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2017年3月12日 (日)

森友学園の問題から思うこと

今回の記事で取り上げる内容に対し、閲覧された方々、一人ひとり様々な受けとめ方があろうかと思います。決め付けた言い方は慎まなければなりませんが、やはり日頃から安倍首相を支持されている方、逆に批判的な見方をされている方、そのような立場によって受けとめ方が大きく違ってくるのかも知れません。このような点が顕著だった場合の発言内容はポジショントークと呼ばれがちです。

週に1回、このブログの更新を続けていますが、なるべくポジショントークという見られ方を避けるような記述に努めています。このあたりは「Part2」にわたって投稿した「何が正しいのか、どの選択肢が正しいのか」を通して綴っていました。例えば安倍首相の言動すべてを頭から否定していくようでは適切な評価を下しにくくなります。得てして個々人の基本的な考え方や立場性の違いから他者が発している言葉の背景を先入観で推測、もしくは邪推してしまいがちです。

しかしながら適切な評価を下していくためには「誰が」に重きを置かず、その言動や判断は正しいのか、色眼鏡を外して物事を見ていくことが必要だろうと考えています。そして、物事を適切に評価していくためには、より正確な情報に触れていくことが欠かせません。誤った情報にしか触れていなかった場合は適切な評価を導き出せません。また、情報そのものに触れることができなかった場合、問題があるのか、ないのか、評価や判断を下す機会さえ与えられません。

前々回記事「非常勤職員制度見直しの動き」の中で、新聞各社の政権との距離感によって報道の力の入れ具合も極端に変わることを記していました。その記事を投稿した時点では販売部数トップの読売新聞の紙面上で、国有地の売却額が問題視されている森友学園に関する記事を探すことは難しい現況でした。実際、ある方と雑談していた時、この森友学園の問題に話題が及んだ際に「何ですか、それ?」と尋ねられてしまいました。今であればテレビでも新聞でも連日、森友学園の問題を取り上げていますので知らない方のほうが少なくなっているはずです。

ちなみに安倍首相と内閣記者クラブのキャップらが赤坂の高級中華料理店でオフレコ懇談会を開いた2月27日の夜以降、読売新聞をはじめ、マスメディアすべてが森友学園の問題を大きく取り上げるようになっていました。「安倍首相が森友学園問題の報道についてクギを刺したのは疑いようもない」という見方をネット上で目にしていましたが、結果は逆の流れになっています。ただ各メディアが気概や矜持を示したというよりも、自社だけ取り上げない訳にはいかないほど国民の関心が高まっていたからだろうと見ています。

このあたりは過去の記事「卵か先か、鶏が先か?」の中でメディアが世論を決めるのか、世論がメディアの論調を決めるのかという問題意識に繋がっています。本題に入る前に長い記事になりつつあります。前回記事「非正規雇用の話、インデックスⅡ」の冒頭で「毎日のように新たな情報を耳にする森友学園の問題は様々な切り口から論点を掘り下げることができそうです」と記していましたが、今回、前述したとおりポジショントークと見られないよう事実関係の紹介を中心に様々な論点を提起させていただくつもりです。

鑑定評価額9億5600万円の国有地が、大阪市の森友学園に実質200万円で売却された問題。森友学園はこの土地に私立小学校を新設予定で、当初は「安倍晋三記念小学校」の名前で寄付金が集められていた。しかも、昭恵夫人が新設小学校の名誉校長に就任していたため、国民の疑惑の目は当然、安倍首相にも向けられている。24日の衆院予算委員会で、安倍首相は夫人が名誉校長を辞任したことを明らかにしたが、それで済む話ではないはずだ。安倍首相は24日の予算委で責任回避に終始した。

寄付金集めに自分の名前が使われたことは「大変遺憾であり、残念であるという強い抗議をした」「大きな不信を持った」。森友学園の籠池泰典理事長に対しては、「非常にしつこい中において」とか「教育者としてはいかがなものか」とまで言っていた。17日の予算委では、森友学園と籠池理事長のことを「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いている」と持ち上げ、「私の考え方に非常に共鳴している方から、『安倍晋三小学校』にしたいという話があったが断った」と表明していたのに、わずか1週間で手のひら返しの迷惑顔だ。

ベストセラー「日本会議の研究」の著者・菅野完氏は、塚本幼稚園が撮影して配布した運動会のDVDの映像を見て、絶句したという。2015年に塚本幼稚園で行われた秋の大運動会の冒頭、選手宣誓で園児がこう言っているのだ。「大人の人たちは、日本が他の国に負けぬよう、尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が、心改め、歴史で嘘を教えないよう、お願い致します。安倍首相ガンバレ!安倍首相ガンバレ!安保法制国会通過よかったです!」子どもたちはアンポの意味も分からず言わされているのだろうが、これも教育基本法に反する政治的活動に違いない。

昭恵夫人は名誉校長を辞任し、23日には森友学園のHPから名誉校長の挨拶も削除されてしまった。「隠蔽じゃないかと思った」と国会で野党議員が発言したところ、安倍首相はマジ切れ。「隠蔽というのは、じゃあ、私が隠蔽したんですか!私が森友学園のHPに対して隠蔽しようがないじゃないですか!」「レッテル貼りだ!」「公共の電波の前で私と妻を侮辱した!」と早口でまくしたて、「(隠蔽の言葉を)取り消さないと答弁できない」「まるで私が関与しているかのごとくイメージ操作を延々と、それしかないのでしょうけど、だからあなたたち(民進党)は国民からの信用を得られないんですよ」と民進党を侮辱していた。

「問題の国有地売買に関わった財務省や国交省は、森友学園との交渉や面会の記録は破棄して残っていないと言っています。これでは隠蔽と疑われても仕方がありません。首相はすぐに『私や家内や事務所が国有地払い下げに関与していたら政治家を辞める』と逆ギレしますが、本来なら、不可解な土地取引の『真相を解明する』と宣言し、関係省庁に『調査に協力するように』と指示するのが行政府トップとしての役目でしょう。やましいことがないのなら、身の潔白を証明するためにも、首相自ら率先して真相解明に動き、国民の不信を払拭すべきです。」(ジャーナリスト・横田一氏)【日刊ゲンダイ2017年2月25日抜粋

当初、事実関係について自分自身の言葉に置き換えて書き進めることを考えました。特に『日刊ゲンダイ』の記事を引用した場合、「日刊ゲンダイだから」という先入観を持たれる方が多いようであり、上記の記事内容を掲げることは考えていませんでした。それでも「被害者ヅラ」や「なんと軽い理念の共鳴か」という安倍首相を揶揄するような言葉や推論に近い記述箇所を外し、事実関係を中心に抜粋してみると上記の内容となりました。

最後に引用した社名を紹介しなければ『日刊ゲンダイ』の記事だとは思われなかったかも知れません。実は私自身の省力化(coldsweats01)も目的にした訳ですが、「安倍首相批判ありき」と見られがちな『日刊ゲンダイ』も事実関係をもとに自社の立ち位置からの批評を交えた報道に努めていることがよく分かる機会となっていました。ただ事実関係に対する評価が私自身も含め、個々人の基本的な視点や立場から枝分かれしていきがちな点があることも押さえていくつもりです。

森友学園の問題は日々、新たな情報を耳にすることができます。小学校の建築費について、府私学審議会向けに提出した資料の中で7億5600万円、小学校の施工業者には15億5520万円、国交省には23億8464万円とする契約書を提出していました。このような差異が意図的だったかどうかは確定していませんが、厳しく問われるべき問題だろうと思っています。過熱しているメディアの報道に加え、インターネツト上にも森友学園に関する様々な情報や論評があふれています。

その中で国有地の売却額に対し、森友学園の問題と同じような疑惑のある事例が見受けられるという指摘も散見しています。もし問題があるのであれば事実確認した上、同じように追及すべき話だろうと考えています。北朝鮮の脅威が高まっている時、優先順位を無視して森友問題を取り上げることの批判意見も目にしています。もちろん政策判断において優先順位は重要ですが、「だから森友学園の問題を軽視しろ」という理屈は成り立たないはずです。いろいろな主張に接している中で、自民党の衆院議員である船田元さんのブログでの指摘が冷静で分かりやすいように感じています。

大阪府豊中市で塚本幼稚園を経営する森友学園の話題が、連日のように報道され、国会でも議論が続いている。新しい小学校を作るための国有地の払い下げ金額が、評価額に比して異様に安すぎることで、政治家の関与がなかったかどうか。また塚本幼稚園の教育内容が余りにも異常ではないか。この2点にポイントが絞られている。安倍総理大臣や昭恵夫人との関連は、自ら明らかにされることだから多くは語らないが、他の多くの真面目な私立学校が、森友学園と同類項と受け止められることは堪らず、「異常な事案」として、徹底的に事実関係を明らかにしなければならない。

私は国会議員であると同時に、作新学院という私立学校を、132年間代々稼業として経営してきた。30年ほど前に4年制大学を新設するため、約5000平米の国有地を払い下げてもらった。金額は忘れたが、関東財務局から提示された価格をそのまま受け入れた。価格面での交渉は全く行わなかった。加えて大学設置認可(文部省:当時)と農地転用(関東農政局)そして国有地払い下げ(関東財務局)の決定のどれが優先されるかで、各役所間の調整が難航し、予定よりも2年遅れでようやく開校にこぎ着けたことを思い出す。多忙とストレスで担当職員1名が体調を崩してしまったこともあった。

議員の立場を利用してはいけないと、極力関連当局には顔を出さなかったが、立場上どうしても赴かなくてはいけない時は、議員バッジを付けず、議員名刺も持たずに行ったと記憶している。だから今回の国有地払い下げにおいて、財務局の提示価格の10数%だったことや、非常に短い時間で払い下げが決まったことを聞くと、どうしても特別の力学が働いたと思わざるを得ないのである。さらに報道によると塚本幼稚園の教育は、教育勅語や、中国や韓国を敵視するスローガンを暗記させるという偏向した内容であり、幼稚園教育要領を明らかに逸脱している。国論を二分した平和安全法通過に言及させる教育を、政治的素養や能力の整っていない幼児に施すことは、極めて異常である。

私の経営する作新学院幼稚園では、決してこのような偏向した教育は行なっていない。幼稚園教育要領に則り、特に自然や人間社会との関わりを重視し、自ら考え自ら行動できる子どもたちの育成に務めている。特定の価値観を、しかも暗記という方法で教え込むことは、我々の教育とは真反対にある。過去の歴史が指し示す通り、国家の崩壊は、まず教育の崩壊から始まる。私たちは決して過去の轍を踏んではならない。

船田さんは自民党の中での存在感が薄くなっているため、ある意味でポジショントークだと言われがちなのかも知れません。とは言え、自民党の現職国会議員が上記のような主張を広く発信されたことは注目すべき出来事でした。世論の圧倒多数が徹底的な事実解明を求めています。野党側からの参考人招致に対し、自民党側は「民間人の招致は慎重にしなければいけない」という説明を繰り返しています。しかしながら民間人を招致した前例は多数ある中で、このような説明では真相の徹底解明に及び腰であると見られても仕方ありません。

たいへん長い記事となっていますが、もう少し続けます。参院予算委員会で民進党の福山哲郎さんが次のような質問を行なっていました。昭恵夫人が名誉校長だったため、安倍首相らに恥をかかせないよう近畿財務局が忖度し、国有地の売買などに影響を与えたのではないかという質問でした。この質問に対し、安倍首相は「名誉校長に安倍昭恵という名前があれば印籠みたいに恐れ入りましたと、なるはずがないんですよ」と反論しています。

さらに安倍首相は「私と妻がまるで関わっているかのごとく、まるで大きな不正、犯罪があったかのごとく言うのは大きな間違いだ」と激高していました。これに対し、福山さんは「私は『昭恵夫人は被害者かも知れない』と申し上げたんです。犯罪者扱いなんかしていない。それこそ印象操作だと私は思いますよ。何をそんなムキになっているんですか」と切り返していました。ちなみに安倍首相を信奉する山本一太予算委員長が「簡潔に答弁を」と諭す場面もあったようです。

国会での質疑の中で、安倍首相は「昭恵夫人は私人だ」と言い切られていました。公人か私人か多少幅のある話かも知れませんが、公費の充てられ方をはじめ、とても私人だと言い切れるような現状ではないはずです。いずれにしても森友学園の問題で安倍首相や昭恵夫人が贈収賄に繋がるような働きかけを関係機関に行なっていないことはその通りだろうと考えています。森友学園が経営する保育園での虐待や幼稚園児に教育勅語を暗唱させているような事例も把握していなかったのかも知れません。

それでも当初、安倍首相が森友学園の教育方針や籠池泰典理事長らを称賛していたことは事実です。最近、籠池理事長の長男が父親と安倍首相との関係性などを語っていました。双方の言い分に違いがあるため、どちらかの記憶違いなのでしょうか。最後に一言、予算委員会の質疑時間に森友学園の問題が割かれることへの批判もあるようですが、後ろめたいことがないのであれば参考人招致をはじめ、より積極的に国会の場で事実関係を明らかにする努力が安倍首相には求められているものと思っています。

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コメント

森友学園の愚かな教育も、以前北海道の苫小牧の高校で
高教組の教員が学校前で安保法制反対のビラ配りをしたのも
同じように、教育の場に政治性を持ち込む愚かさをよく
示す事例と思いますね。元民主党の輿石東さんは、教育の
政治的中立性はありえないと断言されていましたね。

どちらの立場であっても、子供を利用するような愚かな
行為と属性批判だけはやめてほしいものです。

最近でも宮古島の市議が自衛隊を完全に愚弄する投稿を
してましたが、内容は完全なレッテル貼りでしかない。
さらに思うのが、この人の言うような、〇〇は〇〇だ
との言い分は、ナチスの優性思想と変わらないことに
気がつかないのでしょうか。

沖縄で発生した事件は軍人だから犯罪をしたのではなく
犯罪を犯したのが米軍所属であった。それだけが事実です
それを軍人だから犯罪をする。この思想が行きつく先は
誰もが簡単に想像できることでしょう。

あまりにも程度が低い議員が地方にも国も多いことが
現在の悲劇と思う今日このごろです。

投稿: nagi | 2017年3月13日 (月) 20時03分

> 沖縄で発生した事件は軍人だから犯罪をしたのではなく
> 犯罪を犯したのが米軍所属

その理屈はおかしい。
そもそも粗暴な連中が多い。
地位協定で日本の警察権が及ばないケースも多い。(多少改善してきたが)強姦事件でも不起訴・微罪になる事例も多い。
そもそも沖縄に基地が無ければ、米兵の犯罪もあり得ない。


まあ、軍人全てが犯罪を起こすとつい言いたくなる気持ちもわかるが、その逆もまた真では無い。事件のリスクは高くなる

投稿: sage | 2017年3月14日 (火) 12時40分

>sage氏

軍人が粗暴であれなんであれ、軍人だから犯罪すると
断言することは完全に間違った発言です。

精神異常者は犯罪する。だから全員死刑にしろ と言うのと
なんら変わらないことですがどう思われますか?

地位協定や他の改善を求めることと、レッテルを貼って
属性批判することは完全に異なることです。
リスクのみで全体を批判することは本当に本当に愚かしい
ことですよ。それこそネトウヨが言う、〇〇人の犯罪報道を
見て、〇〇人は犯罪者ばかりだ全員国外追放しろ。
それと同じにしか見えません。

> 沖縄で発生した事件は軍人だから犯罪をしたのではなく
> 犯罪を犯したのが米軍所属

私の理屈はおかしくないです。

投稿: nagi | 2017年3月14日 (火) 19時17分

>そもそも粗暴な連中が多い。
>そもそも沖縄に基地が無ければ、米兵の犯罪もあり得ない。

その理屈も、何の根拠もないですね。
では、自衛隊の基地がある周辺はどうでしょう?
米軍のある横須賀、厚木、横田などは、沖縄に比べて同じような声が圧倒的に少ないですね。

米軍が全くいない地域でも、残念ながら犯罪は発生してしまいます。日本人が起こしますから。

それに、そもそも沖縄に男性がいなければ、女性への性犯罪はなくなると思いますが。
いっそ、米軍と一緒に男性も全員撤退してもらいましょうか?

投稿: 下っ端 | 2017年3月14日 (火) 19時20分

先日の朝日新聞の記事で、韓国南部沿岸にある原発で
重大な事故が発生した場合、西日本の大部分が非難しな
ければならないとのことです。

まあ風向きを考えれば当然のことですが、日本の反原発
運動してる方は、この記事を読んで何か思うことはないの
でしょうか。日本で運動するより韓国で運動するほうが
さきなのかもしれませんね。

投稿: nagi | 2017年3月15日 (水) 11時30分

nagiさん、sageさん、下っ端さん、コメントありがとうございました。

新規記事は久しぶりに「言葉の重さ」について取り上げてみるつもりです。ぜひ、また訪問いただければ幸いですので、よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2017年3月18日 (土) 21時13分

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