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2017年8月12日 (土)

会計年度任用職員

このブログで取り上げる題材に対し、実際の組合活動の中で占める割合が正比例していないことは機会あるごとにお伝えしています。最近では「改憲の動きに思うこと Part2」の冒頭で記していました。日常活動の中で職場課題を軽視している訳ではないことを皆さんからご理解いただいているものと思っていますが、久しぶりに今回、労働組合の本務に関わる話題を書き進めていきます。まずは先週火曜、人事院勧告が示されました。

人事院は8日、2017年度の国家公務員一般職の月給を平均631円(0.15%)、ボーナス(期末・勤勉手当)を0.10カ月分それぞれ引き上げるよう国会と内閣に勧告した。月給・ボーナス双方の引き上げは4年連続。民間の賃上げの動きの鈍化を受け、月給の上げ幅は16年度の平均708円を下回る。政府は勧告を受け、給与関係閣僚会議で勧告通り引き上げるかどうかを決める。勧告は民間と国家公務員の給与水準をそろえるのが目的。勧告の基準となる「民間給与実態調査」を実施し、民間が国家公務員の水準を上回った。

月給は今年4月時点、ボーナスは16年冬と17年夏が対象だ。ボーナスの年間支給月数は4.40カ月分になる。勧告対象は国家公務員だが、人事院勧告に沿って改定される地方公務員にも影響する。財務省や総務省の試算では勧告通り引き上げた場合、国家公務員で約520億円、地方公務員で約1370億円が必要になる。このほか、非常勤職員の待遇改善に向けて、忌引や結婚などの休暇を取りやすくするよう検討することなども報告した。【日経新聞2017年8月8日】

民間賃金相場の反映である人事院勧告が引き続き上昇トレンドであり、今のところ勧告内容を凍結するような動きがないことも歓迎しています。現政権の働き方改革実現会議の中で「同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善」を最も重要な目的としていることなど評価すべき点は率直に評価するように心がけています。仮に「安倍政権だから何でも反対」というスタンスだった場合、反対意見や批判内容の説得力が低下してしまうように危惧しています。

もしかすると「ご都合主義」という批判を招いてしまうのかも知れませんが、「誰が」や「どの政党が」に重きを置かない思考方法としてご容赦ください。労働組合の本務に関わる話題と前置きしながら、いつも述べているような話にそれ気味で恐縮です。さて、上記報道のとおり人事院勧告に絡む報告の中でも非常勤職員の待遇改善が課題とされています。今年3月に「非正規雇用の話、インデックスⅡ」という記事を投稿していますが、私どもの組合は多くの非常勤職員の皆さんが同じ組合員として様々な活動を進めています。

その一つとして、7月13日夜に会計年度任用職員に関する学習会を開き、70名ほどの参加を得られていました。講師は自治労中央本部の組織拡大局長にお願いしました。局長ご自身、非常勤職員として公立の図書館に勤務されていた方です。自治労での任務が非常勤職員の組織化であり、今回の法改正に際しては総務省の担当者らとの交渉窓口としてたいへん尽力されていました。今回、講師から伺ったお話や配付された資料をもとに会計年度任用職員の概要等を説明させていただきます。

教育、子育てなど増大する行政重要に対応するため、地方公務員における臨時・非常勤職員数は増加の一途をたどっています。地方公務員法3条3項3号を根拠に採用されている事務補助職員は全国で22万人に及びます。首長や委員等と同じ法的な位置付けになるため、特別職非常勤職員には一時金など手当支給に制限が加えられていました。本来、特別職とは首長や委員等の専門性の高い職であり、地方公務員法が適用されず、守秘義務や政治的行為の制限などの制約も一般職と異なっています。

このような現状を受け、総務省は地方自治体の非常勤職員の待遇を改善することを目的とし、明文規定がなかった非常勤職員の採用方法と任期などを明記する法律を準備してきました。今年5月に地方公務員法及び地方自治法の一部が改正され、今後、臨時・非常勤職員が一般職・特別職・臨時的任用の3類型に明確化されます。一般職の非常勤職員である会計年度任用職員の規定を新たに設け、手当支給等を可能とします。概要は次のとおりで施行日は2020年(平成32年)4月1日です。 

■ 地方公務員法の一部改正 【適正な任用等を確保】

  1. 特別職の任用及び臨時的任用の厳格化 ①通常の事務職員等であっても、「特別職」(臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員等)として任用され、その結果、一般職であれば課される守秘義務などの服務規律等が課されない者が存在していることから、法律上、特別職の範囲を、制度が本来想定する「専門的な知識経験等に基づき、助言、調査等を行う者」に厳格化する。②「臨時的任用」は、本来、緊急の場合等に、選考等の能力実証を行わずに職員を任用する例外的な制度であるが、こうした趣旨に沿わない運用が見られることから、その対象を、国と同様に「常勤職員に欠員を生じた場合」に厳格化する。
  2. 一般職の非常勤職員の任用等に関する制度の明確化 法律上、一般職の非常勤職員の任用等に関する制度が不明確であることから、一般職の非常勤職員である「会計年度任用職員(※)」に関する規定を設け、その採用方法や任期等を明確化する。 ※フルタイムとパートタイムがあり、前者は給料及び旅費、各種手当を支給、後者は報酬及び費用弁償、期末手当を支給する。

■ 地方自治法の一部改正 【会計年度任用職員に対する給付を規定】 会計年度任用職員について、期末手当の支給が可能となるよう、給付に関する規定を整備する。

講師のお話を伺い、このブログに何回かコメントをお寄せくださった一生非正規さんのことが思い浮かびました。今年2月の記事「非常勤職員制度見直しの動き」の中で、一生非正規さんから「雇い止めされそうです 助けて下さい」という悲痛なコメントがあったことを紹介しました。今回の法改正によって新たな根拠で採用しなければならないため、特別職非常勤職員という法的な位置付けで採用された方々が雇い止めを強いられるような動きを警戒していました。

学習会では総務省自治行政局公務員部のまとめた「会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル(案)」に沿った報告や説明が加えられました。そのマニュアルは自治労が要望した事項の大半が反映されているとのことで、全体を通して講師からは前向きな提言や情報提供が示されていました。雇い止めの心配は講師から競争試験によらず、選考で採用できるという説明を受けました。

それまでの勤務実績等を考慮し、特別職非常勤職員として採用された方々、全員がそのまま会計年度任用職員に移行できるようになっていることを把握できました。さらに「会計年度」という名称から1年ごとの雇い止めが強まるような懸念もありました。そのことに関しても名称は変えられませんでしたが、任期1年と定められていても更新は妨げられないという説明を受けています。

フルタイムとパートタイムの線引きが明確化されていますが、パートタイムに対しても自治体独自にフルタイムと同様な手当支給の道も開けているとのことです。現在雇用されている非常勤職員の方々にとって待遇を大きく底上げできる絶好の機会だと理解できました。しかしながら一方で、実際に支給するためには各自治体での条例改正が必要とされています。確かに期待や可能性は大きく広がっていますが、画餅にならないよう2020年4月の施行に向け、各自治体や団体の組合の力量が問われているようです。

具体的にどのように変わるのか、組合としてどう対処していくのか、学習会の後、私どもの組合として次のような点を確認しました。参考までに組合員向けのニュースに掲げた内容をご紹介します。今後、労使交渉で早期に大枠の方向性を確認し、よりいっそう当該の組合員の皆さんと連携を強めながら法改正に対処していきます。最後に、お忙しい中、講師を引き受けていただいた組織拡大局長、分かりやすい説明と勇気付けられるご提起、たいへんありがとうございました。

◇ 組合加入を勧めている嘱託職員の皆さんは地方公務員法3条3項3号の規定で雇用されている特別職です。今回の法改正で今後は会計年度任用職員に位置付けられる職務の方々だと言えます。7月13日の学習会の中で、競争試験によらず、選考で採用できるという説明を受けています。そのため、嘱託組合員全員がそのまま移行できるように労使協議に臨みます。

◇ それまでの賃金水準や勤務条件が後退するような移行は論外であり、期末手当の支給をはじめ、フルタイムやパートタイムに関わらず、この機会に大幅な待遇の改善に努めます。学習会では各自治体の裁量で手当支給の幅が広げられることも確認しています。施行までに条例化が欠かせず、よりいっそうの待遇改善をめざした労使交渉に力を注いでいきます。

◇ 上記概要のとおり「臨時的任用」の対象が限られるため、産休・育休の代替や業務補助的な臨時職員のあり方も見直していかなければなりません。今後、任期付短時間職員又は新たに制度化されるパートタイムの会計年度任用職員に移行させていくことになります。この機会に臨時職員の業務内容や勤務条件全般も労使協議していきます。

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コメント

まったく関係ない話題ですみませんが、このHPにも
トラックバックしている、あるサイトの有名な労働運動家の
方は、8回目の訪朝に行かれるそうです。あの国で希望を
見出すらしいですが、そのまま現地に留まればいいと
思うのですがね。

しかしかの国の軍事優先や独裁者の意向優先による
労働者が悲惨な事故や過酷な環境にいることは一切に
見えない聞こえないのでしょうね。
このような人たちの認知はどうなってるのか、本当に
気になるところですね。

長崎の慰霊の場で、政治活動する団体がいたそうですが、
本当に本当に反吐がでるくらい嫌悪しか感じませんね。

関係ない内容ばかりですみません。

投稿: nagi | 2017年8月15日 (火) 11時26分

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