位置づけられる重要な日です。

そんな日に、しかも80年の節目の年に、相手方目線でいう「領土紛争の対象地」を云々したら、洒落にならんでしょう。火をつけるような所業ですよ。

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民主党政権は、日米関係より日中関係を重視する方向性が強かったのに、そんな基本的なことも考慮してないんですから。
微妙な問題を、わざわざ相手方の心象を硬化・激化させるようなやり方をしてどうするんだって言う。

日中関係についても、現実が見えてなかったんでしょうね、「夢中の事の如し」であって。

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政権運営ってのは、理想に向けて、複雑に絡まった現実社会を一歩ずつ進めていく、少しずつ不都合や摩擦を解消しつつ現実を動かしていく。
そういう、理想が高いほどに困難な道のりなんですけどね。

脳内世界を前提にして立てたプランで、現実世界が思うように動いていくはずがないんですよ。

政権交代前の高揚感の中(酔ってる状態)のみならず、政権交代後にあってさえ、現実的な忠告にはまるで耳を貸して貰えなかったもんなぁ。

現状は必然の帰結だと思うんですよ。
恨み辛みを言ってるつもりはないんです。
「あぁ、やっぱりなっ」っていう淡々とした感情しかないですので。

投稿: あっしまった! | 2017年10月 2日 (月) 00時00分

ようやく民進党もずっと指摘されていた解党的出直しでは
なく、解党して出直しになるようですね。
毎回ごたごたして纏まらないより、基本政策が一致する人達
が集まるほうが健全でかつ国民に判りやすいでしょう。
その結果として、どの党に支持があつまるかとても興味が
ありますね。

日本の場合、世界の保守対リベラルという構図ではありま
せんが、どのように対立軸を出すのかたのしみですね。

投稿: nagi | 2017年10月 2日 (月) 08時08分

今回の民進党さんの各立候補予定者(元衆議院議員)の迷走ぶり(報道される個々の元職の言動)をみてると、「新社会党」のみなさんは、筋が通ってるなぁなんて、ちょっと見直したりして。

※「新社会党」:国政政党でなくなって久しいが、一応一部の地方議会に議席がある。社民党から分裂した旧社会党の一番左側の集団。

※掲げておられる政策には、まるで賛成は出来ない(というか、全否定に近い)けど、党員の皆さんの政治的信念に殉じる姿勢(ブレのなさ)は評価できるとは思う、けふこの頃。

まさか、ワタクシがこんな風に新社会党の皆さんを評価する気分になるとはねぇ…。

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日本の「リベラル」って、かなりガラパゴスな定義なんでねぇ。
語源に忠実な「リベラル派」・世界標準な「リベラル派」の政党が日本にはないからなぁ。

同じく、日本の社民党が掲げる「社会民主主義」って、かなりガラパゴスな定義なんでねぇ。っていうか、本来のそれとは180度くらい違う。
語源に忠実な「社会民主主義」政党が日本にあればなぁ。

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社会主義者や共産主義者、いわゆる「進歩派」を、ソ連以下いわゆる東側の崩壊後に、「社民主義者」とか「リベラル派」とか、そういう借りてきた言葉でオブラートに包んだせいで、すっかり忌避される政治的な用語になってしまったからなぁ。

日本では、今更、本来の社会民主主義政党とか、リベラル派の政党ってのは出来ないだろうなぁ。

投稿: あっしまった! | 2017年10月 2日 (月) 11時05分

リベラル派を自称する方々、本当にリベラルと言えますかね?

立憲民主党が出来るそうですが、どこをどう見ても左派にしか見えない。

右派vs左派の選挙だと思うのですが、「左派」だと国民ウケが悪いので、何となく聞こえの良い「リベラル」と自称する。
で、与党のことは「右派」と言わず「右翼」だ「極右」と言い換える。

まぁ、どうでもいいことですけどね。
全ては結果が物語ってくれるでしょう。

さて、現与党と希望の党で8割くらいは行くのではないかと
思われますが、その際に護憲派はどうするのでしょうかね。
たった2割以下の意見をもって、少数意見を尊重しろと言うのでしょうか?
国民の審判が下された結果を尊重してもらいたいです。

これも、結果しだいの話でした。

投稿: 下っ端 | 2017年10月 2日 (月) 19時39分

日本固有の「リベラル」という言葉の意味は、投票に行くような方なら、そのほとんどが正確に捉えているんじゃないかと思っています。
その上で、その「リベラル」な方々が、今度の選挙でどうなるか。
まあ、意外と個人人気で当選する人が多いような気がします。
ニンゲンという生き物がやる「選挙」って、どうしても半分は人気投票というか「この候補者の人格に投票する」という側面が生じてしまうんじゃないかと感じますね。それも込みで成り立っているのが日本社会なのでしょう。

投稿: qur | 2017年10月 3日 (火) 00時10分

日本における「リベラル」の使い方について、わかり易い記事を見つけました。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171003-00010008-agora-pol

確かに立憲民主党の方々は、中道ではないですよね。

投稿: 下っ端 | 2017年10月 3日 (火) 19時09分

あっしまった!さんの民主党→民進党の評価を読むたびに「戦後史のなかの日本社会党」(原彬久著)の中に書かれた、旧社会党が、北朝鮮有事に直面したとき、伊藤運輸大臣の「呟き」(日本の至近距離で有事が発生した場合、日本には「法的な手当」一切ないことを知った社会党の「呟き」であった。)を思い出します。「護憲派」社会党が(略)、いとも憲法に違背し諸法規を容易(緊急立法か超法規的措置しかない)に超えてしまうという風景は、実はありえないことではなかったのである。政権を分有し「現実」を掌中にしたとき、みずからの「非武装中立」が、「現実」の海に没してしまうのは全く自然のなりゆきであった。と著者は指摘しています。今後、憲法論議が少なくとも現実に対応した議論になればよいと思っていますが、どうでしょうか?

投稿: ためいきばかり | 2017年10月 3日 (火) 20時56分

いろいろと面白い言い回しが存在しますが、「自民党の補完
勢力」も興味深いですね。連立を組んでないかぎり、どのよ
うな主張をしても独立した政党でしかありません。区分は
与党と野党でしかありません。自身と意見が異なるからと
いって批判するのはともかく非難するのは異常です。

今回の選挙で与党が過半数を維持できて、希望の党と維新が
それなりの議席を有すれば、憲法改正においても野党と
合意できた主張できますね。先日までの野党4党と言っても
社民と自由は少数政党でしかありません。議席数で考える
べきでしょう。まあそれを予測して「自民党の補完勢力」
とのレッテル貼り非難ですね。

とりあえず22日までいろいろと楽しめそうですね

投稿: nagi | 2017年10月 4日 (水) 09時57分

たらればは意味がないと思うのですが、今の流れの始まりが
都知事選であることは間違いありませんね。あのときに究極
の泡沫候補である鳥越などではなく、蓮舫議員が出馬して
いれば違った結果になったであろうと思えてしかたありま
せん。まあ今更でしかありませんが。

そう言えば、希望の党の一次公認でかなりの数の元民進党の
前議員がいますが、きっと苦渋の決断で憲法違反の戦争法に
賛成する署名をしたのでしょう。(w
なんだ、選挙のためなら憲法違反も問題なしか。憲法を
守るより選挙が優先なら日頃から言えばいいのに。(w

戦争法反対!!(選挙に当選するなら)

とすれば良いでしょう。

投稿: nagi | 2017年10月 4日 (水) 10時47分

qurさん、あっしまった!さん、nagiさん、下っ端さん、ためいきばかりさん、コメントありがとうございました。

衆院選の公示直前、今週末に投稿する新規記事も政治に関する内容を取り上げる予定です。ぜひ、これからもお時間等が許される際、貴重なご意見をお寄せいただければ幸いですのでよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2017年10月 7日 (土) 06時41分

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