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2016年12月11日 (日)

SNSが普及した結果… Part2

かなり前に「一期一会」と当ブログについて語ったことがありますが、初めて当ブログを訪れてくださった方々からもご理解いただけるような記事内容の投稿に極力努めています。要するになるべく1回ごとに完結した内容であることを基本としています。とは言え、すべてその通りに至っている訳でもありません。極端な話として毎回同じような内容を繰り返した場合、今度は常連の皆さんに飽きられてしまいます。したがって、関連した内容の説明には以前投稿した記事のリンクをはるように心がけています。

もちろんリンク先の記事まで目を通される方のほうが少ないはずであり、リンク先を参照しなくても当該記事の論点は概ね伝わるような文章を綴っているつもりです。詳しい説明や私自身の問題意識に興味を示された方がリンク先の記事にも触れていただければ幸いだと考え、参考までに以前の記事を紹介することが多くなっています。例えば前回記事「SNSが普及した結果…」の中では、基本的な視点や立場が異なる方々との「溝」を埋めることの難しさも痛感しているため、分かり合えなくてもいろいろな「答え」を認め合うことの大切さに思いを巡らすようになっています、と記していました。

しかし、いまさらですがさんには残念ながら分かり合えなくてもいろいろな「答え」を認め合うという主旨や私自身の問題意識が適切に伝わらず、「許し難いのはこの一節」「これが最終結論だとしたらこんな悲しいやり取りはありません」と強い憤りと批判を受けてしまいました。もしかしたらリンク先の記事内容もご覧になった上での批判だとしたら、それこそ決定的な「溝」が存在することになりますが、「認め合う」イコール「その考え方を肯定や賛同する」という主旨ではありません。

当ブログでは「正解」と「答え」という言葉を使い分けています。試験の答案用紙を前にして、それぞれ「答え」を書き込みます。ただし、自信を持って書き込んだ「答え」が必ずしも「正解」とは限りません。普通に考えれば皆の「答え」が一致し、間違いようのない問題もあろうかと思います。問題の性格によっては複数の「正解」が存在する場合もあるのかも知れません。ここで述べたい点は、人によって「答え」は様々に異なり、自信を持っていた「答え」も「正解」ではない可能性があるという現状でした。

上記はリンク先の記事内容の一文です。ほぼ全文を掲げなければ正確な主旨が伝わらない心配もありますが、今回の記事の題材は別にもあるため要点のみ改めて説明させていただきます。私自身も異なる「答え」を持った方々が激論することを否定していません。いまさらですがさんの「違うからこそ、議論の価値がある」という考え方もまったくその通りだと思います。「明らかに考え方として無理のある主張が含まれている時、他人の主張を受け入れた上で【主張を修正】する必要があると感じています」という指摘もその通りです。

大きな誤解は「お互いが、差異を共有することが大切なのではなく」という点でした。分かり合えなくても、その後に続く言葉に関連する話ですが、差異を共有すべきという主旨ではなく、相手側の言い分にも耳を傾ける、考え方が異なるからと言って相手を敵視しない、いがみ合わない関係性を築いていくことの大切さを提起しています。分かりやすい具体的な事例として、国と国との関係、とりわけ領土問題の交渉があげられます。

お互いが正当性を主張し、「領土問題は存在しない」という立場だった場合、解決の糸口は閉ざされたままとなります。相手側の主張の是非を横に置いた上、相手側の主張や言い分に耳を傾けるからこそ外交交渉が成り立つはずです。したたかな思惑や戦略が織り交じった交渉だったとしても話し合いを否定した場合、最後は武力と武力のぶつかり合いで決着をはかることになりかねません。

話を大きくしすぎて逆に分かりにくくしていたら申し訳ありません。言うまでもありませんが、いくつもの「答え」が飛び交い、議論が紛糾していたとしても一つの結論を出さなければならない場面が多いことも確かです。それに対し、このブログの場では一つの結論を見出す場だと考えず、異なる「答え」の相手を「なるほど、そのような見方もあったのか」とうならせるような「言葉の競い合い」が高まることを切望しています。

そのようなやり取りを通し、少しでもお互いが影響し合えるのかどうか、さらに【主張を修正】する必要があると認めた場合は他人の主張を率直に受け入れていくのかどうか、個々人の受けとめ方に委ねる関係性だろうと思っています。このように言葉を付け加えてきましたが、いまさらですがさんから納得いただける説明に至ったかどうか分かりません。もしリンク先の記事をまだご覧になっていなかった場合、お時間等が許される際、合わせてご参照いただければ幸いです。

ここまでで相当な長さの新規記事となっています。今回は迷わず最初から前回記事「SNSが普及した結果…」の続きに位置付け、記事タイトルに「Part2」を付けて書き進めています。これから記すことも、いつもお伝えしている説明の一つです。このブログは週に1回、土曜か日曜に更新しています。2012年春頃からコメント欄への対応も週末に限らせていただいています。このペースが実生活に過度な負担をかけず、長く続けることができているブログとの距離感だと思っています。

以前は一つの記事に寄せられるコメントの数が100を超えることも珍しくありませんでした。それに対し、平日の夜、必ず私から一つ一つレスするように努めていました。労力的な負担よりも前述したような事情、基本的な視点や立場が異なる方々との「溝」を埋めることの難しさを痛感し、現在のようなブログとの距離感に繋がっていました。そのため、たいへん恐縮ながらコメント欄での問いかけに対し、言葉が不足しがちなコメント欄ではなく、じっくり腰を落ち着けて臨める記事本文で対応するようになっていました。

基本的に一問一答に至らない場であることをご理解ご容赦願っていますが、前回記事のコメント欄に寄せられた「管理人さんも記事だけで対応していては、理解は得られないですよ。私も、現実から逃げているだけと感じてしまいます」という下っ端さんからの言葉は悩ましいものがありました。いずれにしても最近のコメント欄では民進党に対する批判や不満を示すご意見やご指摘が目立っているため、必ず近いうちに民進党に関するブログ記事を投稿する予定です。

今回の記事では引き続き前回記事「SNSが普及した結果…」に寄せられたコメントを踏まえ、気になった点を補足させていただきます。す33さんから「”偏向報道””報道しない自由”と言う言葉を聴いたことないですか?」という問いかけがありました。もちろん耳にしています。マスメディアの報道の仕方を批判する言葉ですが、いわゆる左や右それぞれの立場の方々から発せられています。

だからこそ意識的に幅広く、多様な情報や考え方にアクセスしていくことが重要です。そのツールとしてインターネットがあり、SNSの活用が手軽な時代となっています。しかしながら一方で、nagiさんも指摘しているとおりネットで得られる情報には信用性の問題が常に付きまといます。つい最近、DeNAの医療情報サイトの問題が発覚していました。掲載する記事の品質を担保する仕組みがなく、誤った内容の記事の掲載を防ぐことができなかったという問題です。

このような問題に留意していくと、SNSが普及した結果、誤った情報のもとに物事を評価されている方々も多いような気がしてきます。加えて、前回の記事で紹介した田中優子さんの「人は自分と同じ意見や感性にしかアクセスしなくなった。異なる立場の人々の意見と接する機会がなくなり、人々は極端な意見をもつようになっている」という指摘が重なるため、いっそう「願望」という調味料集団心理のデメリットに拍車がかかっている時代なのかも知れません。

先日放映された『NEWS23』で「ポスト真実」という言葉を取り上げていました。イギリスのオックスフォード辞書が今年の言葉に「post-truth(ポスト真実)」を選びました。オックスフォード辞書によると、客観的事実よりも感情的な訴えかけが世論形成に大きな影響を与える状況を示す形容詞であり、イギリスのEU離脱とアメリカの大統領選を反映した選択だと言われています。トランプ氏の発言は約7割がウソだったのにも関わらず、「真実のように感じられる」事実無根の主張が支持を広げ、エリート権力に立ち向かう意思の表れだと解釈されていました。

番組のまとめとして、インターネットなしの生活はあり得ないため、ますます情報の受け手側のリテラシーを鍛えていくことが必要だと解説されていました。本当にその通りであり、マスメディアやSNSの特性や難点を的確に理解した上、一つの経路からの情報だけを鵜呑みせず、意識的に幅広く多面的な情報に触れていくことが強く求められています。より望ましく、より正しい「答え」を見出すためには欠かせない心構えだろうと考えています。

ちなみに当ブログの発信内容自体が多様な立場のものではなく、読み手の印象によっては偏っているように受け取られているはずです。あくまでもSNS全体の中で無数にあるサイトの一つとして、多様な情報や主張の一角を発信しているつもりです。その上で当ブログが「異なる立場の人々の意見と接する機会」に少しでも繋がることを願っています。そのため、LITERAや『日刊ゲンダイ』の記事をあまりご覧にならないのだろうと思われる方々に対し、このような見方もあるという紹介を意識的に行なっていることも付け加えさせていただきます。

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コメント

いわゆる、左や右という話ではないのです。

私は昔から朝日新聞を取っています。その一方で、読売新聞の社説もネットで目を通すようにしています。

まぁ、どっちもどっちだな・・・・というのが正直な感想ですが(笑)

沖縄、改憲、原発、年金、PKO、カジノ法などなど、最近両極端な意見が飛び交っていますが、結局、賛成派はいいことしか言わないし、反対派は悪いことしか言わない。

年金を例にすれば、高齢者の生活が破たんする。
それならば、下げない方法を考えるしかない。
下げないためには、財源を確保しなくてはならない。

では、その財源をどう確保するの?
この点に対しての議論が、どこからも出てこないのですよ。

年金負担額をさらに引き上げる?
現役世帯の負担増に対して、理解が得られるの?
現役世帯が同じくらい、年金を受け取れるの?

税で負担するため、消費税でも上げる?
増税の理解が得られるの?
どれくらい上げないと、賄えないの?

年金がこのままでは破たんするなら、支給を下げるか、支払いを上げるか。どちらかしかないのですよ。

で、民進党にしても、反対派の新聞にしても、高齢者の生活が破たんする、年金カット法案だと言うだけで、根本的な改善策を出さない。

どちらにしても、国民の負担増は絶対に避けられないはず。
ならば、カットカットと騒ぐだけではなく、年金制度を維持するには、世代ごとの負担増をしっかり示し、そこで初めて議論すべきなのに、それをやらない。

年金だけではなく、ほかの全てもそう。
IR法だって、本当にギャンブル依存症が問題なのであれば、パチンコにメスを入れなければ解決しないでしょう。

そもそも、ギャンブルを反対なのであれば、いつ法整備ができるかは別として、方向性としてしっかり示さないと。

宝くじ→OK
競馬、競輪、競艇→△
パチンコ、パチスロ→×

依存症の話をするなら、ちゃんとしてください。

自民党の肩を持つ気はありませんが、与党として行動はしています。
やはり民進党に必要なのは、方向性を示し、行動することではないでしょうか?

投稿: 下っ端 | 2016年12月11日 (日) 13時05分

下っ端さん、コメントありがとうございました。

今回の記事本文に記したとおり民進党に関する内容について、近いうちに投稿させていただくつもりです。コメント欄で即応するというご期待に沿えませんが、ご容赦くださるようよろしくお願いします。

投稿: OTSU  | 2016年12月11日 (日) 21時36分

日曜日の朝日新聞に「日曜に想う」というコラムがあり
ますが、11日版の内容がとても印象深くお勧めしたいですね。
このコラムに出てくるような政治家を国民は望んでいるのでしょう。

投稿: nagi | 2016年12月12日 (月) 08時48分

日本にギャンブルはないと聞かされて、来日した外国人は、パチンコ店を見て「カジノ?」と思うそうです。

カジノ法案の歴史から言えば、10年以上前と記憶していますが、議論になり、期限切れ廃案だの、継続審議でずっと国会内ではくすぶっていた法案ではあるんです。

パチンコ店が大規模化・・・地方都市ではこの傾向が進みすぎて淘汰現象が起きていますが・・・するだけの話なのかなぁと。

少数例外はあったとしても、パチンコ店の改装でコンテンツが増えるようなことくらいにしかならないと見ています。

いずれにせよ、左から右へお金が流れるだけで、マージンが発生し、誰かのポケットに入る仕組みは、金融サービスと非常に似ているところがあります。

もう、いい加減、国会の審議を終わりにしたらいかがですか。強行採決反対だのとんでもない。ずーっと議論してきた結果がこれですから。

投稿: でりしゃすぱんだ | 2016年12月12日 (月) 12時09分

こんばんは。
IR法案の民進党の対応見ていると爆笑ですね。

投稿: す33 | 2016年12月14日 (水) 21時56分

nagiさん、でりしゃすぱんださん、す33さん、コメントありがとうございました。

今週末に投稿する新規記事は民進党に関する内容を予定しています。ぜひ、引き続きご注目いただければ幸いですのでよろしくお願いします。

投稿: OTSU  | 2016年12月17日 (土) 08時39分

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